2015/06/16 のログ
害来腫 > 【突然現れた謎の男に、即座に臨戦態勢をとり】
あぁ…?
【続いて出る言葉に、怪訝な顔をする。】
【確かに面影はある、あるが…】

冗談言え、そいつはもう死んだ筈だ…
それに俺の記憶じゃあ、あの野郎の体はそんな安い手品みてえな
面白い事にはなってない、五体満足だったはずだが
【目の前の相手の狂気に圧され、耳打ちされた直後に思わず後退する。】
【見れば見るほど、眼前の怪人は確かに記憶の中の幹部に瓜二つで】
【それでいて、その中身が全くの別物過ぎた】

【少なくとも、記憶の中の調慄者《ネゴシエイター》は】
【脳筋の失落園や享楽主義の腐条理と違って全うな会話のできる人物だったはずだ。】

調慄者 > 「疑り深いなぁ……君は。
 そんな姑息で慎重なところは結構利用できたって評判だったんだけどねぇ
 でも、これを見れば信じてもらえると思うけどぉ♪

 語部刻印《ドッグ・イアー》ーっ!!!!

 ひ、ひゃははああはははははっ!」

右手に現れた本、それこそが調慄者の異能であり、ブラッタも知る調慄者《ネゴシエイター》の異能であった。
ページを捲り読む読む捲る捲る読む。
それは栞をつけた者の行動を物語として読む能力だ。
元部下の多くに栞をつけていたことは有名でブラッタもその例外ではなかった。
今、読まれている。
ブラッタの行動が、物語として。

「あーぁ、あーあー……ほーんと。
 ほんっ……とうにクズだよねぇ君は。
 あぁ、昔からちーっとも変わらないよねぇ君はっ!
 そんな君に僕はもう……もう……。
 あははははひひひひひひゃひゃひゃひゃひゃひゃあっはっははっはhhhhhhhhrrrrrrrr……」

悲しむかのように顔を手で覆い、かと思えば急に笑い出して天を仰ぐ。
異能こそ調慄者《ネゴシエイター》のものであれど、
その言動、行動は過去の調慄者《ネゴシエイター》と全く別のものであった。

ご案内:「とある違反部活の前」に害来腫さんが現れました。
害来腫 > ち…言ってくれるぜ…
【諜報員であった男は、情報というものの重要さ、意味を理解している】
【それが故に、問答無用でこちらの秘匿情報を丸裸にしてくる彼の異能には苦手意識があった。】
【だが、以前までの彼であれば、むやみに他人の情報を読むような真似はしなかったし
【読んだとしても今のようなリアクションを返したりはしなかった、しかし…】

認めたくはねえが、確かにあんたは本人のようだ
…で、今更俺に何の用だ、その分だとお喋りに来ただけって
かのうせいもありそうだが

【正直なところ、適当に喋らせて早くお帰り願いたいと、男は思っていた。】
【昔ならともかく今の彼は完全に狂気に憑かれている。】
【とても自身の逃走に役立ってくれるとは思えない】

しかしまあ、随分と大胆なイメージチェンジしたことで…
それにその体、一体何があったんだ…
【こちらも以前と違い、タメ口かつあきれた調子で問いかける】

調慄者 > 「思い出してくれて嬉しいなぁ。
 かつてはロストサインのマスターが一人、調慄者《ネゴシエイター》!
 だけど今は学園の平和を願う正義の怪人調慄者《ピースメイカー》さっ!」

右腕を胸の前で交差させてポーズを取る。
決めポーズか何かか。

「ん……正義?
 正義かぁ……正義とはなんだ?
 個人の主観論であり個人の一方的な解釈に行われる行為……。
 果たしてそれは正義といえるのだろうか……ではその逆の悪とは……?
 ブツブツブツ……」

突如意味不明なことをつぶやきはじめまるでブラッタが目に映っていないかのようである。
狂っている、異常である、まるで別の何かが乗り移っているかのような変貌ぶりである。

