2015/09/18 のログ
■竜胆 薙 > 「危険が迫ると自動的に転移する能力ではないようですね」
淡々と言葉を呟きながら、右胸と右肩に刺さったナイフをそれぞれこともなげに引き抜き、床へと捨てる
赤い血が制服を染めていくが気にした様子はない
どういう思考回路と言えば
「あなたを殺すと明確に言ったはずですが。
…口にした以上は再優先で実行します……当然、障害も含めて」
こちらに突進するワーウルフに素早く反応し、『右手』で刀を振るいその顔面を削ぎ落とす
圧のかかった右肩から霧のように血が吹いた
洲崎の判断とは裏腹に、少女の右手は機能を失っていない
「異邦人…彼らは貴方に従っているのですか」
死体を確認して、刃についた血を振り散らす
■洲崎 > 「そんな便利機能常時使ってたら脳が焼けちゃうよ♪」
笑顔を浮かべ転がったワーウルフを見つめる
そして頭の中で一度整理し…
「成程ねぇ…君は僕を殺すという事に特化しているってことか…
あと、その腕義手でしょ?
どうやったって筋を斬りつけた状態でそんな反応速度で動かせない…右腕だけなのか、それか体全部?」
一先ず武器による攻撃は諦める
あの動きを見るに脳を潰すでもしないと動きに低下は見られないだろう
「はは、もちろん♪それに彼は従順だよ…まぁそうしたのは僕だけど♪」
ビチャビチャと血を垂れ流しながらまた異邦人が立ち上がる
その顔の肉は削げ白い骨…の代わりに金属光沢の骨格が現れる
カメラアイに機械の骨格、異様な風体のワーウルフは怪力とも言える力で、その拳で少女を薙ぎ払おうとする
■竜胆 薙 > 「………」
できない、とは言わないあたりが小癪であるところ、
やろうと思えばできるという可能性を加味しなければいけなくなった
「…貴方に答える必要はまるでありませんね」
義手であろうという質問は受け付けず、再びその白刃を向け───
読めなかった
まるでまだその異邦人が生きているかのような言葉に違和感を覚えたその時には、
それがただの異邦人なんかではなく、アンドロイドに類するものでると自覚できたその時には、その怪力に薙ぎ払われていた
壁に強かに打ち付けられ、小さな呻き声をあげる
■洲崎 > 「君は完璧に近い暗殺者だ…だからそういう隙ができる」
吹き飛んだ少女を見つめる
自信があればあるほど、経験を積めば積むほど、自分の力を信じる
ただのワーウルフであれば失血と痛みでとても戦える状態ではなかっただろう
もっと言えば確実にショック死で死ぬ。そう思い込む
そしてそこにつけこまれた結果…こうなる
「さて…君を殺したくはないね、実に面白い…それにその手も調べてみたい。」
笑顔が消え、モルモットを見つめるような視線を向ける
研究対象としても駒としても、彼女はとても有能と言える…
内臓にダメージを与えるためにあえて打撲にしたが…先の一件から警戒心は解かず
距離を取ったままワーウルフを少し下がらせる。自分の盾になれる位置に
■竜胆 薙 > 口の端からつぅ、と血が流れる
臓器に損傷が生じたか、口の中を切っただけか
この場合は、ひとまずはどちらでも良い
手から太刀と鞘は手放していない、
床に突き立て即座…というまでには行かなかったものの、立ち上がる
ぱたぱたとスカートについた埃を叩き、口元を拭う
「そうですね、流石にそんなモノを従えているとは予想していませんでした。
そして私を殺したくないと言いましたが、まだご自身の立場は変わっていませんよ」
そう殺される側、という立場は
淀んだ黒い瞳が洲崎を見据える
光を返さない、全ての色を無造作に混ぜ込んだ深い深い黒
■洲崎 > 「ふーん、立つんだ…」
口元の血…口を切っただけかもしれないがあの衝撃では内臓が
傷ついたという方が正しい筈
それでも立ち上がるとなれば…全身を機械化しているか痛みを遮断しているか
