2016/10/15 のログ
ご案内:「地下闘技場」にルベールさんが現れました。
■ルベール > 吐息が荒い。
己の身体を使って戦うことにかけては大天才と自負している彼女であるし、今この状況においても負けるなどとは微塵も考えていない彼女ではあったが、流石の流石に、今この状況は疲れていた。
ちょっと調子に乗って「まとめてかかってこいや」と言ったら本当に3連戦になってしまったからである。
自業自得ではある。まだ負けるなんて微塵も思ってないけど。
1戦目はひたすらローキックを打たれた。
防御も上手く、おそらく、相手を弱らせる専門なのだろう。
気にせずやたらめったら手を出して手数で殴り倒したが、大失敗である。
2戦目は仕留めにきたのか、ブラスナックルで殴られた。
その程度で参る女ではない。クロスカウンターを喉に突き刺して勝利したが、頭から流血。これも失敗と言ってもいい。
というわけで3戦目。巨漢の男が相手なのだが、すっかりフットワークを失い、頭から流れる血で目がふさがる。
「……うーん、まずいなこりゃ。」
ぼやく女。
■ルベール > いつもの服装のままでやってきているのだから、汗でじっとりとシャツが張り付いて、そういう意味でもいい見世物になってしまっているのだけれど、本人は気が付かない。
それどころじゃない、という方が大きい。
ぼやきながらも、唇の端は持ち上がり、このギリギリの状況に笑ってしまう。
こういう追い込まれる状況が楽しい。
逆に、そうでもしないと己を出せない人間ともいえる。
「ほら来いよ、それとも怖いのか?
まあ、怖いだろうけどな、目の前にいるのは単なる女じゃないんだから。」
口を開けば流れるように挑発の言葉。
頭の血を手で拭いながらそのまま髪の毛を撫でれば、金色の髪に赤い血が混じって、威圧感のある風貌へと変わる。
■ルベール > 「見れば目が焼け、触れば融ける。紅のルベールを前に、素直に息ができることを幸せに思いな。
黙っておねんねしてりゃあ、痛い目見なくて済むってもんだ。」
挑発を繰り返しながら、己のシャツの腹の部分をみしゃりみしゃりと引き裂く。
まるで水着のようにしてしまいながら、千切った布を頭に巻く。
その布は赤く染まるも、……これで視野の確保はできた。
「………これでもこねーとか、玉ついてんのかよ。
いーぜ、パチンと役立たずにしてやるからさ、………ほら、さっさとかかってこいやっ!!」
怒鳴りつけて、観客の声をおびき出す。
観客のいる戦いは難しい。盛り上がりの背を押され、己の間合いでない状況で足を踏み出してしまうことは多々ある。
彼女はその戦いの経験が豊富で。
だからこそ、大勢の喚き声に突き動かされるように突進してきた男の動きは、しっかり予測ができた。
■ルベール > 正々堂々とした態度を見せて怒鳴りつけ、突っ込んできた相手に握りしめた砂を叩きつける。
懐に飛び込むなんてことはしないまま、足払いを仕掛けて。
倒れ込んだ相手の膝裏に、いつの間にか奪い取ったブラスナックルをねじ込んで。
絶叫が響き渡る中で、よろめきながらその場から離れる。
「………へ、っ………。
しょっぱ。」
豪快に勝ちたい女は、渋い表情をしながらも。
それでも勝ったし、と言わんばかりのどや顔をして。
流石の彼女もこれ以上はやらされてはかなわん、とその場から逃げ出すのだけれど。
彼女は逃げ出したことは口にしまい。
ご案内:「地下闘技場」からルベールさんが去りました。