2017/09/14 のログ
ご案内:「とある違法部活」に陽太さんが現れました。
陽太 > 「うんしょっ、よっしょ」

人気の無い裏路地に、場違いに過ぎる明るい掛け声が響く。
しかし、姿を見れば納得するだろう。
そこには、みすぼらい格好をして重そうな麻袋を背負ったスラムの孤児らしき子供がいたのだから。

麻袋の中には、表ではとっくの昔に法で禁止されている薬物の原料である木の葉が大量に詰まっている。

「...ふいー!あのおっさんこんなのせおってたのかー」

一度立ち止まり、汗を拭う陽太。
必死に自分にこれを運んでくれ、と頼み込む薄汚れた男の頼み。
何故スラムの孤児でしかない陽太に頼んだか。
それは陽太には勿論理解出来なかったが、
もしちゃんと運べたら、紙幣をなんと20枚も貰えるらしい。

「よーし!」

運ぶだけでいつもの1日分以上の報酬を貰えるとは!
子供な思考ははしゃぎ、陽太は気合いを入れて麻袋を背負い直した。

陽太 > スラムでは確かに金の価値は高い。
表とは半分の値段で握り飯を買えるし、
紙幣を10枚持っているだけでスラムの上層部に仲間入りだ。

しかし、陽太は金を貯めていた。
ひたすら貯めて、貯めて、貯めていた。
生きるのに必死なはずのスラムの孤児としては、考えられない行動だ。

理由は姉の墓を建てるため。
安定のシスコンである。