2018/10/13 のログ
ご案内:「違反組織群」に白鈴秋さんが現れました。
白鈴秋 >  夜のとある違反組織のアジト。本来なら多くの犯罪者が居る場所に彼の姿はあった。
 周辺の戦闘の跡。ここで戦闘が起こっていたことは確かで、事実周辺には何人も人が転がっている。死んではいないが全員が呻き、動けないでいる。
 傷もそこまで大きいわけではないが変色しているそれは毒物によって引き起こされたという事は明白だった。
 だが攻撃した本人……彼の体には傷ひとつ残っては居なかった。
 カタカタとそこにあるコンソールを操作する。パソコンにはメモリーを差し込んである。何か情報があれば何時でもコピーが取れるように。
 パスワードなどもあるにはある……が。意味など無かった。

「ここのパスワードは」

 そう問うと朦朧とした少し派手な服を着た男が呻くように番号をつぶやく。それを打ち込むとパスワードは開いた。
 彼の毒はただの毒ではなく薬のような使い方も出来る。この推定ボスと思われる存在には体を動けなくさせる痺れ毒の他に自白剤のような毒も流し込んだそれだけのこと。
 だがまぁ、いってしまえば話せるようにしなければいけない分他の奴よりも痺れは少なくてすんでいるとも言える。
 

白鈴秋 >  彼が乗り込んだ組織は言ってしまえば中間業者。違法な物をここに集め、そして求む人へと売りさばく。
 故に色々な情報があると思った。だからこそ組織を攻撃したのだが。

「クソッ!!」

 キーボードを強く叩く。
 たしかに膨大なデータこそは見つかる物の、目当てのデータは見つからない。組織のデータもある程度はつかめたが。少なくともこのパソコンに入っている中に自分の追い求めている組織と関係のありそうな組織は……ない。
 近くの男が問う。俺達はどうなると。

「あ? しるかよ。とりあえずこのパソコンから場所のデータを風紀委員に送る。捕まった後は。自分のやったことに比例するんじゃねぇの。一部の奴が来たらしらねぇけど」

 とりあえず全てのデータをメモリーへとコピーする作業を行う。使わない可能性もあるが。多くの違反組織のデータがある。何らかの形で繋がりが見つかるかもしれない。

「……ハッ、そりゃ魅力的な提案だな。いい勉強になったじゃねぇか……ただの紙切れじゃうごかねぇ奴もいるってことだ」

 ボスが言ったことは金をやるから見逃してくれという内容だった。額も凄まじい、うん百万、場合によってはそれ以上でも払うと言って来ていた。だが生憎必要な分あればそれ以上はいらない。

ご案内:「違反組織群」に柊 真白さんが現れました。
柊 真白 >  
(それはいつの間にかそこにいた。
 まるで自宅の自室へ入るように、自室のソファに座ろうと近づくように。
 ごく自然に、だからこそこの部屋アジトにいる誰もが気に留めないほど不自然に。)

お邪魔します。

(場違いに丁寧に侵入の挨拶をしながらアジトへと入り込み、ボスの近くへと近付いて。
 そして、右手がブレる。
 誰かが何かをしなければ、ボスの首はあっさりと地面へ転がるだろう。)

白鈴秋 >  コピーは残り20%をきっている。ふと見ると一人の少女が入り込んでいた……目に付いたやつは全員痺れさせたはずだが。と思っていると右手がぶれる。
 何をしようとしたか、そして自分がたった今殲滅した小物とは訳が違うことを理解する。だが……
 その無情な一撃がここのボスの首を落とす前に細い糸が妨害した。

「……別にこいつらの仲間って訳じゃねぇが。俺が殺したみたいになると面倒なんでな、できりゃやめてもらえねぇか」

 ギリギリとせめぎ合う状態。ボスはもう顔面が蒼を通り越し白くなっているだろう。
 だが反対に彼の表情は冷静そのものだ。別にこのボスを殺すことになんの抵抗も無い。ただ自分が殺したとなると困るだけだ。

「それとも、殺さないといけねぇ理由でもあるのか? どうせこいつらはほっといても死ぬまで檻の中だが」

柊 真白 >  
(神速で抜き放ったはずの刀は細い糸に絡めとられて動きを止めた。
 結果としてボスの首の皮膚を浅く裂く程度の結果しか得られなかった。)

そういうわけにもいかない。
こちらも仕事。

(非力とはいえ切れ味鋭い刃だ。
 この細い糸に止められる道理は、と思ったところで思い至る。
 同じ太さなら鋼鉄よりも強い引張強度を持つものが自然界に存在していた。)

