2018/08/28 のログ
ご案内:「崩壊した工場」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 > 灯りも無く、人気も無く、朽ちゆくだけの工場。
嘗ては、大規模な銃器の密造が行われていたが、風紀委員による手入れに伴う大規模な戦闘によって違反組織は崩壊。
暫くは浮浪者のたまり場となっていたが、アンデッド騒ぎ等に寄って完全に無人となった黒い夢の跡地。
「今更こんな所を調べたところで、何か出てくるとも思えんが…」
鋼鉄の異形を引き連れ、周囲に散らばる瓦礫を踏み砕きながら溜息を一つ。
巡回任務を兼ねて、過去風紀委員に寄って制圧された違反部活拠点の再調査を命じられていた。
アンデッド騒動の原因や、未だ暗躍する違反部活、組織について情報を再度精査する為、とのことであったが―
「人が居なければアンデッドも湧かぬだろうし、一度風紀が押し入った拠点に組織の連中が戻ってくるとも思えん。これは、ハズレくじを引かされたかな…」
他の委員にもそれぞれ探索すべき拠点が与えられてはいるが、今回己に割り振られた場所は完全に只の廃墟と化していた。
一応、周囲を散策してみるが、人が居た気配も無い。
再び小さな溜息を吐き出すと、気乗りしないといった表情で戦闘の跡が残る工場へと足を踏み入れた。
■神代理央 > 灯りの灯らぬ工場内は、崩落した屋根から差し込む月光だけが頼りだった。
放置された機材や未完成の銃器がぼんやりと影を落とし、ひび割れたコンクリートの床面からは既に雑草が芽生え始めている。
「人類が滅んだ後というのは、こういうモノなのかも知れんな。いかなる人類の叡智も、時間と大地には敵わぬという訳か」
持参していたドローンを起動すれば、搭載されたサーチライトが光条となって周囲を照らす。
動物さえも寄り付かない朽ち果てた工場内を、懐から取り出した飴玉を口内で転がしながらゆっくりと探索し始める。
■神代理央 > 床面には、雑草や瓦礫に隠れる様に赤黒い染みが見え隠れしている。
柱には、経年劣化では無く銃弾で穿たれた後から崩落を始めた傷跡が残る。
自分は此処の手入れには参加していなかったが、中々に壮絶な戦いだったとは報告書で確認していた。
「死体の片付けと必要なデータだけ回収したとは見ていたが…兵器を製造する機械もそのままとはな。電源さえ生きていれば、再び稼働させる事も出来そうだが…」
当然、製造する為の機械も破損してはいたものの、未だ完全稼働を行えるものも少なからず確認出来た。
手入れ自体はそう昔の話では無いため、錆等も来ていない。環境を整えれば、此処は再び兵器工場として稼働することが出来るだろう。
「………ふむ。なまじ手入れを行い、処理済みの場所なら早々マークされる事も無い。まして、今風紀は人材不足とアンデッド騒ぎで余裕が無い、か」
少し考え込む様な表情で機械に触れながら、この工場の『利用価値』について思案を巡らせる。
転がしていた飴玉は、既に半分程溶けてなくなっていた―