2017/02/24 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」にイチゴウさんが現れました。
イチゴウ > 酷く雨が降っている。
雨音が支配するこの薄汚れた地に
油圧機構から生み出される機械音と共に
重機関銃を背負って四足戦機がやってきた。

「ここが目標が構えてる場所か。
4回の風紀の勧告を無視している違反部活らしいが。」

イチゴウは視界情報に映し出された
データを見てそう呟きため息をつく。

(女学生をとっ捕まえて飼育している・・・か。
なかなか良くわからない趣味だな。)

違反部活の詳細データを見て
イチゴウはまたため息をつく。

まあ違反部活の詳細などどうでも良い。
風紀の汚れ役を担っている自分は
ただ無慈悲に違反部活を破壊するだけだ。
そしてイチゴウは重機関銃をスタンバイし
さらに奥へと足を進める。

イチゴウ > 「ここか。」

イチゴウは眼前に構える小さめのコンクリート構造の
建物を確認すると立ち止まる。
恐らく目標の違反部活の拠点だろう
少しの間観察していると

「む。」

建物の2階の窓から数人の学生が
窓を開けてこちらを覗き込んでいる。
どう考えても建物の前に構える
歩行戦機に友好的といえる態度ではなかった。

「立ち去れという事か。」

イチゴウは学生たちを見て
そう考える。
だがそうしているうちに
窓から見ていた学生たちは
イチゴウに向けて異能を放ち始めた。

イチゴウ > 異能から生み出された炎やら氷塊やらが
上からイチゴウに飛んでくるが
彼の装甲の前にそれらは無意味であった。

「身の程知らずめ。いいだろう。」

イチゴウはそう声をあげると
モーター音と共に重機関銃を窓に向けて
照準を合わせる。
銃身付近から発せられるレーザーサイトの光が
攻撃中の学生達を照らすと
一部の学生は危険を察したのか
攻撃をやめ窓から離れようとする
がしかし

「逃がすか。」

機械であるイチゴウの反応速度は
人間の比ではなかった。
耳をつんざく乾いた音が連続して
辺りに響かせる。
撃ちだされた12.7mm弾によって
窓のガラスを次々と破壊していき
窓から攻撃していた学生たちも
どんどん撃ち抜かれる。
対物用の弾は人体を跡形もなく粉砕し
人間だったものが1つ2つと窓から落下していく。

イチゴウ > 「窓は片付いたか・・・?」

破壊された二階の一帯を見て
敵がいないか確認する。
視界内には敵は映らないが

「さては隠れているな。
拠点にしては防衛人数が少なすぎる。」

数多くの戦闘の経験からか
そういった結論を導き出した。
そうして彼のグレネード射出口から
空気音が発せられると同時に
赤い筒状の物体が発射され
建物の2階に綺麗に入っていく。

そこから数秒経過すると
建物の2階が瞬く間に赤色に染まり
同時に数人の学生たちが
雄たけびのような悲鳴が聞こえてくる。

「やっぱり隠れていたか。
白リンを利用した焼夷グレネードはどうだ?」

見事予想を的中させた彼は半ば
勝ち誇った様に呟く。
火だるまになった学生達は
人間とは思えない悲鳴をあげながら
窓から飛び降りる。
数は4人。3人は上手く飛び降りれたが
1人は着地に失敗し足を壊したようだ
何もできないままただ焼かれていく。
着地に成功した3人のうち2人はただ闇雲に走って逃げる
近くの四足戦機には目もくれていなかった。

「ようやく出てきたか。」

乾いた音が二回鳴る。
焼かれながら逃げていた二人の学生は
それぞれ一発ずつの弾で
木端微塵に吹き飛んだ。

「あとは・・・」

イチゴウは3人のうちもう一人の学生に目を向ける。
その学生は逃げるという方法はとっておらず
力尽きる寸前で這いずりながら
園芸用のホースを握り自分に向けて水をかけていた。
だが学生に付着し燃えているのは白リン。
皮膚に浸透するので鎮火するには
付着した部位の皮膚を切り取るしかないが
あの学生の場合はほぼ全身に付着しており
完全に手遅れであった。

イチゴウ > 最後の学生が燃え尽きたのを確認すると
イチゴウは建物の内部へと進んでいく。
まだ学生が残っている事も考慮し
重機関銃を構えるのと同時に
前両足から対装甲カッターを出現させる。

しばらくの間建物を探索していたが
攻撃してくる者はいない。
どうやら学生達は2階に集中していたようだ。
その代わりに1階にいたのは
虚ろな目をしている複数人の女学生であった
もはや何をする気力も残っていないらしく
建物に入ってきた変わったロボットを見ても
何の声もあげなかった。

「こりゃ酷いな。メンタルケアで
何人が元に戻れるんだろうね?」

イチゴウは武装解除し風紀の無線周波数で
回収班を呼ぶ。
あとに残されている自分の仕事は学生だったものの
処理だけだ。
情報工作は風紀委員会がやるだろう。
恐らくは他の違反部活との抗争という
カバーストーリーか。自分には関係のない事なので
そこはあまり深く考えなかった。

イチゴウ > 「よし、完了っと。」

学生達の処理を終えると
イチゴウは一息ついて空を見上げる。
相変わらず酷い天気だ。
大空は完全に雲によって覆われており
雨も弱くなる事無く降り続いていた。

「さてさっさと帰るか。」

イチゴウはそう言うとまた独特な機械音と
共に歩みだす。
戦うために生まれてきた四足戦機は
雨を浴びながらこの薄汚れた地を
後にするのであった。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」からイチゴウさんが去りました。