2015/07/09 のログ
■石蒜 > 「まぁそうかもしれませんねぇ。でもご主人様はお金なんか欲しがりませんでしょうし。まぁ概ね無害な人ですよ、好き勝手遊んでるだけで。」その遊びには、他者の命や正気を奪うことも含まれている。到底無害とはいえないが、別段積極的に悪事をするわけでもないので、石蒜はそう考えている。
「まぁそれも1つの見方でしょう、私は幸せだからご主人様に付き従っているだけです。多分ないでしょうけど、つまらなくなったら別れます。ご主人様も私に飽きたら私を捨てるでしょうし、そうなったら私も別の道を探す。気楽な仲ですよ、ルームシェアの相手みたいなものです。」揺り椅子のように、不安定なコンクリートブロックを揺らしながら喋る。挑発のような言葉も、受け流しながら笑う。少し前なら怒り狂っていたかもしれない。だが、理解されることや受け入れられることを、石蒜は諦めている。期待しない、だからもう拒絶されても怒らない。
■九耀茉莉 > 「好き勝手ですか。それはそれは。私も巻き込まれたりしないように、身の回りには注意をしましょうか。」
笑いながら応える。まるで注意をする気がない。
「それにしても、「幸せだから」従ってると来ましたか。心酔しているのか、はたまた…いやいや、野暮な事はやめましょう。
――――まぁ、貴女のような辻斬りが「一緒に居て幸せを感じる」なら、そのご主人様の性格も、大体把握が出来そうです。」
ふっ、と、黒ずくめの少女の眼が遠くを見る目に変わる。
「――やはり貴女は損な生き方が好き…否、つまらない生き方しか出来ないようですね。」
少女の笑みが薄くなる。
「つまらなくなったら別れる。飽きて捨てられても、別の道を探す。
そんな事で、「ご主人様」を捨てられるとは、何ともはや。
…貴女は、誰かを「魂すら焼き消す程」に「愛する」事を知らない。
貴女は、誰かを愛する事の歓喜と苦痛を知らない。
本当に、可哀想ですね。」
最後の一言に、砂粒一粒にも満たない程だが、憐みが籠っていた。
■石蒜 > 「ふふふ、哀れんでいます?どうやらよほど私より上に居たいようだ。
私を可哀想と思うのもあなたの価値観、私のじゃない。お好きにどうぞ、それが楽しいのでしょうから。」立ち上がり、袴を払う。
「さて、私はそろそろ人を斬りたくなったので、獲物を探してきます。
まぁ面白くはなかったですが、時間は潰せましたよ。」刀を肩にかついで、相手に背を向ける。もう興味はなくなった、とでも言うように。
■九耀茉莉 > 「そうですか。ま、こちらも息抜きの一服には丁度良かったですよ。」
黒ずくめの少女も、また黒い巫女服の少女に背を向ける。
「ま、お互い歩く道が互いを妨げないといいですねぇ。貴女との戦いは、少しばかり骨が折れそうですので。」
辻斬りに向かおうとする少女を止める気は全くない。「お兄様」なら苦も無くあしらえるだろうし、それ以外の誰かが死んでも、こちらの知った事ではない。
「…見つけた獲物が、貴女に手を差し伸べるようなお花畑な頭の持ち主でないと良いですねぇ。
抵抗しようが逃げ出そうが貴女はそれで楽しいのでしょうが、もし貴女に手を差し出すのなら、それはきっと面白くないでしょうし。」
最後にやる気を削ぎそうな言葉だけを残して、黒ずくめの少女は歩き去っていく。
かつり、かつり、かつり、かつり……
その足音は、表通りに消えて行った。
ご案内:「路地裏」から石蒜さんが去りました。
ご案内:「路地裏」から九耀茉莉さんが去りました。
ご案内:「路地裏」にヴィクトリアさんが現れました。
■ヴィクトリア > あああ……
【すっかり毒気を抜かれてしまった感じだ
変態の相手は純粋に疲れる、気分転換しに来たというのにコレでは逆効果だ
端的に言って気分を直したい。
特になにもないならまあ……なんか適当に飲み食いするのが関の山だが】
■ヴィクトリア > ……あーもーふっざけんなー。
【もういっそ誰か連れ込むなり誰かのところ押しかけようかとも思わなくはない
どーせボクには当分これっていうこともないだろう
大体、ここのところ、嫌になることが多すぎる
さらわれて陵辱されるし、代理のやつには振られるし、犬飼のクソ犬には利用されるしいいことがない
まあさすがに打たれ強くはなったが、だからといって、気分が晴れるわけではない
正直、疲れてるのかもしれないと思うところはある
