2017/09/20 のログ
ご案内:「路地裏」に神代 理央さんが現れました。
神代 理央 > 思えば、実力行使を伴う風紀委員としての仕事は久し振りかもしれない。
元々実力者揃いの風紀委員において、敵が少数精鋭であったり、規模が小さい組織であるならばそもそも自分の異能の出番は無い。自分の様な異能が活躍する場所は、正直な所此の島では限られるだろう。
とはいえ、それではタダ飯喰らいも良いところである。仕事が無ければ、見繕わなければならない。

「……そんな理由で風紀委員から襲撃されたとは、連中も思うまいなあ」

他の風紀委員を連れず、単独での戦闘任務。
違反部活の拠点の一つに盛大に砲弾を叩き込み、蜘蛛の子を散らす様に逃げ惑う構成員に砲弾の雨を降らせた。
現在は残敵掃討中。引き連れた3体の異形は、狭い路地裏を金属の身体で無理矢理押し通りながら突き出た機関砲を乱射している。
前方で逃げ惑う構成員が挽肉に成り果てる様を眺めつつ、その肉片を避けながらしみじみと呟いた。

神代 理央 > 散々逃げ回った構成員達も、残りは路地裏に追い詰められた数人のみ。時折隠し持っていた拳銃を此方に撃ってはくるが、尽くが金属の異形に阻まれて甲高い金属音を立てるのみ。
彼等に冷静さが残っていれば、異形の後ろからのんびりと歩いてくる風紀委員に狙いを定められたのかもしれないが、コンクリートを紙粘土の様に引き裂く機関砲を乱射しながら迫る金属の怪物に追い立てられては、まともな思考能力を残している訳もなかった。

「…うん?降伏?ああ、別に此方に気を遣う事は無い。貴様らから得たい情報も、生かしておくメリットも無い。だから此方の疲労など気にせず、精一杯逃げてくれ。此方は鈍重だ。頑張れば逃げ切れるかもしれんぞ?」

跪いて懇願した男を異形が踏み潰し、乗用車の陰に隠れた男は隠れた車ごと砲弾で吹き飛ばされた。建物に逃げ込んだ男は、その薄い外壁を撃ち抜いた機関砲によって肉塊と化した。

「…さて、終わりか。もう少し綺麗に処理したかったものだが…まあ、仕方ないか」

火薬と血の匂いで酷い事になってしまった路地裏で、しかめっ面を浮かべながら溜息を一つ。
流石にこういう戦い方は一人じゃないと出来ないなあ、とぼやきつつ、服にうっすらと積もった埃をはたき落とした。

神代 理央 > 後に残ったのは、ボロボロの外壁を晒す路地裏の壁を成していた雑居ビルの成れの果てと、飲食店のゴミ箱から転がり落ちたような肉片。
だが、この肉片も明日の日の出を迎える前に消えて無くなっているのだろう。用途については余り考えたくはないが―

「…もしもし。ええ、任務は無事に完了しました。しかし、こんな場所では今ひとつ目立ちませんね。次はもっと場所を考えるべきでしょう」

暗がりの中、懐から振動音を伝える通信端末を取り出して、のんびりと通信相手へ報告する。
重厚な金属音を立ててのそのそと前進する異形と共に、時折通信相手へと笑顔を――作り物ではあるが――を見せながら立ち去る少年。
闇夜に消え去る少年を視界に収めていた男達もまた、最初と変わらぬまま気配を消して此の場から消え去った。
時折聞こえる細々とした話し声を、宵闇の中に紛れ込ませながら―

ご案内:「路地裏」から神代 理央さんが去りました。