2018/03/03 のログ
ご案内:「路地裏」に江風 白さんが現れました。
■江風 白 > 「えっと...ここがこうで...?痛っ!!」
スマートフォンの地図機能を指でなぞりながら歩いていると壁にぶつかる。
一体何がいけないのかと再度地図を見れば少し遅れて自分の位置が止まる。
何故リアルタイムに位置情報が更新されないのかとしかめっ面で携帯の画面を睨みつけた。
「んー...どこなんだここは...。」
■江風 白 > 「僕もそろそろ頑張らないとな...。」
あの時見た文字通り化け物達の戦い、それについていけるレベルでなければ先生達についていけない。
強くなるために魔法も覚えた...なのだが。
「またあの人達みたいなのが来てくれたら嬉しいんだけどなぁ...今日もハズレかぁ。」
最近こうやって路地裏を通る。
友人曰く実戦一番とのこと。...どこですればいいのだ。
■江風 白 > 「よいっしょっと...。」
背負っていたリュックサックを下ろし、たまたまたどり着けた自動販売機で飲み物を買う。
やはりこの時間はココアに限る。
買ったばかりの管を頬にあてながら考えてみる。
「風紀に怪異に...あとは同じくらいの人達...。この辺何人かやっちゃえばいいかなぁ...。」
一瞬この間友人になった刃々斬の顔が思い浮かぶが頭をぶんぶんと振る。
あれは最後の最後だ、友人なのだから。
ご案内:「路地裏」に岡崎燐太郎さんが現れました。
■岡崎燐太郎 > 狭い路地裏を障害物を器用に避けながら駆ける少年。
僅かばかり息を切らし、時折後ろを気にしながら入り組んだ道を進んでいく。
しばらく走っていると少し広い路地に出る。
ここであれば周囲を見渡せるので衝突の危険はないだろう。
しかし今は背後に気をとられていたせいか、自動販売機の前にいた少年に気付いていなかった。
「うおっ、やべっ――」
気付いた時には時すでに遅し。そのままの勢いで少年にぶつかろうとしていた。
仮に足音や声に気付けば回避できるかもしれないが、こちらは止まることも出来ない状態で突っ込んでいった。
■江風 白 > 「....んぅ?あいてっ?!」
尻もちをついてこけ、手に持っていたココアの缶はからんからんと音を立てて地面を転がる。
こけたことよりもココアを失ったことの悲しみでこの世の終わりのような顔をすれば、ぶつかってきた相手を見上げる。
「あー、うん。学ランに...男...。
あっ、えっと...大丈夫ですか?」
この人でいいかな?と思いつつも中性的な声でとりあえず聞いてみる。
■岡崎燐太郎 > 寸前で回避行動をとるも間に合わず、衝突してしまう。
細い路地をでて少し足を緩めたので大した怪我にはならないだろう。
「あ、ああ、こっちは大丈夫だ。悪ぃ、怪我とかしてないか?」
ぶつかった衝撃で飛んでいった学生鞄を拾いながら無事であることを伝える。
尻もちをついた相手にほらと手を差し出す。
相手が細見で自分より小柄な体格をしていることに気付き、余計に心配の色が大きくなった。
■江風 白 > 「うん、大丈夫だよ。ちょっと痛かったけど...。」
笑みを浮かべれば自分に傷の一つもないことを伝えれば。
すこし考えるような素振りを見せ、少しして人差し指を彼に向ける。
決まりだ、この人にしよう。
「えっと...あの、急いでるみたいだけど...。ごめんなさい。」
分けてある髪の毛を顔を振って下ろし、目元を隠せば、相手の返答を聞かず魔法を起動させる。
人差し指の先端から白い熱線が放たれる。狙うは右胸。
■岡崎燐太郎 > 「よかった……」
ひとまず体の方は無事だったようで安堵する。
何かが転がっていった方に目をやれば恐らく彼が買ったであろう飲み物が。
これは悪いことをしてしまったなと財布に手を伸ばし。
「いや、いいけど――……ッ」
その様子を不思議に思いながらも適当に返事をし。
直後頬に触れる空気の流れが変わった……魔法を発動する前兆か。
反射的に後退しながら銀色の腕を振るうとその軌道に火花が散る。
熱線は見えない壁に阻まれるようにしてこちらまでは届かないだろう。
