2016/07/26 のログ
■寄月 秋輝 >
「本日も平和、ということですか。喜ばしいですね」
小さく頷くが。
ちょっとだけ目を逸らした。
「あぁ、はい……まぁ、ちょっとだけ。
風紀委員を通さずに、個人的に調査したいことがあって……」
メグミ相手にウソをついても仕方がない。
そう思って正直に言った。
とはいえ、自分の敵がもしかしたら来ているかもしれないこと、その詳細については語らず。
■メグミ >
「……そうですか。」
一瞬だけ睨みを効かせたものの、それは直ぐに失せて何時も通りの表情を見せる。
気に掛かるが、濁した以上踏み入る事の出来ないものだ。
……何か悪事を起こすのならばその時はその時で、その際にはこのやり取りは残せるものとなる。
故に対して追求はせず。
厳しくもないが甘くもない。確かな打算だ。
■寄月 秋輝 >
「申し訳ありません。
あなたも含め、風紀委員の方々を巻き込みたくないので……」
何かが起きたとしても、の話である。
仮にアレとの戦いになったとすれば、そう甘くもないかもしれないが。
「……まだ巡視を続けるのなら、近くに待機していますよ。
僕も今日の調査は終わりにしますので」
■メグミ >
「今回は聞かなかった事にしておきましょう。
……そう言われると、場合によっては"貴方ごと"討伐しないとならないので。」
釘を刺す意味でも警告を送る。
大分盛ったが、自分の経験も省みれば強めに言い放つだろう。
「ありがとうございます。
ですが私でしたら一人でもどうにかなりますので、他の方を。
時間的に一人か二人ぐらい、別の風紀委員も警邏していると思いますから……」
■寄月 秋輝 >
「大丈夫ですよ、ここを巻き込むようなことはしないつもりです。
いえ……『ヤツ』を討伐するとなれば、僕の命は消費しきった後でしょうから。
『僕ごと』なんて考えなくても、僕の首は簡単に落とせますよ」
微笑んで、首をとんとんと叩いてみせた。
自虐でもなんでもなく、それは事実になるだろうと思っている。
「ふむ、わかりました。
ではメグミさんも、十分にお気をつけて。
一応上空から、このあたりも見ておきますので」
ではまた学校で、と囁き、空へ浮かぶ。
偏光迷彩を纏って、上昇していった。
■メグミ > 「ええ。また」
……飛び去った彼を見送る。
「そのようなことをさせないのも、風紀委員の役目でしょうに。」
そうならない為にもそうする。
……決して討滅ではないものの、ニュアンスのずれを覚えれば小さく首を振る。
自分だって人の事は言えないが、言えない故に体験談の説教を叩き付けたくもなる。
とは言え気付けば飛び去ってしまっていた故に付け加えることは無かった。
大きく溜息を付いた後、再び歩みを進めて去った。
ご案内:「落第街大通り」からメグミさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から寄月 秋輝さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に竹村浩二さんが現れました。
■竹村浩二 > 煙草を吸いながら不機嫌そうに男が歩く。
落第街大通りを、フラフラと。
「チッ、さっきのパチンコおかしいだろ…」
「あの信頼度のリーチで外すとか遠隔だ遠隔」
男はクズだった。
独り言がもう、クズだった。
■竹村浩二 >
「面白ぇことねぇかなぁ……ねぇだろうなぁ…」
「全く、つまんねぇなぁ…………」
煙草の灰を携帯灰皿に落とすと、再び咥えた煙草から煙を肺腑に送り込む。
鼻から紫煙を吹いて、男は落第街をぶらつく。
その時。
野良犬の尻尾を踏んだ。
いかにもこの辺りで有名な猛犬です、という風体の獰猛そうな犬の。
「あ」
悪いことは続かない?
誰が言ったか知らないが、人生を知らないやつの妄言だ。
弱り目に祟り目。人生ってのは大抵こんなもんだ。
■竹村浩二 >
犬が凄まじい表情で睨んでくる。
冷や汗が背筋を流れるのを感じながら、後退りをした。
「その……素敵な踏み心地の尻尾だな?」
「きっとアンタも素晴らしい毛並みをお持ちだ、いよっ日本一」
「いかにも狷介の士ってな感じの顔立ち、名だたる侍もかくや!」
犬をヨイショしながら半泣きで後退する。
その分、ジリジリと距離を詰めてくる犬。
「ご……」
背中を向けて全力疾走。
煙草を落としそうになって慌てて両手でお手玉。
「ごめんなさああああああああい!!」
後ろから吼えながら走ってくる犬。
■竹村浩二 >
俺の名前は竹村浩二。
首から上は一級品。
首から下はって? 聞いてくれるな。
ぜいぜいと息を切らしながら落第街を全力疾走中。
頑張れ26歳の肉体。まだ若い。このクソッタレの犬コロから逃げ切れる。
そう信じた。
■竹村浩二 >
目の前に壁が見えた。
大ピンチかって? いいや大チャンスだ。
何せ、壁が低い。這い上がれないこともない。
その場に煙草を吹き捨てると俺は顔を真っ赤にして壁に飛びついた。
「くぬおおおおおおおおぉぉぉ!!!」
