2016/06/19 のログ
ご案内:「落第街大通り」に魔王バラルさんが現れました。
魔王バラル >  
  
 落第街の大通り、その路のど真ん中。
 ――不適に腕を組み、口元を釣り上げる少女。
 夜空の見上げ、口を開く。

「――時は来た。
 星座占い一位。血液型占い一位。貯金十分。
 程よくざわめき、程よく平和な現状――」

 抑えきれぬ高揚が悪魔めいた笑みとなって零れる。
 感情に身を任せ、両手を大きく広げたポーズを取った。

「―――なんて、絶好の世界征服日和!」

 
 
 

魔王バラル >  
「くく、潜り込んだ当初は公安と風紀とその他でいがみ合っていたから様子を見た。 
 ――そんなカオスは私が支配するに相応しくない。」

 あーやだと言わんばかりに、両手を横にふる。
 本当に厭そうな顔ではあるだろう。
 
 尚。落第街のど真ん中で格好付けて居る為、注目は――
 ――それほどでも無い。"変な奴がいるなぁ"程度にしかみられていないだろう。
 ……今は、且つ、かもしれない。の話ではあるが。

 

ご案内:「落第街大通り」にエアルイさんが現れました。
魔王バラル >  
 ――それは傍若無人な振る舞いに苛立ったのだろう。
 スキンヘッドにアイバッチ、極め付けには改造制服を着込んだ学生らしき男性が近づく。
 正規の学生であるかどうかは定かではない。

 いずれにせよその男性は少女の襟首を掴むのだが。

「何? 今機嫌が良いんだけど? 邪魔するの?」

 ――少女が闇色の靄を灯した爪を少し横に動かせば、男性の首は容易く胴体と別れる。
 転がった頭に足を乗っければ、思い切って踏み抜いた。

 

エアルイ > 魔王バラルが落第街のど真ん中で格好をつけているその姿を、
キラキラと――否。爛々と輝く瞳で見つめる影があった。

「――そこのお前ーーー!!!!!!」

見つめるだけでは我慢できずに思わず声をかけていた。

だだだだと駆け寄り――その過程で、胴体と泣き別れをして、
哀れ踏みにじられた男性生徒の頭だった物に、僅かに首を傾げつつも、目の前の少女の前に立つ。

魔王バラル > 「っ、何!?」

 いきなり叫ばれれば、びくぅん! と、背筋を伸ばす魔王バラル。

 爛々とした意識を向けられる事は予想外だったのだろう。
 少々の隙を曝してしまったか。

 気を取り直してから向き直り、頭のない男子生徒の亡骸は再利用するつもりなのでどかしておく。

「で、貴方誰?邪魔する気?」

 よく眺めれば"それ"の切断面には闇色の靄が掛かり、血が出ていない事が伺える。
 頭部そのものは無残な事になっているが――。

  

エアルイ > 「えーと、えーと」

目前に立ち、黄眼でマジマジと少女の紫瞳を覗き込む。

頭突きでもしようかというほどに顔を近づけてきており、
正直うっとおしい上に豊かなふたつのふくらみが無遠慮にもにょもにょと触れてくるだろう。
合羽の下がどうなっているかは不明だが、
柔らかい割には部分的には何やら硬い感触も伝わってくる。

「邪魔? 邪魔はする気はないぞ?」

首を傾げるようにして、その場でにへーっと笑みを浮かべる。

頭部を失った死体にも、その斬痕にも興味は無い――
この島の此処では、やったらやり返されるものだと学んだのだ。

それよりも、重要なことを聞かなければならない。

「なな、世界征服って、どうやるんだ!!?」

爛々と輝く瞳とブンブンと揺れる尾が、その言葉に嘘偽りが無いことを示しているだろう。
あまりの声の大きさに、少々耳が痛いかもしれないが

魔王バラル > 「そ、そう。」

 無垢なる黄眼が少女に注ぐ。
 近すぎる上に眩しいものであったのか、エアルイの全身を一望する。
 角付きの種族であることは分かったのと、堅い何かが衣の内にあることが分かる。
 そのように考えていたら、予想だにしない問いが飛んできた。

「――へ?」

 思わず間の抜けた声で聞き返す。世界征服の方法。
 迷い込んだ無辜の子供か何かだろう。
 そう認識すれば、大して考え込まず答えを返す。

「簡単に言えばテッペンに立つ事。
 ……何でそんな事聞くのかしら? 此処は危ないわよ?」

エアルイ > 「そうそう、世界征服の方法!!」

頷くたびに、がっくんがっくん頭が揺れて大きな角が目の前に迫る。至近距離であることを考えればかなり危険な動きだ。
やっている本人はその事実にも、
さらには魔王バラルが自分を見る目がなんだか大人が小さな子どもを見る様な物になっていることにも気づけない。