その男が生きていると都合が悪いものがいる。

(仮面越しに感情のない声で告げ、同時に左腕でナイフを数本スカートの下から取り出す。
 彼の肩へ手首のスナップだけで放り投げ、その流れでボスの首へと左腕を無造作に突き出した。
 刀だけ、あるいは仮面の認識阻害の効果へ気を取られていたら間違いなく見逃してしまうであろう、淀みのない自然な動き。)

白鈴秋 > 「仕事ね」

 檻ですら許せないとなると。おそらくこいつの関係者……こいつが吐くとこまる相手。つまり敵というよりは仲間内の可能性が高い。
 場合によっては直属の上司という事もありえるだろうか。
 体を捩り肩を狙ったナイフは回避する。そして刀は押さえたままだが……左手に関しては止めるつもりはなさそうだ。
 素手でへし折るのかナイフか。どちらにしても糸による斬撃と同じで見られる可能性は低い。それならば態々腕の効く相手と戦う理由が無い。

「そういうことなら話は別だ。もうこの男には証言としての価値はねぇ、お前みたいな奴からこんな奴を守るのは割りにあわねぇ……だがその仕事相手に少し興味がある。たとえばだが」

 コピーは終わり、コンソールからメモリーを引き抜く。

「このコンソールに入っている情報……それの破壊も仕事の内とみていいのか?」

 そのたった今引き抜いたメモリーを見せながらそう問う。
 敵対者か味方か。それを見極める質問。即ち彼そのものに価値があるかデータなどの記憶に価値があるのか……それは敵ならば前者味方ならば後者のケースが多い。

柊 真白 >  
(彼に放ったものとは別のナイフをボスの首に突き刺し、横へ薙ぐ。
 ボスは自分の首から噴き出る血を不思議そうに見た後、ドサリと倒れた。
 ナイフの血を払いスカートの下へと戻し、ボスの死体を仰向けに。
 取り出したスマホでぴろりんと写真を撮って依頼主へ送信。
 ミッションコンプリート。)

さあ。
私はただ殺せと言われただけ。

(関係など知りもしないし、情報のことなど知らされていない。
 そもそもそんなものを知る必要もない。
 必要なのは殺すための情報だけだ。
 いつの間にか糸から刀を外し、それを鞘に納めながら興味がなさそうに。)

白鈴秋 >  無残な姿と成り果てたボスを一瞥し、少しだけ顔をしかめる程度で終わってしまう。
 それだけ自分もゆがみ始めているということなのだろうか……
 気を取り直し眼前の仮面の少女へと視線を戻す。メモリーを握るとポケットへと移した。

「そうか、まぁ俺からすれば助かったって言うべきなんだろうがな。お陰でお前と戦う必要はなさそうだ」

 いつ様子が変わるかわからない以上背中を向けてコンソールを操作するということはできない。壁にもたれかかるようにして視線を少女へ向けるだけだ。

「そこまで単純な契約なら……今のやり取りで仕事は終わったって見ていいのか? 顔を突き合わせて報告とかする必要はねぇんだろ」

 敵意は見せないが。油断は一切せず……相手が動けば即座に動きを取れるように。組んだ腕の中何時でも防御に移れるように構えておいた。

柊 真白 >  
別に戦うつもりはない。
標的以外に危害を加えるのは私の流儀に反する。
――それ、途中じゃないの。

(視線をコンソールへ向ける。
 おそらく彼が操作していたのだろう。
 触り慣れていないのでよくわからないが、何か作業途中に見えなくもない。)

別に。
写真を送れば確認は取れるし、報酬も口座に振り込みで終わる。
――便利な世の中になった。

(昔は首を切断して依頼主のところまで運び、大量の現金を抱えて帰らないといけなかったのだ。
 しみじみ、という感じで見た目にそぐわないセリフ。)

白鈴秋 > 「一通りは終わった。必要な情報は全部抜き取ったし後は風紀に連絡するだけだ……1番重要人物はもう死んだがな」

 ボスの死体に少し目を向ける。もっとも捕まえなければならない対象がすでにあの世へと旅立っているのだ。その他諸々を捕まえても風紀委員からすればあまり良い情報は得られないかもしれない。
 
「生まれてすぐにこの仕事やりだしたのかよ、少し前にはもうこんな感じだっただろうに」

 流石に死体の傍で和気藹々とお話することは出来ず。笑いはでない、ハッといった感じの笑いはでるが。
 それから少し目を閉じると口を開いた。

「……お前かなり腕利きだな。さっきの初撃でわかる。ここにいた用心棒とかの小物とはレベルが違う……仕事が終わったなら。ひとつ俺が依頼をしたいんだが。ここでかまわないのか」

