2018/06/20 のログ
ご案内:「密輸組織のマーケット。」に神代理央さんが現れました。
ご案内:「密輸組織のマーケット。」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「密輸組織のマーケット。」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > 外から見れば、一見普通の廃ホテル。
こういう類の建物は大概違法組織に占拠されているものなので、周囲を黒服の男達が警護し、物々しい装甲車や厳ついSUVが跳梁跋扈しているのもスラム街の住民にとっては見慣れた光景だ。

その地下駐車場に次々と高級車が吸い込まれていくのも、住民からすれば『ああ、またか』と思う程度の事。
朽ち果てた豪奢なホテルの地下で、今宵も財と欲望が煮え滾るのだろう。


「…良いモノを仕入れているな。これ、この間東欧の内戦で反乱軍が使用したモノだろう?あの時、こいつを処理するのに散々手間がかかったと聞いているが」

崩壊した外装とは裏腹に、地下に増築されたホールは綺羅びやかな装飾が施され、丁寧にディスプレイされた商品が展示されている。
その一角で、鈍く輝くアタッシュケースに収められたカプセルを眺めながら男と歓談する少年の姿があった。

「…いや、安くすると言われてもな。私が買ったところで、こいつで何か出来る訳でもなし。だが、本社には話をしてみよう。君の様にフットワークの軽い業者は貴重だからね」

今回も風紀委員として潜入調査に赴いているが、前回とは些か『設定』が異なる。
本名も所属も隠さず、それでいて実家であるPMCの意向を受けて内密に訪れている―というのが今回の仮面だ。
仮面というよりも、4割は事実なので完全に嘘というわけでもない。鍛え上げた社交スマイルで大人達の輪に混じりつつ、展示された商品のラインナップに鋭い視線を向けている。

神代理央 > 場内をせわしなく行き交うボーイに声をかけ、オレンジジュースを一杯。グラスに注がれた無駄に高級感漂うそれを、ゆっくりと喉に流し込んでいく。

「…今回は比較的島外から島内へ売られる能力者が多いのか。兵器類は、相も変わらずアサルトライフルが大人気。大口径の武器は意外と人気が無いな…まあ、此の島で装甲兵器を相手取る組織も中々いないだろうが」

展示されている商品は、西欧の兵器見本市にも劣らぬばかり。能力者という人的資源も考慮すれば、それ以上かもしれない。
逆に言えば、流入する兵器に対して風紀・公安委員会が破壊、押収等によって島に武器が溢れるのを防げている、と楽観的な見方をすることも出来る。
個人的には、望み薄だとは思うのだが。