2016/05/14 のログ
ご案内:「路地裏」にリビドーさんが現れました。
リビドー > 「……む。」

 この辺だったか、と、記憶を手繰って歩んだ先に何もなし。
 記憶違いがと周辺を歩いていた結果、路地裏にたどり着く。

「この辺だった気がするんだが、無いな。蕎麦屋。」

 かつて食した味を求めたものの、当てが外れた。
 落胆の色を込めて呟く。

ご案内:「路地裏」に東郷月新さんが現れました。
東郷月新 > 「おや……」

いつもの蕎麦屋がなくなっている。
まぁ、落第街の蕎麦屋だ。いつなくなってもおかしくはない。
だが、それでも落胆は隠せない。

「残念ですなぁ」

やれやれと溜息を吐きふと見れば。
自分と同じような境遇の……

リビドー >  同じようなに吐き出される吐息。
 ゆっくりと振り向いて、声の主を確認する。

「……ああ、キミか。
 ほんっと残念だよ。思い出した時に食べる美味は別格なのだけどね。」

 わざとらしく肩を竦める。
 そうして、落胆を大げさに示す。

「仕方ない、後で代わりのものを見つけないとな。
 ……東郷、だったかな。元気にしていたかい。」

東郷月新 > 「いや、まったく。
食べれないとなると、余計に食べたくなるものですなぁ」

やれやれと再び溜息を吐く。
特に蕎麦好きの東郷にとってはショックも大きかった。
原因がならず者だったら斬ってやるところだ。

「ええと、確か先生でしたかな。
まぁ小生はいつも通りですなぁ。たった今好物が食べれないので少々元気ではないですが」

からからと笑いながら答えを返す。

リビドー > 「全くだよ。困ったものだ。
 移転なら良いんだが、歓楽区でも特に治安が悪い所だからな。
 楽観はし辛いよ。」

 一見では、"あった"の痕跡は見つける事は叶わなかった。
 故に少々うろついていたが……

「そう言えばこの前も風紀委員相手に大立ち回りをしたと聞いた気がするよ。
 確かに、キミにしちゃいつも通りだな。……おや、好物を食べられないと元気がなくなるか。
 ははっ、食べられないと苛立って興奮するボクより大人かもしれないな。」

 合わせるように軽く笑った後、強めの口調を作って返す。

東郷月新 > 「いやぁ、まぁいつもの事ですが、いざ自分がこうなると」

苦笑して肩を竦める。
残念ながら、近くにも屋台は無いようだ。

「あぁ、そういえばそんな事もありましたな。
いやぁ、あの時の女がなかなか……いえ、小生も人間ですので。やはり蕎麦は活力ですからなぁ。しかし先生が興奮するというのは想像できませんな」

リビドー >  蕎麦はなし。惜しんでいて湧くものでもない。
 蕎麦の話題を打ち切って、周囲に配らせていた視線を戻す。

「好みの子でも見つけたかい。羨ましい。ボクも見つけてみたいものだよ。
 ……ん? ああ、ボクだって興奮して遊んだりキレたりすることもある。
 と言っても一応先生だからな、自分の欲動のままにそうするのは中々ね。
 だからちょっと、キミが羨ましくもあるな。」

東郷月新 > まぁ、残念だが仕方ない。
蕎麦屋ならいくつかアテはある。

「ええ、これがまたなかなか。
理性的でありながら腕前も一級でして――つい、屈服させたくなりましてなぁ」

くつくつと嬉しそうに笑う東郷。
言っている事は物騒この上ないが。

「あぁ、教師は大変ですなぁ。
小生は風の吹くまま気の向くまま、楽なものですよ」

リビドー > 「はっはっは、理性的でありながら腕前も一流。
 それはアレかな。理性だけは一流になれない、とまではいかないが――、一流と思った決め手が気になるな。聞いてもいいかい?」

 ある種の揚げ足取りではある。ある、が、
 理性以外にも何かあるんだろう。そうだったら面白いと、軽口に乗せて尋ねるか。
 
 彼だって、あんなに楽しそうに笑っている。

「大変だよ。ま、そう選択したから仕方ない。
 良い思いもさせて貰っているからな。先生からしちゃここだって歓楽区になってしまう。
 地下闘技場ぐらいか、今のとこ羽目を外せる所は。」

