2018/08/17 のログ
神代理央 > 今の所、大通り近辺に異常は無い。
普段はそこかしこで見られる小競り合いや軽犯罪も目につく所では見当たらず、少し治安の悪い歓楽街といった具合か。

「落第街が平和、というのも上の連中からすればつまらない事かも知れんがな。生存本能が高いという点では此の街の住民を評価すべきなのだろうが」

小さな欠伸混じりに呟いた言葉は、平穏で薄暗い落第街の夜空へと溶け込んでいく。

神代理央 > 委員達が睨みを効かせていた事もあってか、組織の抗争等も今夜は報告されなかった。
密輸組織の摘発の為、公安委員会が動いているという噂もきく。結果的に、アンデッド騒ぎは落第街の違反組織にとっても不利益になりかねない事態になるだろう。

「…だからといって、連中の自衛に期待する程でも無い、か」

己のスタンスとしては、アンデッドが出ようがドラゴンが飛ぼうが、落第街の中だけで収まるのなら手出しはしたくなかった。
住民達が救いを求めてくるならまだしも、彼等はそういった事をする筈も無いだろう。
ならば、裏社会の住民として矜持を持って死んで欲しいものだ。

「…さて、今夜は久しぶりに安眠出来そうだな。帰る前にデザートでも買って帰るか」

兎も角、任務は終了だ。今の所提出が差し迫っている課題も無い。偶には、夏季休暇の夜を惰眠で終わらせても罰は当たらないだろう。

大きく背伸びをして一息つくと、踵を返して夜の落第街から立ち去っていった。

ご案内:「落第街大通り」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に追影切人さんが現れました。
追影切人 > 落第街。ここ最近巷を賑わせている――主に”こちら側”だが――ゾンビ騒動。通称は『パンデミック』。
普段は一般生徒、裏では風紀の非公式特化戦力の一人…兵器や怪物として扱われる少年。
【首枷付き(グレイプニル)】…と”今は”渾名される隻眼に刀を携えたその姿は地味に目立つ。

姿形、というよりその身に纏う空気が独特なのだ。殺気は無い、血生臭さも無い。
ただ――迂闊に手を出せば切り刻まれる独特の空気がある。実力がある者ほどそれを感じ取れるだろう。

「――ゾンビ退治ねぇ…B級ホラーまんまの片棒をやらされんのも面倒臭ぇな」

小さくボヤきつつ、何時もよりも人通りが微妙に少ない気がする大通りを堂々と歩く。
風紀の巡回などもあるようだが、時々擦れ違うこの男と目が合えば嫌そうな顔をする者も多い。

(…チッ、いちいち人の顔を見て嫌悪感撒き散らすくらいなら無視すりゃいいのによ…)

ウゼぇ、と口の中で呟きながら周囲を見渡す。ゾンビでも何でもいいから暇潰しは無いものか。

追影切人 > 一応、少年がこうして歩いているのも巡回――に、なるのかもしれないが彼自身はそんなつもりは毛頭無い。
ただ、風紀の上層部から直接指令を受けて見つけ次第ゾンビ共を皆殺し…殲滅しろとしか聞いていない。

「……ハ、汚れ仕事役には最低限の情報しか回さねぇ趣味でもあんのかねお偉方は」

皮肉げに笑みを浮かべて腰に提げた刀の柄を軽く手で撫でる。まぁ自分がやる事はただ一つ。
対象を全員斬り捨てる…それ以上でも以下でもない。邪魔する連中も斬り捨てる。それだけだ。

(…しっかし、こうも静かだとアレだな…ここの連中も結構手を焼いてるって事かね)

あちこちの違反組織や違反部活も、それぞれ思惑を持って動いている…だろう。
長年こちら側で暮らしてきた少年だからそこは考えるまでもなく予想出来る。
通りを歩きながら、それとなく隻眼で辺りの様子を伺うが…今の所はトラブルも無さそうで。

ご案内:「落第街大通り」に白鈴秋さんが現れました。
白鈴秋 >  黒っぽいジャケットにズボンという姿で溜め息を吐き出てくる
 情報探し。そんな面目でここに来たものの風紀があちこちを歩いておりそれ所ではない。情報などこんな調子で出回るわけも無い。今噂になっているアンデッド騒ぎが原因なんだろう。
 ふと、目に入った人物がいる。

