2018/11/21 のログ
ご案内:「傭兵組織のアジト」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > 喧々囂々とした長い会議の末に、取り敢えず制御薬の流通については現場での摘発強化。
落第街での拡散については、示威行動によって薬の流通そのものを萎縮させるという案で決定した。

というわけで、ゴロツキまがいの売人を締め上げる事数回。
制御薬の購入頻度が多い武闘派の違反部活が数個リストアップされる事になる。
そのうちの一つ。所謂用心棒を派遣する手合の組織を訪れていた。

訪れていた、と言えば可愛げがあるが、要するに――叩き潰している最中だった。

「…どうした?薬は使わないのか?それとも、使ってその程度か?がっかりさせるな。もっと抵抗してみせろ」

制御薬を服用した異能使い達は確かに強力だ。通常の人間ならば相手にならない己の召喚物が、軽々と粉砕されていく。
だが、所詮はゴロツキ。その場で暴れまわるだけなら、極端な話猿や猪と大差ない。

圧倒的な物量で包囲し、飽和し、鋼鉄の火力をひたすらに浴びせ続ける。周囲を轟音と砲声が支配する中、堅牢な守りで固められていたアジトは既に倒壊寸前という有様だった。

神代理央 > とはいえ、別段余裕がある訳では無い。
圧倒してはいるが、異形による砲撃を中断すれば生き残っている異能使いからの反撃は熾烈なものになるだろう。

故に、砲声は鳴り止まない。
砲弾を弾く音、切り裂く音、回避して此方へ反撃する者等様々だが、降り注ぐ雨の様に鉄火の暴風はその場を支配し続けた。

「……さて、こんなものか。しかし、中々にしぶとい連中だったな。此方の戦力も随分と減らされてしまった。実力者に使用されると厄介だな」

やがて、全ての音が止み、後に残されたのは雑居ビルだった瓦礫のみ。肉片すら残らない砲弾の雨は、まるで大地を耕したかの様な質量をばら撒いた。

ビルどころか周囲の建造物まで破壊しつくし、此方の異形も相応に打ち倒された。
集団戦が得意な者や、戦闘スキルの高い者が制御役を使用すれば面倒な事になるだろう。

「効能は確かな様だが…身を滅ぼす危険を犯してまで、力を得体ものなのかね」

懐から取り出した制御薬のアンプルをしげしげと眺めながら、不思議そうに首を傾げた。

神代理央 > 「…戦闘記録はちゃんと保存出来ていたか?………なら安心した。何せ、もう資料も何も残ってなさそうだからな」

腕時計型の端末に声をかけると、オペレーターから万事順調である旨の返答が届く。
そういう異能であるとはいえ、流石にこの瓦礫の山から資料を集めさせるのは同僚に申し訳ない。
戦闘記録だけでも、きちんと取っておかねば恨まれてしまうだろう。

「まあ、こんな半端な組織一つ潰したくらいじゃ流通も止まらんだろう。もっと大々的に、大仰に潰してやらんとな。…それでも、供給がある限りは収まらんだろうが」

小さく溜息を吐き出すと、足元に転がっている黒焦げのナニカを蹴飛ばし、黒煙燻る瓦礫の山に視線を移した。