「んんー? あぁっ!
 はいはいはいー、忘れてないよーブラッタくん!
 何があったと言われれば色々あったさぁ、君にも色々あっただろうしねぇ」

変貌の理由についてはぐらかした怪人。
その身体を見れば尋常でないことが起きたのは伺える。

「そう、今日は君とおしゃべりに来たんだよ。
 これも大事大事、なんたって……『最後』のお喋りになりそうだからさぁ……ね?」

害来腫 > 【突如一人で呟き始める調慄者《ネゴシエイター》…いや】
【調慄者《ピースメイカー》、最早焦りとイラつきは頂点まで上り、爆発寸前だった】

あーわかりましたわかりました、その話は後でしますから
今はそこどいてくださいよ

【正直、関わっていられないというのが本音だった。】
【何より、常人なら確実に死んでいるであろう状態で】
【異種族でも不死の能力者でもない調慄者《ピースメイカー》が】
【まるで健常者のように振る舞うのが】
【男には異常に見えて仕方がなかった…否、その狂気もあいまり、恐怖さえ覚え始めていた。】
【今は一刻も早くこの違法部活の者達と話を…】

あ?

【横切ろうとした男、だがその次の調慄者《ピースメイカー》の一言で、一気に怒りの沸点を超えた。】


俺が死ぬ?冗談も休み休み言えよクサレキチガイ…昔はともかく、今のあんたはただの狂人だ。
手前に何か指図される義理も、煽られて黙ってる道理もねえぞ?
【憤怒の表情で調慄者《ピースメイカー》を睨む、一般人なら即座に逃げ出すであろう迫力と威圧感を、今の男は醸し出していた。】

調慄者 > 「お前はやり過ぎた、学園の平穏を乱し過ぎた。

 だから死ね。

 学園の平穏を乱す奴はこの調慄者《ピースメイカー》が許さない。

 だから惨たらしく死ね。

 でも僕は手を下さない、お前を殺すにはもっとふさわしい奴が居る。

 だからお前は『正義の味方』に殺されて死ね。

 あっはっはっはっはははひゃひゃひゃひゃはははははははははははひひひひhhhhhhhhhrrrrrr……おごぼっ!?」

嗤い嗤い嗤い嗤い、興奮のあまり口から何かが漏れた。
黒い、黒い、黒い、黒い泥だ。
それはとても良くないもので、良くないものが体に満たされていて、それが少しだけ溢れたのだ。

「僕はねぇ、お別れの挨拶に来たんだ……がはっ!
 はぁ……はぁ……ふひひひ……。
 も、もう舞台は整ってるんだから……降りるなよぉ?
 特等席の……ごぶっ……チケットは予約済みなんだ……。
 だから……。
 バイバイ、さよなら、グッドナイト、おやすみ、もう会うこともないだろう」

溢れた黒い泥が調慄者の足元に広がり、飲まれるように沈んでいく。
ブラッタのその怒りを煽るだけ煽って手の届かないところへと沈んでいく。
なんて悪質でろくでもない。

「次回よこぉーっく! 害来しゅごぼっ」

最後のその煽りの台詞、顔が泥に飲まれて途中で切れた。
調慄者を飲み込んだ泥は染みこむように消えていった。

ご案内:「とある違反部活の前」から調慄者さんが去りました。
害来腫 > てm…!!
【最早怒りの制御もままならないのか、体内に残った蟲を使い】
【目の前の狂人を細切れにしようとし】

…な、なんだこりゃあ…
【突如、調慄者の肉体から溢れた黒い、タールのような、泥のような何か】
【それを知覚するや否や、蟲が攻撃をやめ、あろう事か怯え始める。】
【感情のない、完全に異能で支配された蟲が怯える等本来ある筈のない事。】

お、お前…お前一体何なんだよ、何だってんだよぉ!!
【体を構成する蟲の怯えが伝播するかのように、内から湧く恐怖に心をかき乱される。】
【今まで散々恐怖を振りまいてきた自身が、今度は震える側に回った事に怒りを覚えるが】
【それ以上の眼前の存在が放つ異質さに、恐怖を拭えない。】

く、くそ…!!
【言いたい事だけ散々吐いた後、出てきた時と同じく唐突に消える調慄者、だが、この時ばかりは男は】
【獲物を逃がした怒りより、全く理解のできない存在から解放されたことへの安堵が勝った。】

【だが、自身の計画を遂行する使命感は】
【いつまたあの狂人が現れるかわからないという恐怖には勝てなかったのか】
【男は違反部活の者達と会うことなく、逃げるように排水溝へと姿を消した…】

ご案内:「とある違反部活の前」から害来腫さんが去りました。
ご案内:「空き地」に大好きなお母さんへさんが現れました。
大好きなお母さんへ > 落第街の奥まったところに、ぽっかりと空き地があった
かつてそこそこの大きさを誇った違反部活が本拠地としていたが、抗争により建物ごと滅び、その後は縁起が悪いとされ使われなくなった場所

