2017/10/01 のログ
ご案内:「路地裏」に神代 理央さんが現れました。
■神代 理央 > 狙われる理由には思い当たる節が無いわけでも無いが、わざわざ労力を割いて此方を嗅ぎ回るとは思っていなかった。
風紀委員としての活動も、後方での火力支援を軸におく自分はそうそう目立つものでは無いと考えていたが―
「些か考えが甘かった、というわけか。まあ、命を狙われている訳ではないみたいだが…」
得られた情報が少ないが、此方を嗅ぎ回りはするものの命を取ろうとする依頼を受けている者はいなかった。
様子を見られている、というのは腹立たしいが、それくらいならありえなくもない話かと小さく溜息を吐き出した。
■神代 理央 > 不意に、己の召喚物である異形が反応を示す。
その巨体が揺らぐと同時に響く乾いた銃声と金属音。
薄汚いビルの陰から此方に銃弾を放ったのは、控えめにいっても只の暴漢程度の男。
「……はて、この状況でゴロツキに命を狙われる程恨みは買っていないつもりだったが?」
不可解な襲撃に眉を顰めるが、男が叫んだ名前と先ほど瓦礫の山と化した情報屋の住処を脳内で結びつけて傍と思いつく。
そう言えば、あの情報屋は珍しく女だった。その名前―というか、通名―は確か、今男が叫んでいるものでは無かったか。
「…ふむ。いや、何だか悪いことをしてしまった様だな。別に好き好んで他人の恋路を邪魔しようと思っている訳では無いんだが。いやはや、すまんな」
異形が生やす砲身が男に向けられ、金属が波打つ様な連射音が響く。
大口径の機関砲によって、ビルの外壁ごと身体を粉微塵にされた男に困った様な表情で頬をかきつつ、一応本意では無かった事を軽い口調で告げるだろう。
既に、その釈明を聞き遂げる者はいないのだが。
■神代 理央 > そんな一幕がありつつも、結局大した成果を得られぬまま《聞き込み》を切り上げる事になる。
強いて成果をあげるとすれば、まだ探られているだけであって命を狙われているだの、此方に接触しようとするだのといった面倒な事態にはなっていない事だろうか。
「…しかし、探られるだけというのも腹立たしいものだな。此方から、少し行動を起こしてみるべきか」
売られた喧嘩は買い取ってやらねばなるまい。
此方を探る動きがどの組織なのか、どういう目的なのか。
全く全容は掴めないが、それならば可能性があるもの全てを焼き払えば良いだけの事。
己の異能は、本来そういった大雑把な破壊に向いているものなのだから。
「…裏から手を回すまでも無い。正々堂々、都市区域ごと吹き飛ばしてしまおうか」
風紀委員としての顔を持つ以上、余り大それた事は出来ないが――そんな独り言を呟きながら、金属の異形を引き連れて此の場を立ち去った。
道中、群れたゴロツキや暴漢が哀れな姿になって発見されることになるのだが――それはこの街ではさして珍しい事でも無いだろう。
ご案内:「路地裏」から神代 理央さんが去りました。