2015/09/11 のログ
ご案内:「路地裏」に白椿さんが現れました。
白椿 > (理由なくばほぼ誰も通らない時間の路地裏。なればこそ理由なくば人も現れないゆえ都合が良いとも言える。
人を集めるに手っ取り早い方法であれば幾つか無くはないのだが、手段が直接過ぎていささか趣に欠ける。

まあ、その中でも自身が事件の主になってしまえば相応に面白い繋がりができるのではあるが
それはそれで今度は戦いばかりになってしまったりすることを考えると悩みどころではある)

白椿 > ふむ……まあ、人待ちになるのは仕方ないの。
なれば趣がないとは思うのだが、少々我が動く必要もあるのかえ?

(結局長い間、かかわり合いのきっかけを作るとなれば騒ぎの元になる必要もあるかもしれない、と思いつつ
とくに今夜は獲物もない。
猫たちのように街掃除をするのもありといえばありなのだが、狐としては後始末をしたくなる癖があるので
参加する気もしない。
もし統制を取るなら上からやったほうが効率が良いし、丁寧にせずとも良いというのもある。

なんにせよ、扇情的な格好で目立つ白狐はなにかないかとさがしていたし、でなければ何か起こすしかないなと
いうことも一応考えていた)

白椿 > ……そも、この我が出てきておるのに、何も起こらぬというのが許せぬ。
とはいえ、この街では知名度も何もないからの。

立場が確立するまでは仕方ないというところかの。
やることさえ決まるのであれば何をしてもよいのであるが
そうでないとどうしても優柔不断気味になるの。

とするならそのへんの輩をしばきあげるのが手っ取り早いというところではあるが、さて。

(基本的に自分から手を出すのは微妙であるものの、結果的に見てそのほうが良い可能性もある
そもそも与しにくい原因のひとつとして正体不明の妖狐美人ということがあるので
おそらくは警戒されておるのであろと思う。)

白椿 > まあ、面倒事は面倒事として別に考えておくかの。
それにきっかけであるなら店などでも良いのであるが、もっとも我は店を知らぬからの……

(うむ、店で良ければそれで良いのだが我はそういうものを知らぬ
要はそのへんの有象無象に声をかけられても仕方がないゆえ、この辺であれば容赦なく断れるというのも大きい
ともあれそれはそのときか)

ご案内:「路地裏」に蘆 迅鯨さんが現れました。
蘆 迅鯨 > ほとんど誰も通らないであろう路地裏を徘徊する、黒いフードの少女が一人。
その視界に映るのは、何やら思案を巡らせている様子の、狐めいた形状の耳を持つ銀髪褐色の女であった。
何やら呟いている様子ではあったが、黒フードの少女――蘆迅鯨にはまだ、その言葉をはっきりとは聞き取れていない。

「(制服じゃねェ……つーことは風紀の連中じゃねェな。にしても……)」

このような時間と場所。この女は何が目的であろうか?――迅鯨は怪しむ。
そして、その心の声は迅鯨の異能により、テレパシーとして褐色の女へと届くであろうか。――あるいは。

白椿 > (生体を持たない人形である狐はその声を聞くことはできない
もっとも、擬似魂魄は備えているため、生命反応も魂魄の反応も持ちあわせており、そちらで反応できるなら別だろうが

とはいえ、狐のセンサーは優秀であり妖狐のそれと遜色が無い
であれば異能の発現としても気付くことに変わりはなく)

……ふむ
なにやら妙な気配がするの?

(気配を消してセンサー類からも隠れるような方法があるならばともかく、そうでなければ狐の知覚範囲は狭くはない。
もっとも向こうから反応がなければ捨て置くところではあるが、今宵、別に付き合ってやっても良い。
……さて。)

蘆 迅鯨 > 褐色の女に自身のテレパシーが聞こえていないことを、迅鯨はまだ知らない。
それ故に警戒を強めつつも、徐々に女の方向へと歩を進めてゆく。そして。

「よォ、姉ちゃん。ンな時間にンな所で何してんだ?」

声をかけ、まずは女の目的を問うてみる。
迅鯨は戦闘行為を主目的として落第街を訪れているわけではないが、何せこのような場所だ。
何らかの攻撃を受ける可能性も想定し、気は抜かない。

白椿 > ……ふむ。
(良い餌であるの。
異能の反応もある、適度に立ち居振る舞いも能い

であるが、まあそんなことはともかく人間がいてくれるだけで良いものよ)
          エニシ
ひとことで言うなら、縁を探しておる。
縁であるからまあ、要は出会いと運だの。

気が乗ればするだけのこともするであろうし、そうでなければ去ねと申すだけのこと。
なに、関係はなんであっても構わぬ。
恋人であろうと友人であろうと知り合いであろうと敵であろうと縁は縁ぞ。
誰かと関わり合いいなれることそれ喜びよ。

(くす、と謎の微笑めいた様子で微笑む狐。
気を抜くとか抜かないという感じではなく自然体にして臨戦態勢という類である。
人形としても完成度が高いため、そうしたオンオフの区別なく振る舞えるのは狐の特性であった)

蘆 迅鯨 > 「ふゥーん……出会いね。ま、俺ちゃんがうろつくのも似たようなモンだわな。イイじゃねェの」

褐色の女が話す目的を聞けば、相も変わらずのラフな口調でそう答えた。
誰かと出会い、関わり合うこと。それは学生街、落第街を問わず、迅鯨が町を歩く理由でもある。
迅鯨のテレパシーは送信するのみの一方通行であり、役に立たないどころかほとんどの状況下においてマイナスともいえる異能である。
そのため未だ女の意図のすべてを察し、あるいは推し量ることはできないまでも、
表情、そして精神面においては口調とは裏腹に、未だ緊張が保たれていた。

「ここで会ったのもそのエニシとやらなんだろうし、名前ぐらいは聞いといても罰は当たんねェだろ。俺ちゃんは蘆迅鯨<ルー・シュンジン>。で、あんたは?」

褐色の女に向けてまずは自分から名乗った後、彼女の名も問う。

白椿 > 我は白椿の狐ぞ。
よろしゅうの?

……して、其方は何用かや?
ふふ、我はいい獲物であったりするのかの

似たようなものであっても同じではないであろ
なれば、よろしくない出会いを求めている可能性もないわけではないからの?

(わざとカマをかけるように目を細めて楽しそうに話す狐。

狐は反応からすると、話好きそうな気配はありそうだ
そもそもこの服装である以上、話好きでも物好きでもなければこんな扇情的な和装でこの辺りを歩くわけもなかろうと思われるが)

蘆 迅鯨 > 「白椿ね。よろしくなっ」

褐色の女――白椿の名を聞けばそう返した後、迅鯨の視線は彼女の胸元へ向かう。

「(んー、デカい……ま、俺ちゃんほどじゃねーけどな)」

などと、心中でぼやきつつ。

「俺ちゃんは……まァ、日課みてェなもんだな。学園のほうにゃ居場所はねーし。なァに、俺ちゃんは別にあんたを取って食ったりはしねェよ」

迅鯨がこの場所を訪れる事にこれといった目的意識はなく、一種の習慣であるということと、
白椿に対して危害を加えようとする意思はないことについて話す。
初対面の人間にはまず話すことはないが、迅鯨は正規学生ではあるものの、学園において『たちばな学級』に所属している。
それ故に学内で人と関わり合う事は少なく、また自身の異能のため他者から忌避されることも多かった。

白椿 > ふむ?
人恋しさという故か?

