2017/11/01 のログ
ご案内:「路地裏」に近衛 昴さんが現れました。
■近衛 昴 > 人気のない路地裏の一角、袋小路になった奥にたむろするのは数人の男女。
たまにある情報屋同士の会合に参加したはいいが話題は少女の格好ばかり、数日前に能力の進化を遂げることはできたが弊害として以前の能力を失ってしまい、同時に装備まで使えなくなったことで服装も仮面だけになった。
口から出るのは珍しい姿に驚く声、愉快そうに笑う声、それに不満そうに苛立つ少女は時折珍獣のように見る男達に噛み付こうとして同じ少女達に止められるか。
「まったく、ボクの姿なんてどうでもいいだろ。…そんなことのために集まったんじゃ、って聞いてるのか」
本題に戻そうとするがまた話題は戻ってしまい、不毛なやりとりの繰り返し。
これでは話にならないとこれで解散だと一方的に少女は主張し、集まりは散っていくもその間も同じ話題。
1人残った路地裏から空を眺める少女はぐったりとしていて一言
「…疲れた」
■近衛 昴 > 路地奥の段差に腰をかけながら大きく息を吐き出し、先ほどのことを思い出しながら一人愚痴るのはやはり服装のことで。
「…前よりも隠れてる分いいって、なんだ隠れてる分って。もう、こんなのがこんなのが暫く続くのか…勘弁して」
ただでさえ裏の仕事の幅も別の方向に伸ばしていかないといけないというのに、そんな話題に振り回されている場合じゃない。
能力だって今の状態ではただの幽体離脱と大差ないが、生まれたばかりの力なのだからまだまだ成長の予知はあるはずだと希望を抱くくらいしか今はできない。
久々の集まりだったから探し人や刀についての情報を集めたいところだったがあの調子では。
予定よりも大分早めに終わってしまったので、どうしようかと空を眺めながらぼんやり考えて
ご案内:「路地裏」に陽太さんが現れました。
■近衛 昴 > 仮面を外してただ青い空を眺めながら秋風を肌に感じていると妙に寂しいと考えてしまうのは場所のせいか、それとも肌寒さから人恋しくなってしまっているのかと考えてしまう。
そんな考えを振り払うようにしながら立ち上がり、なくなったもののことを考えてくよくよしていても仕方がないと。
これからのことをもっと前向きに考えよう、今夜は暖かいものでも作って忘れようとポジティブに物を考えようと決心していると
■陽太 > いつものように落第街から帰る道。
陽太は...全速力で逃げていた。
『待ちやがれクソガキィィ!』
「ぎゃああ!!しつけーんだよおっさぁん!!」
後ろから追いかけてくるのは
落第街に露店を構えている店主だった。
今日は運が悪かったとしかいいようがない。
盗みの現場を見られてしまい、今全力で追いかけられているのだ。
■近衛 昴 > 路地裏の通りへと出ようとしていると響く声に反応して顔を上げると向こうから誰かが追われてくる、目を凝らしてみるとそれは弟と呼んでいる少年と明らかに憤怒している男。
雰囲気から助けないといけないと考えるが手持ちで使えるのは爆弾類、どうしても少年を巻き込んでしまう。
誤って済ませてくれるような雰囲気ではない、少年の身を案じてこうなれば追う男と引き離して助けようと。
「きゃあ、痛ッ…」
物陰からタイミングを見計らい少年と男の間に事故に見せかけて丁度割り込む形で飛び出す、男と少女の体はぶつかりながらもつれ合いながら足を止めるだろうか。
倒れながら走る少年との距離が開くの確認すると一安心し、当然店主が立ち上がる頃には少年は大分先にいるだろう。
