2018/01/29 のログ
ご案内:「路地裏」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > 《畜生…なんだってんだ!俺達が何したって言うんだよっ…!》

薄暗い落第街の路地裏を疾走する男。
所々服は焼け焦げ、高価なスーツも擦り切れてはいるが、怪我を負っている様子は無い。

彼は落第街に置いて複数の娼館を経営していたやり手の経営者。
元々は島に物資を搬入する業者の使い走りだったのだが、不法入島の後、己の才覚だけで此処まで成り上がってきた。
異能、魔術こそ使えないものの、その交渉術と胆力は裏社会でも一目置かれ、一角の人物として名を上げていた。
今となっては、全て過去形の話ではあるが。

「―…何をしたのか、だと?無許可での風俗店経営だろう。自分の罪状くらいは確認しておくべきだろうな」

路地裏の壁を突き破る様に現れるのは金属の異形。
不格好な数本の足で瓦礫を踏み砕き、背中に生やした砲身が一斉に男に向けられる。
その背後から退屈そうに現れるのは金髪紅眼の小柄な少年。
少年を睨みつける男に視線を向けた後、小さく肩を竦めた。

神代理央 > 《そんな理由で、俺の店も、女達も皆焼き払ったって言うのか!》

男は絶望と憎しみが入り混じった様な声で少年に叫ぶ。
僅かに眉を動かして首を傾げた少年であったが、直ぐに得心が言ったとばかりに頷くと―

「全て、というのは語弊がある。事情を知っていそうな者。最初から投降した者については此方で保護している」

保護している、と聞いているだけで実際の所どうなのかは知らないが。
少年にとって、そんなことはどうでも良い事であった。

「まあ、罪状に対して処罰が過重かつ不当であるという不満はあるだろう。その場合は、風紀委員会本部までその旨記載した処罰減免申請書を提出すると良い」

淡々と告げる少年に対して、激昂した男が懐に手を伸ばし、拳銃を引き抜いて――

「…因みに、申請書の提出は一般生徒のみが持つ権利だ。言い忘れていたよ。すまないな」

異形が放った銃弾が、男の身体をミンチの様に撃ち砕いた。