2016/06/07 のログ
ご案内:「路地裏」に紫刃来十さんが現れました。
紫刃来十 > 路地裏から響く、複数の唸り声
残飯を狙った犬の喧嘩か、その手前を通る者達の中で
その声を気にするものはいない

だが注意深く聞いていれば気づくだろう、一つは野犬の喧嘩にしては数が多すぎる事

そしてもう一つは…唸りに混じり人の声が、微かに…弱弱しく聞こえてくるのが

紫刃来十 > 路地裏を覗けば、そこには複数の男達
その内の殆どが仰向けに、横になり、或いはうつ伏せで倒れ
気を失っているか苦悶の唸りをあげている。

その内の一人は壁にもたれかかり、怯えた様子で目の前の存在を見上げている。

そして最後の一人…
「でさあ、俺どこまで言ったっけ…ああそうそう」
言葉の最中にもたれかかった男の頭を、壁に押し付けるように
前蹴りを見舞う。
顔面に蹴りの直撃を食らった男は、鼻血と折れた前歯を地面に落としながら
更なる一撃がおそってくるやもしれぬ恐怖に震えながら、目の前の人物を見上げる。

「俺の事、ただの一般人だと思って喧嘩売ったの?って聞いてたんだよな」
夜の闇に溶け込むような黒い服と髪…そしてその中で唯一、爛々と輝く金色の目

黒い獣を思わせる獰猛な雰囲気をまとった、年若い様子の少年が
自身より二周りは大きい男を相手に
嗜虐的な笑みを浮かべ、見下ろしていた。

紫刃来十 > 「わ、悪かった…だから許してくれ…あんたがこんなに強いだなんて知らなかったんだ…ッ!!?」
言い終る寸前、息を吸う瞬間の無防備な状態を狙った爪先が鳩尾にめり込む

目を見開き、今にも内臓を吐き出しそうなほど苦し身悶える男に
大して少年は笑みを崩さぬまま
「どうせ俺の見た目がヒョロそうだから襲ってきたってとこだろうが…
ま、これからは相手を見る力をもう少し養うことだな、いい授業になっただろ」
そう巨漢に伝えると、悶える男や転がっている男達の懐を何やら漁り始める。

紫刃来十 > 「さて、こいつは授業料だ…頂戴しとくぜ」
男達の懐から奪った財布を一つ一つ開け、金とカードを抜き去っていく。

一通り金とカードを抜いた後、思ったよりも成果が少なかったことに
苛立ち紛れの蹴りを倒れた内の一人の頭に放つと、その場を悠々と去っていった

ご案内:「路地裏」から紫刃来十さんが去りました。