2016/09/01 のログ
八百万 頼 >  
――ッ。

(衝撃を「貼り付けた」のは自身の掌。
 ある程度指向性のあるものとは言え、その衝撃を発した土台である掌や腕、肩は無事ではすまない。
 肩は外れ、腕には皹が入り、掌は砕けている。
 彼の目から見ても明らかであろうその怪我。
 その痛みを押し殺し、笑う。)

ホンッマ――イヤんなるほど頑丈やな、兄さん。

(右手に持つは警棒。
 スイッチを入れれば、打突部に電流が流れるタイプのものだ。
 やはりどこから取り出したかはっきりしない。
 吹き飛んだ彼へと走り寄り、振りかぶって叩き付ける。
 動きは素早く手馴れており、熟練と言っても差し支えない動き。
 だが、目で追えないほどと言う事ではないだろう。)

櫛鉈 蛟 > 「……成る程、ちゃんとリスクはある訳か。これだけじゃ八百万、お前の力は正直分からんが…」

その様子を見て成る程な、と一人ごちる。己の体質もそうだが、矢張り欠点…リスクはしっかりとある。それだけでも分かれば十分だ。

「頑丈さにはそれなりに自信あってなぁ。つか、おいおいヤる気満々かよ」

警棒を何処からともなく取り出した八百万を眺め苦笑。
だが、こちらの得物…腰の後ろに差した”ソレ”を使う素振りは見せず。
こちらへと素早く走り寄り、警棒を叩きつけて来た彼へと…自らも一歩、鋭く踏み出して間合いをゼロにせんと。
そこから無造作に左腕を頭の上に翳すようにして掲げ、低い姿勢で警棒の一撃を受け止める。
当然、かなりの電流が流れるが…痺れは確かにある。が、止まらない。

「キツいの一発イクぞー」

と、ニヤリと笑えば、電流で麻痺するどころか、むしろその状態からフリーの右手を拳へと変えて。
遠慮なくこのゼロ距離から彼の鳩尾目掛けて叩き込んで行かんと。

八百万 頼 >  
――ッチ。

(警棒を受け止められた。
 暴れ馬も一撃で動きを止めると言う触れ込みだったが、流石にそんなものとは比較にならないらしい。
 舌打ちをして警棒を手放し、次の得物を取り出そうとするが、彼の方が速かった。)

――っ、ぐ――!

(左手は使えない。
 当然、見事鳩尾に突き刺さる。
 背後へと吹き飛び、ゴミの山へと突っ込んだ。)

おー痛。
今日の朝食べたモン全部出るかと思たわ。

(またもや彼の背後から。
 そこは先ほどカードをばら撒いた地点。
 砕けた筈の左手で殴られた鳩尾の辺りを擦っているが、やはりダメージを受けた様子は無い。
 自身が突っ込んだ筈のゴミ山には突っ込んだ筈の自身の影も形も無い。)

保存して読み込む(セーブ&ロード)。
タネも仕掛けもあらしまへん。

(そう笑いながら口にして、両手を軽く広げて見せる。)

櫛鉈 蛟 > 「手応えあり……って、訳でもねぇかぁ。…参ったねーどうも」

鳩尾を捉えた感触。蛟の体術は完全な喧嘩殺法の延長だ。が、実戦経験はそれなりに豊富だ。
荒削りでありながら、だからこそ研ぎ澄まされた一撃。とはいえ…。

(また俺の背後に出た…そういう能力か?いや、そうじゃねぇな…)

「…成る程”仕込み”をしたのはそのせいか。と、なると埒があかねぇな」

その場から動かず、背後を振り向きもしないが…右手は既に、腰の後ろに差した一振りの短刀の柄を握っている。
面倒だから会話で収まればそれでいいが、一方的にやられるつもりは勿論無い。

「で、第二ラウンドやんのか?流石に落第街とはいえ、どっから風紀とか公安が来るか分かったモンじゃねーぜ?」

溜息。口にしておいてなんだが、その場合確実に事情聴取されるのは己だろう。
監視対象、というのはそういうものだ。しかも出自が出自だから地味に監視の目がキツい。

(この八百万ってのが、もし公安絡みなら…うわぁ考えたくねぇな)