まあ、さもありなん、此処は異能のものが多すぎるからの。
必要以上に好き嫌いを抱え込むものであるものよ。

ふふ、とって食ったりしないということは、とって食ったりされうるということかえ?
おお怖い。

(要は、誰であれ事情があるものであり特に気にしないということだ。
そして、明らかに怖くなさそうな様子で大仰に怖がってみせつつ視線に気づけば)

ふふ、気になるのかえ?
其方もそれなりの物を持っておるであろうに、それでは足りない食いしん坊なのかの?

(くすくすと微笑んでからかう)

蘆 迅鯨 > 「(人恋しさ……ね)」

自身が抱え続けているそれをはっきりと言い当てられたような感覚から、
迅鯨の心中には仄暗い声が響くも。

「まァな。俺ちゃん、胸のでけェ女は大好きだからよ。何人抱いても足りねェぐらいだ」

白椿が胸元に向いた視線に気づけば、迅鯨は腰に手を当てて上体を倒し、
やや上目遣いで見つめる誘惑のポーズをとりつつ、笑顔で彼女の問いに応える。
迅鯨は所謂『両刀遣い』であり、男女どちらにも恋愛もしくは性愛の感情を抱きうる。
また倫理観や貞操観念の薄い迅鯨は、複数の相手と同時に関係を持つことも厭わずにいた。
そうした奔放さも、迅鯨が心の内に抱えている寂しさの裏返しである。
もっとも、迅鯨が実際に同衾した人数といえば、彼女自身が言うほど多くはないのだが。

白椿 > ふむ、なるほど。
そうした相手探しも兼ねてというやつかの。
悪い趣味ではないの。

もっとも、それにはいささか華が足りぬようにも思うの?
元は良いのだからもう少し着飾るのもありだと思うがの。

どうせ、気が合わなければその気にはならない複雑な乙女心なのではないかえ?

(くすくすとからかうようにその様子を苦笑して。
もっとも狐に悪気はなく、社交辞令みたいなものである
そもそも狐もあまり変わらないし、特に今の狐はそう書き換えられているゆえ一層そうであった)

蘆 迅鯨 > 「……そうは言ってもなァ」

常世島を訪れて間もない頃に異邦人街で購入した、黒いフードのついた外套。
これが迅鯨の普段着であり、例え室内であってもフードを外すことはない。
また、外出時にこれ以外の服を身につけることもない。
迅鯨はこの黒いフードで顔を隠すことにより一種の心理的な防壁を築き、
相手との距離がどれだけ近づこうとも、自身の領域を完全には明け渡さずにいるのだった。

「ンー、そうだな……もう少し派手な服とか、着てみてもいいんだろうな……」

今の迅鯨には理解者がいる。道を示してくれた者もいる。
ならば、彼らの前では今よりも少しだけ派手に着飾ってみてもよいだろうか。そう考えていた。

「ま、俺ちゃんほどの美少女なら何着ても似合うだろうけどな。タハハー」

などと付け加え、おどけるように笑ってみせる。

白椿 > うむ。
正直もったいないというやつだの。
己の魅力を理解せず華を枯れさせる気かえ?
そうではないのであろ

てんぷらも衣を纏わせることで、より一層美味くなるというもの。
素材が良いだけでは足りぬ。

……そも、其方。
自信がないのであろ?

それだけ目立つ格好をしておりながら着飾ることに抵抗があるというのは解せぬ。
なにゆえそうであるかはともかく、華は飾るものぞ。
押し入れにしまって独り楽しむものではない故の。

(口元を隠しつつ、弱気になった隙を見逃さない
むしろそういうところを見かければ狐は踏み込むし、こういうやり取りは好物である。
斜に構えつつ、その実純情な娘など、此れ幸いである)

蘆 迅鯨 > 「……そう……だな。自信……なァ……」

――自信が無い。その一言だけで言い表せるものではないものの、白椿の指摘はまさしくその通りであった。
周囲に対して無差別かつ一方的にテレパシーを発信するその異能を、
母国の研究機関には実験に利用され、価値がないとわかるや否や捨てられる。
そしてこの常世島へ送り込まれてからも、殆どの生徒や教師陣からは疎ましく思われていた。
そのような経験をすれば、とうてい自分を誇る事などできようもない。

「そう、だよな……」

先程までの態度はどこへやら、迅鯨の言葉はなかなか続かない。
その表情はうっすらと曇りつつあった。

白椿 > ……ふむ、其方。
少々狂っておるの?

蘆よ、其方……自信をなくす理由がない。
誰もが羨む様な肢体を持っておきながら、何を悩むとする?
その時点で十分であろ?

つまり其方の悩みは贅沢というやつであろ。

もっとも、悩みは人それぞれゆえ、悩んでしまうこと自体は止められぬ。
が、悩むことで悩んでおるように思えるの?

となれば、つまり何かがズレておる。

此れを狂いというての
天秤が狂っておるのだから、そも平衡など望むべくもないであろ?

なれば取り敢えず片方に大きく錘を載せてしまえば、天秤の必要は最初から無くなるであろ?
狂った天秤を見るでない。

……なれば、我がその錘をやってやっても良いがの?

(くすくすと値踏みするように、怪しい様子で踏み込む狐。
やや、雰囲気などの操作も入っているかもしれない。

特に効用はなく、不安を煽り、依存を高める雰囲気を作る程度であるが、この場では十分であろ。
この程度に染まるのであればやはり不安なのだろうし、放っておいても時期が来るだけのこと)

蘆 迅鯨 > より近くに踏み込んでくる白椿の姿から、迅鯨は何らかの術にかけられたかのように、目を離すことができない。
その瞳をまじまじと見つめつつも、未だ返すべき言葉をはっきりと浮かべられずにいたが、
やがて彼女が紡ぐ言葉の中から、一つの答えを得る。

「違う……違うぜ、そりゃあ。第一、カラダの悩みとココロの悩みつーのは別だろうよ」

決して醜くはないその顔に、豊満なバスト。蘆迅鯨という少女は、容姿だけ見れば恵まれているほうだといえる。
しかし、肉体的な部分の悩みと、精神的な部分の悩みは異なるものだ。
肉体的に恵まれているからといって、精神的な部分において悩みを抱く事が贅沢だという理屈は、
迅鯨にとっては何処かがおかしく、理解しがたいものであった。さらに付け加えるなら。

「それに……異能の悩み、つーのもな」

迅鯨の心を最も苛むもの――自らの異能。

「そういやあんた、俺ちゃんの異能の事は知らねェよな。なにせ初対面だ。説明しとくぜ」

曇りかけていた表情はいつの間にか元に戻り、白い歯を剥き出しにしつつ、眼前の白椿に対して鋭い眼光を向ける。

「俺ちゃんの異能はな、考えてる事をヒトの頭ン中にテレパシーとして送るモンだ。それも誰彼構わず一方的にな。あんた、さっき俺ちゃんの声が聞こえたのか?聞こえなかったのか?どうなんだ。答えてもらおうじゃねェの」

自らの異能――『夢見るままに待ちいたり』<ウェイツ・ドリーミング>。
その特性を説明したうえで、彼女に問いかける。

白椿 > ……わかっておらぬの?
自信というのは、そも特に理由のはっきりせぬものであろ?
わかっておることといえば、なにかよい特質があるのであればそれで十分ということでの。
稀に問題があることが無くはないのであるが、大方、それで問題がないといってよい。

ならば其方、不幸にももし見目麗しくなく醜女としておったならそのような格好もできないであろ?
無論、悩みは本来対比で測るものではないし、それは下賤なことでもある。
が、悩む前に誇れるものであるかどうかは確かめておくべきであろ。
その上で、ひとつでも良い所が己にあるなら、自信も誇りも十分持てると言うておる。

言ったように、本来、比較するものではないからの。
ただ、その元を持っておるお主が自信がない、というのは些か贅沢だとそう言っておるだけだ。
特に見目というのは大きな部分を示すからの

(異能のことについてきかれれば素直に応える
此処で隠しても仕方あるまい)

ふむ……狐であるからか我には聞こえぬの。
先程から妙な気を感じると思えばそれかえ?

