2018/09/21 のログ
ご案内:「落第街大通り」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > 治安が悪い、裏社会の連中が蔓延る場所、学園都市の暗部――と言えども、学園都市の一部である以上、管理責任というものは発生する。
公式に『落第街』という場所が認められていないとしても、この場所から歓楽街や学生街に不安の種が芽吹く事は避けなければならない。

「…流石に大通りともなれば、辛うじて理性のタガがこびり着いているか。まさか臆病風に吹かれた訳でもあるまいしな」

【落第街の治安維持の為、風紀委員会による示威行動を行うべきである】
と委員会に提案し採用されたまでは良かった。そこから、過激派の先輩方の御尽力によってその示威行動を自分が行う羽目にならなければもっと良かった。

お陰様で、仏頂面を浮かべながら鋼鉄の異形を引き連れて大通りを練り歩く事になってしまった。ある意味、風紀委員会の力を示すには丁度良いパフォーマンスだったかも知れないが。

「……どうせなら、違反部活に名の知れた連中を使うべきだろう。後方支援の委員を前面に押し立てても、認知度が低ければ脅威足り得ぬやも知れぬと言うのに」

ぶつぶつと不満を零しつつ、アスファルトを踏み砕き、路上の車を踏み潰し、異形達を引き連れて周囲を睥睨する。

神代理央 > 周囲を威圧する様に向けられた異形達の砲身に、住民が見せる表情は様々である。
少年を知らぬ者は、見掛け倒しの屑鉄と笑うだろう。ある程度知る者は、今夜は面倒事が無さそうだと安堵するだろう。
そして少年を良く知る者は、引き連れている異形の数に忌々しげに舌打ちするだろう。

「さて、好き放題歩いてはいるが、意外と大人しいものだな。それとも、喧嘩を売る相手を選ぶ知能くらいは身につけたのか?」

今の所、此方に対して敵対的な行動を取る様な住民はいない。
迷惑そうな表情や、困惑、憤怒、疑念の視線はあれど、それを直接行動に移す者がいないのは、落第街の統率が取れている証拠だろうか。

「…示威行動を、と言われていることだしな。散歩するだけでは、こいつらもつまらないだろう」

ふと大通りの中心部で立ち止まると、異形達が一斉にその砲身を天空へと掲げる。
何事かと立ち止まる者。意図を察して逃げ出す者。何処かへ連絡する者等、大通りの緊張感は一気に高まっていくが―

神代理央 > そして、轟音が響く。
異形達がその砲身を一斉に轟かせ、爆風と衝撃波が周囲にいた住民を襲う。
そして、放たれた砲弾の行き着く先は、大通りからでも見える電力を中継する為の鉄塔。非合法に建築されたであろうその鉄塔に、鉄と火焔の暴力が襲いかかった。

数瞬の後、地鳴りの様な爆音が響くと同時に少し離れた地区が一斉に停電する。
文明の光を失った地区からは、驚愕の入り混じった悲鳴が聞こえるだろう。

「…こんなものか。誰かを傷つけている訳でも無し。穏健派の連中もこれならば文句はあるまい」

硝煙の匂いに包まれた大通りで、満足げに頷いて懐から飴玉を取り出す。
果物の味がする砂糖の塊、と評された飴玉を口に放り込むと、その暴力的な甘味に満足気に目を細めた。