2017/11/12 のログ
■笹貫虎徹 > 少年の外見は特に何の変哲も無い普通の少年のそれだ。目がちょっと死んでるが、服装なども割と普通。
ついでに言えば、武器や銃火器を持っているようにも見えず、動きも緩慢でスキだらけだ。
「…ふむふむ、……ん?風紀委員会ってロボットも所属してるのか…流石だなぁ常世島。」
やっぱり島の外と中では結構環境が違うらしい。とはいえ、山奥育ちとも言える彼は外の世界もあまり詳しくは無いが。
真っ直ぐ見上げてくるイチゴウの顔を見下ろしつつ、相変わらずその態度は変わらず緩い。
「んーー?いや、フツーの学生だけど。…あーこれ補導されるパターン?ただの散歩なんだけどなぁ」
それが嘘か真かはあちらの判断だが、実際に嘘は言っていない。単にこちらの方が色々とありそうだからうろついているだけだ。
と、不意に彼の目から何やら立体映像が映し出される。科学ってスゲー、とか暢気に思いながらもその画像を見遣り。
「…ありゃ、ベルさんと俺のツーショットじゃないの。あの辺りに監視カメラとかあったっけ?」
うーん、と首を傾げるがその辺りは気にしていなかった。あの時は二人で半ばノリで違反組織だかを一つ潰した覚えが。
「んーーと、ベルさんとは路地裏を俺が散策してたら偶々遭遇しただけだな。
何か初対面の時は斬られそうになったけど、まぁそこは適当に凌いだとかそんな感じで」
アバウトに過ぎる説明をしておく。しかも、今少年がしたのは初対面の時の話だ。
組織を潰したのは二回目の遭遇の時…多分だが、これは2回目の時のものだろうか。
「まーーつまり成り行きな出会いなんだけど…あと、俺ってそんな有名なの?
多少噂になってる、とは聞いた気がするけど…ここらだと有名人は他にゴロゴロ居そうなもんだけどなぁ」
マジかぁ、といった感じでゆるーい溜息を零す。緊張感がとことん無い。ここまで態度が一貫してるのも才能だろうか。
■HMT-15 > 「ただの事情聴取だ。現行犯でない以上
ボクに行動を起こす権利はない。」
興味津々に映し出されるホログラムを見つめている少年に対し
おことわりを入れるかの如くそう告げる。
兵器は任務に逆らう行動を取れない。
「ベルさん・・・?対象にそのような通り名があったのか、記録しておこう。」
少年が放った妖刀の持ち主の呼び名に顔を傾げつつ
バカ真面目にその名を記録してしまう。
「この妖刀の持ち主は要注意人物だ、
恐らく発見次第攻撃に移る可能性もある。
しかしキミはこの対象に出会った上で凌いだと言ったか。」
少年が発した最後の部分にロボットは若干驚愕している。
何故ならば異能パターンも魔力反応もゼロである
完全な人間と予測されるからだ。普通なら殺されている。
「いやはや人間の限界は未知数だ。」
抑揚のつけられない機械音声、しかしそれを語る
ロボットはどこか嬉しそうな様子で。
■笹貫虎徹 > 「あーーそうなの?そりゃ安心だ。なーんか、成り行きなんだけど違反部活?組織?そーいうの潰しちゃったりしてるからなぁ」
彼のおことわりに安心したのか、ふぃー、と安堵の気の抜けた吐息を零してサラリと白状する。
無論、少年が多少名前が通っているのはそれだけが理由ではないが。
「…や、通り名って訳じゃあ……ま、いーか」
その通り魔少女のフルネームも、ついでに相棒らしい妖刀の名前も知っている。
が、あちらがどうも納得?したようなので黙っておくとしよう。根掘り葉掘り追求されるのも面倒だ。
「うへぇ、風紀委員からマークされてる感じ?…や、そりゃ斬られたら死ぬし痛いし」
などと、肩を竦めて述べる。彼の分析どおり、異能も無ければ魔力も無い。
