2018/12/13 のログ
ご案内:「路地裏」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > 思うに、力とは何も暴力に限らない。
知力、財力、権力、容姿に至るまで。他者より秀でているものがあれば、ぞれは純然たる持ち主の力である。

とはいえ、こと権力争いに関しては有用な力は限られる。
そして、最も手っ取り早いのは金と暴力。これに尽きると言えるだろう。

「…従って、君らの行動理念は理解出来る。金を集め、力を蓄え、学園都市の預かり知らぬこの街の権勢を得ようとする事は大いに理解出来るとも。ただ、それを看過する訳にはいかんのでな」

制御薬を服用し、昨今勢力を伸ばしていた武闘派の違反組織を襲撃。
果敢な抵抗が繰り広げられたが、巨大な球体は無慈悲に敵を薙ぎ払い続け、一時間程の戦闘で抵抗は沈黙した。

それでも、首領を拠点から逃し、こうして路地裏まで追いかけっ子をする羽目になったのだから彼等の奮闘ぶりは褒め称えられるべきだろう。
例えその鬼ごっこで、無関係なスラムの住民達がダース単位で消滅していても、彼等は己の主君を守る為に逃げ続けた。

尤も、眼前で黒煙を吹き上げ、両手を上げて此方を見上げる初老の男にそれほどの価値があったのかは疑問だが。

神代理央 > 無様な命乞いをするくらいなら、逃げずに部下と共に散れば良かったのだ。
逃げる事は否定しないが、逃走に失敗したのならそれは敗北しっと同義。護衛も無く、移動手段も奪われ、必死に媚びへつらい此方を見上げるその様は見ていて不愉快ですらあった。

「三途の川で部下達に給金を弾むと良い。そうすれば、貴様如きの為に死んだ者達も、その甲斐があったというものだろう」

命乞いの言葉を遮って、空中に浮かぶ球体が一筋の光条を放って男を貫いた。
軟質な音と共に倒れ伏す男から視線を外し、夜空を仰いで小さく溜息を吐き出す。
異能の発動による鈍い頭痛が、倦怠感を強く訴えていた。