2015/07/26 のログ
ご案内:「路地裏」に自販機さんが現れました。
自販機 > (健全ではない学生たちがたむろするという路地裏にて……)
自販機 > (健全ではないというかむしろ健全すぎる学生たちが集っていた。
 彼ら彼女らの名をしねしね団と言った。
 Freeにいちゃつく糞共を火あぶりにしてやろうという健全な集団である。健全すぎて狂っちまいそうだ! おお神は我らをみすてたもうたか!
 しねしね団がカップルしねしね集会を開催中の傍らでしねしね団の制服らしき布を纏わされている自販機があった。
 ど う で も い い。
 はよ買えといわんばかりにしねしね団に対し低音を立てている)

「ぶーん」

自販機 > 「ブーン」

(誰も買ってくれない。亡者どもめ。

 自販機はこっそりと動き始めた。
 しねしね団に囲まれていては営業どころの騒ぎではない。
 お客様第一主義的に考えて。被害がでた? そのような話は聞いてございません)

ご案内:「路地裏」にマティアスさんが現れました。
マティアス > (そろそろ「食事」が必要かと思い、落第街に繰り出してきた)

(妙な気配と健全な呪詛が漂う路地裏に人の気配を感じ、ふらふらとそっちに向かっていったが)

「……なにこれ」

(そこにあったのはカップル達への恨みつらみをぶちまける学生達、と自販機)

(……パッと見学生達に、あと何故か制服を着せられている自販機に害はなさそうだ)

自販機 > 「逃げろー! ずらかるぞお前ら!」

「イエッサー!!!」

(ドタドタとしねしね団が撤収していく。
 あっという間にいなくなってしまった。逃げ足だけは速い。まるでゴキブリのようだ。
 自販機は制服を着せられていた。グルグルに巻かれているのでお金を入れる投入口その他が隠れて見えない。脱がさないと駄目みたい(はーとまーく☆)   )

「ぶーん」

(いつものセリフです)

マティアス > (ボケーっと見ていたら逃げてしまった、「食事」にありつけると思ったのに、残念)

(まぁこの体は稼働効率を高めまくって数十年ぐらいなら少量の魔力でも動くだけなら可能だし、追いかける気は無い)

「……えーと、自販機ですよね、これ、なんでこんなところに」

(目の前に鎮座している長方形、おそらく自販機の類いだろう)

(他にやることもないし、とりあえず自販機を覆う制服を素手でビリビリと破り捨てる)

自販機 > 「ぶ、ぶーん」

(脱がせられた。たまげたなあ。
 とにかく買えるようにはなった。何も入っていないディスプレイが見えるかもしれないし、何か見えるかもしれない。
 食事が入っているような気がしてくるかもしれない。
 自販機は待っている。買われるのを待っている。
 しねしね団の一人がちらっと顔を覗かせたが、すぐに逃げていった)

マティアス > (制服の下にあったのは、なんのラベルも貼られていないペットボトルのディスプレイ)

(その下には硬貨や紙幣を入れるところと、[100][500][1000][スペシャル(10000)]と書かれたボタンがついていた)

(特に危険な気配はないし、なにより面白そうだったので、財布を取り出してみる)

「えっと、どれにしようかな」

(てんのかみさまのいうとおり、続く言葉と指先が指し示す先は[スペシャル]のボタン)

(お金は外で色々やってたおかげでたんまりあるし、戸惑いなく万札をインしてみた)

自販機 > (こいーん♪ ならぬしへーい♪
 一万円を入れてボタンを押すや否や飲料が出てくる。缶飲料。『トマトじゅーす』なる飲料。
 相手が吸血鬼に類する存在だから出てきましたと言わんばかりに吸血鬼らしき格好をした男がトマトに貪りついている絵がついている。だが待って欲しい。トマトである。血ではないのだ。
 製造は信頼と安心の常世財団。成分表示『トマト』。
 絵を除けばごく普通のトマトジュースに見える。
 外見だけは)

「ぶーん」

マティアス > (がしゃんと自販機から吐き出された缶を取り出し、確認)

「……えーと、トマトじゅーす?」

(でかでかと書かれた「トマトじゅーす」という文字と、トマトにかじりつく典型的な吸血鬼イメージの男、そんなデザインの缶飲料)

(成分表示には「トマト」の三文字、賞味期限の記載無し、そして製造:常世財団)

「……あやしい」

(怪しさと胡散臭さを煮詰めたような飲料である)

(意識を集中させても缶の中に魔力の気配を感じないのが更に怪しい)

自販機 > (トマトじゅーす。きけんなようそはないな!)

