2017/07/30 のログ
ご案内:「路地裏」に柊 真白さんが現れました。
柊 真白 >  
(自身は暗殺者だ。
 闇に紛れて人知れず、誰かにとって邪魔なものを殺していく。
 それは何も人間に限ったわけではない。
 組織だったり建物だったり――)

――ほら、おいで。

(依頼主の組織のボスが大事に大事に飼っていた猫がいなくなった、と言う厄介ごとだったり。
 流石は裏組織のトップのペット、と言うべきか。
 硝煙や血の臭いが絶えることの無い路地裏でも逞しく生き延びられるらしい。
 建物と建物の隙間、人が入ることの出来ない隙間の奥の方でこちらをふてぶてしく眺めている猫に手を伸ばすも、全く届かない。)

ご案内:「路地裏」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > 最近、どうにも厄介事を頼まれる事が地味に多い。射撃技能が飛びぬけているせいだろう。
今夜も今夜で、落第街を中心とした犯罪者の取り締まりの一環に付き合わされた。
彼の役割は屋上や物陰からの狙撃…無論、麻痺弾使用だが…それだけだ。
とはいえ、その命中率は異常で今夜は十二分な成果を挙げたと言える。

(……まぁ、達成感も何もあったもんじゃないけど)

それに、多少ではあるがこっちの界隈の者にまで「魔弾の射手」などと呼ばれる始末だ。
目立ちたくないのが少年の基本思考だが、それも最近は妙に怪しい。

そんな訳で、作戦を終えて一人帰路に――が、路地裏で迷った。お世辞にも地理には詳しくない。
普段はあまり落第街に駆り出される事も無いからだ。

「…参ったな。こんな所で迷うなんて命に関わ――ん?」

フと、とある路地裏の一角に何気なく視線を向ける。一応、右手に鈍い銀色の狙撃銃を手にしてそちらへと進む。
出来る限り音は消しているが、それでも靴音はどうしても響いてしまうかもしれない。

柊 真白 >  
(さて、どうしたものか。
 待っていても出てくる保証はないし、むしろ更に奥に行かないとも限らない。
 面倒な輩に絡まれても困るし、それで猫を見失えばまた探す必要もある。
 いっそ建物の周りを斬り飛ばして捕まえるか。
 速度的には問題ないが、驚いた猫が暴れても面倒である。
 そんなことを考えながら、座り込んでじいと猫を眺めていれば。)

――一人でここを歩くのは賢明じゃない。

(足音のした方をちらりと見る。
 その姿を確認すれば、不機嫌そうにそう口にして猫に視線を戻す。
 ――この畜生、毛繕いなんて始めやがった。)

飛鷹与一 > 「……貴方は…確か…。」

相手が黒くボヤけて姿がはっきりと見えない。認識阻害の仮面の効果か、少年からはそう見えるようで。
ただ、そのボヤけた輪郭が以前、屋上で遭遇した二人組みの片割れと一致する。
…相変わらず、誰だかイマイチはっきりとわからないのだけれど。

流石に、何らかの魔術か道具を使っているのだとは彼も想定しているが…だからどうだというのだろう?
分からないものは分からないのだ。無理に正体を知ろうとしても手痛いしっぺ返しが来るだけだろう。

「…まぁ、そう言われるとぐぅの音も出ないですが。一応風貴意委員の仕事の帰りだったので」

相手が得体の知れない、そちら側の相手だとしても。微苦笑と共にそう答えれば…視線が彼女からズレる。

(………猫?)

元々、異能を抜きにしても視力が良いので夜目も利く。そのふてぶてしい態度の猫に首を傾げた。

「……よく分かりませんが、その猫を捕まえればいいんですか?」

柊 真白 >  
(彼の、問いには答えない。
 答える必要はないし、答えるわけにも行かないのだから。)

風紀委員では、落第街で活動する際は一人でうろうろしてもいいと教えているの。

(そんなはずが無い。
 書類上落第街と呼ばれるような街は存在しないとは言え、明らかに危険地帯だ。
 最低でも二人以上での行動を推奨されている筈だし、そうでないほど甘い組織でもないだろう。
 やはり不機嫌を隠そうともせず、皮肉を口にする。)

猫。
捕まえるのは良いけど、手荒なことは出来ない。
したくない。

(いくらブサイクで腹立たしい態度とは言え、猫に罪は無い。)

