2015/06/20 のログ
ご案内:「スラム」に緋依さんが現れました。
■緋依 > スラム街の一角、その奥。
法など最初から守る心算もなく、建物同士を規則も法則もなく建築し、時に隣の建物を飲み込みながら成長した複合建築物の一つ。
遠目から見れば、幾つもの頭を持つ龍のように見えることから「伏龍」なんて呼ばれる事もあったかもしれない、そんな建物の奥へとつながる通路の一つ。
知っている人間が嗅げばそれが違法薬物の香りと判る甘い匂いを漂わせる店の裏手で、3人ほどのごろつきに囲まれて、キセルをくゆらせながら首を傾ける、男だか女だかよくわからないのが一匹。
「困りんした、ねぇ」
とぼけたような困ったような調子で、笑った。
■緋依 > キセルを使って咥内に煙を吸い込むと、舌の上と喉の奥で転がしてから吐き出す。
開きだした煙はごく一般的な煙草の物で、自分を囲む男たちが先ほどまで嗜んでいたような、違法薬物の香りは一切、無い。
「薬を寄越せと言われましても、御代がなければお渡し出来ませぬ。それが商売と言うもので御座んせんか」
自分を囲む男たちを包む気配が怒りに変わり、今にも爆発しそうだ。
あとひとつふたつ、からかったら切れるだろうな、なんて考えながらキセルの吸い口で己の唇をつつき。
「商品が欲しいなら御代を……御代さえあれば、なんでも叶えて差し上げやしょう」
けれど、無いと言うならば。
■緋依 > キセルの先でひょいと男の一人を指し示す。
そちらさん、と言いながら笑みを深めて。
「見たところ外の世界の御仁で御座んしょう?
他のお二人はまあ……大した取り柄もなく、しょぼくれた異能だけが自慢の落第生と存じますが。
吾はそちらさんのような体力だけが取り柄の方を欲しがる奇特な旦那様を知っておりんす。どうです、二月も旦那のお相手をして頂ければ、こんな安い薬何ぞ、いくらでも手に入れられましょう……最も、ご自身の大事なモノを失う事にはなりんすが」
ケタ、と。
性質の悪い調子で笑うと、指摘された男が額に青筋を立てながら、近くにあった角材を手に取る。
馬鹿にされたと、残り二人もナイフと、スタンガンを手に取って。
「おお、怖い……誰ぞ、助けて下しゃんせー」
自分から挑発した癖に、被害者面でやる気のない悲鳴を一つ上げながら、手の中で静かに魔術を行使し始める。
■緋依 > 「あーれー……」
やる気のない声を上げる、その足元の影がぞろり、伸びる。
ぞろり、ぞろり、ぞろり。
影は地面へ、壁面へ、彼らの背後へ。
頭に血の上った彼らはまだ気づかない。
無数の蟲が寄り集まってできた影は、彼らを飲み込むみたいに広がって……。
■緋依 > 彼らの背後に一匹の大蛇が現れる。
緋色の目に黒いからだ。
闇の底に似た黒いからだは、よく見れば小さな百足や蛇が集まって構成されているのが見えるか。
現れた大蛇と、己の目が合う。
よく似た緋色の目が、同じような角度で細くなって。
――ばくん。
■緋依 > 蛇の口が二人の男を飲み込む。
慌てて一人が振り返る頃には、間の抜けた四本の足が口からはみ出ているだけで。
キセルの吸い口でつっと、男の首筋を撫でて、男だか女だか、よくわからない生き物は笑って。
「大丈夫、死ぬ事は御座んせん」
ただ、商品になってもらうだけでありんす。
ロクでもない宣言をすると同時、男の体も新しく現れた大蛇の口の中に消える。
「……ふうむ」
くるりとキセルを回して、口の端を持ち上げて笑う。
「最小限の労力で商品が三本も手に入るとは……今日はいい日で御座んすねえ」
大漁大漁。
と言っても二本は大したことがない雑魚だけど。
■緋依 > 大蛇を影の中に収めると、欠伸を一つ。
いつの間にか壁に現れた扉を開けて、何事もなかったようにゆっくりと、その場から立ち去って行った。
ご案内:「スラム」から緋依さんが去りました。
ご案内:「スラム」に否支中 活路さんが現れました。
ご案内:「スラム」にN3001型自動歩兵さんが現れました。
■否支中 活路 > 常世のスラムは深い。
かつてのクーロン城とまでは言わないにしろ、建て増された無許可建築は重なりあって陰を作り
