2018/11/19 のログ
ご案内:「違反組織群」に國宏一実さんが現れました。
國宏一実 > 「保険があるってのはいいもんだよなァ?調子はどうだ相棒。」

正面からの銃撃を赤黒い壁で受け止め、弾けば、満足気な表情を浮かべ異形に問いかける。
すると壁から真っ白な歯と赤い歯茎が形成され、こちらに声をかける。

『良好ダ。処理ハ以前ヨリモ楽ニハナッテイル。』

嫌がっていた居候も調子がよさそうだ。
体の侵喰も一定以上上がらない。この「制御薬」は今後とも長い付き合いになりそうだ。
そうこう考えている内に異形が壁から硬質化させたスライムを散弾のように飛ばし、銃撃をしていた連中を一掃していく。

「調子良さそうだな居候。その調子だ。」

國宏一実 > 「奴等と同じ位置まで堕ちたってのは正直我慢ならねぇしゆるせねェが...。」

薬物を使う。踏み込んではいけない領域に足を踏み入れてしまった。
これで今日を期に自分は奴等屑共と同じ屑、いや...それ以下かもしれない。
だがこれで迷いも消えた。もうこれで自分は戦える。

「ただ...それ以上に気分はいいもんだよなァ!!」

目の前の壁を勢いよく蹴り、破片が再び目の前にいた犯罪者達に襲い掛かる。
薬物を使用した人間が売人を狩る。何とも醜い光景だろうか。
実に最悪で、最高な気分なんだろう。

「あァ、そういやあの女が潰すなっつってなァ....。まァ、関係ねェかァ!!ハッハッハ!!」

國宏一実 > 「...あ?」

だらりと左目と鼻から流れ出る血液。
右手でそれを掬い、凝視する。制御薬とやらもそこまで万能ではないらしい。
だが前までと違い苦痛は無い。何も感じない流血というものは気味がわるいものだ。

『.....。』

彼の動きが止まり、まだ動ける連中がこちらに銃撃をしかけるが、異形が壁を形成し、それを弾く。
それと同時に壁から鞭のような触手が無数に生え、まだ動ける構成員を薙ぎ払っていく。

「ハッ...期待しすぎたか?」

國宏一実 > 周囲からは呻き声しか聞こえない。どうやら他に動ける構成員はいないようだ。
顎から血液がポタポタと滴り落ちるが、お構いなしに一人の構成員が後生大事に抱えていたケースを拾い。

「屑共が、大人しくボコられてりゃ痛い目に合わずに済んだのになッ!!」

憎悪に満ちた顔でもう意識のない相手の顔を思い切り踏みつけ、ケースを開ける。
やはり中身は薬物。売人も数を増やし、それを護衛する連中、そしてそれを買う屑共。
また仕事が増えてしまったと大きな溜息を吐き、それにライターで火をつけ、放り捨てる。

『...所詮ハ先延バシノヨウナモノダ。覚悟ハデキテルノカ?』

異形がそう呟く。
覚悟?んなもんないから薬に頼ってるんじゃないかと思うが、口元を吊り上げて笑みを無理やり作る。

「たりめェだろ居候。だからできる限りのことをいまするんだ。」

ご案内:「違反組織群」にラウラ・ニューリッキ・ユーティライネンさんが現れました。
ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > ありがとうございます。こちらは7時くらいまで大丈夫ですが、眠くなったら遠慮せずにおっしゃってくださいね。
ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「だから私は関係ないって言っているでしょう!」

学園からの援助で補いきれない弾薬を、非合法ながら比較的安全なルートで購入した帰り。
いつもこの区域に足を踏み入れるときは面倒ごとになりませんようにと祈っていたわけだが、
今日は不幸にも無事に帰ることはかなわなかった。

突然銃撃戦が始まったかと思えば、何かの組織の構成員に見つかり、
銃撃戦の原因である襲撃者であると誤解され、取り押さえられそうになったのをかいくぐって、
さっさとここから逃げようと開けた場所に飛び出した結果……

『どうやら本物のインベーダーに出くわしたようだ……』

飛び出した先にいた男の影を見て状況を一瞬で察したらしく、
内心で深い深いため息を吐いた。
無論、戦う理由などないのだから、できるのであればここから一目散に逃げたいのだけれど、
相手はそれを許してくれるだろうか>

國宏一実 > 「....あ?なんだその顔は。」

面倒な奴に出会ってしまったと言わんばかりの表情を浮かべる相手を察知すれば、そう声をかける。
これで全部片付いたと思ってはいたが、新手だろう。
これ以上体に負担はかけたくはないのだが、屑共が相手なら致し方ない。

