2015/06/20 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に犬飼 命さんが現れました。
犬飼 命 > ごみ収集場に人が次々と飛び込んでくる。
いずれも違反学生であり気を失った状態で次々と折り重なる。
一体どこから飛んできたのか、元をたどれば犬飼が居た。

「チッ……ずいぶんと手こずっちまったか」

ひと通り活動を終えたようで通りに積まれた荷物に腰を下ろす。
顔には殴られた後、どうやら一撃をもらった様子。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」に薄野ツヅラさんが現れました。
犬飼 命 > 「ここまで鈍ってるとはな」

ずいぶんと久しぶりの活動だ。
とっくに活動停止の処分は終わっていたというのに、今日のこれが再開後初めての活動だ。
以前であれば強力な異能使いと戦わない限りは一撃をもらうことは珍しかったというのに。
今回の相手はスカートめくり同好会と春風の写真撮影部が合併した『春風スカートめくり写真撮影部改二』であった。
居たのはせいぜい風を操る異能使い程度であった。

活動停止の間のブランクのせいだと言い訳は通じない。
そこまで衰える期間ではなかったはずだ。
あったとしたら環境の変化、心の変化であったろうか。

薄野ツヅラ > 「ンッンー………
 最近の風紀委員さんは集団行動を心がけるようにしてたんじゃないのかしらぁ?」

かつり、かつりと杖をつく。
乾いた音を鳴らしながら歩むは赤いジャージにヘッドフォン。
ちらと殴られた痕のある青年を見遣れば、くああと小さく欠伸をひとつ。

「暴力はあんまり褒められたことじゃないと思うけどぉ」

犬飼 命 > 「……ハッ。
 そういうのは刑事課とか一般委員のやつらのことだ。
 俺には関係ねぇ、勝手にさせてもらってるぜ。
 それにこれが俺の仕事なんでなぁ、暴力を振るわれるような違反をしてる奴が悪いのさぁ」

犬飼は風紀委員の中でも特殊な立ち位置だ。
首輪がそれを示している。

「薄野ツヅラ……ココらへんを頻繁に出歩いてるって有名なやつか。
 一般の生徒がこんなところうろついてんじゃねぇぞ」

風紀委員会でも度々報告はされている。
治安の悪い場所で一般生徒が頻繁に出歩かれると風紀委員会としては好ましくはない。
そのような意味で薄野ツヅラは要注意人物だ。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」に東郷月新さんが現れました。
東郷月新 > 「確かに、女子がうろつくにはちと危険な場所ですなぁ」