ついでに武器や銃火器の携帯も無い。ここまで何も無いのも逆に目立ちそうだ。
強いて言うなら、体の内部…骨、神経、筋肉が完全に人間という範疇から作り変えられている。
…が、流石に身体内部の事なので見た目的には本当にただの少年にしか見えないだろう。
「…そうかなぁ。未知数というか、限界到達点の何たらとかそんな感じだった気が。まぁいいか」
爺さん…体術を叩き込んだ師匠が言っていた気がするがうろ覚えだ。
そもそも、人を相手にする体術ではない時点で、今の人間の限界を極めた一種ではある。
■HMT-15 > 「それは頼もしい限りだ。しかし攻撃する組織は
慎重に選択する事を推奨する。」
攻撃や捕獲対象でないためか妙なアドバイスまでしてしまう。
また違反部活といっても巨大なグループの傘下や
それこそ風紀委員会や公安委員会等と繋がっている
ものさえあると言われている。そういった場所に
手を出せばどうなるか想像に難くない。
「ところで、情報によると
対象は見た人間を区別なく斬りつけているらしいが
画像を見る限りキミは斬られていない。
対象とはどういった関係だ?」
思い出したかのように事情聴取へと戻る。
これもパトロールの一環、仕方がない。
「異能魔術を使えない人間がこの地で生き延びるのは
容易なことではない。
それにキミは妙にバイタルが安定している。何か訓練でも?」
業務上の質問よりもロボット自身の好奇心として
こちらの方に興味津々のようである。
■笹貫虎徹 > 「…や、えーとイチゴウ?俺、別に自分から喧嘩売ってる訳じゃあないんだけど…まー面倒な事になるのもアレだし。
そこはまぁ、気を付けておくとするよ」
彼のアドバイスにえー、という表情を僅かに浮かべるが、まぁ実際に面倒な組織や部活と関わるのも嫌だ。
とはいえ、ホイホイとそういう組織や部活と一戦交えそうなのがこの少年だが。
「…んーー?あー何か仕事?中だったぽいし、そのせいじゃないかねぇ。
実際、ベルさんとは俺、2度遭遇しててその画像は2度目ぽいし。1度目は普通に襲われたしねぇ」
と、肩を竦めて。暢気で緊張感が無いが、ベラベラと全て馬鹿正直に話すアホではない。
どういった関係か、と聞かれたら迷わずに「や、単なる顔見知り」と即答するだろう。
「んーー山奥で偏屈な爺さんから体術を叩き込まれたからじゃないかなぁ。
精神修養?みたいなのも散々させられたしねぇ」
ただ、少年の場合は平常心を通り越しているフシがあるが。それにバイタルとか自分では分からない少年だ。
まぁ、しかし全く普通の少年ではないのは確かか。ほぼ一芸特化なので、普通に限りなく近いといえなくもないが。
■HMT-15 > 「顔見知りか、驚いたな。
対象に戦闘をしないという理性があったとは。
前に交戦した時はまるで何かに取り憑かれているようだったが。」
目の前の少年だけでなく実はこのロボットも一度
その対象と一戦交えている。
そこでは刀の特殊な性質に手を焼いた事が記憶されている。
またロボットが対象を彼女と呼んでいないのは
妖刀が本体だと考えているからか。
「また対象には懸賞金もかけられているようだ。
対象に近づくことが出来るのならば狙ってみるのもいい。」
無名な通り魔からここまで上りあがったのは
やはり能力があってのこと。それに渡り合う目の前の
少年にもこの世界で生きる才能があるのだろう。
またごく自然な流れで風紀に協力させようと
していることには誰も突っ込まない。
「なるほど、確かに統計によると
山育ちの人間は強い傾向にある。」
果たしてどこの統計だろうか。
■笹貫虎徹 > 「んーと、何かどっかの違反部活?組織に用向きがあったぽいよ?