飛鷹与一 > 「…相方の先輩がさっさと俺を置いて引き上げてしまいましたので」

嘆息交じりに告げる。嘘ではない。先輩曰く「お前なら死にはしないだろ」という事らしい。
無責任な事だ…確かに、異能のせいで「死なない」とはいえ。

相手からの不機嫌そうな皮肉にも気にせず、改めて猫の方を眺める。
…ふてぶてしいというか、逞しいというか。この環境でも順応している感じがする。

「……んー…猫がそこから飛び出してきたら、貴方なら捕まえられますか?」

と、何やら考え込みつつ問いかける。無謀というか何と言うか、相手の傍らまで暢気に歩いてくればそう尋ねて。
ただし、視線は猫の方へとずっと向けられており。一応案はあるにはある。

柊 真白 >  
――守るべき生徒に危険が及ぶ可能性を考慮しないなんて、随分と気楽な組織。

(本当に無責任だ。
 彼に危険が及ぶと言うことは、風紀委員以外の生徒に危険が及ぶと言うことだ。
 たとえ落第街であっても表の人間がいないわけではないのに。
 そして、彼はそれを嫌っていると言うのに。
 先ほどまでとは違う不機嫌さを放つ。)

捕まえることに問題は無い。
けど、それで猫が興奮したらその後が面倒。

(暗に「驚かせるな」と告げる。
 興奮した動物と言うのは危険だ。
 出来れば向こうから出てくるような方法がいい。)

飛鷹与一 > 「…えーと、まぁ…フォローのしようがないなぁ、とは偶に思いますハイ。」

まだ所属して1年未満だが、それでもある程度組織の内情を察する身としては苦笑いしか出ない。
それに、体よく自分は使われているという自覚はある。いわば便利な狙撃装置扱い。
勿論、良い先輩も同僚も沢山居る。が、同時に風紀委員とは思えない者もそれなりに居るのだ。

「……そうなると、興奮させずに向こうが嫌々出てくるようにするしかない、と」

分かりました、と頷いてその場にしゃがみこむ。猫との距離、そして向こう側をザッと確認して。

「…範囲は…ここからあっちまで…向こう側は空気の壁で遮断して…熱量調整は…。」

ブツブツと呟く。ついでに異能も発動し、煌く瞳がジッと猫を見据える。

「…ん、多分これでイケるかと。一応捕まえる用意だけお願いします」

そう、傍らのボヤけた黒影の人物に告げれば、緩く右手を翳して魔術の発動準備。

柊 真白 >  
上に話を通すべき。
そう言う輩は風紀にはふさわしくない。

(自身は法を破る側の人間ではあるが、積極的に風紀と対立したいと言うわけではない。
 むしろ自分が関わろうが関わるまいが、無駄な被害は避けるべきと考えている。
 だからこそ、風紀にはしっかり治安を守って貰いたいとまで考えている。)

嫌々でもすすんででも良い。
とにかく、無事に捕まえられればそれで。

(彼がなにやら魔術を使おうとしているのがわかった。
 しゃがんだままなのは変わらず、猫の動きに意識を向ける。
 あからさまにすると警戒されるので、あくまで自然に。)

飛鷹与一 > 「…まぁ、特定の課に所属してるわけでもない新米の意見が通るかは疑問ですが。
一応話は通すつもりです…俺は兎も角、他の風紀の人や生徒にマイナスにしかならないでしょうし」

自分は度外視しつつ、そう頷く。まぁ、話がしっかり上まで通るかは疑問だが。
右手を翳せば、まず熱量操作の応用で猫が潜んでいる空間の温度、湿度をじわじわと上げていく。
そうして不快感を増させながら、向こう側を空気の層で蓋をするようにして遮断。
これで向こう側に猫が逃亡するのを一応は阻止。同時に、外側のこちらの気温をやや下げる。
一方で、じわりじわりと細心の注意を払いながら熱量をコントロール。
戦闘なら兎も角、こういう作業となると精密な操作が不可欠だ。
そうして、温度と湿度をじわじわと上げて猫がそこに閉じこもって居られない状況を”作り上げる”。

(…後は、こっちの涼しい空間を意識させて自分から出てくるように仕向ければ…)