まー、誰かを枕代わりに寝るか、適当に宴でも開くかするところか
幸いこの辺では二級の連中には事欠かない
適当にほっつき歩くのを切り上げようか、それとも適当に楽しもうか悩みどころだ】
■ヴィクトリア > ったくよー
なんでこのボクともあろうものが、こんだけいーよーにされなきゃイカンのか
【飲み物を適当にガチャンコで購入しようにも、このへんは自販機が壊されるために極端に設置が少ないのもムカつく
踏んだり蹴ったりだ、マジ許せねえ
代わりにチュッパチャップスを噛み割ってガリガリ喰う】
ご案内:「路地裏」にブリガンテさんが現れました。
■ヴィクトリア > なんて日だよ全く……
【しかたないのでチュッパチャップスのプリン味を新しくあける……ばりばりと音がする
自販機の代わりにその辺の連中に飲み物を持ってこさせる……コレが身につけたばかりの能力だという自覚はない
飲み物なんでもいいと思ってたら、翼を授けるとか言いながら、疲れてると案外即寝する飲みもんじゃねーか
Moonstarドリンクとかこのへんの連中はこんなもんしか持ってねーのかおい?
マジ泣ける……】
■ブリガンテ > 路地裏の闇に溶け込んでいる一人の男。
彼は目の前で不機嫌にしているヴィクトリアを観察している。
まただ、ここ最近この界隈では面倒事の種になる連中にしか遭遇しないと思った。
どちらにせよ、あまり関わり合うのは得策では無さそうだと判断を下す。
ヴィクトリアが従えている連中はあんなのにホイホイ従える程上等な知恵を持っていない獣なのだから。
■ヴィクトリア > なンだよ、ボクの顔になんかついてんのかよ? 珍しいもの見るよーな目で見やがって
何もでねーぞ?
【イラッと来て、こちらを伺ってる様子の男にふざけんなと思う
見世物じゃないし、何より、単純に嬉しくないことが重なってるのも原因だ
ココではボクはむしろ女王みたいなもんだってのに、なんだってこんなにうまく回んないのか】
■ブリガンテ > 「どうぞ、おかまいなく。」
肩をすくめ、視線を外しつつ腕を組み壁に寄りかかる。
どうやらここから動くつもりは無いようで、見ようによってはリラックスすらしている様にも捉えられる。
成程、まさに女王様気分ってヤツだ。だが何かしら気に入らない事があるのだろう、と彼女を自分なりに分析する。
■ヴィクトリア > ……ふん。
【仕方ないので、男を無視してクリムゾンブルを飲む。コレしか無いんだからしょうがない
まあ、炭酸なだけマシだ
少なくとも、しょっぱい味はしない
少し落ち着いたところで、さてどうしようと思案する
正直、寝るならもう少しマシな連中がいい、もしくは綺麗どころ。
今日は正直、芸もない連中の相手はしたくない
飯を食うならもう少し話が合う奴がいいし、飲むならもう少しうるさくない方がいい
そう考えるともう組み合わせ最悪だった】
■ブリガンテ > 「…………。」
男はおもむろに懐からペットボトルを取り出した。
普通のコーラであった。こんな場所で、である。どんな手品であろうか手に取ったコーラはキンキンに冷えている。
そしてからかうような声色で話しかけてくる。
「よう、女王サマ。良い夜になりそうだな?」
■ブリガンテ > 「やれやれ、つれないな。」
男は軽く首を横に振り、立ち去っていった。
ご案内:「路地裏」からブリガンテさんが去りました。
■ヴィクトリア > ……。
【ちきしょう、これみよがしにしやがって
やってらんねー。
すげー負けた気がする、マジついてない
こういう時はもう無理だ
仕方ない、諦めるしか無い
色々とモヤモヤするトコはあるが、どーしよーもないので
一人に肩車させた上でそいつの家で寝ることにした
無論、硬いベッド以外に特に何があるというわけでもなかった】
ご案内:「路地裏」からヴィクトリアさんが去りました。
ご案内:「路地裏」にライガさんが現れました。
■ライガ > 雨が降りしきる中、スーツが濡れるのもかまわずに歩く。
今日は海開きで、海岸は賑わっているころだろうか。
(風紀公安のスイカ割り、やってみたいけど今顔合わせるとまずいのもいるんだよなー)
と、違和感に気付いて足を止める。
今日の天気予報では快晴だったはず。
にもかかわらず、この大雨。大通りの方に視線を向け、目を凝らすと、そちらはカラリと晴れている。
■ライガ > 「……なんだ?この辺だけ、大雨?