「売人共の仲間か?まァいくらでも相手してやる、例え女でも屑は屑だ。」

拳を握り締め、相手に近づいていく。
どの道この時間、この辺りに一般人はいない。いるのは屑共だけだと。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「まったく誰も彼もみんなこぞって目に入る存在を敵だと認識したがりますね……
 私は一切無関係です、何の騒ぎかは知りませんが一方的に私は被害者です。
 開口一番屑呼ばわりされたことに関しては誠に遺憾ですが、
 この場から見逃してくれるというならそこには目を瞑りましょう」

いつもならおどおどして言葉に詰まるところだが、
獣として覚醒して軍人として行動している今は毅然とした態度をとる。
そこに人見知りの自分はいない。

「それ以上距離を詰めるというのであればこちらも防衛としてしかるべき手段をとります。
 これは警告です。場合によっては風紀委員への通報、武力の行使を行います」

この地域に根を下ろしている輩にこの手の警告が通じるとは思えないが、
果たすべき責任と踏むべき手順は忠実にこなす。
距離的に、ギターケースから銃を取り出す余裕はないだろう。
自然と狐の耳や尻尾が生え、ポケットに忍ばせた鉄球に手が伸びる>

國宏一実 > 「あァ?そう言って逃げる連中は何人も見てきた。
それに俺の目的は何も売人だけじゃねェ。その根性に、立ち方、呼吸...。
傭兵かその辺か?」

相手の立ち振る舞いを見ればそう仮説を立ててみる。
それに息一つ乱さずに言ってのけるその度胸、普通じゃあり得ない。
その姿に笑みを浮かべれば、赤黒い瞳が彼女を見据える。

「風紀?あァ、あの腰抜け共か。知ったことかよ、奴等の分も屑共を潰して回ってんだからなァ!!
それに...アンタ、ただの屑じゃなさそうだ...!!」

左腕から赤黒い液体が染み出し、硬質化、即席の無骨なガントレットへと変貌する。
様子見と行きたいが後手に回るのは癪に障る。こういう時は...。

「先手必勝ォッ!!」

地を蹴り、相手の正面から突っ込んでいく。狙うは首。
拳を握り締め、薙ぎ払おうと。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「その問いかけが私の所属を問うものであるなら、
 元フィンランド国防陸軍所属、ユーティライネン軍曹と答えます。
 私やそこに転がる彼らが屑だというなら――
 あなたは"ナニモノ"なのか応えてみなさい」

やはり話が通じないようだ。別にこういう輩は初めてではないし、
むしろこういう存在を相手に戦ってきた身ではあるけれど……
やはり正気じゃない人外というのは見ていていい気分にはならない。

一直線に突っ込んでくる彼に身体を低く、半身に切って踏み込む。
こちらが踏み込んだ分、彼との接触は数瞬早くなるし、
薙ぎ払おうとするガントレットの回転の内側に入ることになるだろう。
身長がもとより低いことで、沈み込むように構えた少女の体は彼の胸元よりもやや低い位置にあり…肩で思い切り胸部へ体当たりをする。
いくら相手が強靭な身体を持っていようが、まともに食らえば呼吸なんてまともにできなくなるだろう。
場合によっては相手の心臓に大きく負担をかける。そう、そこに容赦などない。
戦場にあるのは殺戮だ。彼に行使する技は殺害するための技である>

國宏一実 > 「フィンランド...?ユーティライネン...聞かねェ名だな。
ナニモノ?そうだな...俺は屑が憎くて憎くてしょうがない、バケモノだ。」

元軍人が何故こんなところに?雇われ、スパイ、それともまた別の?
複数の憶測を立ててみるが、いまはそれは後だ。後で直接聞けばいい。
いまはこの元軍人サンを潰すことが最優先だ。

「なッ...?!」

拳は空を切り、気づいた頃には彼の体は後方に吹き飛ばされていた。
しかし、彼女が彼の胸部に体当たりした感触は、何か柔らかいゴムのような感触だろう。
吹き飛ばされるもすぐさま起き上がり、拳を構える。

「ゲホッ...助かった居候...コイツ。
なァ元軍人さんよォ...殺しに来たな?」

異形のサポートが無ければ間違いなくいまのでお陀仏だっただろう。
タンクトップの内側から赤黒いスライムのようなそれが現れれば、それはまるで彼の体に染み込むように消えていく。

「じゃあ...こっちも殺す気でいかねェとなッッ!!」

掛け声と共にガントレットは形状を変質させ、こん棒のような形状となる。

大地を蹴るような踏み込み、それと同時に人間離れした速度で一気に接近する姿ははたから見れば瞬間移動だろう。

「...ッ!!」

体重、速度、筋力、全てを乗せた突きを彼女の腹部目掛けて。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「そんなに気になるならいくらでも調べなさい。別に今更隠すような身分でもないし、
 軍の退役軍人リストに名前からプロフィールまで全部ありますから」

