2017/10/13 のログ
ご案内:「落第街大通り」に神代 理央さんが現れました。
神代 理央 > 落第街の大通り。黒塗りの高級車とそれを守る様に前後を固めるSUV。信号等という洒落たモノも無いこの街では、触らぬ神に祟り無しとばかりに歩行者は車から逃げるように避けていく。
辛うじて舗装が残る路面を我が物顔で走行する車列を、ビルの屋上から見下ろす少年の姿があった。

「…違反組織の幹部でも、ちゃんとナンバーのついた車に乗っているのか。遵法精神に溢れる男じゃないか。おかげで照合が楽で良い」

そもそも、歓楽街の娼館から此の場所に至るまでその動静は筒抜けなのだが。
視界の端から端へ移動していく車列の前方に現れる様に、自らの異能を発動する。戦闘のSUVが気付いた時には、その進路を塞ぐように3体の異形がその砲身を向けていて―

「確保命令が出ていれば降伏勧告も出来たんだがな。まあ、運がなかったと思って諦めてくれ」

まるで心の篭っていない、誰にも届かない謝罪の言葉。
車から護衛の黒服が飛び出した瞬間、異形は轟音と共に車列に砲弾の雨を叩き込む。
数秒も立たぬ内に、総額で8桁はあったであろう車列はキロ単価で量り売りされる鉄屑と化した。
搭乗者の重量分は見てくれるだろうか、と炎上する車列と逃げ惑う周囲のゴロツキを見下ろしながら首を傾げた。