のんびりと。
まるでおのぼりさんに注意する気のいい人間のように。
『それ』は、闇の奥から現れた。

「最近はなにせ、物騒ですからなぁ」

ふらりとあらわれた男は。
さて、先日犬飼が会ったのと同じ男なのだろうか。

薄野ツヅラ > 「まァ自業自得って云うのは解らなくもないけどぉ──……
 有名って云うのは気のせいよぉ、ただの一般生徒だしぃ」

ひょい、とチュッパチャップスを口に含んで弄ぶ。
ふと聞こえた声の方へとゆらり、視線を向ける。

「そうねェ──……人死にの数も最近は右肩上がりみたいだものねェ」

くすり、小さく笑う。

犬飼 命 > 「風紀委員会で名前が上がる奴が謙遜すんじゃねぇよ。
 てめぇのような奴は連れ戻せって上がうるさくてなぁ……」

そんなことを言ってわざわざ出歩く奴のどこが一般生徒だと言いたげな表情だったが。
視線と声につられて向いた先。

「……ロストサインの東郷っ!
 あぁ、元だったなぁ、えぇ!?」

まるで毛が逆立つかのように気が逆立ち凶犬の顔を東郷に向ける。
指を鳴らして今にでも飛びかかりそうない気迫。

「ずいぶんと飄々としやがって、こんな所に何用だぁ?
 いや、俺には知ったこっちゃねぇがよぉ。

 薄野ツヅラだったな。
 治安が悪いにわざわざ潜り込んで来てんだ、てめぇもそのうちの数に入りてぇのかぁ?
 悪いが、俺はてめぇを守る気はさらさらねぇんでなぁ!」

東郷月新 > 「ええ、元ロストサイン、ですなぁ。
グランドマスター殿がおられなければ、あれは組織ではありませんので」

くくっと笑いながら、刀を引き抜く。
そこには、かつてあったはずの殺気が――無い。

そう、これが東郷の本来。
彼にとって人を斬るというのは、食事や睡眠と同じ。
人生に欠かす事の出来ない『何か』を補う為にやっているのだから。

「何の用?
人斬りにたずねる事ではありませんなぁ」

薄野ツヅラ > 「そんな大したことはしてないわぁ、唯の不幸体質───……」

一言二言云ったところで言葉を止める。
青年の発した"ロストサイン"と云う単語。少女は楽しそうに目を細めた。
数歩、後ろへ。
自分の舞台ではない、とその場を明け渡すように下がる。
目の前で風紀と元違反部活の大勝負とあれば、彼女の出る幕は──ない。
ただその場で遠くから眺めるに限る。
ポシェットから愛用の白銀に煌めくザ・ジャッジ──散弾の撃てる特殊拳銃──を
引き抜けば、至極楽しげに笑う。

「あっは、そう簡単には死なないから安心してほしいんだゾ──……☆
 守られなくても自衛くらいはできるわぁ」

犬飼 命 > 「そりゃその通りのことで……っ!」

あぁ、相変わらず肝が冷える。
初めて会った時よりも自然体じゃねぇかよ。
ソッチが本当の顔ってことかよ。

「自衛できるんだった安心だな。
 せいぜい死ぬなよ、後始末がメンドクセェからよ!」

ツヅラに言葉を向けた。
いちいち振り返る余裕などなかった。
前回の奇襲も、まず狙えないであろう。
人斬りの動きに集中する。

東郷月新 > ――やれやれ、あの凶暴性がナリを潜めている。
さて、多少賢しくなったのか、それとも怯えているのか。
いずれにしろ……

「――己の長所を殺すのは、感心しませんなぁ」

東郷が大地を蹴る。
まっすぐに、振りかぶり、袈裟がけに。
力任せに斬り付けるかのように、犬飼に襲い掛かる。

薄野ツヅラ > ぼんやりぼんやり、少し距離のある通りに積まれた荷物の上に腰を下ろす。
目の前で人死にが出るかもしれない状況で、のんびりと。
さながらスポーツ観戦の如く頬杖をつく。
見ず知らずの風紀委員とロストサイン。
情報収集にはうってつけだ、と携帯端末のカメラをこっそり構える。
飴を転がしながら、退屈を紛らわす。

(ンー……もし危なくなったら逃げればいいわねェ──……)

至極、楽しげに。

犬飼 命 > 「噛み付くだけが能じゃないんでなぁ!」

回避は振り下ろされる瞬間に、斬ることを主眼においた太刀筋は鋭い。
前回の戦いで多少慣れたとはいえ、完全に避けきれるものではない。
上着の胸に血がにじむ。
それでもいい、この距離であればこちらの射程内だからだ。

「やっぱ完全に見切れねぇかよ!
 ハハッ!」

笑い、回避した体勢で拳を打つ。
常識であれば当たらない距離だが犬飼の異能、覇道開拓《ヘラクレスゲート》であれば可能だ。
腕が『門』に突っ込まれている。
消えた拳は東郷の後頭部を狙うかのように開いた『門』から飛び出してくる。

東郷月新 > 「――ひとつ教えて差し上げましょう」

やはりまた『門』を使った攻撃。
だが、犬でも三度同じ手を使われれば気付く。
東郷は身体を捻ると、その『門』に向かい左手の脇差を突き入れる。
無理な体勢のせいで肩に拳を受けてしまうが、それでも刀は落とさない

「同じ手を何度も使えば、逆手に取られますよ」

犬飼 命 > 「――ぐぅ!?」

『門』と『門』自体は繋がっている。
これこそが犬飼の異能の『使い方』の弱点であった。
飛び出してきた脇差しが右肩に突き刺さる。
距離を取る。
ぶら下げた右腕から血が地面へと滴り落ちる。