それで、なにか問題があるのかえ?
読んでしまうのではないのであろ、便利なことも多くあるのではないかえ?

……とまあ、そこまで言うたところで問い詰めても詮無い故の?

まだ我の言葉に反応するだけの元気はあるのであろ?
なら大丈夫であろ、其方はまだやれるであるからの。

(クスクスとその激する様子を目を細めて笑みを浮かべる

狐らしく、いきなり話の下駄を外し……要は素が見たかったということらしい。

心が折れているなら仕方ないが折れてはいないようだ。
その辺り可愛らしいと思いつつも、我のことは、嫌う相手にするなり何なり
何らかの強い感情を晒せば良いと思う。)

……其方、自信はあるのだが気付いておらぬだけよの。

蘆 迅鯨 > 数度の深呼吸でどうにか平静を取り戻さんとし、
白椿の言葉にじっくりと耳を傾けた後。

「へェ、聞こえねェって?そりゃいいや、『フツー』に話せるからな。俺ちゃんのテレパシーが聞こえねェ奴なんて初めて見たよ」

テレパシーが聞こえない、という部分に反応し、先程までの笑顔が戻る。
今まで迅鯨が出会ったほとんどの人物には異能によるテレパシーが聞こえていたが、
白椿には聞こえていない。つまり、彼女には望まずして心中を明かしてしまうことなく、
『普通』の人々のように、言葉による会話ができるのだ。そのことに、小さな希望が芽生えた。

「そうかもしんねェな。タハハー、悪ィ悪ィ。俺ちゃんついアツくなっちまってサ」

迅鯨が内に秘めた自信に気付いていない可能性を指し示す白椿の言葉に応え、
感情的になってしまっていたことを詫びると、コートの中から携帯端末を取り出し、現在の時刻を確認。

「……っと、こんな時間か。じゃァな。またゆっくり話そうぜ」

白椿にそう告げ、背を向けて走り出した後、再び振り向いて手を振り、
黒フードの少女はその場を後にせんとする。

白椿 > ……普通も普通でないも、あまり変わらないものであるからの。
人数が多いだけで普通と呼ばれるだけのことでそれが真に普通なのか確かめたわけではないのであろ?

それに、普通であることは必ずしも良いことではないように、普通でないことも悪いこととも限らぬ。
世の中のうらやまれることの殆どは普通でないことであり特別なことである故の?

そも、完全に良いことも悪いことも存在せぬ。
不便かどうかというのはあるかも知れぬがの?
それも先入観や癖である場合も少なくないであろ?

……まあ、それはそれとして、気が楽ならそれで良いではないか。
それに活かす術も見つかるやもしれぬぞ?

なんにせよ、其方はもっと特別だと信じるが良いぞ。
極めて稀にどうしても上手く行かないということはそれ自体が特別なのでの
多くの者が出来ることが出来ない、というのは特別な良いことなのだぞ?
ただ、特別すぎて誰も使い方を教えられぬだけでの。
そう覚えておくが良い。

……ふむ、時間とあらば仕方ないの。
では……またの?

(相変わらず微笑を浮かべつつ見送る。

なんにせよ、問題が少しでも軽くなるならそれで良い。
つまりは気遣い故に気疲れするというやつなのだろう。
それに、昨今の事情を鑑みるに方法は幾つもあるように思うのであるが、おそらくは試しておらぬのではあるまいか。
そんなことを考えつつ軽く手を挙げ見送った)

ご案内:「路地裏」から蘆 迅鯨さんが去りました。
ご案内:「路地裏」から白椿さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に迦具楽さんが現れました。
迦具楽 >  
【――ヒトは何のために生きるんだろう?
 誰のために? 愛のために? 夢のために?
 ……答えは無数にあって、千差万別なんだろう。

 なら私は、何のために生きているんだろうか。

 生まれた意味も知らず、作られた理由も知らず、自分が何者なのかも知らない。
 生きているから生きる。死にたくないから生きる。
 これまではずっと、ただそれだけだった。
 ソレが悪いとは思わない。ソレだって生きるだけなら十分な理由だ。
 けれど――】

「――――っ」

【狭い路地を駆け抜けるように、強い向かい風が吹いた。
 ――心に浮かんだのは、こんな自分を受け入れてくれた人たちの声。
 散々人を喰らったバケモノを、人間の不完全な模造品を。
 迷いながら挫けながら、争って、時に涙を流して。
 そうして創られた今の自分を……『迦具楽』という一人の人格を、認めて受け入れてくれた人たちの声。
 自分を好いてくれる、友達で居てくれる少女の声。
 そして大好きな――かけがえの無い少年の声】

「……私なんかに、何ができるんだろう」

【そう呟いた少女の姿には、いつしか。
 ヒトの狂気を好んだバケモノの面影はなくなっていた】

迦具楽 >  
【空を見上げれば、久し振りに覗いた晴れ間が青い色を見せている。
 暫くぶりにやって来た路地裏は、やっぱり何も変わらない。
 大通りから隠れるように広げられる風呂敷と、怪しげな露店。
 適当に眺めて、店主と目が合えば。ぎょっとされ目を背けられる。
 それを認めれば歩を進めて、苦笑する。
 やはり自分は、ここでそこそこ悪目立ちしていたのかもしれない。

 入り組んだ路地裏を、庭を歩くように悠々と進む。
 たった二ヶ月。けれど二ヶ月だ。
 ずっとここで生きてきたのだから、迷うようなことも無い。

 日当たりの良い、猫達の集まる突き当たり。
 壁の崩れたビルと、ところどころが焼け焦げた道。
 染みのように黒く焦げ付いた壁。
 幾つもの弾痕と血の跡が残る薄暗い路地。
 融けたように穴だらけのポリバケツ。
 三棟並んで工事中の切り倒されたビルに、爆発でもあったのかコンクリが抉れた地面。

 そんな自分の記憶を。
 自分が歩んだ、その足跡をなぞっていく。

 ――私は、確かにここで、この場所で生きていた。

 それは人間の世界観では、とても褒められた生き方ではなかっただろうけれど。
 それでもここで見た物、出会った物、感じた物。
 それが『迦具楽』の全てだった。
 自分が間違いなく存在していたと、胸を張れる足跡だ】

「……でも、結局何もわからない、かあ」

【空を仰ぎながら、ふう、と息を漏らす。
 特別、期待はしていなかった。
 再びここに来たのは、自分自身を確かめるため。
 それは自分が今、まさしく生きているのだと、再確認するための儀式。
 そして自分が……確実に変わってきているという事実を認めるための】

「……大丈夫。
 それでも私は、私だ」

【太陽に手を伸ばし、透かしてみる。
 人間を真似した構造は、赤い色をしていた。

 ――もう少しだけ、見ていこう。

 この場所は厄介ごとも、面倒なヒトも、揉め事にも事欠かない。
 恨みを買った覚えもあればこそ、長居すべきではなかったが。
 ところどころが抉れた、少し開けた場所で。
 工事の続くビルを、ぼうっと見上げていた】

