2017/01/09 のログ
ご案内:「落第街大通り」にフィアドラさんが現れました。
フィアドラ > 私がこの島に来てから一年くらいが立ちました。
この世界の常識とかも色々知りましたし友達もたくさんできました。
それでも、まだこの島には行ったことの無い場所がまだまだたくさんあります。
例えばこの歓楽街っていわれてる街の東側の部分。落第街とかそんな名前で呼ばれているところです。
一回も行ったことがないのでずっとどんなところか気になっていました。

危ないから行っちゃ駄目とか悪い人がいるから行っちゃ駄目とか周りの人はそんな風に言ってます。
でも、私も一年もこの島にいたのです!危ないものの避け方も、悪い人といい人の区別も教えてもらって知ってます!
それになにより私は人間よりも身体が丈夫なのです!

「なんか、みんな元気なさそうですね…。」

お昼だというのにみんななんとなく元気がなさそうな感じ…。
そんな少し暗い感じの街をゆっくり歩いていってみます。

フィアドラ > すれ違う人も珍しいものを見るみたいに私を少し見ると興味なさそうに視線を逸らして歩いていきます。
なんとなく嫌な感じがします…。

やっぱり、もう帰ろうかな…。

とか、そんな事を考えていると向こうから背の高い人間が歩いてきました。
ニコニコとしていて優しそうにみえます。その人間は私に気がつくと近づいてきて…

『お嬢ちゃん、ここは初めてかい?』

少し、しゃがれたような声で優しく話かけてきました。

「あっ!はい!初めて来ました!」『そうなのかい。じゃあ、私でよければ案内させてもらうけどどうする?』

そんな風に言ってくれました!どういう感じでみたらいいのか分からなかったのでとても助かります!

「いいんですか?ありがとうございます!」

優しい人に会えてよかったです!私はその人間の後ろから付いて行きました。

『ここは危ないからね。君みたいな女の子が一人で歩くのは良くない。
 悪い人に連れて行かれちゃうかもしれないからね。』

フィアドラ > 「へー。でも私は強いので大丈夫ですよ!」 『はっはっは。強いのかそれはいいな!』

そんな事を良いながら街を歩いていきます。
この人間さんの案内はとても上手で分かりやすいのですが
それでも何を売っているのか分からないお店とかもたくさんありました。
この世界はやっぱり奥が深いです!

そうやってどんどんと奥の方に歩いて来ました。

『ふう、少し疲れたね。あそこのジュース屋さんは美味しいんだ。』

そう言って何となく周りのお店と違う感じのジュースを買ってきてくれました。
店員さんと何かコソコソと話していましたがもしかしたら知り合いなのかもしれません。

『飲んで少し休憩しよう。この路地の奥に丁度座れるところがあるんだ。』

そう言ってジュース屋さんの隣の狭い道を奥まで進むと行き止まりに
ベンチが置いてありました。

「ありがとうございます!本当にお金返さなくてもいいんですか?」『ああ、構わないよ。』

早速ジュースを一口。

「…おいしいですけど何だか変な感じがします。」『まあ、折角買ってあげたんだから全部飲んでしまってくれよ。』

フィアドラ > 『ひゃははは、コイツ全部のみやがったぜ!
 生粋のドラゴンであっても一口で眠らせる睡眠毒とあとなんか媚薬みたいな毒が入った特製ジュースをよ!』

「えっ!これ飲んだら眠くなるんですか!」
『ああ、今は耐えてるようだがもうすぐに効果が出てくる!そうとう常識外れの化け物でもない限り一瞬だ!』
「そ、そういえば眠くなってきたような!ぐ、ぐーぐー。」

全然効いてなかったら常識外れの化け物って言われてるみたいで嫌だなと思って咄嗟に寝たふりをしました。
…寝てないのばれてませんよね?

そうやって寝たふりをしていると何人もの足音が聞こえてきました。

『へっへっへ!異邦人でこんなに小さい子なんてその手のマニアに凄い額で売れるだろうぜ!』
『…売る前に楽しませてもらっても?』『止めろ!値段が下がる!』『せめて!せめて!触るだけでも!』

「…ぐーぐー。」

何だか良く分からない話をしています。
売るとか売らないとか。何を売るんでしょうか?

『風紀はここまで来ねえだろうが最近自警団とかいうのに他の組織が潰されてる。するならさっさとしろ。』
『流石オカシラ!話が分かる!へっへっへ。お嬢ちゃん!たっぷり教え込んでやるぜ!』

フィアドラ > …薄目を開けてみていると一人の人間がなんか手をワキワキとさせながら手を伸ばしてきます。
その手は服の中に入って脇腹のあたりを撫で始めました!

「ッ…ぐ!ぐーぐー!」

あまりのくすぐったさに笑ってしまいそうになりますが我慢です!
そう!常識的な人はあのジュースで寝てしまうのです!
だから、私も寝てなくては行けません!世間知らずではない常識的な子なので!

『なあ折角さわるんだったらもっとほら、な。』
『アバラの良さが分からないのかお前は!こんなに華奢な娘なんだぞ!この浮き出した肋骨を触らずしてどこを触る!!』

その手は激しくでも優しく私の脇腹のあたりを撫で続けます!
まるで、飴を舐め回すみたいに繰り返し、繰り返し!
…頑張って耐えましたがもう限界です!

フィアドラ > 「くすぐったい!くすぐったいですよもう!」

思いっ切りその手を払いのけました!
勢いでその人は壁にぶつかって動かなくなりました。
何故でしょう…幸せそうな顔をしています。

『クソ!もう起きやがったのか!だが、おまえら慌てるな!
 こっちはまだ原液が残っている!少しでも効果があるんなら原液を飲ませれば確実だ!』
『なるほど!で、一体どうやって飲ませるんで?』
『!』『お頭?』『少しぐらい傷つけたってかまわねえ!こっちの方が頭数は多いんだ!』『どうやって飲ませるんです!?』

そんな事を話ながら人間たちは刃物を取り出しました。
何をするのでしょうか?喧嘩?私と?

『お嬢ちゃんが大人しく眠ってないのが悪いんだぜ!』

「えっ!私のせいなんですか!?」

驚く私にむかって刃物を振り回しながらみんな近づいてきました!

フィアドラ > ……それから少し経ちました。
向かってくる相手を払いのけ払いのけて居るうちに気がつくと三人の人たちが目の前で正座していました。

『『すいませんでした!!』』「何でこんなことしたんですか?」
『…お金が欲しかったんです。』「…普通に働けばいいじゃないですか。」
『えーと…病気の妹がいて』『そいつの妹は直すのに凄い手術をしなきゃならなくて!』『それですぐにでも2千万円いるんです!』

「そ、そんな病気の妹さんを助ける為に…。」『『『はい!』』』

そうとも知らず。そんな人たちに私はなんて酷い事をしてしまったのでしょう…。
あの人なんて壁に頭が埋まってしまっていますし。この人は私の毒のせいで紫色になって凄い勢いで震えています。

「…私に何かお手伝いできる事は無いですか?私もその子を助ける為に頑張ります!」

『『『え?』』』

こうして私はこの人の病気の妹を助ける為!この人達を手伝う事に決めたのでした!

ご案内:「落第街大通り」からフィアドラさんが去りました。