2016/08/25 のログ
ご案内:「落第街大通り」に水月エニィさんが現れました。
水月エニィ >  
 例え証拠なんかなくたって、
 水月エニィは確かに居たんだ。

「あー……」

 目を覚ます。

 砂の詰まった廃コンテナの中から身体を起こす。
 払える汚れを振り払ってから、そこから飛び出た。

「ひっさびさにツイいてないわね……。」

 なんてことはない。
 歓楽街で柄の悪いものに絡まれただけだ。
 その後の事はどうにも思い出せないものの、もちものは殆ど減っていない。
 ダミーの財布が1個無くなっている程度だ。

(割かし無事な方ね。)

 思い出したくないものは仕方がない。
 ふと嗅いでみれば少し匂う。やや汚れていて。

水月エニィ >  
 
「……前なら気にしなかったでしょうけれど。」
 
 その言葉を吐き出す事にためらいを覚えた。
 きっと、少し夢見が悪かっただけだろう。
 統合されてなくなった。だからと言ってこの想いまで消えるものじゃない。

 あてもなくふらふらと歩く。
 ……どうにも頭が重い。
 

ご案内:「落第街大通り」に虞淵さんが現れました。
虞淵 > 「へぇ、ガキが一人でこんな場所をお散歩かい」

大通りの路肩、そこにいつからいたのか
まるで気配を感じさせない大男が一人、立ってそちらを見ている

水月エニィ > 「……、ッ」

 声に振り向いた先には大男。
 呆けていたか? いや、それにしたってこれに気付けないとは思えない。思えないが気付かなかった。
 圧倒的な体躯の差に圧されそうになるが、踏み止まる。

「貴方程大きい人から見れば誰だってガキに見えそうね。
 ……だったらなんだって言うのよ。」

 少しだけ気を立てて、言い放つ。
 

虞淵 > 「そう噛みつく言い方をするなよ」

クク、と喉をを鳴らして笑う

「お前みたいなのが独りで歩いてンのは珍しいトコなんでな。
 タダ者か、そうじゃねェのかが気になっただけだぜ」

眼光鋭く、エニィを見据える

水月エニィ >  
「噛み付かない理由がないわよ。」

 苛立たしげに言い放つ。
 誰だかは知らない。知らなくとも圧倒的な存在である事は分かる。
 だけど、それは噛み付かない理由にはならない。

 一度乗り切ってしまえば怯む素振りはない。
 エンジンが掛かって来たと言わんばかりに更に粗く言い放つ。

「はっ、ならば御随意に見定めれば良いじゃない。
 自己紹介が欲しいならするけれど、要るかいら?」

 体躯には恵まれている。
 整った服は汚れていて、新しい傷が少し見える。妙な事に古傷の類ははない。
 性格通りに気配も濃い。言い換えるのなら煮えている。
 
 

虞淵 > 「では、ご紹介願えるかい?お嬢サマ?」

一悶着あったであろう出で立ちの少女
その姿を見下ろしながら、
笑みを浮かべたまま仰々しい紳士のような一礼を送る

随分と強気な少女、状況的に楽しげに感じているのだろう

ご案内:「落第街大通り」に龍宮 鋼さんが現れました。
水月エニィ >  
「……意外と礼儀正しいのね。余裕かしら?」

 間を置いて一言零し。

「一年の水月エニィ。はっきりと名乗れば"負け犬"よ。
 ……だからと言ってつまんない説教垂れたり舐めたりするなら噛み付くわよ。
 そう言う奴らは大っ嫌い。」
 
 はっきり名乗り、自嘲し、悪態を付く。
 煮えたぎった怨嗟が何かを引き寄せ、空気を冷やす。
 
 

龍宮 鋼 >  
(たまたま歩いていただけだった。
 どこかに行こうと言うつもりはなく、ケンカの相手を探していたわけでもなく。
 ただ、家に篭っている気分ではなく、散歩のつもりで大通りをぶらぶらしていただけだった。
 まさか、ただそれだけで。)

――見付けたァ……!

(探していた人物に出会えるなんて。
 会った事は無い。
 見たことも無い。
 それでも、話には聞いていた。
 こんな人間とは思えない体格の人間が、そう何人も居るわけが無い。
 ちょうど少女を挟んで男の反対側。
 男とは逆に、大きな圧力のような気配を漲らせて。
 鋼の龍人がそこに立っている。)

虞淵 > 「そう見えるならそうじゃねェか?」

余裕かと零されれば否定はせずにそう曰う

「随分と卑屈なヤツだな。
 そんなヤツが何のようで落第街にいたのか知らねェが、
 だったらだったでフラフラせずさっさと出るンだな。
 ロクな目にゃ合わねェぜ」

少女の悪態をするりと躱す
殴りあって楽しいかどうかの吟味は、相手の"質"による
強いだけでは、つまらない相手もいるからだ

「───で、こっちに比べてそっちァまた───」

苦笑する

「遊びたそうに疼いてやがんな」

水月エニィ >  
「はっ、こっちの水のが合っていたのよ。
 言われなくてもそうするつもり。だけれど。」

 闖入者へと視界を遣る。
 それと先の彼を見れば、苛立たしげに睨む。

「貴方達がいつもするように蔑ろにされるのはもっと嫌い。
 ……ふん、おっぱじめるなら水を差してやるわよ。

 お前たちなんて、纏めてかみ砕いてやる。」
  

龍宮 鋼 >  
(龍の血による膨大な魔力が抑えきれずに周囲に撒き散らされる。
 凶暴な笑みを浮かべながら、一歩踏み出して。)

なぁ、やろうぜ。
アンタ強ェんだろ、強ェんだろ、なぁ!
逃げねェよなァ。
こっちァもうスイッチ入っちまってんだよ、どっちかがぶっ壊れるまでトコトンやろうぜ、やるよな、やるだろなァオイ!!

