2017/10/20 のログ
ご案内:「路地裏」に百鬼さんが現れました。
百鬼 > 「――…ああ、私だ。…依頼は完遂した。さっきそちらに仕留めた標的の画像も送信しておいたから確認を。
…振込みは何時もの所に。…あぁ、それでは」

通話を切って携帯を懐に仕舞い込む。佇むのは黒い外套で全身を多い、フードを目深に被った人物。
顔の部分は奇妙な白い仮面で覆い隠されて、その素顔は全く伺えない。
先ほど、電話で話していた声も仮面越しにしては男とも女ともつかぬ声色で…。

「――最近はこちらも程々に騒がしくなってきたものだな…」

お陰でこちらも仕事には困らないが。足元に転がる死体。それらに向けて黒い革手袋を嵌めた右手を軽く振るう。
すると、異能か魔術か複数の死体は一瞬で風化し直ぐに塵と化した。
証拠隠滅はきっちりするのも殺し屋としての最低限のマナーだろう。

百鬼 > 『白い閃光』、『グリムリーパー』、最近名を聞くようになった『血腐れ』に『黒龍』。ネームドの裏業界の者も増えてきている。
かく言うこの黒衣もその一人な訳だが。もっとも自分の通り名に関心は無いけれど。

風化し、塵と化した元・死体の群れへともう一度右手を向けて軽くクイッと上に向ける。
すると、突風が発生し塵は空へと舞い上がっていく。後は何処かに流されるままだろう。

そこには、もう血痕の一滴すら残らない。完全な証拠隠滅。少なくとも物証は残らない。
『無貌』と呼ばれる殺し屋はこういう所は地味に徹底しているのだ。

「……風紀と違反組織の小競り合いも頻度が増している、という話もある。
…と、なればこちらに回ってくる仕事も増えてくるだろうな…。」

違反組織は言うに及ばず、風紀にだって裏と繋がりを持つ者は少なくないのだから。

百鬼 > 「…しかし、人間の真似事を始めて10年弱経つが……未だによく分からんな」

自分と表裏の関係とも言えなくも無い、あの『赤毛の馬鹿』も含めて人間とは不可解だと思う。
とはいえ、まぁこれはこれで充実していると言えるのだろう。ただの殺し屋稼業ではあるが。

一先ず、ゆらりと方向転換して歩き出す。足音一つ、衣擦れの音一つ立てないのは最早癖に近い。

ご案内:「路地裏」に近衛 昴さんが現れました。
近衛 昴 > 彼が歩き出した路地裏の先にいつからいたのか、猫の仮面で顔を隠した少女が暗がりから姿を現すか。

「これはこれは、お初にお目にかかります…『無貌』」

裏で動くに当たり事前に調査していた工程で知った特徴、そして芝居じみた口調で彼の通り名を口にしながら頭を垂れようと。
彼の仕事の一部始終を見ていたニューピーの通り魔程度の知名度少女は、見つかって荒事になるくらいなら姿を現して紹介程度に接触をしてみようかと

百鬼 > 「―――…待ち伏せとは良い趣味をしているものだ。…確か、リンクス…だったか」

ゆるり、と歩みを止めて暗がりから現れた猫の仮面の少女にそう返す。その声は仮面越しで男とも女とも判断付きかねるだろう。
更に言えば、この殺し屋が纏う黒衣、そしてその白い仮面も全て認識阻害の効果がある。
少なくとも10年以上、全てのデータが不明の謎の殺し屋で通っているのは伊達ではない。

「……それと、見物するならもっと上手く気配を隠す事だな」

と、サラリとそう付け加える黒衣。最初から仕事を見られているのも察していたようだ。
とはいえ、別に見られた所でどうもしない。口封じする気も無い。
何故なら自分は殺し屋だ――依頼以外で殺しをする気は特に無いのだから。

近衛 昴 > 見かけからは男女どちらなのか興味はあったが判別は難しそうだ。少しでも彼の仕事ぶりから立ち回りのデータを収集しようとしていたが解析不能、以前にも似た現象と彼の白い仮面から思い当たる節があるのか、認識阻害の影響を受けているのだろうと推測して。

「やっぱり、バレていたか。で、どうします?口でも封じます?…ボクとしては、できればもっとお近づきになれてからが都合がいいので」

技能相手ではやはり機械的なもので気配を消すのにも限界があるなと改良の余地ありと小さく呟き、彼から殺気や敵意が無いのをわかっていながらも見ていた自分をどうするかと冗談交じりに問いかけ、少しずつ彼との距離を詰めながら色のある声で心にも無い言葉を口にするか
少女の通り名を知っていれば、何を求めて動いているのかも知っているのは容易に想像できて

