2017/05/01 のログ
ご案内:「落第街大通り」に竹村浩二さんが現れました。
竹村浩二 >  
『二度と喧嘩売るんじゃねぇぞ』

その声を聞いて上を見上げた。
体の節々が痛い。
どうやら自分は見下ろされているようだ。
誰に?

喧嘩を売った不良どもに。
自分は酔っ払っているらしい。
袋叩きにされたようだ。苦しい。

「おい、待てよ三下ども……」

電柱に縋るように起き上がる。
立ち去ろうとしていた不良たちがこちらを睨む。

「俺はまだ死んじゃいないぜ……どうした、かかってこいよ」

血の混じった唾をその辺に吐き捨てながら不良を挑発した。
激昂した不良たちは自分を罵りながら殴りつけてくる。
それに2、3発殴り返したが、当たりもしない。

自分は昨日、研究施設群で大切に思っていた存在を裏切った。
いや、裏切られた? もう随分長いこと、裏切っていた?
まぁ、どうでもいい。
ただ、死に損ねたな、という思いが脳裏に浮かんでいる。
家に帰ってもメイドはいなかった。当然だ。

竹村浩二 >  
殴られた。蹴られた。踏まれた。
痛みだけが自分の意識を現実に戻してくれる。
別にドMってわけじゃあない。
痛いのは苦しいし、苦しいのは嫌だ。

なのに何故だろう。
脳裏に浮かぶあいつの顔を振り切るためだけに、俺は安酒を煽ってチンピラどもに殴られているのか。
はは……情けねー。

死んだほうがいい。俺みたいな奴、もとから生きている価値すらなかったのだろう。

 
 
昨日、俺は研究施設群で音を聞いた。
車が事故ったような音だ。
それを聞いて変身しながら駆けつけたら、赤い影が人を襲ってやがる。
それをぶん殴って止めようとしたら、殺されかけた。
殺される寸前で、家のメイドの名前をつい呟いたら……
その赤い影は家のメイドみてーな口調で呆然とした声を出した。
そして戦いは終わった。それだけの、話、なんだけどな……

竹村浩二 >  
ボコボコに殴られ、腫れ上がった瞼で目も開かない。
それでも、去っていこうとする不良のズボンを掴んだ。

「お前を倒さないとトラえもんが安心して未来に帰れないだろーが……」

知るか、狂ってんのか、と口々に言いながら不良どもは俺を殴りまくった。
殴るほうも痛い、という言葉もあるが。
やっぱ殴られるほうが一番痛ぇーわ。はは。

鳩尾を蹴りつけられ、息ができなくなってもんどりうって転がった。
そろそろ死ねないかな。無理だな。
っていうかこいつら骨折すらさせるの嫌がってそうな蹴りだ。
お優しいこと。

ご案内:「落第街大通り」に影打 鈍さんが現れました。
ご案内:「落第街大通り」から影打 鈍さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に柊 真白さんが現れました。
柊 真白 >  
(足音。
 普段はそんなもの立てないが、不良達に聞こえるように、わざと大き目の音を立てる。
 アホみたいに目立つ格好だが、気配は極限まで抑えて。
 そのせいで見た目の印象とは裏腹に、今にも消えそうな気配の薄さ。)

――殺すなら、もっと上手くやって。

(見るに耐えないやり方だった。
 生かさず殺さず、いっそすっぱり首を刎ねた方がよほど親切な惨状。
 勿論それが目的の痛めつけ方なのだろうが、プロの暗殺者としてはそのやり方は見過ごせなかった。)