「あん?」

 そこに見つけるのは変わった空気を持った学生。
 触れれば切り刻まれるような空気を持っている。見たところ機嫌も良いとは言えない様子だ。
 頭の中で整理をつける。今この場で苛立ちを見せながらそんな空気を持って歩く対象……となればほぼ絞り込める。即ち風紀委員によって動けないでいる違反組織や違反部活ではないか。学生服というのを考えれば恐らく後者だ。
 もっとも、ただ単に風紀委員が嫌いなこの辺りの実力者。という可能性も0ではないが。

「……やってみる価値はある……か」

 帰路に着こうとしていた足の方角を変える。同じ方向へ、有体に言えば尾行になるのかもしれない。
 だがひとつだけ違うのは。別にそれを隠すつもりがあまり無いということ。バレたらバレたで問題ないどころか問題を向こうが起こせば好都合。仮に逃げればそこから追跡すれば良い。そんな考えだ。
 荒事にもなれた足取り。尾行を隠すつもりは無く。だからと言って本当に尾行をせずに自然に歩いているとは思わせないように。中途半端な形で後を追い始めた

追影切人 > 「……チッ」

歩きながら舌打ちをする。先ほどからこちらを尾行する一人の人物の気配。
元々、異能じみた探知能力を彼は備えており、足音や匂い、熱や気配を消しても正確に把握する。
…が、それを総動員するまでもなく件の尾行してくる人物はどうにも”中途半端”だ。

(尾行のド素人――じゃあねぇな。わざとこっちを煽る目的で中途半端にしてやがる感じか)

さて、どうしたものか。面倒事は基本は怠惰なので避けたがる傾向はある。
とはいえ、中途半端に後を尾行されるのも面倒、というかウザい気分で。

フと足を止めて、隻眼の顔だけを後ろへと向ける、距離があろうと何だろうとお構いなしで。

「おい、そこの藪睨みの目付きが無駄に悪いヤツ。こそこそしてねぇで用件あんならさっさとしろ」

と、何時もの口の悪さ全開である。この口の悪さで無駄に損をする事も多いが…本人はそれを直すつもりも無く。

白鈴秋 >  舌打ちが聞こえた。恐らくは気がついたのだろう。
 作戦は半分は成功したといえる。後はどういった行動をしてくるかだ。
 足取りは特に変えない。気がつかれたとわかったところで構わずその足取りで歩く。
 だが、その後の相手の行動を見て少しだけ眉をひそめる。

「……随分と度胸あんだな。こんな大通りで堂々と動いて平気なのか?」

 ここで動けるとなると。あまり考えたくは無いが外れの線が濃い可能性がある。違反組織や違反部活などならばこんな場所で話しかけはしない。
 仮に話しかけたとしてもそれは下っ端クラス。それがあんな空気を持っているわけは無いからありえない。
 つまり実力はあるが関係ない一般人の可能性が高いというわけだ。
 ふぅと溜め息を吐いて。目を閉じる。

「今のこの辺りをそんな空気持って歩ける人物なんて限られてる、だからちょっと興味が沸いてな。後をつけていた……見た感じ風紀委員って訳でもねぇみたいだからな」

 つまり暗に違反側に属しているんじゃないか。そんな意味を込め言葉に応じる。
 目は薄っすらとだが開く。目が見えずとも魔術で対応は出来るが……それは隠し玉として使える。

追影切人 > そもそも、この少年は良くも悪くも馬鹿な面もあり型破りな行動を取る事が多い。
つまり”定石を外した”行動を取る事が非常に多いとも言える。
あちらが足取りを止めなければ、こちらは足を止めたままで自然距離は縮まる事になるが…。

「――あン?堂々も何も俺は風紀の”飼い犬”だからな。元々は”こっち側”の人間だがよ。
…あと、こそこそ動くのは性に合わねぇんだよ。そういうのは苦手なんでな」

これが学生街などなら適当にはぐらかしもするが、落第街に居る時点で真っ当な相手でもあるまい。
ならば、と面倒を省く為にこちらの素性、というか立場を簡潔に示す。
とはいえ、相手が何かを仕掛けてくるなら構わない。何だろうと斬り捨てるだけだ。

