落第街の大通りから裏路地までいたるところに存在している違反部活群。
違反部活とは校則で禁止されているような非合法な活動に手を染めている部活や組織の事である。
不健全な店、風俗店などの娼館めいたものや、違法薬物の売人、違反部活のために働かされる二級学生、違法なレートの賭博、異能/魔術犯罪組織などがひしめく魔界である。
風紀委員などの手入れが入ることもあるが、落第街そのもの全てを摘発することは困難を極めるため未だ違反部活などは存在したままである。
違反組織の拠点や住居などもここに多く存在している。
※フリー設定ルームなので、落第街に存在する違反部活にまつわる施設や活動などのロールに合わせて設定などご自由に御変更ください。
●この部屋には固定パスワードが設定されています。
参加者(0):ROM(1)
Time:02:36:10 更新
ご案内:「薬物製造拠点」から神代理央さんが去りました。
■神代理央 > 「…頭痛は相変わらずだが、一度くらいなら耐えられるレベル、か。ならば、もっと戦わねばならんな。もっと、もと」
遠くから響くサイレンの音。
後始末に駆けつけた同僚達の仕事の速さに満足しながら、球体に飛び乗り腰掛ける。
少年を乗せた球体は静かに浮き上がり、薄暗い落第街から飛び去っていった。
■神代理央 > いままでの異形達と違い、砲声も黒煙も無い。
戦闘が終わった後も、実に静かなものだ。
つい先程まで、凄惨な殺戮が行われていたとは思えぬほど、荘厳なまでの静寂に包まれていた。
「…こうなると、あの硝煙の匂いも悪くは無かったと思ってしまうな。味気ないものだ」
ポツリと独り言を呟く己の姿を、淡く輝く銀色の球体が鈍く照らしていた。
■神代理央 > 光条に穿たれた物質は、熱したナイフを当てられたバターの様な音と共に消失する。
サーチライトの様な光が地上を撫でる度に、其処に存在したモノは膨大な熱量によって蒸発していく。
それでも、ある程度の抵抗は存在した。というより、抵抗させた。銃器、異能、魔術。あらゆる力が、空中の球体に向かって放たれる。
しかし、殆どの攻撃は小型の球体が展開したバリアによって防がれ、極稀に少年の乗る球体に命中しても、数秒立たぬ内に修復している。
絶望的な戦闘は、地上の建造物がエメンタールチーズの様になるまで続いた。
「…む、終わりか。戦闘系の組織でなければこんなものか。やはり、チンピラ相手では話にならんな。転移荒野にでも行ってみるべきか」
地上に降下した小型の球体が、隠れ潜む生存者を処理していく。数分と立たぬ内に、この工場"跡地"で動く者は自分以外に居なくなるだろう。
ゆっくりと高度を下げた球体から、身軽な動作で地上へ降り立ち、大きく背伸びして身体の緊張を解した。
■神代理央 > 以前スラムを一層した球状の物体は、違反部活の間でも僅かながら情報共有が成されていた。
といっても、その見た目程度しか情報が無く『風紀か公安の新兵器』か『薬物中毒者の与太話』くらいに認識されていた。
とはいえ、裏社会で生きる猛者達は決して油断したり情報を軽視する事は無い。
球状の飛行物体が強力な攻撃手段を持っている"らしい"となれば、一応対策くらいは各々行っていた。
そんな努力を嘲笑う様に、今夜も落第街で鋼鉄の月が輝く。
「痛み止めを飲むほどの敵が居れば良いがな。それでは、仕事といこうか」
工場の直上に突如として現れた巨大な金属の球体と、無数の小さな球体。
何事かと空を見上げる構成員を見下ろすのは、巨大な球体に腰掛けた風紀委員の少年。
「抵抗は決して無意味では無い。諸君等の健闘に期待しよう」
そして球体は輝き、夜闇を切り裂く無数の光条が地上に降り注いだ。
ご案内:「薬物製造拠点」に神代理央さんが現れました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群/倉庫」からイレイスさんが去りました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群/倉庫」からパンデミック(殺人ムカデ)さんが去りました。
■イレイス >
蹴りの後に後方に宙返りして親指を下に向ける。
「地獄に帰りやがれ」
戦闘終了。その直後、変身を解除しようとしてふと、思い立つ。
今の自分は毒まみれではないか?と。
「うげ……きったねぇ………」
下手に変身解除して毒を受けたり、下手したらパンデミックになったりするのは御免で。
となると、変身を維持したまま丸洗いと消毒コース。
格好つかない。
「くっそー。紛れもない強敵だったぜ」
のしのしと歩き出し。
「おっと」
地面に放り捨てたまま燻っていた煙草の火を踏み消し。
黒の災厄はその場を去っていった。
■パンデミック(殺人ムカデ) > 「ギッシイイイァァアアアアァァアアアアアアア―――!!!」
足元から火花を散らしながら猛回転する殺人ムカデ。
両手で受け止めながらも押し込み、隅へ追い詰めようとする!