「だよなぁ……まったく単調にも程が有るぜ」

自嘲気味に笑う。
こんなことであれば他にも使い方を考えておくべきであったと。
思い出す、過去にも指摘されたのだ。
脳裏に浮かぶのは兄の顔。

「……なぁ、戯れついでにちょっと質問だ。
 あんたは『犬飼健』って名前に覚えはねぇか?」

東郷月新 > 「犬飼健?」

ふと、その名を聞けば。
――このような場所で、その名前を聞くと思わなかった。
だが……

「――無駄な事ですなぁ。
教える必要はありますまい」

頭を振って答える。
この狂犬を昂ぶらせる為には、教えない方がいいだろう。

犬飼 命 > この思わせぶりな言葉に激高する。

「――どういう意味だてめぇ!?」

ガラスにヒビが入るような音、そして割れ崩れる音。
犬飼の後ろに人をまるごと飲み込むほどの大きな『門』が開いていた。
飛び込んだ、そして一瞬にして『門』は閉じた。

居なくなったわけではない。
犬飼は後ろだ、さらにその上空。
『門』を使用して移動したのだ。

上空から首に叩きこむかのように蹴りを入れようとしていた。

東郷月新 > 「――む!?」

まさか、瞬間移動とは。
なるほど、『犬飼健』の弟だけはある。

あわてて脇差と太刀で防ぐが、それでも衝撃は残る。
東郷は一度軽く下がり、コキコキと首を鳴らす。

「無駄な事だから、ですなぁ
――どうせ、今から死に逝く人間に、『真実』など必要ありますまい」

東郷の目がうっすらと開く。
――『門』の開放に反応しているのだ。
彼の近くで『門』を開く事は、そのヒトキリとしての衝動を強く煽る事になる。

薄野ツヅラ > (ンー……ある地点とある地点を繫ぐ、みたいな異能かしらねェ)

録画を続けながらぼんやりと考察していく。
ぼたり、垂れる血は赤黒く。
勝てない試合はしない、が信条の廿楽からしたら無謀ともとれるこの一戦。
観客として双方の異能が把握できれば美味しい、程度であったが───

(想像以上にいい話聞けちゃったかしらぁ)

風紀委員と云う立場で尚且つ好戦的な青年のスイッチを入れた単語。
そして初見では見抜くのに時間がかかるであろう異能。
敵に回した場合、相当有利に動けるのは間違いない。
未だ奥の手───及び異能について、もう片方はよく解らない。
恐らく異能ではなく地力で如何こうしているのだろう、と考察する。

(───此れだから血の気の多い奴は厭なのよねェ)

犬飼 命 > 「――チッ」

着地して低い体勢のまま東郷を睨み上げる。
その姿はまるで獣のようだ。

「ふっざけんな、死ぬのはてめぇだ!
 いや、半殺しでその口から聞かせてもらうぞぉ! あぁ!?」

犬飼の周囲にあるガラクタが消えている。
つまりだ……。
東郷の頭上に物音とともに大量のガラクタが降ってくる。
『門』でガラクタを移動させたのだ。

東郷月新 > あぁ、思った通り。
なりふり構わぬ狂犬が戻ってきた。
――いいだろう、そっちの方が斬り甲斐がある。

「結構結構、存分に足掻くがいいですなぁ!」

片っ端からガラクタを叩き斬る。
弾き、切り伏せ、叩き潰し。
一気に犬飼との間合いを詰めようと地を蹴る。

犬飼 命 > 「あがっ!」

「足掻くのはてめぇだ」とでも言いたかったのだろうか。
東郷がガラクタを切り伏せている間にこちらも接近していたのだ。
互いに距離を詰めようとして至近距離。
ここまで近ければ刀の速度が十分に乗らない。
斬り付けられようとも構いもしないまるで正面衝突。

犬飼は拳でもなく脚でもなく、その頭を東郷の顔にめがけて振り下ろす。

東郷月新 > なんと、無謀を通り越して蛮勇だ。
だが、その蛮勇は東郷に対して有効だった。


(ちっ――)

なるほど、確かにこれでは斬れぬ。
ならば――速度ではなく、重さで斬る。
衝撃が来る。犬飼の頭突きは的確に東郷に大きなダメージを与える。衝撃に一瞬怯む東郷
が――

「――ッ!」

犬飼の肩口を浅く斬った太刀の異能「重量調節」を解除し、常人には支えきれぬ重さを刀に与える。