百鬼 > 少なくとも、直接手足に触れられない限りは判断材料とはならないかもしれない。
実際、肌を露出している箇所が全く無いのだ。仮面、フード、黒衣、足元はブーツで外套の下に隠れた手もきっちり革手袋。
しかも、認識阻害や魔術的な多重防御機構…仮面に至っては自動再生機能まである。
これらも相俟って正体不明の牙城が未だ崩れた事は無い。もし、その正体が片鱗でも知れればその情報は非常に価値が出るだろう。

「――生憎と、依頼以外で無駄な殺しをする気は無い。後始末も面倒だからな…」

淡々と答える。落ち着いているというより無感情。そして少女がある一定距離まで近寄れば――…。

「…それで私に何か用でも?生憎、情報屋ほどのネットワークも興味を惹かれそうな生体サンプルも持ち合わせは無いが?」

敢えて、彼女の裏での認知されている事柄を口にしながらも用件を問いかける。
それ以外…特に異能を求めている、という事なら彼女にとって自分は最悪だろう。
何故なら―――おそらく、彼女の肉体が”耐え切れない”だろうから。

近衛 昴 > 彼に対しては謎そのもののような情報しかなく、その実を知りたいものはいくらでもいるが自ら暴こうというものはいない、正確には暴こうとして生きていたものがいないのだろうというのが情報屋としての少女の見解。
彼の体まであと少しというところで自身の所業を口にされてしまうと脚を止め、このまま色香に迷いがあれば性別などの情報が得られる可能性もあったが彼には通用しないようだ。

「そんな野暮なこと求めてませんよ。裏の大先輩に色々ご教授して貰えたらと思っていたんだけど…ふふ、というのは冗談、よければこの若輩者に一手お付き合いいただけたらと」

彼ほどの人物なら持つ異能も相当なものを持っているのは違いないだろうが隙が無い。そう簡単に奪わせてはもらえないだろう、なら自らの異能がどこまで通用するか試させてはもらえないかと

百鬼 > 「――成る程、異能か魔術狙いだったか。…警告しておくがそれは止めておいた方が良い…。」

少女が口にした言葉に緩く首を左右に振る。もっとも、冗談と口にしている少女の本気度は分からない。
だが、仮に異能を自分から手に入れたとして、彼女が人間である以上は耐え切れないだろう。

「…私闘も好みでは無いのだがな。相応の報酬が貰えるならば考えてもいいが」

元々、感情で動くタイプではない…それに、殺し以外…それも腕試し的な戦いとなれば余計にタダで受ける気は無く。
無論、相応の報酬が貰えるなら彼女の『練習台』にはなっても構わない。逆に言えば、報酬が無ければ受ける気は無い。

近衛 昴 > 本音としては彼が歴戦を共にしたであろう異能は魅力的だ。だがそれを得ようとする手間と危険度を秤にかけるとつりあうはずも無く、リスクのほうが遥かに多い。

「では1分お付き合いいただければ、相応の報酬をご用意いたしましょう。現金でも現物でも望むものを…」

報酬に対しては言葉に孕むものがあるような言い方をし、武器を隠し持ったパーカーと爪を外せば体のラインを露にするようなスーツだけで武器らしい武器はどこにも見当たらず、やるなら無手で彼に挑む気でいるのが分かるだろうか

百鬼 > 「……先に報酬を宣言しておくが、諸事情で本来仕事に使っているエモノを貸し出していてな。
…その代理調達、または情報収集を頼みたい。刀剣…刀だと有り難い」

と、淡々とした口調で己が望む報酬を口にする。現金はいらない。居るとしたら仕事に使うエモノか…彼女の情報網だ。
ちなみに、性的方面に繋げていない時点で尚更に性別に関しては謎となるか。

彼女がスーツだけの姿になれば、その姿に特に何を思うでもなくこちらは構えも取らぬ自然体。
そも殺し屋なのだから構えも何も無く。例え使い慣れたエモノが無くとも変わりは無い。

(無手……暗器の類は今、脱ぎ捨てた服の方に仕込んでいる。と、なれば…別の仕込みがあるか)

淡々と思考をしながら彼女の出方を待つだろうか。

近衛 昴 > 行動や仮面のせいで視線まではわからないが、反応を見て性別が判断できる程度のボロが出るのではないかと色々仕掛けてみるがそう簡単に引っかからない様子に肩を落として。
出された要求に少女が意外な反応を見せたのは彼ほどの人物が仕事道具でもある武器を貸し出していることへの驚き、無感情無反応な堅物かと思っていたが意外な一面もあるのだなと思い、意味深な笑みを浮かべるだけで訳は聞かないでおこうと。