既に軍隊は抜けた身で予備役兵だ。獣人の存在だって近年公式に公にされたわけだし。

「殺しに来た?私は"急に襲われて、驚いて身を屈めただけ"ですよ?
 あなたが突っ込んでこなければ何も起こりませんでした。
 今のはあなたの自損的な事故です」

すました顔でそんなことを言ってのける。
そう、自分は殺しなどしていない。今の彼は運悪く命を危険に晒されてしまったのだ。
殺戮の場にいた身だ。自分を殺人犯にしない言い訳を考えるのは得意だ。
初めての戦場で人を、人外を殺めてから、そうやって生きてきた。

「力に飲まれて自我が希薄になっているように思えます。
 今更もとに戻れとは言いませんが、手遅れになると私の目覚めが悪いです」

ゴム質のスライムで身を守った彼。
やはり人外、人が死ぬ程度のあれこれでくたばるわけではないようだ。

「私は言いましたよ?防衛の為にしかるべき手段をとる、と。
 あなたが私を見逃してくれるなら私は何もしません。
 あなたを殺すつもりはありませんが、"手違いで"殺めてしまうということも考えられます」

彼が凄まじい加速で接近する。しかしそれに動じる自分でもない。
こちらも彼と同様に人外。獣である。
彼が全力で突きを入れてくる。
ほとんど瞬間移動のようなそれは獣人であっても目で追うことはかなわなかった。
しかしそんな相手、今まで覚えられないほど相手にしてきた。

「あなた、質量がゼロ。なんてことはありませんよね?
 体重計に乗れば針は動き、天秤に乗れば傾く。
 地球から重力をうけてあなたは地面に立ち、踏み込み、私に全力の突きを放ったわけです」

避ける動作などいらぬ。そんな立ち振る舞いでこん棒を腹に受ける少女。
その目は人間ではなく、獣そのものだった>

國宏一実 > 「アンタを潰したらゆっくりと調べさせてもらうさ。」

こんな状況でも冷静さが消えない。やはりこの相手、普通じゃない。
もしかしたら触れてはいけない何かだったのかも、なんて考えるが。

「はっははは、面白い奴だなアンタ。そのフレーズ、今度使わせてもらうわ。
じゃあ俺は"害獣をただ駆逐しようとしていただけ"ってことで...。
獣臭いなァ...アンタ。」

笑みを浮かべ、そう言って見せる。
獣人ってのは異形からの情報だが、戦闘に長けた獣は軍で飼うにはもってこいだろう。
ということはアテもなくこの島に来た感じか?なんて考えながら。

「オイオイオイ...アンタは何か勘違いしてる、そして知らねぇ。
元々こんな感じなんだよ"俺達"はな。」

自我が薄れている?異形の処理はまだ完璧だ。
無数にある記憶と人格から自分だけを完璧に保護している。
それでも相手が自分を異常扱いするというのなら、元より自我など崩壊している。

「そいつはありがてェな。
俺もお前を殺すつもりはねェんだ。大怪我はしてもらうがなァ!!」

棍棒は確実に命中した。彼は薄っすらと笑みを浮かべ、勝利を確信し。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「調べてもらう分には良いですが、それでいろいろと因縁を持たれるのは遠慮願いますよ?
 おやおや、害獣を駆除、ですか。それはまた私も随分とひどく言われたものです。
 問題は、私があなたにとって害のある獣かどうかですが――」

 『ワタシハ ムカンケイダト イッタゾ、バケモノフゼイ』

どこからそんな声が出るのか、ひどく低くて聞き取りづらい声を発する。

『オマエガ ナニモノカ ナンテシッタコトデハナイ
 カンチガイ?ワラワセルナ、モトヨリ キサマナドドウデモ ヨイノダカラナ』

こん棒が命中しても、微動だにしない獣。よく見ればこん棒は衣服に触れてすらいない。
これが少女の異能、皮膚からごく近い距離に加速度を発生させる異能である。
質量が存在するなら力を受けるのと等価な効果が得られる異能。

「俺たち。あなたが何人いるかは知りませんが、とても哀れですね」
 殺気の塊のような声色から一転、元の少女の声、それも険しい感情のこもった声色ではなく、
 深く優しい、柔らかな声。
 わずかな隙間を残して接近したこん棒、それをつかんで、彼を抱きしめると、魔術を使おうとする
 興奮した精神を落ち着かせる魔術。相手がよほど抵抗などしなければ、力が抜けるくらいにはリラックスした状態になるはずだが……>

