2016/12/13 のログ
ご案内:「落第街大通り」に烏丸秀さんが現れました。
■烏丸秀 > 落第街大通り。
そこから烏丸は火事を眺めていた。
久しぶりに落第街に、『裏』の仕事で来ていたのだが、まぁ予想外の物が見れた。
「はぁ、あれが噂の『炎の巨人』かぁ」
大通りからは逃げ出す人間も出ていたが、烏丸は炎の巨人を眺めている。
もしあれが例の報告書の通りのものなら、あの下に居るのは――
「雪城氷架。もしくは同じ能力を持つ者」
とはいえ、烏丸には特に関係の無い話でもある。
重そうだが、金になりそうもなく、どちらかといえば能力研究者が喜びそうな部類だ。
「怖いこわい。無能の人間は近寄らないでおこう」
というわけで、火事場見物なのである。
■烏丸秀 > 炎の巨人がよく見える場所に、一軒のコーヒーショップを発見。
丁度良い、ここにしよう。
「おじさん、コーヒーとパンナコッタ……ちょっと、逃げないで注文取ってよ。
大丈夫、あの巨人なら、いきなりこっちに来る事は無いって」
どんな根拠があるわけでもないが、気楽に言う。
まぁ、あれは研究区の一区画を吹き飛ばした程の力があるが、それも西園寺の操作によってのものだ。
こちらに直接来ない限り、吹き飛ぶのはまず路地裏だろう。
「そうそう、コーヒーはミルクと砂糖たっぷりね。
あんまり良い豆使ってないんでしょ?」
落第街でまともなコーヒーが飲めるとも思っていない。
いわゆる暇つぶしだ。
■烏丸秀 > 場所は2階のテラス。
ここからなら、巨人の足元までよく見える。
「さて、と」
双眼鏡を取り出す。
さっきそこで買ったものだ。丁度よく売ってて良かった。
「――やっぱり、あれが雪城氷架」
へたりこんでいる学生。
この落第街でもきっちり制服を着ているのだ、間違いないだろう。
「他には――風紀委員が一人、よく分からないのが二人、か」
ふむふむとうなずきながら。
炎の巨人の勢いはいまだ衰えず。
このままでは路地裏から落第街全域へと火が回りかねないだろう。
■烏丸秀 > 「おっ」
刀の方はそこまでのダメージを与えていないようだが、あの竜のブレスは効いたようだ。
いくら常世島といえども、竜はなかなかお目にかかれない。
あの研究員らしき男、何者だろう。
「にしても――ふぅん」
肝心の雪城氷架。彼女が何もしていない。
あの炎の巨人事件から大分経つが、まだ能力を制御できていないのか。
しかし、いずれにしろ――
「こんな事件を起こしちゃったら、ねぇ」
まぁ、良くて研究区に軟禁だろう。
可哀想な事だ。カワイイのに。
■烏丸秀 > 「――あら、もう終わりか」
やがて炎の巨人は消える。
時間にして20分強。ちょうどコーヒーを飲んでいる所だった。
やれやれ、もう少し時間がつぶせると思ったのだが。
「ん、しかし、あそこ一帯は地獄絵図だねぇ」
ぴっぴっとスマートフォンを弄る。
折角だ、再建する企業を抑えておこう。
少しは稼げる事だろう。
「あ、親方? うん、ボク。いや、オレオレ詐欺じゃないって。
うん、落第街の方で大規模な火事がね、あってね。
そうそう、建築の準備をお願い。ボクは福利厚生関係あたって予算をお願いしてみるからさ」
電話をかけつつ考える。
彼女、雪城氷架はこれからどうなる事やら。
下手すると、一生――
ご案内:「落第街大通り」に獅南蒼二さんが現れました。
■獅南蒼二 > テラス席への階段を上ってくる足音が聞こえる。
特に急ぐようでも無く,それこそ,普段通りに店に入る足取り。
「……珈琲を啜りながら野次馬とは,呑気なものだな。」
…白衣の男は先客にそうとだけ告げて,適当な席に腰を下ろした。
その言葉をそのまま返してやりたいほどに,この男も平然としている。
珈琲を注文すれば,静かに煙草に火をつけて…
「…………。」
無言で白い煙を吐き出した。
街の焼ける不快な臭いに,わずかな煙草の香りが混じる。
この男も火事場見物のようだ。教師だってのに助けに行く気配もない。
■烏丸秀 > 電話を終え、スマートフォンをしまう。
これで落第街の一部は再建されるだろう。予算は、まぁいわゆる常世島民の『篤志』という奴を使ってあげよう。もちろん、対価は頂くが。
「ボク、これでもこの後の再建の事を考えていまして。
先生よりかは働いてると思うなぁ」
これまた言葉通りに呑気に返す。
ちなみにパンナコッタは既製品で、それなりに美味しかった。
「どうです、先生から見て。あの炎の巨人」
■獅南蒼二 > 貴方のことを多く知っているわけではないが,
少なくともその表情や振る舞いから,それが嘘ではないとは分かった。
つまり,それだけの力をもっているということだ。
「それは失礼した,救助より先に再建とは,恐れ入ったよ。」
皮肉めいた言葉とともに肩をすくめて笑い,運ばれてきた珈琲を啜る。
「何ということは無い,よくある異能の暴走に過ぎんだろう。
尤も,今回に限っては単なる暴走とも言えんだろうが……な。」
呟くのは,どこか含みのある言葉。
それは無論,雪城氷架が魔術的な“封印”を自らの意志で解放したことを,
己の意志によってその無制限の力を行使したという事実を知っているからだ。
■烏丸秀 > 皮肉めいた言葉に苦笑する。
まぁ、その通りであるが。
「そりゃね、救助するのは専門家が居ますから。
そろそろ到着しないのかな?」
まぁ、落第街だと到着は遅くなる。
それも仕方の無い事なのだが。
「――これで二度目、ですからね。
一度目は西園寺のせいって事で決着しましたけど、今回は違う。
おそらくは……本人が力を行使した」
と、なると、だ。
当然、雪城氷架を野放しにした責任が問われ、そして彼女を拘束、軟禁する話も出るだろう。
名目はまぁ、『炎の巨人対策の為に研究機関に出向』とか、そういう風に取り繕って。
「もったいないなぁ、あんなにカワイイのに。胸はあんまり無いけど」