「へぇ…刀ね。交渉成立だね、確かにその報酬内容で引き受けたよ。それじゃあ、早速ッ!」

事前に指先を爪で傷をつけていたのか口に自らの血を口へと含み、飲み下すと同時に身体強化して地面を蹴って仮面同士が触れ合う距離まで近づこうとし、そのまま仮面ごと拳で狙おうとするのはフェイク。
本命はそのまましゃがむ体勢からの蹴り上げで、それでバランスを崩すようなことがあればそのままフランケンシュタイナーで背後に投げ飛ばそうと

百鬼 > 「……ああ、ではそれで。」

交渉成立、となれば殺しではないとはいえ契約は守る。彼女が自らの血を摂取する様子に目を細める。

(血を摂取する……確か……)

同業者で一人、血を摂取する事で相手の異能をその耐性を一時的に得る力を持つ少女が居た。
…彼女の関係者か、もしくは何らかの原因でその力を持っているのか。まだ分からないが…。

「……!」

地面を蹴って少女が一気に間を詰めてくる。狙いは仮面ごと顔面を拳…ではなく。
むしろ、それはフェイクで本命はしゃがみからの蹴り上げ。

――と、黒衣の姿が一瞬ブレた。彼女が蹴り上げたそれは動きで靡く外套の裾だ。
そもそも、外套を着込んでいるのはこうして『間合い』を誤認させる意味合いもある。
無論、それだけでなく単純に強化された少女の瞬発力などを見切っている事が前提にあるのだが。
僅か一歩分、後退した黒衣は――反撃に軽く蹴りをまるで刃のように横薙ぎに放つ。

彼女の強化された身体能力なら、おそらく見切れるかもしれない…さて、交わすか受けるか。

近衛 昴 > 一回の飲み干す血の量では長くは持続できない、なら試せることは試そうと自身の体1つで果敢に攻めてゆこうと。
彼が思い浮かべた人物は少女が得た異能の持ち主を一致しているだろうがまだ互いに知らず、フェイントに動揺したのが確認できれば一気に上空へと蹴り上げるが、脚へと伝わる感触はやけに軽い。
蹴り上げたのが外套だけだと理解すると同時に横から鋭い蹴りが一閃するも少女はあえて避けない。
見切って避けることもできたが両手でガードし、彼に確かな手応えを感じさせながら少女の体は壁へと弾き飛ばされてそのまま激突はせず、しなやかな猫のような動きで壁にそのまま着地すれば彼へと向かってその反動のまま飛びかかるか。
彼へと飛ぶ最中横目でバーテリーを確認すれば3分の1ほど削られており、彼の軽い蹴りの衝撃を無効化することはできたがあまりに消費が大きい。

「…なんて威力、一撃でこんなに削られるなんてッ!」

次の手は両肩をそれぞれの腕で掴んでそのまま背後の地面へと叩きつけ、倒れた彼の体を踏みつける形で再度地面に叩きつけようと

百鬼 > あくまでこれは彼女の力試し、能力確認のようなものだろう。だからこちらも力は抑えている。
とはいえ、単純に10年弱、正体不明を貫き通して殺し屋稼業をしてきたのだ。
単純な身体能力は何の補正が無くとも十分に高い。今の見切りも、そして反撃の蹴りも何の小細工も無い素のソレだ。

こちらの蹴りを敢えて避けず、両手でガードして弾き飛ばされる少女。
が、猫のように身を翻して壁に「着地」するのは中々だ。そのまま、再び飛び掛ってくるのを仮面の奥で淡々と見据え。

「――当然だろう。悪いがそもそも年季が違う。それに、君は直接真っ向からやり合うタイプではない」

彼女が漏らした言葉に、敢えてそうこちらから声を掛けながら次の瞬間、
両肩を掴まれ、地面へと叩きつけられる…前に、自らフワリ、と両足を地面から離して仰向けに倒れながら浮かび上がり。
そのまま、肩を捕まれて動かせない両腕の代わりに片足を曲げて彼女の腹部目掛けて膝蹴りを繰り出そうとする。
今度は「ちょっぴり」本気で蹴りを入れてみたがさて、どうする?しかも彼女はこちらの肩を掴んで押し倒そうとしている…回避は難しいとみるが。

