2018/10/07 のログ
神代理央 > 魔獣を逃した組織の追手が来るかとも思ったが、路地裏は奇妙な程の静寂に包まれている。
案外、小競り合いの相手というのはその組織なのかもしれない。
繰り出した追手と風紀委員が鉢合わせすれば、多少の戦闘にはなるだろうし。

「…こいつを召喚すると、余程の奴じゃない限り近寄って来ないから楽なのは良いんだが」

薄暗い路地裏に佇む金属の異形は、さながらホラーゲームのワンシーンの如く。
半端なゴロツキや住民達は遠目に見かけた瞬間回れ右して立ち去って行くので、此方は気楽に構えていられる。
尤も、普段持ち歩いている甘味を切らしてしまっているのは少々失敗ではあったのだが。

神代理央 > と、ぼんやりしているうちに路地裏に響くモーター音。
予想よりも幾分早く、事後処理を行う委員達が到着した様だ。

「死体は彼処だ。人語を理解する素振りを見せていたから、多少の調査は必要やも知れん。私はこのまま本庁に戻る故、何かあったら通信を寄越してくれ」

周囲の封鎖を始めた委員に伝言を伝え、そのまま迎えとして随伴してきた自動車に乗り込む。
電気駆動特有の甲高いモーター音と共に走り出した車の中で、車窓からスラムを眺めつつその場を後にした。

ご案内:「路地裏」から神代理央さんが去りました。