「ブーン」

(賞味期限どころかいろいろおかしいトマトじゅーすである。
 飲むか飲まないかはあなた次第。
 魔力どころか気や妙な超科学のにおいも感じないだろう。だってトマトじゅーすだもの)

マティアス > (しばらく缶を片手にむむむと唸ったりしてみたが、これ以上得られる情報は無しと判断し、ため息)

「……これ以上の情報は、専用の道具でないと解らないでしょうね」

(くるくると缶を弄びながら呟く、寮に持ち込んだ「道具」なら更に詳しい情報が解るかもしれない)

(一応研究者で探求者なのだ、好奇心や知識欲は非常に高い)

(仮想の脳内で調査に必要な道具をリストアップし、詳しい検査のために学生寮へと向かった)

ご案内:「路地裏」からマティアスさんが去りました。
自販機 > (別の方角へ歩き去る姿。
 消えたのであれば、いつの間にか自販機も消えてしまうであろう。
 トマトじゅーす。
 まともなトマトじゃないにおいがプンプンしてくるかもしれない。殺し屋トマトみたいな印象を受ける。うけるかもしれないね。そんな物語だったとさ)

ご案内:「路地裏」から自販機さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に薄野ツヅラさんが現れました。
薄野ツヅラ > ───かつり。
狭い路地にひとつ、ふたつ。杖が地面を叩く音が反響する。
趣味、と銘打った調査部別室の仕事帰り。
数ある違反部活や監視対象に対して最低限の監視を行い、のんびりと情報収集にあたった其の帰路。
彼女は誰に知られることもなく、落第街の──自らの愛する街を闊歩する。

「ちょろいわぁ」

一本入った其の路地は薄暗く、照らす光はぼんやりと輝く月明かりだけ。
退屈そうに欠伸をしながら彼女は落第街の路地裏を往く。

薄野ツヅラ > 今日の彼女は『仕事』に出ている。
普段ならば適当な店に入って経費で美味い飯を食うだけだが、あくまで今日は仕事だ。
目に入る細かく入り組んだ路地の先で、ぼうと輝く提灯の光も目を瞑らなければならない。
其れ故に上機嫌、とは言い難かったが収穫はまずまずのものだった。
後から美味しいものを上司に奢ってもらえばいい。
今は提灯からは目を逸らす。

あくまで彼女の云う『監視』は公安委員の中での『監視』とはまた違った意味を持つ。
普通の公安委員が行う『監視』が終焉への前準備だとしたら、彼女が行うのは終焉に向かうレールを切り替えることだ。
最低限、違反部活であろうが普段の活動を『合法』のうちに留めさせる。
公安委員としてではなく薄野ツヅラの気紛れとして甘言を吐き、
『合法』の違反部活に切り替えさせるのが彼女の『調査』だった。

無論、其れでも違法活動を続けるようであれば彼女の上司に報告が行き、華麗に終焉を迎えるだろう。
他の有無を言わせず実力行使に出る公安委員と比べて、随分と甘かった。

ご案内:「路地裏」に麻美子さんが現れました。
薄野ツヅラ > 上司の目に入る前に、他の公安委員の目に入る前に。
『そうなってしまう』前にのんびりと注意を告げ、あくまで薄野ツヅラがやりたいことをやる。
趣味と実益を兼ねた、実に便利な立ち回り。
違反部活──合法部活が潰れることもなく、公安委員会に対してはきちんと得た情報を提供する。

其のあとは定期的に散歩をして活動内容が健全化しているかを確認していればいい。
最悪の事態が起きる前に、やんわりと相手に気付かれないように更生の道を辿らせる。

違反部活に所属する大抵の学生は居場所を求めて、と云う場合が多い。
悪事に手を染めれば、奇妙な連帯感が生まれ、『仲間意識』が生まれる。
其の切掛けが必要なだけで、あとは犯罪行為なんて二の次になっていく違反部活も少なくない。
なあなあで行われる『つまらない』犯罪で足がついて其の仲間を失うのは実に勿体ない。
───面白いものではない。公安委員会は忙しいのだ。
そんな下らない連中に割く手間がなくなって、尚且つ街の治安はやや上方に回復する。

『やりたいこと』を追及したまま2方向に良い影響を及ぼせる。
実に問題ない。──と思う。思いたい。屹度怒られることはないだろう。

彼女は上機嫌のまま杖を鳴らして、路地裏を『散歩』する。

麻美子 > 「『特に用も無い』のに、こんな所を歩くなんて、
 ツヅラサンは相変わらず物好きッスねー。」

手を小さく上げ、散歩する彼女に声をかける。

「どうも、ツヅラさん、調子はどうッスか?」

「特に用も無いのに歩くなんて」そう彼女は言った、
つまり、彼女は用があるからこそ、ここを歩いている。
目の前のすっかり公安委員会として仕事をしている少女、薄野ツヅラに。