近衛 昴 > 正面から挑むスタイルが自分に向いていないのは重々承知しているが、それでも身体強化した状態で軽々とあしらわれているのは埋めようの無い圧倒的な実戦経験の差。
彼の言葉にわかりきっているという表情で一気に間合いを詰めて飛び掛り、そのまま背後に押し倒せたかの様に見えたがまた手ごたえが無い。叩きつけようとしていた衝撃はそのまま逃がされてしまい、空中で体勢を変えられずにまともに腹部へと彼の膝蹴りを叩き込まれてしまうだろうか。
そのまま飛び掛った方向に何度も無様に転がりながらも立ち上がるも時間切れ。
彼の蹴りは吸収できたものの残りのバッテリーを一気に削り取られ、蹴り飛ばされて地面に叩きつけられた衝撃は最初の着地のみ相殺できたが、残りはバッテリー切れで直接その身に受けることとなった。
ふらつきながら何とか立ち上がるも黒色のスーツは灰色へと変わっていて何箇所も裂けて肌の色を晒してしまい、身体強化も解けたのかこれ以上続ける気は少女にはなく、悔しさも感じないくらい完敗だと

「…くっ、はぁ、痛ッ、まいった。さすが…ですね」

百鬼 > 彼女が吹っ飛んだのを確認すれば、倒れこむ自分の体を開放された両腕を伸ばし地面に両手を付き、そのままバク転して身を翻し着地する。
軽く外套の裾に付いた地面の埃を払いつつ、派手に吹っ飛んで転がっていった少女を見遣る。

「……制限時間付き、となれば尚更に真っ向からは止めた方がいいだろうな。
その強化された身体能力で奇襲、そこからの一撃離脱の戦法を私は勧めるが…まぁ、私がいちいち口出しする事ではない、か」

そう最後は呟く様に口にして、相変わらず衣擦れも、靴音一つも立てずに少女へと歩み寄れば。
…地面に彼女が落としていたパーカーと爪を拾い上げ、彼女の体を隠すように被せておこう。

「……取り合えず、契約は契約だ。刀についてはよろしく頼む…それと。私の事は『百鬼』と。
…『無貌』という通り名はいまいちピンと来ないのでな」

そう言いつつ、虚空から一枚のメモを取り出し彼女に手渡そうと。…この殺し屋への連絡先だ。

「…君は弁えているから渡すが、他の連中に連絡先は漏らさないように頼む」

そもそも刀に関しては連絡のやり取りが必要になるだろうし…この黒衣なりに少女を買っている。
今後まだまだ伸びるだろう、という将来性を見込んでツテを持っておくのも悪くない。

近衛 昴 > すっかりボロボロになった体を晒す気恥ずかしさなど無い様子で興味があるのは実戦経験の応用。彼ほどの実力者相手でも少なくともバッテリーさえあれば無効化できることは実証できた。
パーカーを肩へと掛けられながらもこんな実験に付き合わせてしまったことへの感謝を口にし、彼が口にした名にこくりと頷けば差し出されたメモを受けとって。

「おっしゃるとおりだ…こちらこそ実験に付き合ってもらって感謝するよ、百鬼。…分かり次第、連絡する。こっちも色々と見えてきたこともあるから。」

彼からの忠告には重々承知しているとメモを仕舞うとさっそく戻って改良だと路地の出口へと向かう。
そして振り向くと軽くキスを投げて闇に包み込まれ始める街へと消えてゆくか。
路地から出る際にとっさにした行動は後から考えれば何故そんなことをしたのか理由も思い浮かばず、きっと露になった肌を隠そうとしてくれた紳士的な行動からだと結論付けて終わるだろう。

ご案内:「路地裏」から近衛 昴さんが去りました。
百鬼 > 特にこれといった理由も無く、強いて言えばボロボロだと目立ちそうだからという気紛れの行為だ。
まぁ、世間一般に見れば紳士的、と言われる行為なのかもしれない。メモを手渡せば手を引っ込めつつ。

「……そうか。まぁ何か見えたならこちらも付き合った意味があるというものだ」

あくまで求めるのは刀の情報だが、お互い得るものがあったならばそれでいい。
そのまま、彼女が立ち去るのを見送り―ー最後、投げキッスをされれば珍しくキョトンとする。
まぁ、仮面で表情も何もかも隠れているので、そんな空気が漂ったという感じだが。

「…リンクス、か。また一人新参の裏稼業の者が増えたと見るべきか」

最近、新しく名が出てくる者が多い。世代交代みたいなものだろうか?とガラにもなく思いつつ。
こちらも身を翻し、ゆっくりと路地裏から立ち去るのであった。

ご案内:「路地裏」から百鬼さんが去りました。