そんな空き地は現在、親の分からない子どもたちが集まって遊ぶ一種の溜まり場となっていた
違反部活の中には風俗関係も多く、そうした「恵まれない子供」たちで落第街は満ちている

「――みんな、げんきにしてたかしらぁ」
そこへ、「お母さん」がやってくる

大好きなお母さんへ > 「あ、おかあさん!」
「おかーさんだ!!」
「ママー!!」

子供たちは一様に目を輝かせて「お母さん」へ群がった
見た目で言えば、「お母さん」も十二分に子供である
それも、まだ6~7歳の幼い子供だ
しかしその腹部はおよそ子供の大きさではなく、丸く膨らんだ腹はまるで妊娠しているようである
別に小児性愛を患った男に乱暴をされ妊娠したわけではない
彼女が妊娠している理由、それはひとえに「お母さん」だから他ならなかった

「よしよし、げんきにしていたみたいねえ……」
群がる子供たちの頭を撫でながら、定位置に座る
子供たちの中でも大きめの男の子が作った、木製の椅子
それは、母の日に送られた「お母さん」専用の特等席だ

ご案内:「空き地」に洲崎さんが現れました。
洲崎 > (落第街の空き地。
そこをふらりと散歩していた優男の目に写る。)

あれ、母さん?

(首を傾げる、なんで母さんがこんなところに?
ひかも...)

母さん..そのお腹どうしたの?
まさか父さんとまたやっちゃったり?

大好きなお母さんへ > 「ねーおかあさん! 今日も『うみなおし』してくれるんでしょ?」

一人の少女が、奇妙なことを言った
少女の言葉に、子供たちの目の輝きが一層強まる

「ふふ、あわてないあわてない……もちろん、するわよぉ?
だいすきなあなたたちのおねがいですものねぇ」

やったーと跳ねまわる子供たち
しかしその姿を、「お母さん」の異能を受けずに見れたものがいるなら、ある存在を彷彿とさせるだろう


薬物中毒者だ

洲崎 > 産み直し?

(母さんに近づく子供が確かにそう言った。
うん?子供?...誰あれ?
母さんをお母さんと呼ぶ子供達に違和感を覚え...)

あれれ?母さん...?

(母親に対し、小さく違和感が生まれる)

大好きなお母さんへ > そこに、一人の男が現れる
子供たちと違ってその体つきは立派に成人しており、もし本当に少女が母親であるならば、
子供たちと同じように「母さん」と呼ぶのは、おかしな話だ

「――あら、いらっしゃい。ここにくるなんてめずらしいわね?」

「お母さん」の声一つで、洲崎の中に生まれつつあった「違和感」が一度に吹き飛んだ
子供たちは自分の弟や妹だ
今更、何を言っている?――と

「あ、「にーちゃん」! おかえり!!」
「「おにいちゃーん」おみやげはー?」

突然現れた「初対面」の兄に、子供たちは群がり、弟、妹面をする
しかしそれは当たり前だ。「実の兄」に気を使う必要など無いのだから

「ふふ、やっちゃったなんて、げひんよぉ?
おとうとやいもうとたちに、ヘンなことおしえないで?」
口を少し尖らせて、めっ、と優しく叱った

洲崎 > あ...うんまぁね♪

(抱いた微かな違和感は母の一言で消え去った。)

やっほーマイブラザーにシスター♪
悪いけど今日はおみやげ準備してなかったんだよねー
今度はちゃんと買ってくるから許して♪

(久しぶりにあった弟や妹たちにそう告げ、頭を撫でていく)

いやぁごめんごめん、でも母さんも父さんもまだまだ
元気みたいで良かったよかった♪

(そう言って照れくさそうに頭をかく。
家族団らんなんて久々で少し照れくさい。)

大好きなお母さんへ > 「えーなんだーケチー」
「「おにーちゃん」きらーいあっちいけー」

落第街の子供たちというだけあって、かなり現金な性格をしているようだ
しかし此処では「家族の絆」による冗談へと昇華しており、皆が「幸せそう」に「笑った」

「ふふ、アナタなりにしんぱいしてくれた、とおもってゆるしてあげます
せっかくきたんだから、ゆっくりしてね
こうしてたまにでもいいから、カオをみせてくれるとあんしんするんだけど……」

兄弟のうちの一人が、兄ちゃん此処座れよー、と自分の座っていた土管の一部分を開けてやる

「それで、きょうはどうしたの? おやこうこうにでも、しにきてくれたのかしらぁ?」

洲崎 > えー!
ひっどいよお前らー!