ご案内:「路地裏」に蒼穹さんが現れました。
蒼穹 > (晴れ渡った空に輝く太陽は、暖かいと暑いの境界の温度を齎しめる。
仕事なんて大嫌いだ。風紀委員なんてやっぱりこの際やめてやろうか。
このくそったれ組織の腕章が憎い。後、殺すな逮捕しろとか甘っちょろい事言ってる組織の方針も憎い。
あの間抜けっ面の二級学生共が憎い。それから、何だかんだで踏みとどまっている甘ちゃんな己が一番憎い、のかもしれない。
正義だ風紀だ馬鹿かっつーのと内心で毒づくわけだが。
だったらそもそも何で警邏しているんだろう?本当にアホ臭い。

まぁ、何にしても。
風紀委員の少女が落第街の大通りで一人歩きしてたら紆余曲折あって不運な事に二級学生十数名に追われましたとさ。
何でも私個人ではなく風紀委員に恨みがある奴ばっかりである。
「お前らの所為で友達がー」だの「風紀委員に仲間が殺されたー」だの。
なんだそれ。知るか。働いてない自分に言い掛かられても困るのだが。風紀委員会潰れればいいのに。

別に全員ぶっ殺しても良いけれど、流石に目立ちそうというわけで。
あまり風紀委員として、自分自身…個人が目立つのは頂けないので、もっと人の少ない所へと誘導しようと結論付けた。

追手が後ろから飛ばしてくる銃弾や魔法、時に異能何かを連中から見て後ろ向きのまま適当に躱し、或いは弾き落として、
然程焦った様子もなくゆっくりゆっくりと逃げ道とも言えぬを行く。
たまに追い付かれたら、後ろ足蹴で軽々ピンポン玉みたいにふっ飛ばしてやる。
鉄パイプで追い縋られたらひっつかんで地面に叩き付けてやる。
これくらいやったら大体諦めるか恐怖するかしてくれるのだろうが、
生憎と今回の連中は頭も諦めも悪いみたいで。5人ほどまだわーわー言って追っかけてきた。

程々大通りから細い道細い道を辿って行けば、いつの間にか路地裏へと向かっていた。)

…あ?

(汚い地面の上に、薄汚れた風呂敷を広げる上に座っている、怪しい薬売りの露店の主を横切る。
あの露天の主も適当に検挙書類あげておこうか。給料もあがるし。

悠長に思考しながら、二級学生と思われる古事記の様な見た目の5人と鬼ごっこ。
先日から色々と面倒事に巻き込まれているが故か、そろそろイライラしてきた。

青空の見える静かな路地裏は、間もなく意味不明な罵詈雑言に包まれようか。
或いは、間接的に先客の物見や儀式の邪魔をしたやもしれない。

そろそろ、暴れて良いだろうか。
他に人が居るとして、向こうに小さな女の子一人目に着く程度。
何をしているのかは分からないが、何かに夢中になっているようだし。
もし見られたとして職務と言えば幾等でも誤魔化せよう。

そも、ここで殺人しても罪にはならないだろうけれど。)

迦具楽 >  
「――まったく、ヒトが珍しく感傷に浸ってるところに」

【路地裏はいつも騒がしい。
 揉め事やなんだと五月蝿すぎた連中は、散々叩きのめしてきたけれど。
 やってくるのは覚えのある匂い。
 ともすれば、追われる理由もまた、察しがつくというものだろうか】

   クリエイト
「――《創造》」

【右の手の平に産み出すのは、一丁の銃。

    search    load   Optimization
 ――《検索》――《読込》――《最適化》

 蓄積された魂から、経験を呼び出し――右手を上げて発砲。
 横目に狙い、打ち出された銃弾は走ってくる知人の顔を掠めて、その後ろの追っ手に着弾――する直前に爆発した。
 迦具楽の創造するモノはその全てが自分自身でもある。
 打ち出された銃弾は迦具楽の意思に従い、体を打ち抜く前にエネルギーを炸裂させたのだ。
 その威力は人一人を昏倒させるほどの衝撃を持っていたが、殺めるほどには至らない。
 それは、いくら不良風紀委員であっても、目の前で殺しはすべきじゃないというちょっとした気遣いか】

「――借り一つ、返済かしら」

【右手の鉄塊を軽く振りながら、見覚えのあるだろう顔を見せて笑い。
 別の追っ手にへと銃口を向けた】

蒼穹 > …キミかい。
(何かが、己の横を飛んでいった。
流石に超常現象でも見たのか連中も何だか怯んでいる。
さく裂したエネルギーを受けたひょろい獣人(犬耳?)は仰向けに倒れた模様。

…手を貸してくれなくとも良かったと言えばよかったのだが。
何とも、意外だった。殺しきらなかったこととか。
その体に穴を開けることもせず手加減したところだとか。
良識もあるのか、どうなのか。

髪型変えたっぽいが些細な事。銃を構える少女を見れば、困ったように半笑い。)

はいはい。…じゃあ残りも返済してね、と。
(どうしようか、上手いこと気絶させる程度の手加減は己が最も不得意な分野。
わざと加減したのかどうかは知らないが、ともあれ残りの四人は余程腕に覚えがあるか馬鹿だ。
安物の二挺拳銃のアホっぽいリザードマンだとか。羽根ある癖に飛んでも来ない鉄パイプを握った鳥人とか。
挙句見た目普通のおっさんまでいる。メタボ気味。いや、多分見た目に反して魔術か異能か使えるんだろうが。
コイツそもそも二級"学生"なのだろうか。最後に見えるのはちょっとした巨躯を持つ、巨人か何か。多分一番ノロマ。

まぁ振り返って冷静に分析してみたがどれもこれも取るに足りない相手ではある。多分。根拠はない。慢心的自信。

銃口を向けられたおっさんが迦具楽の方を指差して喚く。多分何らかの形で迦具楽の日頃の行いでも見ていたのかもしれないし、
何らかの形の恨みでも持ってるのかもしれないし、もしくは薬中かキチガイの戯言かもしれない。
それはさておき、銃口を向けられたら形相が変わる変わる。何をしたかなんて知らないが、
加速の異能か魔術でも持っているのだろう。そのおっさんは急に目標を転換する。
そのメタボっぽい外見とは裏腹チーターみたいなスピードで己を横切り、銃口を構えた迦具楽に真っ直ぐ突っ込んでいった。
火花が迸る程度の魔力的なオーラを外身に纏っている。重量による体当たり戦法らしい。
足の動きが既に人間のものではなかったが、もしかすれば人間ではないのかもしれない。が、それは些細な事だろう。

これには残りの皆さんも顔を見合わせて頭の上に?マークを浮かべる始末。
だが、それも束の間で、「アイツって元々頭おかしかったよな。」「いつもの事でしょ。」「じゃあほっとくか。」の3つの言葉のやりとりですぐにまたこっちに走ってくるわけで。
鳥人お前は飛べよと言いたいが飛ばない。その3つの鋭い爪でアスファルトを引っ掻きながら走ってくる。
意味が分からないが遠隔武器持ってるリザードマンまで走って積極的に距離を詰めてくるのだから驚きだ。
先の一撃で焦っているのかもしれない。新手が出てきて気が動転して何が何やら、と言ったところやもしれない。
一方のでかい人はタイミングを見計らってさっさと帰って行った。最早彼等に連携も何もなかった。)

…う、わー…。

(全員一気に真っ二つにしてやろうと思っていたのだが。
彼女の気遣いも考えればここで殺人も頂けない。
困ったようにまた、一歩一歩、ゆっくりと下がる。先程おっさんが駆けていった方、迦具楽の方へと後ろ歩き。
…折角だし。借り返してもらうのも兼ねて、守られておこうか。)

迦具楽 >  
「はーい、私でした」

【どうやら追っ手は、なんとも馬鹿な連中らしい。
 それぞれてんでばらばらな動きをしては、一人は帰っていってしまう。
 その中でなんとなく見覚えのある中年は――ああ、以前取引を潰したっけか】
          convert
「りょーかい。――《変換》」