「だって、世界征服って凄い作戦をねるとか、
 正義の味方の裏をかいて悪の秘密基地をつくるとか、
 ちょーちょーばっしの心理戦とか、
 世界は全て私の作戦の上……とかするんだろ!!
 かっこいいぞ!!」

危ないという言葉は耳にはいっていないのか、目の輝きがキラッキラしている。
ふんすーという息遣いが聞こえてきてしまうだろう――その吐息が、どことなく焦げ臭く感じられるかもしれない。

魔王バラル >  
「ふふん、勿論そうよ。そうですとも!
 そんなことをするのが世界征服。格好いいでしょう?
 貴方も世界征服したかったら、私のライバルね。」

 気を良くしたのか合わせているのか。
 自慢げに胸を張って語ってみせてから、びしっ! と、エアルイを指さしてカッコよく告げてみせる。
 裏の苦労を語る素振りはない。

 その途中、焦げた様な匂いが漂っている事に気付いた。

(焦げた匂い?)

 有角。豊満そうな柔らかさに混じった硬い何か。
 折角だから問うてみよう。

「……貴方、ドラゴンさん?」

エアルイ > 「カッコいいな!! カッコいいな!!」

こちらを指さす魔王の姿に、何故かばんざーいをして応える。

周囲の雰囲気が一歩、いや十歩以上引いたものになっているかもしれないが、
幸か不幸かそれを気にする繊細な神経は持ち合わせていないようだ。

「俺は世界征服は出来ないから、ライバルにはなれないなー」

世界を征服するのは『選ばれた存在』しかやってはいけないらしい。魔王とかいうののとか、凄い科学者とか、覇王とかそういうの。
自分は違うからなーと少し残念になりつつ、それを頭の横に避ける。それよりも大事なことはたくさんあるのだ。
前向きにいけって本で読んだことある。大事大事。

「……ん? ドラゴンだぞ?」

首を傾げつつ、エアルイは少女の前から一歩引く。
両手を上げて胸をふるんと揺らしつつ、
頭上の角をペタペタ触ってどらごんだぞーとアピールをしている。

少なくとも、威厳とか風格というものは、そこには無い。
僅かにドラゴンと思える空気はある、かも、しれない。

魔王バラル > 「ならないの」

 あっさりと否定されたのもあり、指の行先に悩む。
 こっそり降ろしてポーズも戻した。
 周囲が凄い勢いで引いているのは把握しつつあるが、放っておく。

「珍しいわねえ……まあいいわ。
 私は魔王バラル。所で、どうしてこんな所に居るの?」
 
 珍しい事もあるし、ここの住人にしては妙に危うい純粋さだ。
 一応、名前程度は確保しておこう。細やかな情報収集も魔王の務めだ。 
 

エアルイ > 「ならないんだ」

こくこくと頷く。
それに憧れているのは世界征服するヤツじゃなくて
世界征服に必要な作戦を考えるヤツなのだ。
あれ、でも世界征服するヤツが作戦を考えるから……?

「……ん、あむ。魔王バラルか! 私はエアルイだぞ!!
 此処にはあっちから来たんだ」

迷子になりかけていた思考が、かけられた言葉に引き戻される。
黄色い瞳と合羽から覗く指が指し示すのは落第街の路地裏であり――
もしも情報を調べているなら、先日そこで騒ぎがあったことに気づけるかもしれない。

魔王バラル > 「エアルイ ?」

 大きな声で上手く聞き取れなかったのか、尋ね返した。
 ……路地裏の方角を指示されれば、少し前の記憶をたどる。
 何時もの事でもあるが、騒ぎがあったような。

「路地裏じゃない。おうちがそこにあるの?
 でも大変ねぇ。ここからだと学校に通うのは大変でしょうに。」

 学園そのものを知らない可能性も多いにある。
 とは言え直接聞くのも野暮は話と考えたのだろう。
 同情しつつ、遠まわしに探ってみせた。

エアルイ > 「エアルイ!!」

にかーっと笑みを浮かべて頷く。
またしても大きい声だが、今度はなんとか聞き取れるかもしれない。

「んむ。んむ?
 ……おうちは違うぞ!! おうちはまだ決めてないんだ!
 今はこの島を探検してるんだ!! 
 ここが一番端っこだったから、ここから真っ直ぐ行ったら 
 端っこに行くまでに色々いけるからな!!」

そう言って、合羽の懐から常世島の地図を――
入学時に貰えるパンフレットの一部を取り出し、広げてみせる。
それの上で動く指の動きを見れば、どうも島の端を適当に決めてそこから真っ直ぐに突き進んでいることが分かる。
ほぼ円形の常世島で、探検の始点が落第街というのは、運がいいのか悪いのか判断に悩むところだろう。

「学校には時々いってるぞ!! 
 授業はむつかしいけど行くのは簡単だぞ!!」

毎日行くのは宿題が終らなくて出来ないのだ。
提出期限を過ぎている段階でどうかという意見もあるだろうが