2017/08/03 のログ
ご案内:「地下闘技場」に神代 理央さんが現れました。
■神代 理央 > 同年代の男子に比べれば、身長は兎も角――と信じている――小柄な肉体を無駄に着慣れたスーツで覆って、地下闘技場で繰り広げられる激闘を観戦していた。
異能や魔術が飛び交い、闘技場で戦士達が勝敗を繰り返す度に周囲の観客達は一喜一憂する。
賭博としての規模も大きいのか、入場した際に手渡されたパンフレットには、一押しの選手や倍率が記載されていた。身形から上客と判断されたのか、比較的座り心地の良い席に案内されたのは僥倖だった。
「…ふむ。やはり他人の戦い様を見るというのは勉強になるな。様々な異能や魔術を間近で見ることが出来るのも良い」
露出度の高い女の売り子が売り込みに来たドリンクから冷えた柑橘水を購入し、熱気に包まれた会場で優雅に涼を取る。
時折、怪しげな身形の連中が賭けをしないかと近寄ってくるが、面倒だからと一蹴しつつ地下で繰り広げられる激闘を眺めていた。
■神代 理央 > 現在行われている試合は、2m程はある槍を構えた制服姿の男と二丁拳銃の少女の戦い。
放たれる弾丸を時に躱し、時に槍で打払いながら少女に接近する男だが、断続的に放たれる銃弾に槍の穂先を尽き穿つまでには至っていない。
若干膠着し始めた戦場となりつつあったが―
「……槍男の勝ちかなあ。ん、意外と美味いな」
売り子から追加で購入したホットドッグを頬張りながら眺めていれば、リロードによって生まれた一瞬の隙をついた男が、その槍の先端を少女の首元で寸止めし、試合終了となった。
「此の島の連中は拳銃くらいなら割と当たり前みたいに避けたり切ったり叩き落としたりするからなあ。卒業まで待たずとも、傭兵として引き抜いても良いんじゃないか」
遠距離型の異能であり、近接戦闘は全くもって不可である己に深々と溜息を吐き出しながら、退場していく男女に軽く拍手を送る。
次の試合はどんな能力持ちかと、パンフレットに視線を落として―