(においでわかる。
 こいつは強い。
 鉄筋コンクリートの建物を素手で解体する。
 垂直跳びでビルを飛び越す。
 そんな話は腐るほど聞いてきたが、それらは決して大げさではないと自身の嗅覚が告げている。
 我慢出来ないと言った様子でわめき散らしながら、二歩三歩と距離を詰めていく。)

消えろ女ァ。
極上のメシ目の前にしてんだ、その辺の犬っコロのエサなんざ目障りなんだよ……!

(大男の姿しか目に入らない。
 少女の姿を無視するようにズンズンと歩み寄り、少女の肩に手を置いて横へ押しやるように力を込めた。
 邪魔をされようがなんだろうが、この男とケンカがしたい。
 頭の中はそれだけだ。)

水月エニィ > 「ッ、アァァッ!」

 執念めいた風が駆ける。
 龍宮の手は真っ向から受けるが、"びくともしない"。
 食いしばって堪えてしまえば龍宮に膝蹴りを返しつつ、右手で自身の上着をひっぺがした。

「お前たちは、何時もそうだ!
 何時だってそうやって、蔑ろに振り回す……!」

 激昂、苛烈。憤怒。
 堰が切れたかの如く激情を叩き込む。
 
「そんな奴らに噛み付いて、お前たちの流儀で勝ちたいと思って何が悪い――ッ!
 お前たちも、お前たちも! 受けてみろ……!」

虞淵 > 「ヤりたがり女とヒステリー女とか勘弁してくれよ」

二人の衝突に大仰に肩を竦め、炉端にどっかりと腰を降ろし、
タバコに火をつける

空は曇っている

龍宮 鋼 >  
そりゃあこっちのセリフだ。
アンタケンカ好きだろ。
相手しろよ。
ンなとこ座ってんじゃねェよ。
なぁ俺と遊ぼうぜオマエとしか出来ねェケンカさせてくれよなァ!

(押してもびくともしないどころか、膝で腹を打たれた。
 しかしびくともしないのはこちらも同じ。
 自身の足元の地面がズシリと小さく揺れ、彼女の膝には帰ってくるべき衝撃は帰ってこない。
 膝蹴りも動かない彼女も無視して、男へと叫び続ける。)

――テメェから首突っ込んどいて勝手なこと言ってんじゃねェよ。
イヤなら大人しく家帰ってクソして寝てろ、ボケ。

(しかし流石に近くで騒がれて、そこでやっと彼女を見た。
 つまらなさそうな顔と声で言って、片脚を上げて地面を踏みつける。 
 同時に軽く彼女の腹へと拳を当てようと腕を動かす。
 軽い動きだが、直撃すれば物理的には彼女の身体は吹き飛ばされるだろう衝撃が彼女の腹を襲うはずだ。)

水月エニィ >  
「ヒステリーで悪かったわね、伊達男ッ!」

 聞こえていたらしい。
 貶されるのは腹が立つが何時もの事"だった"。
 さっくりと二言返した後に真っ向から構える。

「"譲ってくださいお願いします。"
 そう言ってくれるなら今すぐにでも負けてあげるわ。
 もっとも、貴方のようなものに出来るならの話だけど……!」

 『地撃拳』

 龍宮 鋼が備える魔術に通ずる技術。
 水月エニィは当然そのようなことを知らないし、勢いから威力を読めば真っ向から受ける事を選択する。

 その上で発される衝撃は物理的に水月エニィを吹き飛ばすものとして十分なものではある。
 あるの、だが。

「こ、んなッ……もの!」

 腹に力を入れる。
 数歩摺るも堪え切った。
 法則を捻じ曲げる程の強引さ。まだ負けてない。まだ折れない。
 逸脱した執念で受けきってしまえば、上着を棍に見立てて扱う。

 右手から両手に。
 両手で持った上着を武器として繰り、棍足りえる薙撃を放った。
 

虞淵 > 「あー?」

煙草を吹かしながら殴りあってる女の子二人に応える

「他人の喧嘩から相手掻っ攫う趣味はねェーよ。
 やりてェんならさっさと俺の前に立てよヤりたがり女」

少しだるそうに耳を小指でぐりぐり

「(───とはいえ)」

あっちの女が随分とやる
俺の眼鏡も曇ったもんか、と内心苦笑する
一瞬で片付くかと思ってはいたのだが、面白い戦いになっている