2017/08/27 のログ
ご案内:「落第街大通り」に神代 理央さんが現れました。
神代 理央 > 学園都市の暗部が跳梁跋扈する落第街。
そのメインストリートである大通りを、風紀委員会である事を隠すこともせず堂々と闊歩する少年の姿があった。
ゴロツキや怪しげな身形の住民達は疑念と興味、そして恐れを含んだ視線を少年に注いでいるが、気に留める事も無く歩みを進める。

「…更地にするにも歓楽街が近いからな。余りばかすか撃ち過ぎるのも考えものではあるが…うーん」

ぼーっと思案に耽りつつ、時折怪しげな出店の商品を覗き込んでは店主に嫌な顔をされる。
今宵散歩代わりに訪れたのは、次に任務を行う区画を何処まで吹き飛ばして良いかという事前調査。
己の異能からして精密さを求めるのは酷であるし、それならいっそ、最初から《消えてしまっても良い》場所で思う存分力を振るいたい。
最早風紀を取り締まる等というレベルでは無い気もするが、そういう武力を求めている派閥に取り入る為には多少手荒なくらいが丁度良いだろう。
―等と物騒な事を考えながら、傍から見れば鴨が葱と鍋に調味料を背負った様な少年は落第街をふらついていた。

神代 理央 > 幸か不幸か、過激な取り締まり―殲滅戦とも言うが―に於いて、前線で華々しく活躍するのは前衛型の異能、魔術を持つ同僚、先輩方である。
それ故に、壊滅した組織の恨み辛みも大概はそういった前衛組が引き受けてくれる。超人的な身体能力や、非現実的な武器を振るう彼等は実際に戦った者達にも強い印象を与える。
一方、後方支援の自分は基本的に最前線に立たない。大量に召喚した異形で敵の陣地だの拠点だのを制圧し、砲弾で耕していくだけのお仕事だ。
英雄的な活躍も、高潔な決闘精神も無い。システムとして敵を殲滅する事に特化しているが、それ故に敵の印象にも残らない。
風紀委員会に入ってまだ日も浅い。最前線に立たない自分をマークしている連中など、早々いないだろう。

「だからこそ、こうやって堂々としていられる訳だから後方勤務万歳という奴だな。しかし、落第街の商店って結構面白いもの売ってんだな…」

薄汚いショーウィンドウを覗き込めば、奇々怪々な品々に思わず目を輝かせる。
ちょっとくらい散財しても良いかな、と思いながら祭りを楽しむ子供の様にあちらこちらの商店を覗き込んでいた。
当初の目的は一応果たしているので、半分ただの息抜きと化しつつある。

神代 理央 > 身長が伸びる異界の薬だの、飲めば5分間だけ筋力増強!だの、雑誌の裏表紙を飾る様な怪しげな薬には思わず食指が動いた。
効き目が無い事は分かってはいるのだが、学園都市ならば或いは―と少し思ってしまった。

「……ある訳ないな。努力せずに得られるものなどある訳が無い」

取り敢えず違法薬物を取り扱う組織は潰そう。
そんな決意を固めながら、幾分ムスッとした表情で溜息を一つ。一番腹が立つのは、如何わしい薬に少しでも興味を覚えてしまった己自身だったりするのだが―