【手の中の銃を再度エネルギーに変え、別の物質へと変換する。
 一度物質へ精製しているため劣化はするが――問題はない。
 下がってくる蒼穹の前に出るように動き、突進してくる中年に向けて、手の中で黒い塊になったそれを軽く放り投げる。
 あの手の扱いやすい加速系魔術の欠点といえば、その速度のために回避が難しい事。
 その欠点を補うために防御系の魔術か、異能か。何かを仕込んでいるのだろうけれど、それもまた関係ない。
 相手にわざわざ付き合う必要はないのだから】

『――うぉぉっ!?』

【中年に触れた瞬間、塊の再精製が終了し、破裂する。
 また爆発すると思ったのか、頭をかばう中年を、白い粘性の物質が覆った。
 精製したのは『とりもち』。
 完全に動きを止めることこそ出来ないが、その粘性に足を取られ、あらぬ方向へと突っ込んで行き――工事中のビルへと消えていく。
 破壊音と雪崩れるような金属音が聞こえるが、まあ恐らく死にはしないだろう】

「そっちも、いい加減諦めたら?」

【未だ諦めない鳥人とリザードマンに向けて、今度は左手を振る。
 銃のように二本の指を立てた、人差し指の先端。
 そこから火花が散ると、直後に熱線が放射される。
 腕の振りにあわせて、バカ二人の目の前をなぎ払えば、線を引く様に沸騰、熔解した地面の姿。
 ぎょっとして足を止めた二人に、人差し指を向けてやれば】

「私、肉の焼ける音って好きなのよ。
 アナタたちは、焼肉って好きかしら?」

【目を細めて、口角を吊り上げると。
 それこそ悪役のような笑みを浮かべた】

蒼穹 > …今回だけは頼っとくよー、癪だけど。
(すごすご、と己の前に出てくれたら有難くその後ろに隠れよう。
背丈の問題上隠れる事は出来ないが…頼りになりそうである。

メタボなおっさんは足を狂わされて、また方向転換して…建物の方へと突っ込んでいった。
自業自得だし仕方ない。多分防御魔法を使っていたし、気絶するくらいで済んでいようか。
外壁が粉砕されて飛び散る。最近こんなのばっかりである。)

『私、飛べるのよ。
因みに、私は食べても美味しくないわ。』

(…今更かい。

焼けこげ、融解した地面やら、悪辣な笑顔を見れば引き攣ったドヤ顔を相方に向けた。
リザードマンにそう言い放った鳥人は鉄パイプを投げ捨ててさっさと逃げて行った。

焼き鳥美味しそう。

いや違うそうじゃない。)

『りゅ、龍は焼いたら不完全燃焼して大気汚染物質《ダイオキシン》が出て環境に宜しくないんだ。
匂いもあんまり良い匂いじゃないぞ!覚えておこうな、嬢ちゃん。』

(真っ赤な嘘な気がするがそれってどうなのだろうか。焼いてみないと分からないが、
コイツもコイツで皆に取り残されて必死な素振りで辺りをきょろきょろ。
宥める様な蘊蓄モドキを垂れ流しながらやりこめるように後ずさり。)

『す、少し遊び過ぎたようだな。俺様の悪い癖だ。次こそは…!』

(腕組みしながら後ずさって…そのまま、さっさと背を向ければスタコラ逃げて行く。
…結局個人的に恨みを買ってしまったろうか。ともあれ、一応助かった…と、考えていいか。
呆気ない襲撃だった。そも、頭が悪いから襲撃とか考えるんだろうが。ってかなんだったんだあの竜人。
あの中で一番アホだったんじゃないだろうか。

少々の間を置いて。
さーっと、迦具楽の背中から横側へと。
大丈夫?と、アイコンタクトしてみよう。)

迦具楽 >  
「……焼き鳥もいいわね」

【去っていく鳥を見送れば、地を這うトカゲに肩を竦めた】

「それは残念、ドラゴンステーキはお預けかしら」

【逃げていく背中を眺めながら、そのうち絶対に食べに行こうと心に決めつつ、様子を伺うように出てきた蒼穹には視線を返して答える。
 転がった獣人らしいやつも、起きる様子はなければ、中年も戻ってこない。
 面倒ごとは、ひとまず片付いたと言っていいだろう】

「んー、これで幾つ返済かしら?
 三つくらい?」

【人差し指を唇にあて、見上げるように訊ねる。
 その視線を上から下、また上へと滑らせて――ないとは思うが、怪我がないか確認した】

蒼穹 > さーね。…もう数えてらんない。いいんじゃない?3つでも4つでも。
ま、その…助かったよ、貸しと借りとは言え、ありがと。
(あれだけ無理矢理押し付けておいたが、大分と適当な返事だった。
此方を伺う視線にはふるっと静かに首を横に。大丈夫だよと告げる代わり。)

…はぁあ。面倒くさいね。警邏って。
ちょっとさ、話しついでに愚痴って良いかな?
場所が場所だし、こっからどっか出ていくのでもいいけど。焼き鳥食べに行くとか。
(大きなため息を吐いた。馬鹿は何処にでも居る。
忌々しそうに風紀委員の腕章を千切り取ればビリビリに破いて投げ捨てた。
最近某風紀委員の分署で腕章が減っているのは大体己の所為だが知ったことではない。
取り敢えず、イライラしているのが収まらないが、助けてもらった手前もあるしで。
ゆっくり一息吐けるようと考えつつ。因みに本日の職務は早々に放棄した。)

迦具楽 >  
「酷いなあ、私はちゃんと気にしてたのに。
 はいはいどういたしまして」

【言葉のわりになんでもない調子で、軽く答え。
 片手をひらひらと振り】

「うん? いいよいいよ、貸し一つね。
 あ、でも焼き鳥奢ってくれるならチャラにしたげる」

【苛々しているのは、とても良くわかる。
 自分も散々八つ当たりしたし、と、愚痴を聞くくらいはなんでもなかった。
 まあもちろん、美味いものが食べられるなら言うことなしだ】

蒼穹 > 細かい事気にしてると老けるよ。
(余計なお世話である。)

はぁ、はいはい、貸し一つ…ん?ま、奢ったげるよ。
最近お金の入りが良いからね。どうせカグラ、お金持ってないんでしょ。
さーて、どこ行こうか。…商店街にでも出るかい?
ここで食べるのはちょっとなぁ。
(きょろきょろと見まわせば、怪しそうな露天のおっさんとまた目が合った、気がする。
あんな胡散臭いグラサンの店とか見たら、他の店への先入観もあって食欲が失せる。
まぁ種族柄食べなくても問題はないし、食欲といってもごく曖昧なものだが。
それはさておく。左手のポケットに手を突っ込んだ顔は、不機嫌ながら少し嬉しそう。)

迦具楽 >  
「どうせなら、少しくらい老けたいものね。
 せめてもう少し背丈が欲しいわ」

【知人を不満げに見上げながら、大きくため息。
 とはいえ恐らく、今のままなら少しずつ成長もしていくのだろうけれど】

「もちろん、最近は盗っても無いから一文無しみたいなものよ。
 場所はお任せするわ。美味しいところなら何処でも」

【少し歩けば、また露店の店主が視界に入る――が、すぐに目を逸らされる。
 ともかく。これ以上の面倒は疲れるだけだ。
 さっさと離れて、食べに行きたい】

「さ、早く行きましょ?」

【待ちきれないとばかりに前を歩いて、大通りに向けて抜ける道を歩き出す。
 やはりというか。その嬉しそうな様子には気づかずに】

蒼穹 > …ああ。そう。
(意外だった。が、確かに小さい。)
いや、そういう意味の老けるじゃないんだけどなぁ。
(クスクス笑いながら後付。)