当然怒りの矛先は少女に向けられるだろうか。
ご案内:「路地裏」に陽太さんが現れました。
ご案内:「路地裏」に陽太さんが現れました。
ご案内:「路地裏」に陽太さんが現れました。
■陽太 > 急に飛び出してきた少女と、男がぶつかる。
陽太は響いた音に驚いて足を止め振り返り、
男は痛みに呻きつつ少女を睨みつけ。
『どこ見てやがるてめぇ!』
そう怒声を上げながら、拳を振り上げ
少女を殴り飛ばそうと。
陽太の方向から少女の顔は見えず。
しかし見覚えがある。助けようとするが間に合いそうにない。
■近衛 昴 > うまく逃がせた以上後は彼に見られないように男を身体を強化して片付けるだけ、その油断が判断を遅らせてまさか問答無用でいきなり襲い掛かるとは予想外で、血を飲み込む余裕もなくとても避けられず顔を守ろうと両腕で防ごうとするも早すぎた。
「ッ、間に合わないッ!あぐッ!?がッ!げほッ、あぐッ!、あぁッ!」
男の拳は顔を守る腕を避けるように少女の腹部へと穿たれ、少女は腹部へ走る苦痛に息をすることもままならない状態で身体は折れるように蹲ってしまい、瞳に涙を浮かべて咳き込みながら必死に空気を取り込むことしかできずに。
悶える少女の撫でるように見る男、そして代わりにお前に払ってもらうと苦しむ少女の腕を乱暴に掴むと路地の暗がりへと引き摺るように連れ込んでゆく、それは遠目にも少年にも見えてしまうか。
■陽太 > 「っっ!!」
少女が殴られる。
自分を助けるために。
そして引きずられていくのを見たところで、
陽太の頭の中で何かが切れた。
「____っっ!!」
.....声で気づいたのだ。
あれは自分の姉だと。
感情を爆発させたことにより、異能が暴走する。
足元の影が伸び、ふたりの方へ向かっていく。
巨大に膨らんだ影は、あの日のように少女ごと包みこもうとするだろう。
■近衛 昴 > 暗がりに連れ込まれる最中抵抗するも強化していない状態では男の意に介さないだろう、乱暴に木箱へと乗せられたかと思うと両手首は頭上で背後のパイプに括られてしまい、もはや指先から血を飲むこともできないまま抗う。
暴れる少女へと男の平手が飛び、抵抗が緩んだ隙を突いて両足の間に男の身体が割って入り、もうなにもできずに蹂躙されるしかないがその顔には絶望の色はない。
大切な弟を救えたのだから、こんな姿を見られなくてもいい、ただそれだけ。後は無感情に無機質に受け入れればいいだけ。
ただそう思いながら過ぎるのを心を殺していようとすると少女しか見えていない男の背後で広がる影、自分ごと包み込もうとする影に灰色に染めたはずの感情に色を取り戻し始め、後悔の色に染まってゆく見られたと。
「…陽、太…陽太ッ!きちゃダメッ!陽太ッ!」
影に飲まれて消えてしまうならそれでもいい、だがこんな姿で弟を傷つけたくない一身で弟の名を呼ぶもそれに知り合いを助けたことに知って昂ぶる男、しかしようやく気づく背後に迫るのが少年でなく影だと。
そして好色な顔は見る見る恐怖の色に染まるか
■陽太 > 意識が闇に飲まれて行く。
視界に揺れる茶髪の少女の笑顔、
大人に囲まれ殴られる姿。
驚く程に無感情だった彼女の瞳。
それらが走馬灯となって巡る苦痛の時間。
陽太は耳を塞いで蹲るしかない。
けれど...。
____陽太!!
と、誰かの叫びに驚いて顔を上げる。
闇の向こうに大事な誰かがいるような気がする。
それは一体、誰だったか?