ゲリラ豪雨にもほどがあるんじゃないかなあ」
空を見上げるも、真っ暗でよく見えない。
首を傾げ、不思議に思いながら歩き出すと、どうも声が聞こえる。
『……おい…』
『こっちだ…いたぞ……』
声は奥の方からする、そちらに向かって歩き出そうとしたその時。
ふいにわき腹に衝撃が走り、うめき声をあげて濡れた地面へ転がる。
「ううっ……痛てて……
……な、なん…だ……?」
■ライガ > ぼやける視界に、映る多数の人影。
黒スーツに黒い帽子、仮面を被ったそれらは、わき腹を抑えて立ち上がろうとするライガの周囲を取り巻き、道をふさぐ。
彼らの肩に光る紋章が見えると、ライガの眼が驚きに見開かれる。
「え……エグリ、ゴリ……!?
なんで、ここに……」
『そう、我等、エグリゴリです。
憶えていてくれたようですね』
黒スーツたちの中から、ひときわ目立つ服装の人影が現れる。
青いポンチョをかぶり、ゴーグルをつけている。
■ライガ > 「お前は……バトラエル?!
そうか、この局地的な大雨……!!」
何とか立ち上がるライガを冷たい表情で眺めると、濡れたブーツで宙を蹴りあげる。
すると、2、3mは離れているライガの体が、何かに蹴られたようにくの字に曲がり、口から血を吐きながら、再び地面に倒れこむ。
『やれやれ、すこし見ない間にずいぶんとなまりすぎでは?
かつてのあなたなら、これくらい避けられたはずですのに』
ポンチョの人物──バトラエルと呼ばれた男は、呆れたように額に手を当てた。
■ライガ > 雨が、強くなってくる。
バシャバシャと、周囲の軒先から水が勢いよく流れ落ち始めた。
『さて、再会のあいさつはこれくらいにして。
先ほどの質問に答えましょうか。なぜここに居るのか、と』
倒れたライガに近づく。
ブーツで小さく蹴り、うめき声を聞きながらバトラエルは続ける。
『答えは簡単です、我らが女主人が次の拠点をここに定めた。
ただ、それだけのことですよ』
「そ……ぐぇ……
それ、言っていいのか……?
っぐ、が……国際指名手配中のはずだぞ……うぅ……」
ライガが辛うじて言葉を返すと、バトラエルはくくっと笑い声を上げた。
『だからこそ、ですよ。
灯台下暗しっていうじゃないですか、ここは一番安全なところです。
幸いにして、あらゆる悪徳のたまり場があることですし。
ま、抜けたあなたには何もできないでしょうが』
■ライガ > 「ざ、財団が黙っちゃいないぞ……
ここはお膝元だ、お前もそれくらいわかってr……ぐぁ!?」
バトラエルは、今度はライガの脛を蹴りあげる。
『財団?
