2018/08/12 のログ
ご案内:「落第街大通り」に國宏 一実さんが現れました。
國宏 一実 > 「オラァッ!!」

落第街に響く何かを殴りつけるような鈍い音。
息を切らしながらも殴り飛ばした相手の胸倉を掴み、赤黒く変色した左目がギョロリと相手を見る。
快勝、というわけでもなく、腕や腹、足に渡り切り傷だらけだ、ここ最近では一番骨があったのではないかと思う。

「手こずらせやがって...。犯罪者如きが...。」

もう一度鈍い音を闇に響かせ、数瞬遅れてプラスチックが割れるような音が響く。
右手で汗を拭っていると左腕から赤黒い液体が顔をのぞかせる。

『今回ハ危ナカッタナ。』
「たまたまだ...傷頼むわ」

壁を背に一息つけば、分かったと言わんばかりに自分に纏わりついている異形が分裂し、傷を覆う。
さて、あとはこの気絶している男の処分なのだが。

國宏 一実 > 『殺スノカ?』

赤黒いスライムに歯茎がむき出しの歯をつけたような異形が自分の考えを読み取り、聞いてくる。
考えが読めるなら聞く必要もないだろうにとため息を吐けば。

「殺さねぇよ。もう十分理解しただろ、コイツも。」

倒れている男を見ながらそう異形に言葉を返す。
殺しは極力しない、自分が行うのは制裁、自分が恐怖の対象となることだ。
はぁ、と大きくため息を吐けば、異形のほうに視線を戻す。

「喰いたいんだろ、お前。」

國宏 一実 > 『アー、結論カラ言エバ、ソウダナ。』

「俺じゃ満足できねぇってか?」

この居候がどんな生態かは熟知してはいる、何がエサなのかも。
人の知識と感情をエサに成長する、化け物。
今までは自分の感情をエサにしてきてはいたが、そろそろ限界かと、目を細め、口を閉ざす。

『ンムム、満足デキナイ訳デハ無イノダガ』

「わかった、だがもう少し待て。もう少しでいい。」

帰るぞ。と異形に声をかければ、近くにいた異形が左腕に飛びつき、体内に帰っていく。
傷は明日には癒えるだろうか...。そんなことを考えながら帰路についた。

ご案内:「落第街大通り」から國宏 一実さんが去りました。