魔力の応用。簡単な防御魔術を行使した。
「いきなりなんだよ……」
頭に疑問を浮かべたまま対峙する相手を見やる。
攻撃される謂れは思い当たらないが、こんな場所だ。二級学生かなにかとでも思われただろうか。
■江風 白 > 「あー...僕の力じゃダメか。」
自分の魔法は相手には少しも通じなかった。
右手で指は刺したまま左手で頬を描きながら首をかしげる。
「あぁ...僕さ、早く先生達のところに帰りたいんだ。だけど今のままじゃ駄目みたいで...。だからさ。」
人差し指に魔力を貯める。
一度の攻撃でダメならば何度でも、教師に教わった言葉だ。
指先から先ほどの熱線を相手の防御が崩れるまで撃ち続けよう。
「僕の為に踏み台になってほしいんだ。」
■岡崎燐太郎 > 口ぶりからするに腕試しの類だろうか。
意識を逸らさないまま考えてみるも、やはり答えは見つからない。
「先生? なんの話だ、一体」
検討もつかないし一旦考えるのは置いておく。相手はまだ続ける気があるようだ。
状況が状況なだけにあまり目立つことはしたくないが、この際仕方ない。
「あいにくと、問題児に付き合うつもりはないよ。
君も生徒だろ? 風紀委員に捕まりたくなかったら無理はするな」
実のところ、少年が路地裏を走っていたのは風紀委員の目から逃れるため。
ちょっと問題に巻き込まれかけて見つかったところを振り切ってきたのだ。
彼がなんの目的で挑んでくるのかは分からないが、同じ生徒として一応忠告する。
■江風 白 > 「風紀委員!いるんだね!!それなら続けるしかないじゃないか!!」
嬉々とした表情。
そして自分の魔法が通用しないことを理解すれば、立ち上がり、相手と少し距離をとる。
「先生達の為なら学生の身分くらい捨ててみせるよ。
だからさ...僕が強くなる為に、踏み台になってもらうよ!!」
右腕のシャツを捲れば、腕そのものが燃えるように焼け爛れ、燃え始める。
苦悶の表情も浮かべるも、口元には笑みが浮かぶ。
やっといい相手が見つかったのだ、こんな機会逃すわけにはいかないと、燃えた腕を相手に向け、蓄積された圧倒的な熱を相手に向けて放出した。
■岡崎燐太郎 > 「んー、難しいな……」
この島における治安組織の名前を聞いて、予想の斜め上の反応を示す。
眉尻を下げて弱った表情を浮かべるしかなかった。
「よくわかんねえけど、見逃してくれるわけじゃないんだろ?」
既に戦闘態勢に入っているやる気に満ちた者がそう簡単に逃してくれるとは思えない。
場所を考えればどこぞの役員が来る可能性も低い。
となれば相手が諦めるまで適当にいなすとしよう。
銀腕からバチっと閃光が散る。何か仕掛けてきたらいつでも対処はできる。
相手の腕から放出される炎、不定形なものに有効な防御手段は少ない。
「あぁ、っつ……」
正面に盾を展開しようとするがその隙間をすり抜けて炎がかすめる。
避けきれなかった左頬が焦げる感覚がした。
だが決して相手から目を逸らさず警戒は解くことはなかった。
■江風 白 > 「見逃す?....うーん、それはないかなぁ。」
首を傾げそう返す。
逃がすとなんか面倒なことになりそうだし。
「痛っ...痛いなぁ...これでもまだまだか、なら!!」
焼けた右腕を相手に向けたまま更に魔術を発動させる。
腕の骨が変化する感覚。右腕が裂け、異常ともいえるほどの長さの骨が露出する。
「ぐううううう....うああああああ!!!」
異世界における禁術と呼ばれた物の一つ。こんな相手と巡り合えるなんてそうそうない、すべてを出し切ろうと。
痛みをこらえながらその骨の腕を振るう。相手を捕縛せんと。
■岡崎燐太郎 > さらなる力の解放、次はなにを仕掛けてくるのか。
ギリと雷をまとう右腕に力が入る。防戦一方の戦い方は決して得意分野ではない。
けれど敵対者を無暗に傷つける性でもない。それに相手は自身の体を贄とする魔術を使っているようだ。
その筋の厄介な魔術は多少覚えがある。互いのために長期戦はなるべく避けたいが……
「……事情は知らねえけど、そのやり方しかないっていうのか?」