はいはい、盗るとか言わない。
本当風紀に所属したら?給料良いし。
んじゃあ何処にしようかな…良い場所知らないんだけど。
(焼き鳥屋なんて知らない。
だが、商店街をうろついていれば、多分焼き鳥屋なんてすぐ見つかろうか。)

はいはい。じゃあ行こうか。
何処になるかなんて知らないけどね。
…こっからだと、面倒くさいな、転移しちゃう?
(左手に握るお財布を上下に揺らせば小気味の良い音。
紙幣入れに手を突っ込めば本でも入っているかのような感触。
やはり、仕事をするのはこれの所為である。
…もう仕事辞めて盗りながら暮らしてもいいんじゃないだろうかとも思うが。

はてさて、歩いていくかどうかは分からないが、
少なくとも、間もなくして商店街に着くことは間違いない筈で―――。)

迦具楽 >  
「……ソレくらいわかってるわよ」

【笑われればムっと、唇を尖らせ】

「そうねー、蒼穹の話次第かしら。
 こっちも一応、落ち着いたしね」

【何事も決着……とは行かないが、やるべきことはやった。
 後は、人任せした結果を待つくらいなのだ。
 ――私に何が出来るんだろう。
 そう思っていたところに、丁度いい話ではあったか】

「あ、それじゃあ転移よろしく。
 んー、とりあえず商店街に行って、美味しそうな匂いしたら突撃って感じで!」

【財布を見ればテンションも上がる。
 たっぷりと奢らせてやろうと、気合を入れたのだった】

ご案内:「路地裏」から蒼穹さんが去りました。
ご案内:「路地裏」から迦具楽さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に洲崎さんが現れました。
洲崎 > 「んー…どうしよ?」

頭を悩ませながらのんびりと歩く現在指名手配中の男
思ったよりも早く自分の研究室も家も抑えられ現在は根無し草
肩書で言えば逃亡中なのだが今はそんな事よりももっと重要な事がある

「いい感じの女の子…どっかに居ないかなぁ♪」

せめて口調は元気よく
そんな思いから楽しそうな声を出す

洲崎 > 商店街での一件
今思えば素顔を晒したのは早計だった

「思ったより凄かったもんなぁ乱子ちゃん。ビックリだよ」

あの時の動き、あれは身体能力がどうこうという動きではなかった
まるで異能…せめて相手の異能ぐらいは調べておけばよかったと反省する

「でも…あんな必死になるなんて…優しいなぁ♪」

攫おうとした少女の保護
そのために自分を取り逃がし妙な力まで使ったのを思い出し笑顔を浮かべる
あの少女ごと燃やしてくるかと思ったがそうはしなかった

洲崎 > 「やっぱ風紀委員なんだね、うん。」

そう納得し、思考を切り替える
ここからどうすればいいか…
今までは研究室の資金を使いある程度無茶も出来たがこれからはそうはいかない
それに時間もない

「顔写真入りはちょっとやり過ぎだよねぇ…しかももっとかっこいい写真でもいいのにさぁ…」

携帯で風紀委員のサイトを見る
指名手配者リストに載った自分の名前と顔写真
これのせいで堂々と買い物すらできない

洲崎 > 「まぁ、とにかく母体が無いとね。」

ことごとく上手くいかないがこれだけは絶対に必要だ
自分の性別が女性だったらここまで苦労もしない物を…

「ここらへんだと……うーん…」

頭痛の種その2
路地裏に居るような女性は大きく分かれて2つ
1つは快楽を求めるか無理やり連れてこられて慰み者にされるか売られるような者達
もし誘拐された直後ならいいがそれ以外だと健康面なども考えると使えない
そして2つめ
これが厄介で十分な自衛ができる異能者か魔術や体術を得意とする戦闘力の高い者達
こちらはハイリスクな上に上手くいかない可能性の方が大きいので却下

洲崎 > 「あー……あの子が居ればなぁ…」

今更商店街で手放した少女を思い出す
簡単に誘拐できたとこまでは良かったがそこからは全てアウト
結果としてはやらなきゃよかったと言える

「まぁ、いろいろ考えよっか♪」

ネガティブになる前にまずは動こう、そう決めて歩きはじめる
ここにだって健康な少女が居るかもしれない
そんな望みを抱きながら

洲崎 > 「そう簡単にはいかないか…」

特に出会いもなく路地裏を進むこと数分
まぁ仕方ないと別の場所に向かう
同じ場所に居続けるのも今では危険なのだから

ご案内:「路地裏」から洲崎さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に鏑木 ヤエさんが現れました。
鏑木 ヤエ > (ぺ、と。
 忌々しげな表情を浮かべたまま唾液に混じった鉄の味を吐き捨てた。
 頬に入った一筋の傷から垂れるそれもぐっと拭う)

「──…ッてーんですよ……」

(「女の子の顔にキズつけてくれやがりまして」、と夜の帳降りきった路地裏で独り言ちる。
 積み重ねられた瓶ビールのケース。さかさまにする。
 ちょこん、と授業を受ける生徒が椅子に座るように腰を下ろした)

「なるほど」

(何の意味もなく、ただ宙に手を伸ばした。
 薄く輝く月にも、瞬く星々にも届きやしない)

鏑木 ヤエ > (伸ばした右手をびくり、と震わせる。
 ぎぢぎぢと筋肉が軋んだような感覚が脳裏に走った。
 小さく痙攣しているのが自分にも理解できた。細い、白い腕が小刻みに震える。
 けれどもそれはなかなかどうして、嫌いな感覚でもなくて)

「クソ貧弱にもほどがあるってモンですよねえ」

(だらん、と腕を下ろした。
 先刻まで振り回していたモノ。落第街にもきちんと整備されていた標識。
 先刻まで投げていたモノ。どこにでもあるごく普通の自動販売機。
 先刻までしていたコト。落第街ならどこでも起こりうる、よくある喧嘩)

(七分袖の赤いワンピースがところどころ汚れている。
 汚れているどころか、少しばかりの裂けた痕も残っている。
 はあ、と溜息をひとつ吐いた)

「……高かったんですけど」

鏑木 ヤエ > (元来、鏑木彌重は対して喧嘩が強い訳ではない。
 もっと付け足して言うならば、戦術は単純明快。
 それこそ真っ向勝負しかできない馬鹿であり、そういうモノだ。
 異能を用いた頭のいい戦い方も、銃を使った戦い方もできやしない。
 ───しようともしない、が正しい)

(吐いて捨てたのは鉄の匂い混じった唾液と何かを呼ぶ声。
 ただ誰に言うでもなく、虚空に祈るような言葉をひとつ)

「かみさま、かみさま。
 どうしてやえは、こんなに弱っちいんですかねえ」

(またぎぢりと鳴く右手を伸ばした。
 先刻よりももっと高い場所に届くように。その浮かんだ星を掴んで落すように)

(矢張り、届かない)

ご案内:「路地裏」にアーヴィングさんが現れました。
アーヴィング > よう、大丈夫か?
(パシ、と伸ばされた手をごつごつとした手が掴む
 心得がある者なら、いや、そういう漫画か何かの知識があれば判るような手の平の皮が厚くなった手が
 適当に切りそろえ流したような髪の毛は毛先がつんと尖り、目付きも本人的には普通にしているつもりがやぶ睨みになるような
 そんなこの路地裏の空気に馴染みきったような顔が心配そうに眉を潜め覗き込んで居て)

立てるか?
(軽く、促すように手を引く
 握る手は柔らかく、振り払おうとすれば簡単で
 しかし握り締めるならばしっかりと支えられるように)