(悲しそうに方をすくめる)

ハハ、ありがと母さん♪

(そう言って弟が開けてくれた土管に座り)

いやぁ、ちょっと面白いことでもないかなーって
散歩してたんだよ。そしたら母さんと皆がいるもん
だからさー、こっちのほうがびっくりしたよ♪

(こんなところで会えるなんて、ラッキーだったよ♪
と上機嫌に話し)

僕のことはいいから、母さんは最近どう?
大丈夫だと思うけど元気にやってる?

大好きなお母さんへ > 「これこれ、ケンカしないの。おみやげというのは、ねだるものじゃありませんよ」

そう諭されればごめんなさーい、と口々に洲崎に対して謝ってくる
場所は荒びれているが、確かに「仲の良い家族」の「団欒」が、そこにはあった

「かわらないわねぇ、そうやってヒマになるとすぐふらふらするんだから……
わたしたちはさいきんこのあたりであそんでいるのよぉ
ここなら、そんなにさわいでもおこられないし、ねぇ?」

子供たちが一斉に、うん、と元気よく答えた
とは言え、たとえ誰かが怒りに来たとしても、結局その人物も「息子」や「娘」なわけだが

「ええ、げんきよ。さいあいのコドモたちにかこまれて、げんきじゃない「おかあさん」がいるものですか
きょうはあなたもいるから、いつもよりげんきげんき」
ほら、と両腕を曲げて殆ど無い力こぶを見せるように

「そうだ、にーちゃんも「うみなおし」する?」
一人の少女が、不意に聞いてきた

洲崎 > そりゃ騒いでも平気だけどさぁ、
ここはちょっと危ないよ?

(母を心配しそう呟くが、母なら大丈夫かなと安心
してしまう)

ハハ、元気なら良かった...僕もたまにで良かったらここに
寄ってみるよ♪

(家族の何気ない会話、そんな会話され本当に久しぶりで
楽しい...)

ん?うみなおし...何それ?

(妹の言葉に首を傾げる)

大好きなお母さんへ > 「え、どうして? わたしココにいてだいぶながいけど……アブないメにあったことなんて、いちどもないわよぉ?
それに、もしなにかあっても……「おとうさん」がまもってくれるから、しんぱいないわよぉ」

しんぱいしてくれてありがとね、と付け足して微笑む
どんな悪鬼でも、どんな犯罪者でも、どんな神でも
等しく母親はいて
そして
「お母さん」は母親なのだ
「お母さん」はみんなの「お母さん」として振る舞うし、事実「お母さん」なのだからそこに疑う余地はない

「ええ、たまにいないときもあるけど……そのときはこのコたちとあそんであげてねぇ」

「お母さん」に群がる子供たちを愛おしげに抱き、頭をなで、頬に口付けする
照れくさそうな少年、嬉しそうにはにかむ少女、反抗的な態度を見せつつ内心嬉しがる少年

みな、「お母さん」がだいすきだった

「「うみなおし」はね、おかーさんのおなかにもういちどはいることなんだよ!
とってもおちつくし、すごくきもちいいんだ~♥」

常識の外
洲崎の妹が語った内容は、気でも違えたのかと思うほど歪なものであった
ただし、それを、「家族の一員」である洲崎がどう思うかは……
きっと、お母さんをどれだけ愛しているかによるのだろう

「よかったら、やってみる? おかあさん、がんばっちゃうわよぉ?」

甘い甘い母の声
甘い甘い誘惑
しかし誘いに乗ってしまえば――

洲崎は、子供たちとおなじになってしまうだろう

洲崎 > そっか、なら安心だね♪

(母親の言葉、そして父の存在に安心する)

あぁ、分かった...って、母さんの中に入る?

(妹の言葉に呆気に取られ...また疑念が生まれる)

そっか、また戻って産み直す...そうかそうか♪

(そして、男は狐面のような笑みを浮かべ)

なぁお前たち、僕はこれからちょっと母さんと
大事な話があるから少し遊んできてくれない?

