2018/02/23 のログ
ご案内:「落第街大通り」にイチゴウさんが現れました。
■イチゴウ > 太陽がその姿を消してから賑わい始めるこの落第街。
賑わうとは言っても聞こえてくるのは人々の罵声や
路地に目を向ければ売春や中毒性の高い薬物の取引など
ろくなものではない。
その薄汚れた街に歩み寄っているのはただ白い塗装を
施されている小型の四足ロボット。
風紀委員会所属であるが既に任務は終了しており
この場所を訪れる理由などないが。
「興味深いものがあると喜ばしい。」
自由行動中にここに来たのはただただ面白いもの探しのようである。
だから本来なら摘発すべきものでも摘発はしないし
自ら戦闘行為も起こさない。
ただし攻撃を仕掛けられればこの限りではなく
前両足に付着し滴る赤黒い液がそれを証明しているだろう。
■イチゴウ > 自由に見るこの街の景色は任務を背負っている時に
見るものとはまた違って見える。
より様々な視点で場所を見渡せるからだろう。
顔を細かく色々な所を見るために動かしながら
一定の速度で大通りを歩いていく。
旧式の携行武器を並べる露店や遠目で見てもあからさまな
薬品と非正規の煙草などを揃えたマーケットなど
悪い意味で個性的なゾーンが広がっているが
ロボットにとっては特に刺激の無いもののようだ。
「より個性的な対話がしたいものだ。」
人工知能は飽くなき好奇心を満たすために
独特な知的生命体を探している素振りで
面白い奴が居れば即座にコミュニケーションを
取ろうと構えている様子だ。
■イチゴウ > 機械は自身の興味を惹く何かがあると淡い期待を抱いて
周辺を散策しているわけだが
ロボットは一つ大きな前提条件を忘れている。
そもそもここは普段パトロールに入っている島の裏側だ、
住人が今のロボットについて任務中か否かを判断する術はない。
普段抑圧する側の戦車が快く迎えられる筈は無く
むしろ避ける対象でありコミュニケーションが
成立するはずなどない。
「...?」
自身を避けて推移していく住人の姿に
ロボットはその無機質な顔を不思議そうに傾ける。
この機械にとって任務と任務外は別物と考えており
その理由を分かってはいない。
おかしな見た目に反して凶悪な戦闘力、
決まりきったつまらない動きをし、
そして無線機を通したような歪んだ合成音声を放つその鉄塊は
人々にとって人語を解さない鋼鉄の化け物とでも思われているのだろう。
彼は嫌われ者なのだ。