鏑木 ヤエ > 「ナンパとは感心しねーですけどね、こんばんは」

(手を掴まれる感覚。
 頭の上から降って落ちたその言葉にじろり、目つきの悪い紫水晶が向いた。
 覗いた瞳のスカイブルー。二つの色合いがぎち、と交差してカチ合った)

「ええ、立てますよ。
 立てますが立ち上がるにもそこまで立ち上がる気力がなくてですね」

(はあ、と溜息交じりに握られたままに立ち上がる。
 「よっこいしょ」、と雰囲気もへったくれもない独り言と共に立ち上がる。
 砂埃のついた赤いワンピースをぱんぱんと叩いた)

アーヴィング > ぶっ倒れてる女に恩売って口説く気はねーよ
おう、いい夜だな?
(思いのほか強い視線が帰って来れば、面白そうにフンと鼻を鳴らすと唇の端が小さく吊りあがる
 視線がぶつかり合えば逸らさず、真っ直ぐにぶつけあい逸らそうとはしない
 まるで獣の意地の張り合いのように)

気力がたりねーくらいで済んでるなら良い
冷てーもんでも飲むか?
あー…ウーロン茶とか
(ちょうど片手にぶら下げていたペットボトルをゆらゆらと揺らし
 あちこちに傷が出来ている事に気付くとポケットを探り……
 ポケットに突っ込みっぱなしで洗濯してしまったらしきクシャクシャのハンカチが出てきて思いきり眉を潜め
 何事も無かったかのようにペットボトルの中身で軽く湿らせると、おらよ、と突き出す)

鏑木 ヤエ > 「ははん。
 てっきりこのまま恩を押し売って取り立てとばかりに持ち帰られるかと」

(意地でも視線は逸らさない。
 外見を含め肉食動物に睨まれた羊のようにしか見えないが本人は何ら気にした素振りも見せない。
 挑戦的に揺らぐ視線とは真逆に口元に浮かんだ三日月がぐう、と歪む。
 それは言外に趣味と性質の悪い冗句だと物語っていて)

「あ、頂きます頂きます。
 貰えるモンは貰っておくのがやえのポリシーであり乞食生活のプロたる所以ですので」

(無遠慮に受け取った。
 「ふぃー」、と至極楽し気に溜息を漏らす。
 そして頭のてっぺんから足元までじろりと視線を這わせれば一点で視線が止まる。
 腕章。常世島を守る片翼である委員会であることを示す、ソレ)

「見回りかなんかでしたかね、オツカレサマです」

アーヴィング > アホ抜かせ
颯爽とピンチに助けに入ったとかなら格好も付くけどよ
遅れてきたような奴がんなことしたら腐肉漁りよりもかっこつかねーよ
(そう言う表情は唇を尖らせ、瞳は不満げに半ば閉じられ
 どこか悪童のような雰囲気を混じらせる
 逸らされない瞳からは何らかの芯のようなものを感じ取れば
 肩をすくめ目元と肩から力が抜ける
 とはいえ視線は逸らさないあたりが負けず嫌いな性根がチラチラと覗いている)

乞食生活っておめー……ガキの時分からまた苦労してんな、おい
(言葉と表情に呆れは混じれど同情の色は薄い 
 ともすれば侮辱になってしまうと理解しているからだが
 体つきからガキと決め打ったのは侮辱に入ってしまうかもしれない)

ん?おう、見回りっつーか…散歩?
星が綺麗だしブラッとな?
したらほれ、なんかか細い声が聞こえっから来たらお前が居たわけよ
あ、そうそう、俺ぁアーヴィング・ヴァン・オルブライト、風紀嘱託委員っつーやつだ
テメェの喧嘩ならクチバシつっこまねーけど、なんかやらかされたなら聞くぜ?話
(自分の騎士紋章を縫いこんだそれは風紀の正規の物ではなく、嘱託委員である事を示す程度のもの
 身分証明程度の役には立つが、何らかの権力を有するそれではない)

鏑木 ヤエ > 「知ってます知ってます。
 やえはそれもまあアリっちゃアリだと思いますけどね。
 実にラクに女の子とにゃんにゃん出来るじゃないですか。
 表の娼館でお金払わずともってヤツですよ」

(ちょいちょい、と路地の先に開いた大通りを指す。
 不満げな彼の雰囲気を面白げに見遣りながらまたひとつふたつ。
 カラコロと軽口を転がせば零れて落ちた)

「いやはや、そういうものですよ。
 正規のガクセーじゃねーんですから当然でしょうて」

(なんでもないことを話すように。
 否、実際問題なんでもないよくある話なのだが特に気にせずに言を継ぐ)

「なるほど。
 風紀嘱託委員、ですか。これはシツレイ。
 やえにはまあだいたい似たようなモン、くらいの認識しかない訳でして。
 フーキだかコーアンだかもね。
 ええ、やえはやえの喧嘩をしてただけですよ。ただ弱っちかっただけでして」

(ぼんやりと夜色の垂れ幕引っ下がった空を見上げて、ぼうとひとつ。
 おもむろに視線を目の前の彼に戻せば、無表情に囁いた)

「やえです。2回生19歳。鏑木彌重です」

アーヴィング > えー……
(それはおちょくるのでも無く、会話の繋ぎなどですらなく
 心底本気のえーだった
 この男騎士物語という物に憧れているだけあって浪漫派である
 女の現実というものは故郷で嫌というほど叩きこまれた(物理)がそれでも夢を見たいタイプだった)

別にそういうの否定はしねーけどよ…でもあえて言うわ
無いわー…
欲望解消してーなら金使えばいいわけで、男と女っつーのは、こう…なあ?
(そこに働いたのはどういう感情なのか
 強い視線を真っ向から受けていた空色の瞳は伏せられ、ゆるゆると首が揺れていた
 目を逸らしたので負けが決定した)

はーん、めんどくねぇ?それ
お得だろ?学生やってた方がよ
(なんでもないように投げられた会話のボールは
 やはりなんでもないように投げ返されて)

ま、なんだ
ドンパチする時に手が足りねぇ時に呼ばれる傭兵みてぇなもんだわな
あ、プライベートじゃお年寄りにも優しくしてっし、その辺もちゃんとしてっからな?
あー……
(弱いと言う彼女に一瞬虚を突かれ、視線の動きに吊られて空を見上げ…)

は?
あ…おう、19な、同い年な?
知ってたぜ?
(完全に不意打ちが入ったリアクションはわざとらしく
 ド失礼なものになってしまった)

鏑木 ヤエ > 「そんなモンですよ、落第街、って呼ばれてるくらいですから。
 大真面目にレンアイしてるような連中はここには来ませんし。
 こんなところでレンアイしてるような馬鹿は中々特殊な事例しかなさそうですし。
 ヤエも別に構わねーですけどね、生理現象ならしょうがないでしょうて」

(その雰囲気に一瞬だけ悪いことをしたな、と胸中で謝罪をひとつ。
 随分と可愛らしいその心底本気のえー、に少しばかり口元を上げた)

「ガクセーやれんならやってますよやえだって。
 フッツーに正面から門を叩いたのにダメだったんですから。
 それでもちゃんとガクセーセイカツはしてますけどね。できねー訳ではねーですし」

(ぽすり、手中に収まったボールをまた投げる。
 矢張りなんでもない話。どこにでもある世間話の一幕。或いは幕間)

「なんともタノシそうなオハナシで。
 傭兵ってなるとフーキも人材不足ってヤツですかねー。
 まあこの島は悪人というか馬鹿に対してそれを捌くニンゲンが足りなさすぎますし」