財団が我々を潰すと? ……我らの女主人の偉大な力、あなたもご存知でしょうに。無策のまま、ここに飛び込んできたわけではありませんよ』
その意味を知るライガが顔色を変えると、にやりと笑って、倒れこむその上にどっかと腰を下ろした。
■ライガ > 『さて。あなたを見つけたのはいたって偶然ですが、我らが女主人は抜けたあなたを大変心配しておいででした。
ですので、このことは一応、報告しておきましょうか。
まあ、万一再勧誘なんてことがあっても、エグリゴリに所属する他の者が黙ってはいないでしょうし、私としてもさっさと潰れてくれた方が安心するのですがね』
そう言うと、足を踏ん張り、体重をかける。
メキメキと音がして、ライガは声にならない叫び声を上げた。
「……ぼ、僕をどうしようっていうのさ。
お前の認識を借りるなら、放っておいたって、それほど脅威じゃないはずだぞ」
■ライガ > たしかに、とバトラエルは頷く。
『今のあなたはもう、終わりも近い。
一般的な魔術師として考えれば、それほど脅威には当たらないでしょう。
だが、仮にも《魔人計画》の関係者だ、用心に越したことはない。そこで』
そういうと、ポケットから全体が血の色をした短剣を取り出す。
それを高くかざすと、雨粒が当たって怪しく煌めいた。
「……ちょっと、待てよ。
おい、何をする気だ……待て」
ご案内:「路地裏」に久藤 嵯督さんが現れました。
■ライガ > 『何って、決まっているでしょう。
こう、するんですよっっっ!!』
短剣を振り下ろし、ズドッと心臓の下付近に突き刺す。
ジワリとシャツが朱く染まり、短剣が傷口に吸い込まれるように溶けてゆく。
ドクン、ドクン……
ライガの、心臓の鼓動がやけに大きく、周囲に聞こえるような錯覚に陥る。
■久藤 嵯督 > 「探知に妙な反応があったので来てみれば……」
上に伸びたピアノ線にぶらさがりながら、遠心力を利用した移動で駆けつけた男が一人。
そこで見たものは、胸を朱く濡らした『同僚』が、異様な鼓動を立てている様子。
「貴様ら……何をしている?」
青ポンチョの男を初めとした集団に問い掛けながらも、路地に結界を張って逃げ道を塞ごうとする。
■ライガ > バトラエルはくるりと振り返り、ピアノ線にぶら下がって新たにやってきたその姿を確認すると、
すくっと立ち上がった。
『……おや、人が来たようですね。
流石に今、目立ちすぎるのは危ない。
経過を見られないのは残念ですが、ひとまず退去するとしましょうか』
胸を押さえてうずくまるライガ。
それを囲んでいた数人の人影が、ざざあっと一斉に駆け出すが、結界に阻まれるように足を止める。
『……ふむ、結界ですか。これは面倒な。
どきなさい、私がやりましょう──ふんっ!』
ブーツを雨で十分に濡らすと、いったん数歩下がり、助走をつけて跳び回し蹴りを放つと、蹴りの勢いに乗った雨水が刃のように広がり、結界と衝突する。
『それ、そうれ、それえっ!』
その場に立ち、宙に向かって蹴りを連続で放つと、水滴が槍のようになって飛んでくる。
■久藤 嵯督 > 雨水の刃と槍の連続攻撃にて、その連打に耐え切れなくなった強化ピアノ線が切断される。
結界が切断されれば『罠』が発動し、高速で飛来してくるゴム製の玉が黒スーツの集団のうちの誰かを襲う。
当たり所が悪ければ後遺症が残る程度の威力だ。死にはしない。
彼らが結界の前で足を止めている間にも、嵯督は行動していた。
相手がプロなら、拷問や自白剤といったものは意味を成さない。
たまにべらべらと喋ってくれる者もいたりするのだだ。
そんなレアケースに期待するよりは、ライガを優先して救助する方が釣り合いが取れるというもの。
そのような損得勘定から嵯督は、指に繋がれていた結界を既に独立させていた。
結界を破棄すれば、すぐさまライガを抱え、その場を離脱しようとする。
『罠』で一人は仕留められたのなら好都合だが……そこまでは期待するまい。