柊 真白 >  
経験や所属は関係ない。
それで意見を潰されるならそれまでの組織。

(仮にも学生を守る組織だ。
 そういう意見が通らない、と言うことは無いだろう。
 猫は自分のいるところが徐々に快適ではなくなってきた、と言うことに気が付いたのだろう。
 のっそりと起き上がり、こちらへとてとてと歩いてくる。
 後は捕まえるだけ、と言うところでポケットから煮干を取り出す。
 猫を捕まえると聞いて持ってきていたものだ。
 さっきは見せても反応しなかったのだが、今はそうでもないようだ。
 しゃがんだ自身の側まで近寄り、手の上に乗せた煮干に齧りつく。
 背中を軽く撫で、逃げないことを確認。)

もう良いよ。
ありがとう。

ご案内:「路地裏」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > 「…まぁ、その時は俺も見切りを付けますけどね。正直、風紀委員にあまり向いてるとは思えないので自分は」

肩を竦めて。人助けの延長で自分の意思で入ったとはいえ…最近は少し虚しさを感じる。
熱量操作の魔術を応用し、何とか猫を自発的に自分から外に出てこさせる事に成功した。
傍で、傍らの人物が手の上に載せた煮干し(それは認識できた)を猫に与える様子を微笑ましく思いつつ。

「………!」

一瞬クラッと眩暈がした。魔術の使いすぎとかではない。最近多い発作のようなものだ。
グッと眩暈を堪えながらそちらに顔を向けて…まぁ、相手を認識できない訳だが。

「…えぇ、どういたしまして。事情は分かりませんが猫が無事に確保できたなら何よりです」

柊 真白 >  
(彼が風紀をやめるかどうかには興味が無い。
 彼が彼らしく過ごせれば、それで。)

――どうしたの。

(体調が良くないように見えた。
 猫を撫でつつ視線を彼へ。
 猫は煮干を食べ終わり、自身の足元で横になって寛いでいる。
 横腹をわしわしと撫でれば、気持ちよさそうに伸びる。)

飛鷹与一 > 「…え?ああ。最近ちょっと体調不良で…健康管理は怠ってはいないんですけどね」

流石に誤魔化せないので、苦笑い気味に語るが…異能の反動、とは言えない。
いよいよ、今までは表立って出てこなかった死を捻じ曲げる力の反動が出てきたらしい。
今は、突発的な貧血に似た症状や疲れやすくなっている、というだけだが…。

(…場所が場所だけど、猫は気楽そうで羨ましいなぁ)

悩みとか変なしがらみが無い自由気ままさ。それが少し羨ましいと思えて。
そうだ。ついでに相手に一つ尋ねよう。なんとも情けない限りだがこれは聞いておきたい。

「…あと、凄い恐縮なんですがここから…歓楽街、または異邦人街方面に抜ける道を教えて頂けると。
正直、現状はちょっと迷子に片足を突っ込んでまして…。」

柊 真白 >  
……信頼出来る人には、ちゃんと言っておいたほうが良い。

(彼の異能に関する事だろうか。
 何にせよ、「この自分」が口を出すことではない。)

――こっち。

(猫を抱き上げ、立ち上がる。
 短い言葉を口にして、歩き出す。)

付いておいで。
案内してあげる。

飛鷹与一 > 「……そう、ですね。一人信頼できる人が居るのでその人には言っておこうかと」

脳裏にとある白髪の少女が思い浮かぶ。友人であり師匠であり、何か偶にオカンでもある感じの。
現状、一番信頼しているのは彼女だから今度素直に話そう。異能の事も彼女には話しているし。

「……え?ああ、了解しました。わざわざ道案内すいません」

一瞬、呆気に取られた表情を浮かべるが直ぐに慌てて立ち上がる。その際に若干立ち眩みが起こるがそれは堪える。
狙撃銃を担ぎ直しつつ、先に歩き出した人物を追いかけるように後に続く。

(……この人、未だに誰か分からないんだけど何か他人の気がしないんだよな…)

だが、認識阻害の面の強い効果によるものか、自らがよく知る人物とは結びつけられなかった。

柊 真白 >  
(話してくれるのなら何も言わない。
 腕の中に丸くなった猫を抱えながら歩いていく。)

