2018/11/18 のログ
ご案内:「落第街大通り」にパンデミック(スカイシャーク)さんが現れました。
パンデミック(スカイシャーク) > 落第街の南端。
海面のその上空に、真っ赤な大鮫が重力に逆らい、浮いている。

それは、今もなお落第街を俯瞰し続ける、
大空の魔物、スカイシャークのパンデミック。

パンデミック(スカイシャーク) > 遊泳するかの魔物は、海面を睨みながら、
顎に強大な魔導のエネルギーを蓄えている。
―――久しくスカイシャークが現れたのはどういうわけか、これまでは充電期間だったのかもしれない。

何度か落第街に降り注いだ魔導レーザーとは、
比にならぬ魔力の収束が、落第街の上空で起こり…
煌びやかな白色の魔力の放射が、夜空を不気味に光らせている。

パンデミック(スカイシャーク) > 「ギシャァァァアアアアァァ―――ッッ!!!」

この大鮫を近場で見上げたものがいるなら、或いはその咆哮を聞いたものがいるなら、
思ったより大きい、との感想を抱くかもしれない。
スカイシャーク。普段かなり上空に位置しているが、
今日この日に限っては、海面の近くを遊泳していた。

そして。落第街のごく、近海の中へと…
溜め込んだ魔力で織り成される、破壊の光線を咆哮と共に打ち込んだ。

パンデミック(スカイシャーク) > ……いずれ、海面から、このスカイシャークの様な、
普通は海に居る筈の生き物の姿をしたモンスターの怪物が、
近海から這いずり上がってくる事になる、かもしれない。

ご案内:「落第街大通り」からパンデミック(スカイシャーク)さんが去りました。
ご案内:「地下闘技場」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > 歓声と罵声が飛び交い、リング上では異能と魔術。そして鍛え上げられた肉体がぶつかり合う。
落第街でも数少ない死人の出ない場所である闘技場。多くの戦士達が武を競い合う中で、場違いな程小奇麗な洋服を着込み、のんびりと試合を観戦していた。

「…流石に、闘技場で制御薬を用いる者は見当たらないか。しかし、どいつもこいつも落第街に埋もれさせるのは惜しい。私費で雇いたいくらいだな」

眼下で繰り広げられる力と力のぶつかり合いに感心しながら、売り子から購入した温かいココアを啜る。
任務の一環として訪れた場所ではあったが、見応えのある試合の数々に満足気に瞳を細めていた。

神代理央 > 落第街の近海で観測された魔力。流通の止まらぬ制御薬。
頭の痛い懸案ばかりだが、今が好機とばかりに権力争いに無心する一部の上層部の姿もある。

「いっそ、強化された異能に溺れている方が楽なのかも知れんが。…いや、それは安直過ぎるか」

自嘲めいた独り言を零した自分自身に思わず苦笑いを浮かべる。
闘技場では、雷撃を宿した魔剣を使う男が植物を操る異能を持つ男を打倒したところだった。
白熱した試合内容に歓声が轟き、そこかしこで選手に賭けられていた現金が飛び交う。

神代理央 > ―と、闘技場の喧騒に紛れる様に近づいてきた黒服の男が隣に腰を下ろす。
傍から見れば、闘技場を見学するボンボンとその付き人といった風体。あながち間違いでも無いのだが―

「…遅かったな。既に3試合は終わったぞ」

『申し訳御座いません。土壇場で公安の手入れがありまして』

淡々と小声でやり取りしつつ、男から差し出された小さな箱を受け取る。

『組織の人間が実際に使用している所も確認しました。間違いなく、本物です。それなりの値はしましたが、既に流通経路が完成している事もあって、効能に比べると安価かと』

男から差し出された箱を開ければ、小さな小瓶と注射器が一つ。無造作に小瓶を取り出して観察した後、元通りに仕舞い込んで懐へと収める。

「ご苦労。謝礼は何時ものように。…ああ、それと。此の事は、父には伏せておいてくれ」

視線を一切交わすことなく、男との会話は終了した。
一礼した男がその場から立ち去るのを見ようともせず、新たに始まった試合を無感情な瞳で見下ろしながら小さく息を吐き出した。

神代理央 > 次の試合は、二丁拳銃の女性とガントレットを嵌めた男。
司会の男が簡単に選手の能力を説明している。

『どうです?旦那もお一つ!今んとこ、倍率はどっちもどっちって感じですけど』

と、此方に賭博の売り込みにやってきた少年。
チラリと視線を向けて、暫し考え込み―

「…そうだな。それじゃあ、あの二丁拳銃の女性に一つ賭けてみようか」

毎度!と破顔する少年に紙幣を数枚渡す。
払い戻しの説明をして立ち去って行く少年も見送った後、ゴングの音と共に始まった試合に視線を向ける。
機械の様な正確さで放たれる弾丸をガントレットで弾きながら、猛然と接近した男がその拳を振り上げていた。