壁を半ば以上駆け上がり、必死に壁を越えて後ろから追いすがる犬から逃げ切る。
「ヘヘッ この野郎! 人間を舐めるなよファッキンお犬様よぉ!!」
逃げ切れると途端にこの態度。
■竹村浩二 >
壁を越えて着地。
なんて清々しい青空だろう。
世界が輝いて見える。
煙草を取り出して百円ライターで火をつける。
神様、あんたが作ったこの広大な大地は美に満ちてい
あれ。
気がつけば4人程度の不良の群れ、その真っ只中に着地していた。
神様のクソ野郎。
■竹村浩二 >
全身にじっとりと汗をかく。
そして指先をくりくりと動かしながら剽軽に小首を傾げ。
「あら皆さんお集まりで。ボンジュール、アンシャンテ?」
そのままそそくさと立ち去ろうとしながら。
「オ・ルヴォワール(それではまたの機会に)」
煙草を咥えたまま泥棒のようにそろそろと爪先立ちで逃げる。
■竹村浩二 >
去ろうとした肩をがっしりと掴まれて、屈強な男が厳つい顔を歪めた。
『なんだお前、上から降ってきてよお』
振り返りながら笑顔で応対する。
「いえいえ旦那ァ、梅雨明けの時期に男が降ってくるくらい普通、普通ですゼ」
揉み手すり手で人懐っこさアピールする26歳。
「ああ、急用を思い出した! さっきカミさんが産気づいた上に兄貴が盲腸でお袋が脚気に親父が水虫で同じ病院に担ぎこまれてさぁ!」
「それじゃー俺、行ってくるよ、君なんて名前? サトシ? じゃあ男の子が生まれたらサトシだな、んじゃ!!」
首根っこを掴まれて逃げようとした足は空回り。
『お前うちの用務員の竹村だろ、独身じゃねぇか』
「バレた?」
あとはリンチを覚悟するだけ。
■竹村浩二 >
サトシ君にぶん殴られて血と一緒に煙草が口の端から落ちた。
『ふざけんな手前ぇ!!』
『何逃げようとしてんだオラッ!!』
『目障りなんだよボケェ!!』
『フカシこいてんじゃねぇぞ!!』
そのまま袋叩きに遭う。
あーあ。これだよ。
人生ってやつは本当にロクでもない。
口の中に血と土の味が広がる。
何度目だろうと慣れるわけがねぇ。
ご案内:「落第街大通り」に龍宮 鋼さんが現れました。
■龍宮 鋼 > (声が聞こえた。
この街では良く聞くケンカの声だ。
気品の欠片も無い、ただただ下品で騒がしい、一番好きな声。
満面の笑みを顔に貼り付けて、見つけた乱闘騒ぎに近寄っていく。
火に群がる虫のように。)
――楽しそうなことしてんじゃねェかよ。
俺も混ぜてくれや。
■竹村浩二 >
サトシ君ご一行が現れた少女の言葉を聞いて顔を見合わせる。
鼻で笑って手で追い払う仕草をした。
『なんだ手前ぇ、見世物じゃねぇぞ』
『いじめなら手、足りてっからよ』
『それとも俺らと五人で混ざり合いたいわけ?』
『ギャハハ、俺おまえらと一緒にヤりたくねぇよ!』
四人が好き勝手言いながら竹村を蹴り転がした。
頭が切れたのか、血が流れて右目に入る。
左目は瞼が青く膨れ上がっているので、自分の血で充血した右目で少女を見るのだが。
紅く。紅く見えた。彼女の瞳が、紅く。
■龍宮 鋼 > (彼らの足元を見れば、血を流して地面を転がっている男の姿。
顔から笑みを引っ込め、詰まらなさそうな目でそれを眺める。
小さく舌打ち。)
たく、弱ぇ癖にこんなとこウロウロしてんじゃねぇよ羽虫が。
(彼らの言葉を無視して歩を進める。
弱いヤツは嫌いだ。
その強さは別に腕っ節には限らないのだけれど、この街を歩く資格の一つにはそれがある。
他には策略を張り巡らせるとか、シンプルに財の暴力なんかもあるのだけれど、この男にはどれも備わっていないように見えた。)
ケンカだと思ってきてみりゃめんどくせぇ。
弱ぇヤツが弱ぇヤツで遊んでるだけじゃねぇか。
(繰り返し言うが、龍宮鋼は弱いやつが嫌いである。
ケンカが弱い、財力も無い、誰かと比べて突出した何かがあるわけでもない。
だから龍宮鋼はそう言う奴らを相手にしない。
なぜなら、)
――ヒーローごっこなんざ柄じゃねぇっつうんだよ。
(力は弱いヤツへ誇示するものではなく、強いヤツと楽しむためのものであると言う信念があるからだ。
それを見せ付けるように、とりあえず一番近い不良へとノーモーションの右フック。
まともに喰らえば横の壁へと顔面から叩きつけられるほど威力のあるヤツだ。)
■竹村浩二 >
返す言葉もない。
今の自分は羽虫だ。それも、翅をもがれてアリに集られている。
転がったまま財布を守っていた両手で額の血を拭い、血と土の混じった口の中の何かを吐き出した。
右フックが不良の一人を壁にめり込ませる。
並の膂力ではこうはなるまい。
同情するわけではないが歯の治療が大変そうだな、と竹村はのん気に考えた。
『な、なんだこいつ!?』
『近接強化型の異能かぁ!!』
『こ……こいつ、ここらへんで最近ハバをきかせてるアイツじゃねぇのか…!』
残った不良三人がバラバラにバタフライナイフ、砂鉄の入ったグローブ、鉄パイプで武装する。
そして目でタイミングを合わせて一斉に少女に襲い掛かった。