■ライガ > 何人かが開けた結界から外に出ようと駆けだし、
飛来するゴム弾に当たってうめき声を上げると、スーツごとその場で霧散した。
『……一応それなりの力は持たせましたが、やはり元は名もなき烏合の衆。もっと強化が必要ですか。
それでは、次に無事お会いすることを楽しみにしておりますよ。アディオース』
バトラエルが馴れ馴れしく大げさに手を振って別れを告げると、
ひときわ強い飛沫が、ライガを抱えた嵯督に襲い掛かる。
その後は雨が嘘のようにからりと晴れあがって、謎の集団は跡形もなく消えていた。
■久藤 嵯督 > 「消えた……? チッ、そういう手合いかよ……」
スーツの男が霧散する様子を見て舌打ちする。
捕まえて情報を聞き出す、という選択肢は省いた方が良さそうだ。
結果的に、自分の判断は正解だったと言える。
レインウォーカー
「俺と相対して無事で済むとは、安易に思わない事だ。雨男」
襲い来る強き飛沫を視認すれば、安易に触れようとはせず、石つぶてを弾丸のように投げ付けることで様子を伺う。
同時に残る糸に追跡させようとするが、謎の集団の離脱速度は糸よりも速い。
完全に見失ってしまった。
■ライガ > ライガの動悸は、次第におさまってゆく。
眼を開けて、ゆっくりと傍らの嵯督を見れば、ため息を漏らした。
「……どうやら行ったみたいだね、助かった。
アイツはバトラエル。察しの通り、雨を操る異能者であり、魔術師だ」
そういって立ち上がろうとするが、よろりとふらつき、その場に手をつく。
すまなそうに、声を絞り出した。
「…悪い。
厄介な連中が、入り込んだようだ。
首魁は財団の元研究員だし、隠匿しておくメリットもない。……後で、僕自身の事も含めて、できるかぎり話すよ」
■久藤 嵯督 > 「なるほど……魔術の方だったか」
そういった方面に素質のない嵯督にとって、超常は『そういう力』があるとして片付けるしかない。
怪奇現象は異能か魔術、今回は後者だったというだけのこと。
ふらつくライガを見れば、半ば強引に肩を貸そうとする。
傷口が開く様子はないと踏んでの行動だが、もしそうなるのであればすぐに降ろすだろう。
「お前が望んで呼んだというワケでもあるまい。それに、中々楽しめそうなヤツじゃないか。
しかしまあ、元財団所属とはな……」
強化されたピアノ線を切断するほどの技の持ち主。
戦ってみれば、まあまあ楽しめるかもしれない。
「……そうだな。そのザマのお前から情報を聞き出すほど、俺も鬼ではない。
ひとまずは身体を休めておくことだな」
■ライガ > 傷口は相変わらずシャツが真っ赤に染まっているが、これ以上広がる様子はない。
引っ張られれば、逆らわずに肩を借りるだろう。
「ありがとう。
いや、僕もまさか来るとは思わなかったよ。
《魔術結社エグリゴリ》……現在かの組織は、首魁と主要メンバーが国際指名手配中だからね」
弱弱しい声で話す。
病院、いや、財団本部に行った方がよさそうだ。
■久藤 嵯督 > 「あんな連中まで来るとは、相変わらず厄介ごとの煮詰まった島だことで。
お前の身柄は、一度本部に送らせてもらう。念のために精密検査を受けて来い。
運ぶ途中少し揺れるが、我慢しろよ」
弱水の海を越えて本部に行く方法はいくつかあるが、嵯督の場合はそれが少々特殊なのだ。
ライガを支える嵯督は、そのまま彼を本部へと送り届けていくだろう。
■ライガ > 「ああ、頼む……
その辺の病院だと素性バレやすくて危ないしね、本部のほうがいいだろう」
嵯督に支えられながら、その場を後にする。
ご案内:「路地裏」からライガさんが去りました。
■久藤 嵯督 > ―――その日のことである。
中肉中背の男が大男を抱えながら弱水の海面を走って行ったのを、未開拓地区の村人が目撃した。
しかしそのような話は誰からも信じられず、その件は自然消滅していったそうな。
ご案内:「路地裏」から久藤 嵯督さんが去りました。