東郷月新 > 「なに、簡単な事ですとも
『勝つ為に手段を選ばない』
これこそが、一流の武芸者の条件ですなぁ」

勝つ為には、その場にある全てを利用し相手を殺そうとする事。
これが東郷の言う一流の武芸者である。

「はは、とんだ不良教師ですなぁ。
いっその事落第街住みになれば楽ですのに」

リビドー >  
「お行儀の良くない、って所かい。
 そうだな、確かに殺し合いで手段を選ぶようなのは一流とは呼べないな。
 効果的なもの、適切なものを"悪し"と言って捨てるのは宜しくない。手段を選ぶ事にはそう言う側面もある。
 ははっ、そう考えるとボクはド三流だな。どうしてもロートルだ。」

 疚しい心当たりがあるのだろう。
 苦そうに笑ってみせる。

「考えたが、やめたよ。
 落第街は狭いからな。ボクは欲深いから、落第街だけでは満足できない。」

 次の問いには首を振り、きっぱりと否定する。
 声と瞳は、先ほどまでよりも力が入っている。

東郷月新 > 「まぁ、手段を選ぶのもそれはそれで良いものなのでしょうが、それで殺されては本末転倒ですからなぁ
殺し合いでは、手段を選ぶものから死んでいくもので」

くくっと笑いながら物騒な事を言う。
もっとも、東郷のように手持ちの手段が少ない人間が言っても、という所ではあるが。

「それは残念。ですがまぁ、ここで狭いなら仕方がありませんなぁ」

ふとグランドマスターを思い出す。
常世島すら狭いであろうあの男は、今どこで何をしているやら。

リビドー > 「違いない。キミは本当物騒だな。」

 笑いながら、今更過ぎる評を彼に向けた。
 言わずにはいられない程の一貫した物騒さがリビドーの好みに嵌ったのだろう。

「ああ、仕方ない。とは言え、それで納得できるものでもなくてね。
 ……そうだな、次にキミに出会ったらちょっかいでも掛けてみようか。
 最近のキミなら、少しぐらい出張って味見しても平気だろう。
 ――うっかり死んだら、まあその時だな。
 それくらいには、キミの言う一流を間近で見たい。ボクにないものだからな。」

 愉快そうに笑ってから、東郷に数歩だけ近寄る。
 強い好奇を視線に乗せて見つめるか。

東郷月新 > 「まぁ、これでも『殺刃鬼』などと呼ばれておりますので」

こちらも笑いながら返す。
この不良教師も相当物騒だとあたりをつけているのだが。

「はは、どうぞどうぞ。
揉め事にはなれておりますからなぁ。
それで死んだら――ま、その時はその時、という事で」

くくっと笑いながら見つめ返す。
もっとも、彼の目は糸のように細いので視線はうかがえないかもしれないが。

リビドー > 「『殺刃鬼』――鬼か。
 確か、学生から見れば、鬼と見紛う恐ろしさかもしれないな。」

 他人から見た彼、の意味では非常にしっくりくる。
 確かに恐るるものとしての鬼そのものだろう。

 細めれば見えぬ瞳からは視線は読めない。
 だが、確かにこちらを向いている声を掛けている。
 今まで見えていた人となりから、強い視線を空目した。

「全くだ。不良教師に絡まれる事なんてよくあることだろう――
 と、ボクはそろそろ行こう。
 気分的にはキミに出会えて満足したが、空腹も満たせと欲求がうるさくてね。黙らせて来るとする。」

東郷月新 > 「まぁ、そこまででもございませんよ。
何せ、この島には隠れたる鬼が山ほどおりますからなぁ」

目の前の不良教師も、多分その一人であろう。
東郷はあたりをつけていた。

「ええ、ええ。
蕎麦でしたら最近は美味い屋台も出ているようで……
こちらもまた、探すとしましょうかなぁ」

東郷もうなずくと、蕎麦屋を探しふらりと路地へと消える。

リビドー >  
 
 "良い店を見つけたら、教えてくれないかい。"
 屋台を探す言葉へ一言だけ投げかけてから、その場を立ち去った。
 
 

ご案内:「路地裏」から東郷月新さんが去りました。
ご案内:「路地裏」からリビドーさんが去りました。