(自身の周りにいる子供達にお願いする)

大好きなお母さんへ > 「えーなんだよー秘密のおはなしー?」
「わたしもききたーい!」

ぷんすか怒る子供たちだったが、「お母さん」のおねがい、ちょっとだけ、ね?
という言葉に、渋々空き地を後にした


「……おはなし、って、なにかしらぁ?」
にっこりと笑みを絶やさず、洲崎に尋ねる
その間も、膨れた腹を愛おしげに撫で続けていた

洲崎 > あぁ、ちょっと気になってね♪
それと...初めまして、お嬢さん。

(そう言って恭しく一礼する。
疑念が確信に変わり、目の前には母ではなく
黒いドレスの少女がいる)

いやぁ、驚いたよ。
あの子がいなかったら気づけてなかったね♪
ホント、君のことを完全に母さんだと思ってたよ♪

大好きなお母さんへ > 「……? なにを、いっているの……?」

全く理解できていない、という様子で首を傾げる
目の前にいる「息子」が、突然、まるで自分が「母親」ではないかのように語り始めれば、
子供がおかしくなったのか、と心配する母親の面持ちへと変わる

「――ああ、そういうあそび? なあんだ、おかあさん、アナタがヘンになっちゃったのかとおもってびっくりしちゃったわよぉ」

ほっと溜息を付いて、優しげな笑みを再び向ける
「で、わたしはどういうふうにふるまえばいいのかしらぁ?
こう?」
椅子から立ち上がって、ドレスの端を掴んで慇懃に頭を下げる
「こんにちは、ステキなヒト……こうかしら?」

洲崎 > 夢はいつか覚める...僕にはもう君が母親には見えないよ♪

(困惑する少女を見てニコリと笑う)

僕が変になったんじゃない、変になっていたけど
戻ったんだよお嬢さん♪

それに、ぼくの母さんがこんなに若くて可愛いなんて
ありえないしね♪
でもさっきまでは僕は君を母さんと呼んでいた...
それがなぜなのか気になるんだ♪

(ニコリと狐面のような笑みを返す。
先ほどまでの笑みとは全く違う)

大好きなお母さんへ > 途端に、優しげな慈母の如き表情が、凍てつく氷のそれへと変貌した

「ああ、いやだわ……もうはんこうきがきたのね……」

ゆらり、と少女が不気味に揺れたかと思えば、頭を掻きむしり、子を宿している身で、激しく左右に肢体を振り回す


やがてぴたり、と動きが止まった

「……そうね、「あなた」……そうよね……わるいコには、おしおきが、ひつようよね……」

乱れた前髪から覗く瞳は、狂気の一言では表せない、異質な「何か」
もはや洲崎の言葉など耳に届いておらず、そこにあるのは、異質となった「お母さん」と――





憤怒の形相を現した、「お父さん」だ





直感的に悟るだろう
この「お父さん」には、どう足掻いても、いくら知恵を振り絞っても、超えることが出来ない

あまりに、「偉大すぎる」父親が、そこにはあった

洲崎 > 反抗期、というより自立と言ってほしいね...
父さん♪

(父さん、と言ったがそれは自分で感じただけ...
今目の前にいるのは確実に先ほどまで話していた少女であり
そしてこの少女と真っ向からやりあうのは愚策)

僕は話がしたいだけなんだけど...ダメかい?
僕はただ気になっただけなんだけどなぁ...

大好きなお母さんへ > 「あなた、もうだめなの……わたしには、このコのかんがえてることがわからない……!」

「あなた」と呼ばれた洲崎の「お父さん」に、泣きながら縋りつく「お母さん」
「お父さん」は何も答えず、じっと洲崎を見下ろしている

洲崎の言葉はもはや少しも届かないようで、狂乱した「お母さん」には、もはや洲崎が反抗期の息子にしか見えていないようだ

洲崎 > あっはぁ...これはお話どこじゃなさそうだね♪

(おそらく自分の言葉は届かない...そう確信し)

それじゃぁ父さんに母さん、僕は行くよ♪
それと...楽しい夢をありがとう。

(男は路地裏を歩き出す。
本心から感謝を述べながら)

大好きなお母さんへ > 「うっ、ううう、あなたぁ……」
洲崎がその場を去れば、現れた「お父さん」も陽炎のように消える
泣き崩れている「お母さん」を落第街の子供たちが見つけるのは、洲崎が去ってから5分ほど経った後のことで
延々と「あなた」という言葉を繰り返していたという――

ご案内:「空き地」から大好きなお母さんへさんが去りました。
ご案内:「空き地」から洲崎さんが去りました。