國宏一実 > 「...ッ?!
ハハァ...バケモノ風情?お前もこっち側かよ...。」

ゾクリと背筋が凍る。恐れている?目の前のこの女を?
自分にできる抵抗は笑みを浮かべ心を保つことだけだった。

『相棒、一度引ケ。狩ルコト等イツデモデキル。』

左肩から異形が姿を現し、そう進言するが。

「効いてない?!
馬鹿野郎...こんなところで退けるかって?!」

確実に仕留めた威力のはず。なのに相手は微動だにしなかった。
焦った表情で次の攻撃を仕掛けようとするが、抱きしめられ。

「何を...。やば......。」

何故か落ち着いてくる。戦意が、敵意が。自分を構成していたものが抑えられていく。
だからこそ、抑え込んでいた異能の反動が一気に全身を襲う。

「あっ...が....。」

口から血液、というよりも赤黒い粘着質な液体を吐き出す。
やばい...このまま止めを刺される...。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「あなたの内にどれほどのひとがいるかはわかりませんが、
 内側の声に飲まれて節操を失くすなんてみっともない。
 どうせ使うなら人の役に立てなさい。秩序を乱せば、滅ぶのはあなたですよ」

彼の体から力が抜けていくのを確認すると、左肩から出てきた異形を見やる。
どうやら"これ"は引き際を心得ているようだ。
だとすれば、未熟なのは彼の心か。

「本当に支離滅裂ですね。人の話を何も聞いていない。
 好んで殺したりはしないし、逃がしてくれと何度も言っているじゃなないですか」

血反吐を吐いて反動に飲まれる彼を抱きかかえれば、
ポケットから携帯を取り出して救急車を呼ぶ。

「このままあなたを"安全な場所"まで連れていきます。
 さすがにこんな場所に救急車は来てくれません。
 そこで引き渡したら私の仕事は終わり、もっと有用に力を使いなさい?」

まるで幼い子供を説き伏せるように言えば、背中のギターケースを手に持ち替え、彼を背負う。

「それから、そこの異形。
 言葉がどれほど通じるかわかりませんが、あまり彼をいじめないでください。
 あのタイミングで引き際を教えてあげられるなら、
 もっと彼を導いてあげてほしいものです」>

國宏一実 > 「滅ぶ...?
そんなの願ったり叶ったりだ...。
だがただ滅ぶだけじゃ満足できねェ...どうしようもないバケモノなんだよ俺は...。」

急激な抑圧と副作用による内部崩壊。
戦意は消え失せたが、薬による無理な抑圧が解除された結果だった。

「あァ...?なんで助けるんだ?お前、俺を殺しに来たんじゃ...。」

『ソレハオ前ノ勘違イダ。小娘ハ偶々此処ニ居合ワセタダケダ。』

最初からそれを教えてくれよ。
はぁ、と大きな溜息を吐けば、担がれた状態で大きく体を揺すり無理やり逃れる。
どさりと腹から落ち、顔を少し歪めるが。

「悪いな、俺の勘違いだったみたいだ。
医者を呼んでくれるのは嬉しいが...医者じゃ俺は直せねぇんだ。
....すまなかったな。」

ムスッとした表情でそう一応謝罪を入れる。
それに自分の体内は最早人間とは程遠い。そんなのを医者に見せたらどうなることか。

『私ハ相棒ノ意志ヲ尊重スルダケダ。
ダガ...善処ハシヨウ。』

そう言うと異形は体積を増やし、彼の体を包み込む。
それと同時に魔法陣が周囲に展開される。術式は簡単な転移の術式だ。

「次会ったときは...なんというか、"頼む"わ...。」

そう言い残し彼等はその場から消えて。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「滅ぶほうは勝手に滅んでそれで終わり。
 身勝手は死んだ後も他人に迷惑をかける。その後処理をやらせられる身にもなりなさい」

そう、滅ぶに滅べなかった種族の末裔だからこその言葉だ。
でも、そんなことは目の前の彼は知る由もないし、教える理由もない。

「とんだ迷惑です。ここに転がってる輩の後処理もあります。
 逃げるのであれば、しっかりと逃げ切りなさい」

しっかりと逃げ切りなさい。
その言葉が彼に向けられたものなのか、異形に向けられたものなのかは定かではない。
魔法陣に飲まれた彼を見送ると、血反吐で汚れた衣服と周囲に転がる人間に目を向ける。
深い深いため息をついて、風紀委員が来るまでの間、それらの"片付け"をするのであった>

ご案内:「違反組織群」から國宏一実さんが去りました。
ご案内:「違反組織群」からラウラ・ニューリッキ・ユーティライネンさんが去りました。