八百万 頼 >  
おーこわ。
こら「手持ち」ではどうにもならんかも知らんなぁ。

(刀を掴んでいる彼の手。
 それを見て、両手を挙げて見せる。
 しかし顔はヘラヘラ笑ったままだ。)

さぁ、どうやろうなぁ。
仕込みかも知らんし、仕込みに見せかけたカモフラージュかも知らんし。
もしかしたら既に仕込んどったんかもしらん。
――あるいは、仕込みの必要なんて無いっちゅうこともあるなぁ。

(薄い目を少しだけ開け、意地の悪い笑顔を見せる。
 手の内をバラすつもりは無い。
 そう言うように、様々な選択肢を押し付けていく。)

どれがホントやろなぁ。
全部嘘かも知らんし、全部ホントかも知らん。
名前の通り、ボクって嘘吐きやから。

(再び姿が消える。
 次に現れるのは、彼の目の前。
 楽しそうな、嘘吐きの笑顔。)

今日は警告ってとこや。
一応は兄さん、大人しゅうしとるみたいやからな。

(くるりと踵を返し、カードの散らばった道を歩いていく。
 自身より後ろにあるカードは全て燃え、次々と跡形も無く灰になっていく。)

――監視されてる言う事忘れたらアカンで、赤眼の蛇。

(振り返らず告げ、手を振りながらその場を後に。)

ご案内:「落第街大通り」から八百万 頼さんが去りました。
櫛鉈 蛟 > (ったく、とんだ狐だなこりゃ…「手持ち」っつぅのも気になるが…)

右手で握った短刀の柄。風紀委員時代に使っていた相棒でもあり、現状唯一持っている武器だ。
コレを使う事は、風紀委員会と学園を去ってから殆ど無かった気がする。

「ハッ、そうやって疑心暗鬼にさせて手の内を隠すってか?面倒だなお前」

まぁ、もし本当に公安絡みだとしたら、それこを仕込みのアレコレなんてお手の物か。
短刀の柄からゆっくりと右手を離す。勿論、背後の動きには直ぐに対応するつもりではあるが。

「…少なくとも、人殺しとかヤクはしてねぇな…興味もねーし」

あるとしたら喧嘩、野次馬根性。後は美味いモンとイイ女、金がそれなりにあれば十分だ。
監視対象全体から見れば、この男の危険度は抜群に高い、という訳ではないだろう。

(――”オロチ”だからこその補正ってトコか。面倒なこった)

神話の残骸の一つに過ぎない己に、まぁご苦労な事だと蛟は思う。
何時の間にか目の前で笑ってる八百万にも、特に驚いたりする素振りは見せず。

「監視なんて最初から想定してるっての。つか今回は俺は被害者だっつーの」

(まぁ、絡んできた連中を撃退して迷惑料はふんだくったけどな)

と、心の呟きを密かに漏らして。立ち去っていく彼を見送れば…トントン、と軽く肩を叩いた。

「あ~~しんど。警告するにしても、”年寄り”はもうちょい労れよなぁ」

櫛鉈 蛟 > 「しっかし、赤眼の蛇って呼ばれたのも久々だな…何か何時の間にか呼ばれてたが」

風紀委員会刑事課に居た頃は…秩序の側に居た頃は、そんな通り名で呼ばれていた。
今や正反対の混沌の側に立つ者だが、本来の性質を考えれば自分はこちら側だろう、とも思う。

懐から煙草のケースを取り出し、2本目を取り出して口に咥える。
緩慢な動作でジッポで火を点けつつ…ゆっくりと紫煙を吐き出した。

「――ま、監視されてようが何だろうが、俺は俺の好きにやるけどな」

櫛鉈 蛟 > 「さぁて、と。何か食って塒に引き揚げるとすっかねぇ」

そのまま、煙草を咥えながら歩き出した。監視されていようが何時もの光景は変わらない。

ご案内:「落第街大通り」から櫛鉈 蛟さんが去りました。