どちらにせよ早めに何とかしなくては
「あっそ、じゃぁ仕方ないや…降りかかる火の粉は払わせてもらうよ♪」
ワーウルフが一直線に突っ込む
彼女の瞳はまだ折れていない、絶対の自信…そういう輩はどれもこれも
放っておくほど厄介になる
その牙、爪、力…全てを使い少女を引き裂かんと改造されたワーウルフは迫る
■竜胆 薙 > 「私の得物はコレだけですので、座ったままでは貴方を殺せません」
つらつらとその口から放たれる言葉は淡々としたもので、ダメージは感じさせない
再び、刃を構え直す
「火の粉?…貴方を焼きつくす地獄の劫火の間違いですね」
突っ込んでくるワーウルフ。先ほどの一撃から感じるそのパワーは文字通り怪力と呼べるもの
胴と首を離せば止まるのか、それともセオリー通り脳か胴体中央に動力が存在するか
あまり呑気に考えている暇はない
「───邪魔ですよ」
自身の内へと発現を命じる。唯一この身に宿した異能の力
【月禍美刃<バディスリット>】
絶対壊の概念斬を、刃にて振るう
首と胴、胴と手足、そしてその胴を分断すれば…構造的に動くことはできまいと
不安要素はその骨格強度だけ───
その強度を完全に破壊し得る、白銀を帯びるこの光刃を以って、切り刻む
■洲崎 > 「そりゃぁご苦労…様……」
目の前の光景…全身の骨格まで改造した作品がバラバラに切り裂かれている
魔術の発動をした痕跡はない、つまりあれは彼女の異能…刀で斬れる筈のないそれを容易に切り伏せた彼女に感嘆の声を漏らす
「凄い…今のは…概念操作、だね?」
異能開発に携わり様々な異能を見てきた経験からそう判断する
異能力の中でも最上位に位置する概念操作
物理法則を捻じ曲げ神の奇跡すら嘲笑う力…顔を抑え、乾いた笑いが漏れる
「ハハ…そんなのを隠してたなんて……ズルいよ。
僕のボディーガードがバラバラだ…」
頭を潰されても動けるようには設定していたが文字通りバラバラにされては動く事も叶わない
彼がまだ生きていたとするならじきに機械とともにその終わりを迎える
■竜胆 薙 > 「………」
質問には答えない
ただ、その銀色の光を帯びたままに、洲崎を見据える
ただの刀で斬れるような素材でなかった場合、動かなくされていたのはこちらだ
だから力を使うことに迷いはなかったが、一番大きなものを見せてしまったことになる
この眼の前の男の頭脳、否…狡猾さは認めざるをえないだろう
方向性に良し悪しはあれど頭の回転が速い
だから、考える隙を与えてはならない───
「…それは、お互い様ですね。
……まぁまだ切り札がないとは言っていませんが───」
少女を覆う銀色の光がフッと立ち消える
と、同時に駆け出し、その太刀を袈裟懸けに叩きつける
……が、その挙動はそれまでの少女の動きに比べれば圧倒的に鋭さを失っているだろうか
■洲崎 > 「なるほど……♪」
小さく笑い部屋の反対側へ転移する
自分への追撃は予想できる、タイミングさえ合わせれば躱せる上に
少女の一番最初の一撃に比べればそのスピードはとても緩やかで
「当たらなければどうという事はない…まさにこれだね♪
それに…ずいぶん疲れてるみたいだね?」
今までの動きから少女の戦いにはポイントがある
直接刀で斬る事
もし物を距離に関係なく切ることができるなら自分はもう3度は死んでいる
つまり彼女の射程距離はあの刀の届く位置…そして彼女は直接その体の動きで斬りかかるしかない
■竜胆 薙 > 「っ……」
自身に急ブレーキをかけ、振り返る
本来ならば音をも置き去りにする瞬発力がある
が、月禍美刃<バディスリット>の発動は負荷が大きく、一日につかえても一度
使ったあとは、こうやって全力でも視覚に捉えられる程度まで運動能力が落ち込んでしまう
そして多分、洲崎はそのことに気づいている
だからこそわざわざ最大限に距離をとる位置へと転移しているのだ