しかし、肘打ちでその猛回転を抑え込まれ、そして、その僅かな合間を縫って高く飛び上がるイレイス!
ディザスターの必殺技は、災禍の名を示すように蹴りかかり。
巨大な衝撃を、十字の衝撃を殺人ムカデに刻み込まんと猛回転と拮抗する!
散る火花は益々増え、ムカデの身体を猛火に包み火炎車を作り出す。
「ギシイイイイイィィ…!!!」
パンデミックの行動理念は、より多くの殺害と、それによる仲間の増加。
殺人ムカデだって同じで、殺害という理念に基づき、最後までその身体を燃やしてだって彼を殺害しようとする。
しかし、異世界の軍事兵器、殺人ムカデは、ついにその行動理念を全うする事が出来ず、
身体を炎に包みながら、十の字を刻まれ、その圧倒的な防御力を誇った甲殻を4分割され、
「ギ……ギッ…ァァァァ…」
機能停止へと陥る。
裂けたパンデミックの向こう側、ディザスターフォームのイレイスの必殺技の証。
十の形の衝撃が倉庫の床に残っていた事か……。
■イレイス >
拳が唸り、何度も何度もムカデの金属装甲を殴りつける。
パンデミックであり、戦闘兵器でもあるその毒と死に満ちた巨躯を破壊せんと吼える。
「うおおおおおおおおおぉぉ!!」
攻撃。攻撃。攻撃。
その猛攻はついに、殺人ムカデを弾き飛ばした。
と、思っていた。
が、違う。
虚を突いて襲い掛かるそれは、三次元角度からの圧倒的質量攻撃!!
「!!」
振り向いて受け止める。
両手でがっしりホールドしながらも、摩擦で火花を散らしながら後退していく。
止まらない、だがこのまま逃がせば手負いの魔虫はどんな災厄を齎すかわからない。
いや。
違う。
災厄は、自分自身だ。
こいつにとっての。
「痛ぇなこの野郎ッ!!」
打ち下ろしの肘を叩き込む。
その直後に天井を突き破って跳躍。
マフラーをエネルギーに変換しながら、遥か眼下のムカデに向かって蹴りを放つ。
イレイスの必殺技は、このフォームになっても一切変わることなく。
いや、その威力は。
「ディザスタークロス!!」
もし、この災禍の一撃をまともに受けたなら。
地面に十字の亀裂を生じながら、必殺の衝撃をまともに食らうことになるだろう。
■パンデミック(殺人ムカデ) > 「ギイイイイッ?!」
別人に成り変わったかの様な圧倒的なパワー。
そして、これ以上は潰させまいと言わんばかりの強固な装甲。
そんじょそこらの金属とは比較にならない圧倒的な防御力は、オリハルコン…現世にはない幻の金属によるもの。
たった片手で、この巨体を引き剥がした。そう、人間10人以上もあろうこの重金属のボディをだ。
「ギシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!!」
それからの攻防は一転、殺人ムカデが一方的に、しかもその金属装甲を容易に穿つようなパンチで殴られるばかりだった。
強化された筋肉と、圧倒的硬度から繰り出される超絶威力の、しかも連撃。
戦車砲に何度も撃ち抜かれた様にボコボコになり、身体がグシャグシャになっていく殺人ムカデ。
このまま全身を殴りつける事が出来たなら、イレイスはこの殺人ムカデをペシャンコにしてしまい、
無力化させることが可能だろう。
…そう。このまま殴りつけられたなら。
「ギッシイイイァァアアアアァァアアアアアアア―――!!!」
パンデミックは連撃の途中で、最も強化された頭部をイレイスに向けた。
そうであっても、この拳はパンデミックを軽く吹っ飛ばすほどの威力を発揮し、倉庫の向こうへと弾き飛ばし―――
―――たわけでは、ない。
イレイスの圧倒的な破壊力のある拳の勢いを、その身体に乗せて回転させる。
ムカデの長い身体で円形を作り、タイヤの様にぐるぐるして走り出す。
―――床を這い、加速!!
