2016/10/24 のログ
鮫汰 > 「うんとねえ、けいたいある!!」

そう言って口から取り出したのは、人の頭を殴れそうなくらいに大きな携帯電話でした。
いったいいつの時代のものなのかと言うつっこみはともかく。
電話番号ちょーだい!とばかりにそれを高く高く掲げています。

でも昆布を食べるヒレはやめられない、とまりません。

「だって"おまえがぬすんだんだろ!!"っていわれるのヤじゃん!さめた、おぱんつぬすんでないもーん。
 おぱんつといっしょにカケオチきめるとこだっただけだもん。

 あ、でもごはんおいしいよ、あのねぇ~、きのうはおむすびていしょくだった!」

風紀委員たちもいい加減、この生物を外に放り出したいはずです。

「でもでも、いつまでもブタバコにいたらおべんきょうできないじゃんじょん?」

蕎麦屋 > 「ああ、あるのですか。
 ――おや、また懐かしい。車載の頃を思い出しますね。」

口から取り出されたのはえらく古臭い携帯電話。
というか液晶がまだモノクロ二色だったころですか、えらく古臭い。
―ー涎まみれなのは見なかったことにして、紙切れ一枚を取り出した。
書いてあるのは電話番号が一つだけ。

――食べながら取り出すってどうやったのか。

「見解の相違、というやつですね。諦めましょう。
 もう、ごめんなさいしておけば丸く収まりそうですけどねぇ……」

これの相手は規律を重んじる委員には荷が重い、物凄く。
それこそしおらしく謝れば一発で解放されそうなものだが。―ー謝罪を信じる、のではなく厄介者を放り出す感覚で。

鮫汰 > 電話番号をながめると、どでかい携帯電話をもむもむと飲みこみます。
そして前掛けのような制服の裏からスマートなフォンを取り出して、器用に番号登録をキメました。

何事も無かったようにおつゆも美味しく飲み干して、この生物のご飯欲は満たされたようです。

「だってあきらめたらそこでシアイはしゅーりょーってマンガよんだよ!さめた!」

いつになったらごめんなさいの言葉が出るのでしょうか。
蕎麦屋さんの心配は、まさに風紀員の胃壁に突き刺さることでしょう。

「じゃあじゃあ、サチコのおそばたべたいときにテレフォンすればいーわけね!
 ……あっ、あまったこんぶあったら、さめたしょりするよ!むしろかいとるよ!!!!」

マジックテープでくっついてそうなお財布を片ヒレに、若干興奮気味です。

蕎麦屋 > あ、普通のスマートフォンが出てきた。
昆布食った口で飲み込まれた携帯電話にはそっと合掌。

汁までしっかりと飲み干したのを確認すれば。

「はい、お粗末様でした。
 ――そこは、目的のためには手段を選ぶべきではないと思いますけれど。」

流石にごめんなさい、の言質くらいは取らないと風紀委員としても解放できないだろうに。
心労を思うとなんとも切ない。

「ですからサチコではありません。
 呼べば出前は致しますけれど――では、昆布は置いておきましょうか。

 ――ああ、二杯なので400円になります。」

電話かかってくる前に、昆布がたまったら沸きそうな気がする。
とは、口が裂けても言わない。

まぁ、楽しそうだからそれはそれでいいか。
それよりも支払い能力がある、というのが斬新。

鮫汰 > 「さめたわるくないも~~~~~~~ん!」

妙なところでガンコなのか、それとも楽しんでいるのか。
それの読めない、ニタついた顔で500円硬貨を置きました。
お釣りを受け取る気は無いらしく、わりばしは勝手に食べてしまいました。

「ごちそーさまでした!サチコ!
 …さめたのほったあな、まだふさがれてないといいな~!」

脳内の直結式記憶回路がサチコで固定してしまったようです。
しかし、次に会った時に同じように呼ばれる保証はまずありません。そういう生物なのです。

「サチコもヒマだったらおでんわしてよね!じゃあね~~!」

蕎麦屋 > 「ああ、まぁどちらでもよいのですけど。」

楽しそうなので―ーがんばれ、風紀委員。

「はい、またどうぞ。
 さすがに穴は塞がれると思いますけれども。」

さすがにそんなセキュリティホールを放置するほど愚かではあるまいし。
――いやもう帰ってくんな、的な意味で塞がない可能性はありそうだった。

そして訂正はあきらめた。溜息一つ。

「はい、では気を付けて?」

見送りはするが――言っておいてなんだが。何に気を付けるのだろう。

鮫汰 > ぐっばい!とばかりに穴へ入っていく。
それから、ひょこりと顔を出して――


――自分の背びれをポミッとちぎり、それをブーメランのように投げていきました。
ちっちゃなヒレが、蕎麦屋の屋台にぽてんと落ちただけです。

ご案内:「落第街大通り」から鮫汰さんが去りました。
蕎麦屋 > 「鮫って地中を潜る生物でしたっけ……?」

ぽてんと屋台に落ちたひれを拾う――いや、千切ったよね、今。
拾う際に気付いた500円玉。

「あ。」

もう遅い。仕方ないので500円玉はそのまま懐へ。

「……なんだったんでしょうね、あれ。」

ヒレは後で出汁とってみよう。と思いつつ。
ほかの客を待ちつつ、時間は過ぎていく――

ご案内:「落第街大通り」から蕎麦屋さんが去りました。