それでも逃亡を図らないのは…勝利を確信したからか
「………」
やむを得ない
力及ばずを認めざるもまた愚かだ
洲崎が逃げを打たないというのならば、ここに縛りつけるまで
鞘を捨てて半身に構える、洲崎からは死角となるその手を気取られないようにポケットへ
……他の風紀委員へ、短縮機能でコールは設定されている
■洲崎 > 「へぇ…逃げないんだ?意外だね♪
それとも僕がまだ死んでないからかな?」
目に見えて相手の動きが悪くなったにもかかわらず
鞘まで捨ててこちらに剣を向ける少女に意趣返し、そして…
「…良いよ、逃げても。
もう君の体は限界だ…早く治療しないと酷い後遺症が残るかもしれない」
腰のホルスターからベレッタを抜く、その信頼性から外国の軍も
採用する安定品
銃口を少女に向け、笑顔を浮かべる
■竜胆 薙 > 「逃げませんよ」
ふぅ、と息をついてそう答える
刃は向けたまま、しっかりとその黒い瞳で洲崎の姿を捉える
「この状況から貴方を絶命させるのは少々難易度が高いかもしれませんが、
それならそれで、私には別の使命があるというものです」
送信完了
位置情報つきだが、誰かが来るかどうかは賭けだろう
「…銃が切り札、というわけでもなさそうですけど。
そんなものでは脅しにもならない」
白刃を携え、身を低くして一気に洲崎へと駆け出す
運動能力が低下しているとはいえ、捷い
この狭い空間ではまさに一瞬で到達し、その肉体を両断する刃が振りかかる───
■洲崎 > 「脅威はない、かぁ…本当にそう思う?」
また同じ一閃、距離を稼ぎ体力の下がった彼女の攻撃は速いとはいえ
もう見慣れた速度より目落ちしている
同じように部屋の中を転移し躱す
それでもまだ同じ攻撃を続けるという事は
「何か待ってるね、君の仲間…風紀委員の増援かな?」
どこでそれを行ったのかは不明だがそういう事だろう
自分の口で殺すのは難しいと言いながらまだ折れないのにはそういう理由がある筈
「流石にそれはまずいんだよね…あの子が来たら怖いし…」
風紀委員の平岡ユキヱ、彼女を思い出す
かつて自分の左手を文字通りズタズタにされたことを思い出し身震いする
ご案内:「薄汚れたビル」に平岡ユキヱさんが現れました。
■平岡ユキヱ > 遠くにヘリの音。ラペリングによるロープのこすれる音…は響かない。
代わりに車でも激突したかのような音が空に響いて数秒、唐突に深紅の制服がビルの壁をぶち抜いて快進撃してきた。
爆音、砂塵。青白くたなびく閃光。またせたな。
堂々と砂煙の中から現れる特攻課のアレ。
「白い仮面の男改め、洲崎! どうやら腕を襤褸切れにしてやった程度では反省しないらいしな!」
噂をすればユキヱさん。漆黒の刃体加速装置がギラリとにぶく輝いた。
■竜胆 薙 > 「………」
キリ、と歯噛みする
翻弄されている。明確な悪と呼べる存在に
今自分の持つ手では、目の前のこの男を捉える術もないのは事実だ
「…それで、逃げるだけですか?」
かといって逃がすわけにはいかない
安い挑発でも構わない、ここに縛りつけるのだ
そして───
「……随分ド派手なご登場ですね、先輩」
期待通り現れたその姿に、肩を竦めた
■洲崎 > 「………」
目を瞑り、梅干を食べた直後のような表情を浮かべる
一番最悪のパターンが今目の前に…
「何で……何で考えちゃったんだぁ…!」
悪い予感は得てして当たるもので、その結果自分にとって最悪の展開が起こった
もはや躊躇していられない、一刻も早く…
「逃げなきゃ…」
彼女も今まで戦った薙と同じく刀を使う
違う点と言えば異能による身体強化…薙のようにガス欠しにくい分尚やりにくい
■平岡ユキヱ > 「わ、私は一年だぞ…」
なぜことごとく他の同士に先輩と呼ばれるのだろう、とふと疑問に思う。
「正道をゆく者は誇り高く、顔を上げて闘わねばならぬ!