迫る骨の巨腕に回避か迎撃か、いずれで対応すべきか思案する。
しかしそれを許す隙はなく一瞬判断が遅れその腕に捕えられる。
チッと舌を打ち逃れようと身をもがく。
骨の腕が見た目相応の力であれば自由を奪われたらなせる術は減っていくだろう。
拘束が外れなければ腕に電撃を放つ。常人であれば一瞬痺れる程度だがそれでも隙を生むことはできる。
■江風 白 > 「ごめんね、これしか手段がないんだ。」
彼のその声には悪意が感じられないだろう。
無論悪意も糞も存在しない、妄信する先生達の為。それしか頭になかった。
「痛っ....だけど捕まえた...。」
捕縛した骨は更に変異し、四方の地面に杭のように骨が伸び、相手を固定しよう。
あとは煮るなり焼くなりできるのだが...そう思考した瞬間骨を伝い電撃が走る。
「ぐっ...電気?!」
一瞬の気の緩み。固定されてはいるものの相手を握っているその手は少し緩むだろう。
■岡崎燐太郎 > 「は、そうか……」
その言葉に人の意思は感じられない。
獣が腹を満たすために獲物を狩るような悪意の微塵も感じられない、盲目的な言葉。
この島でそれぞれの思想に取り憑かれた者は幾度と見てきたがやはり慣れるものではない。
こういった者への対処法はその信ずる力を打ち砕くこと。万人に有効とは言えないが、少年の場合は経験がものをいう。
「おお!? ……はぁ、抜けられたか……」
一瞬だけ緩んだ拘束を身をよじって抜け出す。
結果的に地面に投げ出されるが、何度か深呼吸して体制を整えようとする。
「悪いな、俺じゃお前を何とかしてやる事はできない」
目的は何であれ、おそらく自分は彼の望む、目的を達成する為の踏み台にはなれない。
そう宣言して隙を見逃さず地を蹴り相手の下へ走り出す。
懐まで迫ることができれば繰り出すのは真正面から腹部めがけての拳。
■江風 白 > 「うぐ...くっそっ...!!」
抜けられた。咄嗟に右腕そのものを切り離し、防御をしようと行動するが、遅い。
一気に懐まで来られてはもう対処のしようがなかった。
「うっ?!」
筋肉もなく、肉もない彼の体は、彼の拳を受けてくの字に曲がる。
息ができない。右腕が痛い。
そんな思考が渦巻き、行動ができなくなっていた。
■岡崎燐太郎 > 拳が少年の腹に届いた瞬間左腕に鈍い痛みが走る。
目の前の相手への集中が切れ、魔法や攻撃で蓄積したダメージが襲ってきたようだ。
「う、いって……」
だがその左腕を庇うより先に力無く倒れそうな少年を支えようと腕を回す。
ほとんど自傷とはいえ容易に癒える傷ではないだろう。
ここで放置していけば寝覚めが悪い事態に発展するかもしれない。
「おい。大丈夫か? ……無茶するんだな」
返答がなくても彼が動けずにいるならば、その場から連れていこうとするだろう。
向かおうとしているのはひとまず大通り。人目がないとしても路地裏を通って行くのは厳しいだろうと判断した。
■江風 白 > 「うぅ....。」
痛みが次第に引いていく。
メキメキと音を立てながら失ったはずの右腕が再生していく。
腹に受けた痣、腕の損失。十数秒でそれら全てが完全に再生された。
「なんで勝てないんだよ...何が足りないんだよ...!!」
自身に触れようとする彼の手を払えば、リュックを拾い上げ走り去っていく。
想像以上に力を使いすぎた、これでは風紀委員も相手できない。
捕まって拘束されるのは御免だと判断した結果だ。
「僕は...僕は...」
そんなことを口にしながら彼は夜の闇に消えていった。
ご案内:「路地裏」から江風 白さんが去りました。
■岡崎燐太郎 > 超再生能力を目の当たりにし一瞬いやな予感がよぎるが、
どうやら手助けは不要だったらしくその様子を見て手を出すことはなかった。
まあ彼なりに事情はあるのだろうし、それに首を突っ込む気はない。
誰に突き出すつもりもなかったがやはり止める理由も見当たらなかった。
はぁと深く息を吐いて闇を一瞥すれば、大通りの光へと歩き始めるのだった。
ご案内:「路地裏」から岡崎燐太郎さんが去りました。