「すばる...姉ちゃん!!」
絶叫と共に、陰がぴたりと停止する。
しかし再び動き始めると、男だけを絡め取るだろう。
『え、な、んだ、ぁぁぁぁぁ!?』
そのまま飲み込まれる男。
あとには影しか残らない。
■近衛 昴 > さっきまでの浮かれていた様子も怒気も消えうせ、今は目の前にある異様な影が迫る恐怖に凍りつくばかりの男。
それとは逆に影の存在も起きていることも理解できている少女は、このまま世界から削り取られることを受け入れていて恐怖の色はなくて。
そしてもう僅かというところで弟の声と共にピタリと影が止まったかと思うと再び動き出し、男だけに影が巻きつきながら飲み込んでゆくさまを少女はただ見ているしかなくて。
黒い影の水面だけが残されて少女は男が割り入ったままの体勢で静けさを取り戻した路地の入り口へと視線を向ける、向こうに見える弟の顔に平手で僅かに赤く染まった顔で笑みを浮かべ、助かったことよりも無事な弟に安堵するだろうか。
「…陽太、よかった無事で」
■陽太 > 絶叫と共に消えゆく男は、
陽太の目に入っておらず。
ただ純粋に無事を喜ぶ少女の元へ
蹌踉めきながら駆け寄ると、腫れた頬をそっと両手で包み込み。
「ごめんなさい...」
と泣きそうな顔をしながら謝るだろう。
少女の体を傷つけてしまった原因は、間違いなく自分にある。
後ろでゆらゆらと揺れる陰もそっと見守っているかのようだ。
■近衛 昴 > 駆け寄ってきた弟が腫れた頬に触れる手に最初は痛がる様子を見せるが、すぐさまひんやりとした手が熱を奪っていってくれることに心地よさそうにするだろうか。
「…なに謝ってるの?そんな顔しないの、弟守った傷なんてお姉ちゃんにしたら勲章みたいなものなんだから、ね」
今できる精一杯の笑みを浮かべて泣きそうな弟を慰めながら笑い飛ばし、頭上の拘束を解いて欲しいとお願いするもどこか気まずい様子。
口に出しにくいような、恥ずかしいような、そんな様子で視線を泳がせていて。
「陽太、これ解いてくれると嬉しいんだけど、あとね、その、え~と…この姉弟でこの格好は…いけないんじゃないかな」
お互いに必死だったので気づくのが遅れてしまったが、少女は男が居たときの体勢のまま、そして頬を冷やしてくれている弟の立ち位置は先ほどまで男がいたポジション、少女ができたら脚閉じたいんだけどと口にすれば彼も気づくだろうか
■陽太 > 「.......あ、うん!」
ようやく拘束されていることに気づいて
ゴシゴシとシャツの裾で顔を拭う。
それから爪先立ちをして拘束を解きながら。
なぜか恥ずかしそうな相手には、不思議そうに首を傾げるだろう。
「...本当にごめん...ね。
でも、またなんでここにいたの...。
あぶないっていったのに...」
くしゃりと顔を歪めてうつむくと、
責めるような口調でそう訴える。
「...ねぇちゃん、なにかかくしてる?」
■近衛 昴 > 気づいていない様子の弟に説明するわけにもいかず、爪先立ちで必死に拘束を解こうとする距離の近さに顔から火が出てしまいそうなくらい恥ずかしい思いをするか。
不思議そうに顔を傾ける弟の純真さゆえに意味を知っている少女のほうは心が痛み、年下の弟相手に何を考えているんだろうと自分を責めてしまうか。
ようやく解放されると僅かに赤くなった手首を擦っていると弟の言葉にそういえば仕事のことまだ話してなかったことに気づいて、このまま隠したほうがいいのか、それとも真実をどう話していいものかと考えて。
そして選んだのは隠さず話そうと。
「…そういえば話してなかったね。私の仕事のこと。ここでしか手に入らないようないろんな情報を集めたり、頼まれて探し物を探したりしてるの。今日もその集まりだったんだけど、そしたら追いかけられている陽太見つけてね」
そしてその後は少年が知る通り今に至る
■陽太 > 様子がおかしい姉の姿に何度も不思議そうな顔をするが、
分からないものは分からないのでとりあえず諦めようと。
赤くなった手首を気づかわしげに覗きこみながら、
姉である少女の告白に耳を傾ける。
「じょうほうをあつめる...?さがしもの...?