…派手なのは許せ」
切り捨て御免の丁々発止、快刀乱麻に一撃必殺! 鞘から発生するギィィィィと耳障りな不協和音が
辺りに響く。
「逃がすと思うか?」
―カチカチカチカチッ と四回のクリック音。
体を覆う青い焔を置き去りに、音速を超えて風紀の虎が飛び出した。
フェイント、その他、一切なし。いっそ清々しい程の真向勝負を挑むべく洲崎との間合いを詰めて斬りかかる。
■竜胆 薙 > 「委員会では先輩じゃないですか」
珍しくジト目に表情を変えてそう答える
「ともあれ、手早い合流感謝します、ユキヱ先輩」
相変わらず体の動きは本調子ではない、が
こちらが二人となれば話は違う
ユキヱの動き方から追い込むコースを瞬時に把握し、挟み込む形へと移動
いつでも、瞬時に刃を放てる体勢を作る
■洲崎 > 「悪いけど…今から君もってなるとちょっとまずいんだよね…♪」
地面に転がる元ワーウルフの残骸
あれが残っていればまだましだが今はもう見るも無残な姿に、加えて
薙にも注意しなければならない。対1ならともかく2対1ではいまだに十分な脅威と言える
「君の動きは分かりやすいね♪」
過去の戦闘から彼女の行動パターンはおおよそ察しが付く
恐ろしいまでの身体能力を持つが戦闘スタイルはまるで猪
猪突猛進を体現したような真っ向勝負タイプ
見てからの回避では間に合わない、それよりも早く転移で屋上にまで逃げる
「やっぱそうなるよね……」
ちらりとユキヱの突き破った穴を覗けば自分の居た位置の壁が斬られ、抉られている
これ以上の戦闘続行は自殺でしかない、男はそのままビルから飛び降りるように逃走しようとする
■平岡ユキヱ > 「ちぃっ、引き際が早い…!」
あの強かさが、奴を今日までずっと生かしていたのだろう。
仮面を着けていた時も、それ以前に教師として学園に堂々と居座っていた時も…。
単純な強弱でなく、非常に厄介な手合いだと改めて息を吐く。
ああ逃げに徹されては、追うのも難しいだろう。かといってここから攻撃するには…
手段はあるが、周囲への被害が甚大すぎる。
「竜胆…無事か?」
追撃は困難なり。と戦闘態勢を警戒にまでゆるめ、竜胆に向き合う。
■竜胆 薙 > 「短時間のうちに使用制限のない転移とは面倒なものですね」
淡々とそう言葉を呟いて
「手数をおかけしました。命に別状はありません」
とは言うものの、肩口と胸元はべっとりと血にまみれ、
コンクリートの壁に亀裂がはいる程度の勢いで叩きつけられている
無事とは言っていない
「…追撃は難しそうですね」
僅かにおぼつかない足取りで窓に近寄り、下を眺める
■洲崎 > 追撃を警戒したがそれは内容で一安心
これ以上厄介が増えない内に男は転移を混ぜた移動でで
撤退した
ご案内:「薄汚れたビル」から洲崎さんが去りました。
■平岡ユキヱ > 「…肩を貸す。帰ろう。ヘリは少し離れたところに待機させているからな。
ちょっと歩くぞ」
我慢なのか、本当に軽傷なのか。ユキヱにはわからなかった。
だが一つ確実なのは、真っ赤な血が流れている同士に
手を差し出さぬ事は間違いだという思いのみだった。
「以前、特攻課の数人が奴の転移の餌食になった…。だからこと洲崎に関しては、
なるたけ少数精鋭で叩くように私たちの課では心がけている」
…みんないい奴ばかりだった、とギリと歯を食いしばり。
■竜胆 薙 > 「……ではお言葉に甘えます。少し血を流しすぎたようで」
痛覚的に問題はなくとも、血が足りなくなれば体はいうことを聞かない
更に異能を発現させた反動もあって、少しばかりガタがきている
「それは資料で拝見しました。中々に狡猾な相手のようですね。
従える兵隊の戦闘能力も極めて高い」
ちらり、と自分が細切れにしたワーウルフの死体に目を向ける
「…彼は『準備をしている』という言葉を。
そして我々を誘き寄せるための餌を撒いているようです。
……全体に、警戒を呼びかけたほうが……いいかもしれません、ね……」
しばらく歩いたあたりでその意識が薄れる
それもそのはず、肩口と右胸に突き刺さったナイフの傷は深く、出血は止まっていない
肩を貸したユキヱの服にもその血が夥しくついてしまったことだろう
■平岡ユキヱ > 「…!? おい、竜胆!! おまっ…」
血が止まっていない。彼女の負傷になぜ気が付かなかった、バカめと自分自身を呪いながら
ぎゅっと唇をかみしめる。
「悪いが殉職させる予定はないぞ! 失礼!」
お姫様抱っこというか担ぎ上げると、異能を使い閃光のように
ランデブーポイントまで戻るだろう。回収班急げ! などしばらく怒号が続いたか。
ご案内:「薄汚れたビル」から平岡ユキヱさんが去りました。
■竜胆 薙 > 意識は閉じられた
次に目をさますのは…まぁ、病院なのだろう───
ご案内:「薄汚れたビル」から竜胆 薙さんが去りました。