まーその後、何かその組織にバレて二人で成り行きで潰す羽目になったというか。
さっきの画像はアレだなぁ、その組織を潰す前に会話してる場面だと思う」
と、ほぼそのまま嘘は交えず話す。ただ、嘘があるとすれば組織を潰す羽目になった原因はコイツなのだが。
そして、彼の言動から決して馬鹿ではない程度の頭を回転させていく。
どうも、彼の言動からベルさんの正確な情報をまだ掴み切れていないと判断する。
こちらも、彼女の全てを把握してるとはとても言えはしないのだが。あと懸賞金はあまり興味が無いので首を横に振る。
無欲ではないが、そこまで金銭に執着したりするタチでもないのが大きい。
こちらもこちらで、ナチュラルに風紀への協力をスルーしようとしているが、少年はそこまで考えを巡らせてはいない。
そして、彼の感心したような言葉にはいやいや、と手をひらひらと振ってみせて。
「山育ちってそんなに多いの?俺の周りでは全然聞かないんだけどなぁ。
まぁ、ある意味で閉鎖された環境だからねぇ。独自のあれこれを身に着けるのはあるかも。」
俺のは体術だけどね、と気の抜けた笑みを僅かに浮かべようか。内容はアレだが体術は間違いではない。
正確には、鍛錬による肉体改造、超人的な技巧、そして生命力…気の扱いの3つ揃って、という形だが。
■HMT-15 > 「なるほど、その組織は余程運が悪かったようだ。」
顔パーツを頷かせながら放ったその一言。
血を求める妖刀に未知の体術を駆使する少年、
まともな組み合わせではないだろう。
他に情報も無いせいかその話題に関して深入りはしない。
また風紀の協力を華麗にスルーした際には残念だと一言。
「そうなのか、あいにく人間の体術には詳しくない。」
そもそも異能にも匹敵しているであろう彼の体術は
普通の視点から見てもおかしいのかもしれない。
またそう話しているうちにロボットは一瞬動きを止めて
「ボクはそろそろ戻らないといけない。
折角だ、キミの名前を教えてくれないか?」
どうやらパトロールのタイムリミットが迫っているのかそんなことを。
顔を傾げながらフレンドリーに名前を聞いている。
■笹貫虎徹 > 「んー…まぁ、壊滅はさせちゃったしなぁ」
ちなみに、何人か死者も出てた気がするが少年は気にしない。人殺しに関してはドライな面があるのだ。
あくまで見た目は普通だが、修めた技術とその精神性は矢張り異常の部類なのだ。
「うーん、まぁ俺の体術が一般的な体術と同じかは分からんけどねぇ」
そもそも、人間ではなく人外を”ただの生身で殺す”事を主軸に受け継がれてきた体術だ。
実際にここで見せるのもアレだが、口で説明するのも流石に難しい。
一瞬、動きを止めた彼に不思議そうにするが、その言葉に緩くうなずいてみせて。
「分かった、俺もいい時間だしそろそろ引き上げるかなぁ。…あ、俺?笹貫虎徹。学園の1年だよ」
と、特に誤魔化しもはぐらかしもせずに普通に名前を名乗る。特に隠す理由も無い。
当然ながら、学園のデータでも無能力者で魔力無し判定がきっちり書き込まれているが。
あと、成績データだけみれば本当に平凡な少年とさほど変わらなかったりする。
ともあれ、そのまま彼が来た方角へと歩き出しつつ…
「んじゃ、イチゴウ。またどっかで会う事があったらーー」
と、気楽で緩い態度でそう告げつつ。右手を軽く振ってその場を後にするだろう。
■HMT-15 > 「もしかするとキミは人間と呼ぶには
微妙な存在なのかもしれない。」
小さめのボリュームで独り言のように呟いた一言。
確かに彼は異能も魔術も使わない純血の人間だろう。
しかしこのロボットが言う人間とは生物学的特徴だけで
決まるものではないようだ。
機械である彼にとって理解できた瞬間に人間から遠くなる。
「笹貫虎徹、記憶完了。
次出会う時もこのような穏やかな形であることを希望している。」
少年が右手を振ったお返しなのか
ロボットも自身の前右足をあげてそう告げる。
その言葉が出た背景にはこの落第街で名が通る以上
敵対する可能性も存在するからだろう。
争いがあるからこそ平和な時間は尊い。
そうして一人の少年と一機のロボットは
すれ違うようにして通りを進んでいく。
またそれを堺に再び通りには人間が集っていくことだろう。
■笹貫虎徹 > そうして、二人は別れて。彼の金属の足音が聞こえなくなりつつ、歩きながら呟く。
「――まぁ、うん。俺は間違いなく人間だけど…そうとも言い切れない部分も多分あるのかもね」
自身への呟きは何処か淡々と乾いたもので。奇しくも今別れた機械の彼の如く。
その呟きも夜風に消えて、やがてちょっと迷いつつも男子寮に戻っただろう。
ご案内:「落第街大通り」から笹貫虎徹さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」からHMT-15さんが去りました。