 目を開きしっかりと少女に視線を投げかける。茶化しなどではなくしっかりと仕事を依頼するつもりのようだ。

柊 真白 >  
ふうん。

(ということは先ほど殺した男は風紀に追われるようなことをしていた、ということか。
 ならば今回の依頼はそれを察した上のものが行ったトカゲの尻尾切り――。
 まぁ、そんなことはどうでもいい。)

――人を見かけで判断しないほうがいい。

(なんとなく子ども扱いされているような気がした。
 少し低い声で拗ねたように。)

さぁ、そうでもない。
暗殺は得意だけど、戦闘はそれほど。
――それ相応のお金が貰えるなら。

(仕事の話なら断る理由もない。
 もちろん報酬によるけれど。)

白鈴秋 > 「……了解、わるかったよ。見た目と年齢が比例しねぇってのはわかってるはずなんだがな」

 はぁとため息を吐いて手をヒラヒラを振るう。人間種じゃないという事はわかったがまぁ敵でもないのに種族を探るような必要も無い。
 相手が仕事に興味を示せば少しだけ目を細め。

「暗殺や戦闘というよりは情報収集の依頼をしたいんだよ。場合によっては今持ってる情報でもかまわねぇ……報酬は金も用意できるが。そっちがよければこんな契約も出来る」

 腕時計を外しそちらに放る。受け取るか無視して落とすか。どちらにしても音や持った感覚でわかるはずだ。通常の腕時計より幾分か重い。

「俺の本業はそっちだ。魔法及び異能を込めた道具の技師……たとえばその腕時計の場合、手に巻くだけでお前の刀に炎や氷の属性、毒や魔法を切り裂くなんて効果を持たせられる……簡単な物なら魔法の爆弾。数十個は明後日までにでも用意できる」

 返してくれとばかりに左腕を伸ばす。

「そういった道具が入用になった時に無償で今後作ってやるって契約もできるどっちでも良いぜ」

柊 真白 >  
別に気にしてない。

(なにも気にしていない。
 身長が伸びないことも胸が小さいままなのも体格のわりにお尻が大きいことも何も気にしてはいない。)

――情報。

(投げられた腕時計を受け取る。
 なるほど確かに普通のものではない。
 興味がないわけではないが、)

それはいらない。
小手先の道具に頼ると勘が鈍る。

(腕時計を投げて返す。
 生半可な道具は自身の実力を見誤る大きな原因になる。
 それに敵への対策なら自前の力があるのだし。)

それで、欲しい情報って何。

白鈴秋 > 「気にしてねぇならあんな声だすかっての」

 すねたような声を出していたのにと目線で訴えるように。
 そして腕時計を投げ返してくれればそれを受け取る。

「そうか、まぁ良かったといえばよかった。金より手っ取り早いが……場合によっちゃ敵になる相手だからな」

 そのまま腕時計を巻きつける。パチッという音が響く。
 それから視線を戻して。

「……おそらく違反組織だと思うが。異能至上主義を掲げてる過激集団の情報があれば聞きたい。そして今後見つけたら教えてほしい、風紀側にパイプは作ったが……裏社会側にパイプを作る宛てがなくてな困ってたところだ」

 依頼する以上警戒を見せるのはそれはそれで失礼というものだ。組んでいた腕を解く。
 それからメモ帳を取り出した。

「その間に他の仕事をするなとはいわねぇ、むしろしてくれた方が情報が広く手に入る。つまり今の生活をしながら手に入れたら回してくれってだけ……報酬はその情報の価値をそっちで判断してくれれば良い。金が用意出来次第報告する。その金を引き換えに情報を売ってくれ……そんな契約でどうだ」

 契約書というには雑だが。今書いた内容をメモ帳に書き写し破いてみせる。

柊 真白 >  
気にしてない。

(繰り返す。
 気にしていないと言ったら気にしていないのだ。)

あなたが誰かからお金を払ってでも殺したいと思われるようなことをしなければ敵にはならない。
――あと、私の邪魔をしなければ。

(先ほど少し邪魔をされたが、まぁ結果的に仕事を済ませられたのだからいいだろう。
 そして彼の言葉を聞いて、顎に手を当てる。)

異能至上主義。
――その条件で構わない。
それと、あなたが探しているところかどうかはわからないけれど、いくつか心当たりはある。

(と言っても名前を知っている程度だけれど。
 ただし。)

その前に聞かせてほしい。
それを知って、あなたはどうするつもり。