倉庫の端の壁面に達する。
―――壁面を水平から90度の角度で這い、更に加速!!
倉庫の天井へと達する。
―――天井さえも滑走路にし、水平180度でグルグルと周り、加速!!!!
タイヤと化した100を越える足が織り成す爆発的な加速度。
それは再び天井から壁を伝い、床を伝い―――
「グシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア―――ッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
この後止まる事など一切考えないで、
倉庫を一周、地震の様に施設を揺るがしながらイレイスの背中目掛けて迫りくるッ!!!
■イレイス >
自分の首筋に顎門が近づいた時。
「おい」
まるで犯罪者にそうするかのように鋭く語りかける。
「そろそろ離れてくれねーかな……鬱陶しいんだよ!!」
左手でムカデの首筋を押さえ、死の顎門を押し留めると、右手一本で拘束を引き剥がした。
凄まじい硬度を誇る金属、オリハルコン製の外装甲。
精緻に組み込まれた強化人口筋肉。
それらを十全に動かす機構。
それらは、今までのイレイスとは桁違いのパワーと装甲を発揮する。
「死ぬところだっただろ? てめーも再殺してやる、ゾンビムカデ野郎!!」
超加速し、連続攻撃。幾重にも拳を叩き込む。
その一撃一撃が重く、鋭い。
■パンデミック(殺人ムカデ) > 新たなる黒の鎧を身に付けるヒーロー、イレイス。
新たなるディザスターフォームへと切り替わり、爆炎のようなエネルギーが放射される。
しかし、パンデミックは、そのムカデは光熱を前にして、彼に巻き付いたままだった。
「ガ、ギィ…ギシイイイイイィィ…ッッ!!」
彼を押し潰すまでは、あと少し、あと少しだったのだ。
今からどれだけ変わろうと、優勢は変わらないとでも言っているのか、
殺人ムカデは巻き付いたまま…じわりとそのノコギリをイレイスの首筋に近づける。
イレイスバレットすらも引き裂く、処刑台のような鋭いアゴ。それを思わせる輝きが近づく―――!
■イレイス >
「うおおおおぉ……!!」
全身に痛みが走り、人口筋肉にダメージが入ったのか、内部のセンサーにアラートが鳴る。
まずい、このままでは。
意識が遠のく、イレイスブレイドを握ることさえ…
「……ねない…」
頭の中に浮かんだのは、一人の女の顔。
「死ねないッ!!」
腕時計型変身アイテムを取り出し、手首部装甲に装着する。
「俺は……そう簡単に死ねないんだよォ!!」
エクスタイマー。最近完成した、ディザスターフォームへの変身アイテム。
それも今の環境で正常に動作するかはわからない。
ぶっつけ本番で高コスト実験機とは……
震える指でエクスタイマーのスイッチを押す。
手元で鳴った『Disaster on!』という機械音声が、どこか遠くに聞こえた。
次の瞬間、歪んだ光と熱が際限なく放射される。
黒の外装甲が全身を鎧(よろ)う。
「これが俺の……ディザスターフォームだッ!!」