(肩を竦めた。
 実際問題ラウンジで風紀の人間が愚痴っているのも知っている。
 同時に襲撃やら厄介極まりないことに巻き込まれやすいその風紀の体質についても)

「今絶対やえのこと年下だと思ってましたよね。
 ねえねえねえねえねえ。ゼッタイ年下だと思ってましたよね。
 頭吹っ飛ばされてーですか。やえは十九歳ですよ。
 こないだ誕生日きたばっかりですけど」

(実に早口で、半ば劈くようにして捲し立てた)

アーヴィング > いや、その辺は判ってんだぜ?判ってんだぜ?マジで
人間、綺麗事だけじゃ生きていけねーっつのはよ?
でも構えよその辺はよ…
(なまじっか最初の印象が子供っぽく見えたからだろうか
 普段ならすぐに笑い飛ばして下品な冗談の一つも言えただろうに
 防御の隙間からざっくりと突き刺さるような何とも言えないダメージがあった)

あー、わり、そういうのもあんのな
こっちの事情知りもしねーで口走ったのは失敗だわな
(どこにでもある珍しくもない話
 しかし異世界出身である自分はまだ、この世界の事で見えていない部分が多すぎる
 だからこそ、彼女が気にしていないようでも頭は下げて)

つーか俺の我侭だけどな、組織に忠誠とか誓えねーから
保護だのなんだのそういうのも要らないから好きに使ってくれってな
馬鹿やる馬鹿はどこも耐えねーからなぁ…
まあこんな年頃に暴れやすい玩具手に入れちまったら判らんでもねーが
それで泣き見る奴ぁたまったもんじゃねーわな
(がり…と髪の毛を掻き回し、申し訳無さそうに表情を歪める
 自分が風紀を代表するような物言いはしたくないが、少なくとも一員である自分の力不足という一面はあるだろう
 死ぬ気で頑張ってる同僚相手にトロフィー感覚で被害出して喜ぶ奴らはちっときつめにお灸をすえてやりたい気分だ)

………
おう、ぶっちゃけ未成年…あーこっちの世界じゃ19でもそうか
14くらいだと思ってた
足りねーんだよ肉が
肉食え肉、人間体が資本で体の構成材料は基本肉だぜ?
(胸の前で腕を組み、ふんぞり返り
 完全に開き直る方向性を打ち出していく
 子供相手なら気も使うが同年齢なら要らんわそんなもん、と)

鏑木 ヤエ > 「いえいえ、構いませんよ。
 そんなもんですからね、世の中」

(気にするな、と言わんばかりにひらひらと右手を振った。
 先刻まで伸ばしていた右手。ぎちりと軋むような鈍痛。
 一瞬だけその痛みに眉を下げた)

「まあそうでしょうて。
 玩具を手に入れた子供がそれを使うなと幾ら言ってもだめでしょう。
 そういうものだとして受け入れなければならないようでも中々ムズカシい話です。
 だからこそジコギセーじゃなくて心から島の為にやってるニンゲンは大変でしょうけどね」

(「やえにはよくわかりませんけど」、と付け足して)

「肉ですか。やえはあっまーいスイーツが大好きでしてね。
 どうにも脂っこいモノは嫌いですよ。美味しいパンケーキを食べたいです」

(ぼんやりとした視線で彼を見遣って、これまた曖昧な表情で笑った)

アーヴィング > その構いませんよっての「構えよ」にかかったよな!?
くっそ、イイ性格してんなぁお前……
(はぁ……と、ため息と共に胸のもやもやを吐き出す
 物語は綺麗なところだけを切り取っているから物語なのだ
 現実は様々な物が入り混じったモザイク模様で出来上がっている
 それは判っている
 判ってはいるが多少カスってもいいのではないだろうか)

だからこそきっちりと、馬鹿やるよかカチっとした方が色々得だぜ?って教えてやれりゃいーんだけど
ま、その辺は政治の領分になっちまうわなぁ
俺にも良く判ってねーけど、半分義理で半分ノリだな俺の場合…
ま、節介焼きじゃねーとつとまんねーたぁ思うけどな
おら、手ぇ貸せよ、手ぇ
(と、先ほど動かした時に痛そうにしたのを目ざとく見つけ
 ほれほれと手を伸ばす)

甘ぇもんってのはアレだろ…菓子だろ菓子
体力付けんならやっぱ肉だぜ?特に焼いた奴
(初対面の相手ゆえに判らないだろうがこの男、極度の肉食系男子である
 肉をおかずに肉を食べるくらいは朝飯前である
 ゆえに人類皆肉を食うべきだと半ば本気で思っているのだった)

鏑木 ヤエ > 「ありがとうございます、やえは褒められるの好きですよ」

(綺麗な物語のどこを切り取ってもこんな光景は拝めやしないだろう。
 せいぜい演劇でいえば降りた幕の向こう側で起きているかもしれないくらい。
 鏑木彌重は彼とは対照的に綺麗なだけの物語は好まない。
 人間らしい汚さや甘えの入り混じった、そんな物語が大好きだった。
 そして非情なまでに現実主義者なのである)

「馬鹿をやってもいいんでしょうけれども。
 時間と場所をわきまえなよ、ってコトでしょうて。
 それをわからないからああやって馬鹿するんでしょうけどね。
 モラトリアムだからって甘えてんじゃねーですよ、とは思いますけども。

 ………ノリで人助けとはズイブンといい趣味してますね。
 もしかして誰かを助けてる自分が好きなタイプだったりしますかね」

(ずい、と図々しく手を出した。
 細く、病的なまでに白い肌に所々かすり傷がひとつふたつ。
 それはじわりと血が滲んでいて。夜の光ではそれを見ることが叶うかはわからない)

「やえ肉は嫌いなんですよ。なんだかすごく嫌悪感あるというか。
 どうにもなんだか食べられないんですよね。牛も豚も。
 意思のあったものを食べる、っていうのが余り好きではなくて」

(ゆっくりと首を振った。
 極度の肉食系男子とはこれまた対照的な生き物がもこもことした髪を揺らした)

アーヴィング > 褒めてねーよ…
いや、割りと会話が弾むし貶してるわけでもねーなこれ…
(顎に手をやり、むぅと呻く
 どうにもペースが掴めない相手だが、こう遠慮なくぽんぽんと言葉を投げて来るのは話しやすい部類に入る
 しかし褒めるにしては少々舌鋒が鋭利だ、キーンエッジというやつだ)

馬鹿同士で馬鹿やってんなら関わりあいにならねーで済むから気楽でいーんだがね
なるたけ痛い目にあってもらって授業料にしてもらうけどな

ん?おう、好きだな
誰かを助けられるってよ、かっけーじゃん?
だから俺は、俺が好きで居られるかっけー自分でありてぇわけよ
(ぽっと指先に炎を宙に灯し手元を照らし、差し出された手を掬うように取ると傷を検分して
 ウーロン茶で湿らせたハンカチでとんとんと傷口を叩くようにして汚れを取り
 動かした時に痛んだという事は筋を傷めてる可能性もある
 ピッと濃紺のハンカチを裂くと手の平と手首に輪を通すような縛り方で固定し、テーピング代わりに)

ふぅん…人生の五割五分くらい損してんなぁ
でもま、そういうの嫌いじゃねーな
(ぺしっと手の甲を叩くと薄く笑みを浮かべる
 言い方は皮肉っぽいが、感想は真実のもので)

んで、気力わきそうか?
飯食うか?
なんかその、甘いもん?
(あいにくこの男の脳内マッピングでは肉系は充実しているが甘味の知識というものは欠落している
 せいぜいコースの最後に来る杏仁豆腐が美味い焼肉屋を知ってる程度で
 非常に大雑把な誘いの言葉となった)