あ、あぶなくないの!?」
なんだか同じような仕事をしていたおじさんが、
風紀委員だとかいう物騒な集団に殺された事を思い出し
陽太は真っ青になって相手に迫る。
■近衛 昴 > 木箱の上に座り直しながらこくりと頷いて、心配そうな顔で見つめる弟を抱き寄せようと。
「そう探し物さんみたいなものかな?そこまで危ない目には遭わないからね、大丈夫だから、ね」
青ざめた様子で心配する弟を気遣うように頭を撫でようとし、大丈夫と繰り返すもそれは正しくはない。
能力を失ったことで前ほど危険な目にはそうそう遭わないだろうが、それでも危険は付き纏うだろう。
不安げな色が消えない様子に話題を変えようと、少女が口にしたのは少し前に引っ越したこと。
弟の近くにいられるように、いつでも来れる様にとスラムに近い歓楽街の一角に居を構え、寮のように人目もないから自分の家だと思っていつでもおいでとカバンからリングで繋がった2本の鍵を取り出すと、そのうち1本を少年に差し出そうと
「これ陽太にあげる、私の部屋の鍵…いつでもおいで、困ったらお姉ちゃん力になるからね」
■陽太 > 「ほんと?ほんとう?」
不安そうに何度も尋ねながらも、
陽太はほっと安堵の溜息をついた。
抱きしめられた腕の中は心地よく、
ふにゃりと頬を緩めて微笑みを零す。
「...くれるの?ありがとう」
握らされた鍵は、少し狼狽えたが大人しく受け取る。
自分のために居まで変えてくれた姉に感謝を感じながらも
少し申し訳なくなってしまい。
■近衛 昴 > 少女は抱きしめた腕から伝わる、笑みを浮かべて腕の中で安堵の表情を浮かべる弟の体温に無理はしないようにしようと考えさせられてしまうだろうか。
また受け取ってもらえない不安を覚えながらも、少年が鍵を受け取ってくれると嬉しさに痛みなど消えてしまいそうなほどに喜び、嬉しさにある提案をしようと。
それは場所を教えがてら少年を部屋に招いて、彼の好きなものを夕食に用意しようと。
「ねぇ、陽太、これから遊びに来ない?陽太の好きなものなんでも作ってあげるから、ね?」
■陽太 > 「.......、でも...」
優しく鍵を差し出してくる相手に
悲しげに眉を寄せる陽太。
自分は、そんな幸せになってはいけない。
温かい部屋に迎えられて、
姉に美味しい料理を作ってもらう資格はない。
「.......おれ、こんなしあわせでいいのかな...」
迷った末、俯いたままそう尋ねる。
■近衛 昴 > 迷っている様子の弟の手の上の鍵を握らせるように両手で少年の手ごと包み込もうとし、悲しげな顔にまた自分を責めているのだと感じた少女は考え。
「いいんだよ。陽太は今日お姉ちゃんのこと助けてくれたんだから、そのお礼お姉ちゃんにちゃんとさせて。」
無理に自分を許せとは言わない、それが根が深いものだと理解しているから。
だからお礼として尽くさせて欲しいと、そして1人で帰るのは不安だから守って欲しいと囁くか。
卑怯かもしれない、それでも彼に幸せを許容して欲しいと。
■陽太 > 少女の理屈の通った理由に、陽太は少し安堵する。
本当は行きたかったのだとありありと表情で示して。
鍵を受け取ると、大事に大事に握りしめた。
姉を守るためならば、と自分で自分を説得し。
「...うん」
こくりと頷くと、
そのあどけない顔を満面の笑顔で彩った。
「____じゃあ、オムライスたべたい!」
もうずっと食べていない好物を食べたいと
ありふれた我儘を実に嬉しそうに。
■近衛 昴 > 笑みを浮かべて鍵を受け取ってくれた弟、そして子供らしいリクエストに任せてと胸を叩くと弟の手を引いて自室へと向かおうと。
「まっかせて、陽太のために特別大きなの作ってあげる、いこう」
まるで本物のように手を繋いで歩き出して家路に着くとまずはお風呂で一騒動、そして彼が望んだオムライスよりも一回り大きなものがテーブルに並ぶだろうか。そして添い寝をして弟の暖かさを感じながら秋の寒さを凌ぐことになるのはまた別の話で。
■陽太 > 「わーい!」
はしゃいだように声を上げ、姉の手をしっかり握って帰路につく。
姉の優しい笑顔がもうひとりと重なり、胸がずくりと痛むが
今は我慢してほしいとそれを飲み込んで。
ありふれた姉弟のように
2人は食事を食べ、お風呂で騒ぎ、眠りにつくだろう。
どんなに懺悔を重ねていても、今はただ。
ご案内:「路地裏」から近衛 昴さんが去りました。
ご案内:「路地裏」から陽太さんが去りました。