「…まぁ、そんな訳で悪ぃがこっち側の連中って訳でもねぇ。
…その口ぶりからして、俺を違反組織か違反部活の一員と当たりを付けてたみたいだが…アテが外れたな」

と、最後はニヤリと笑いながらそう言っておく。むしろ少年は組織や部活を”潰す側”だ。

白鈴秋 >  ある程度の距離まで近寄り。足を止める、相手の得物は刀……踏み込みを考え少し遠めに立つ。
 だが素性を聞けば溜め息を吐いた。

「その二つじゃねぇどころか風紀委員側か、そりゃ堂々と動けるわけだ。クソ完全にアテが外れたな……むしろ餌に釣られたみたいな状況になってんじゃねぇか」

 後半は独り言のように呟く。そしてそれから顔を上げ。

「悪いな、不快な思いをさせた……一つ言っとくが。別にそういう組織にいねぇなら仕掛けるつもりも理由もねぇよ」

 それを言うと抵抗しないという意思表示として両の手を上に上げる。

「常世の1年だ俺は。提示しろってなら学生証も見せてやるし任意同行でも何でもしてやるさ」

 となるとむしろ怪しいのは自分。故にこちらも簡潔に名乗りもし必要なら学生証や任意同行でも何でもすると完全降伏の姿勢を示した。

追影切人 > 彼の間合いの取り方は中々巧妙だ。少年の腰に下げた刀。それを抜き打ちしても届かない距離――ただの刀使いなら。

(――まぁ、その距離の測り方は悪くねぇが…)

とはいえ、まだ戦闘になるとは限らない。戦闘になれば容赦しないがそれに至るまでは意外と冷静だ。
相手の呟きに、何言ってんだコイツ?という風に眉を潜めていたが…。

「――あン?まぁ別にいいがよ。問答無用で吹っ掛けて来たら話は別だがそうじゃねぇならどうもしねぇよ。
…あと、俺はそういう組織や部活を潰す側だ…勿論、皆殺し前提でな」

淡々と告げる。組織の人員の身柄の確保などはせず、組織ごと全部潰す。そういう役割だ。
単なる風紀の側というよりも、始末屋といったほうがニュアンスは正しいだろう。

両手を挙げる相手に、軽く面倒そうにため息を漏らしつつ改めてそちらを眺め。

「あーー面倒だからどうでもいい。取り合えず名前だけ名乗っとけ。
…で、俺と違って一般学生ぽいがわざわざこっちに来る理由でもあんのかよ?
ただの物好き――にも見えねぇな。俺を尾行したのもそっちの思惑の一環だろ」

白鈴秋 > 「……風紀にもそういう部署はあるんだな。特別攻撃課ってのも聞いた事あるが。って別に風紀って訳じゃねぇんだっけか? まぁ良いか」

 そっちに近い何か、もしくは裏の何かかなどと思いながら腕を下ろす。
 それから少し腕をプラプラと振り。

「白鈴秋。6月終盤くらいにこっちに転入してきた1年だ」

 言われたとおり名前を名乗り。それから少し顔をしかめる。
 だがまぁ言わないわけにもいかず。ポツポツと。

「ちょっと探してる連中がいてな。ここやスラムにはそういう奴らの情報が多い、だから来たんだが……見ての通りだ。少し不審なことをすれば風紀に見つかる。叩いても埃一つでやしねぇ」

 殺す為とか復讐だとかそういった意図は伏せる。だが人を切り刻むほどの空気を持った彼だ。一瞬目の奥にちらついた怒りは見えたかもしれない。
 それから周囲を見て。

「あんた達風紀はなんでこんなに集まってるんだ。今噂のアンデッド騒ぎの調査及び殲滅……って所か? 他の事件も併発してるとかだと。笑えねぇんだけどな」

 腰に手を当てある程度は警戒した様子で周りを見ている。目立ったのは事実なのだから第3者が来てもいいように。
 さっきまで一触即発の空気だったのだ。ただでさえ少なかった通行人などほぼ皆無に等しい状態にまで今は減っていることだろう。
 もっともすぐにまた通行してくるからここは大通りなのだ。人はまた増える。