別に。
その辺で野垂れ死なれても困る。

(彼に限ってはそう言うことも無いだろうが、それでも回りに被害が出るのだし。
 すたすたと複雑な道を歩いて、やがて歓楽街の近くまでやってきた。)

――後は一人で帰って。
それじゃ。

(そう言い残し、自身は元来た道を戻っていく。
 自身の腕の中でリラックスし切っているこのブサイクな猫を、持ち主のところへ返してこなければ。)

ご案内:「路地裏」から柊 真白さんが去りました。
飛鷹与一 > 「…面目次第もございません」

実際、野垂れ死ぬ可能性も多分にあった訳だし。幾ら異能で「死なない」とはいえ疲労や空腹は普通にある。
つまり、じわじわと死に近づくというタチの悪い事になりかねないからだ。

ともあれ、複雑に入り組んだ路地裏を抜ければ、やがて覚えのある光景。歓楽街の一角に出た。

「あ、ハイわざわざありがとうございま――あ」

お礼を言い終える前に、相手はスタスタと歩き去ってしまった。その姿が見えなくなれば…。

「……ケホッ!……あー…。」

咳き込んだ時に口元を押さえた左手。よく見れば若干だが血が付いている。

(…うわぁ、喀血とか地味に嫌だなこれ…)

ここに来て生命力の減少に伴う反動が出てきている。だが…。

「…死にたくないしなぁ。早く異能を何とかしないと」

そう呟けば、もう姿も見えない相手に何となく会釈をしてから帰路に着こう。
あと、理不尽放置された報告は上司にしておくのは忘れなかった。

ご案内:「路地裏」から飛鷹与一さんが去りました。
ご案内:「路地裏」に刃々斬鈴音さんが現れました。
刃々斬鈴音 > 「暑いーシャワー浴びたいー!アイス食べたいー!
 クーラーの効いた部屋でダラダラしたいー!」

そんな自堕落な欲望を垂れ流しながら
一人の少女が歩いていく。

【風呂なら今朝入っただろう?
 そして、アイスなど買う金もないのは分かっていると思うが。】

刀から声がする
男とも女とも分からないような無機質なこえが刀から聞こえる。

「朝って…大分時間経ってるよ!
 それに、暑いし汗でベタベタするのよ!
 お金は…まあないけど。誰か親切な人が恵んでくれないかなあ…。」

そんな夢のような事があるわけない。表であればまだしも裏であるこの場所でそんな親切な誰かは存在しない。

刃々斬鈴音 > 【自分で稼げ。】

突き放すように刀が言う。

「ちーちゃん酷くない!?
 もう、私が死んだらちーちゃんも困るでしょ!」

だが、自分から動かなければどうしようもないのは事実。
…事実ではあるけど面倒だなあ。
と、そんな事を思っているとガタイの良い男が路地に入り込んできた。
これはチャンスかもしれない。

「そこのお兄さん。少し、私にお金恵んでくれない?
 凄く困ってるの。」

男は品定めをするように上から下まで見ると幾らだ?と尋ねる。

「うーん、とりあえず財布の中身全部?」

話にならない。

そう言って去ろうとした男の背中にいきなり刀を振り下ろす。

刃々斬鈴音 > 「お兄さん酷くない!?
 可愛い女の子が困ってたら普通助けるよね!?」

振るう、更に刀を振るい背中に刀を突きたてる。
大きく付いた傷口からは一滴の血が落ちることも無い。
刀が溢れた唾を飲むようにジュルリとそんな音を出す。

「…大体さこの辺りの人は皆余裕がないんだよね。
 もうちょっと、人にっていうか鈴音に親切にした方が良いと思うんだよね。
 ってお兄さん聞いてる?何、勝手に気ぃ失いそうになってんの?
 そういうのが良くないんだよ。自分勝手だなぁもう!」

自分勝手に怒りながら刀を引き抜く。
男は既に気を失ってしまっていた。

「…そんなお兄さんは罰としてお財布没収だからね!
 ちゃんと反省しなきゃ駄目だよ。」

ポケットから黒い二つ折りの財布を取り出して自分のポケットに移した。

【…そうだ、それで良い。
 これで好きにアイスでも何でも買うが良い。】

血に濡れた刀がカタカタと笑うように動き
男とも女とも分からないような無機質なこえが刀から聞こえた。

ご案内:「路地裏」にイチゴウさんが現れました。