それどころか好き勝手に地下街まで拡張されている始末だ。
もっとも、元々は歓楽区の一部として作られた地下空間の末路といったところだ。
一体何がどこまで広がっているのか、正確に把握しているものが居るのかさえわからず。
存在しない地下鉄や地を穿つ魔(シャッド・メル)など、胡散臭い噂には事欠かない
■否支中 活路 > スラムの地下街、人もいない暗がりを、緑に光る双眸が歩いて行く。
自前の暗視装置を持っているようなものだから、真っ暗でもほとんど問題はない。
蹴飛ばした缶か何かが、がらがらと嫌に響いた。
活路は、麻美子を頼って情報を得ようとするのはもう諦めていた。
が、焦りもある。
早く、何がしかの手がかりを得たいと。
スラムの奥深くまで潜ったのだ。
■N3001型自動歩兵 > ……。
<対象未確認:捜索、接近中;確認
→場合により排除>
【気配もなく足元に突然の威嚇射撃
見れば、この間と同じ顔だ。
どうやたやっと対象に当たったようでもある。
この間と同じ機体かどうかは分からないが、少なくともたまたま向こうの捜索範囲に当たったらしい
アサルトライフルの銃口は向けられたまま。
対応次第では撃ってくるだろうし、なにもしないかもしれない】
■否支中 活路 > 「…………なるほど」
クロノスの言葉。ウィルマースの遺産。
未だ確信はないが、さりとて無視もできない。それに実際のところ早くスペアも手に入れたい。
足元の銃痕には目もくれず、銃口に対峙する。
どうも前回の動きを見るに、このアンドロイドは自己保全と退避を優先するようだった。
秘密を守るため……なのだろうか。
だとしたら研究区で使われているものとは一体どういうものか。
どちらにしても自爆機能などまで搭載している可能性はある。
ならばやりようは一つだ。
右手に呪符。数は四。
「高速神化――一段、二段、三段、破断“ミカボシ”」
退避も自爆も許さない速度で制圧する。
一手目から高速化の神降ろしを即断。
暗闇を。光の軌跡を残すほどの速度で正面から突撃する。
■N3001型自動歩兵 > 【何処か近くに「施設」があるのだろう。
それがドコかは分からないが。
どちらにせよ、少女はとりあえず相手の出方を待つ……】
<対象1:戦闘準備確認;排除>
「タタン タタタタタタン」
【呪符を取り出した時点で射撃。
詠唱の前に呪符を撃つ。
そのままフルオート。
基本的にどんな行動も準備をする時点で銃の引き金より遅い。
最善手であるなら、もう少し行動予測がある程度落ち着くか出方待ちになった時点で行うべきだったと言える。
今の時点では、彼女の反応のほうが、呪符を取り出すより早い。
行動を限定させた側に優先権がある以上、少なくとも同格に持ち込まなければ、辛い。
そのまま、壁を蹴って空中に踊りだした】
■否支中 活路 > 勿論、何の意味もなく無防備に呪符を発動させるわけではない。
弾丸が、逸れる。
何かに押し曲げられたように弾道が歪む。
呪符が起動する直前、制服の一部が光っている。矢避けの加護だ。
前回で主兵装がアサルトライフルだと確認した時点で、飛来物への対策はとっている。
至近距離で打たれない限りは、まじないが高速の金属片を拒む。
二度目なら、考えうる対策はとっておくものだ。
敵用に自分を組み替える、どこかの“アークエネミー”ほど徹底的ではないにしても。
だから行く。
そらされた銃弾がスラム地下道の壁を打つ音とともに、それが追いつかないほどの速度で、壁を蹴り上がる歩兵の足元へ向かって。
■N3001型自動歩兵 > <対象1:射撃偏向能力:超高速移動
→回避行動、反撃>
【相手に銃が届かない、相手はこちら以上の速度となれば別の対応を取る。
空中で軌道が変わる。
正確にはワイヤーで引っ張ることで予想される軌道から無理やりずらしたため、高速であるなら余計に組み合いづらい。
さゆりの情報が正しければ他にも近接武器としてのレーザーネイルなどの装備や
緊急時の射撃としてのスロートショットやアイレーザーなどの変則武器を持っている可能性もある。
追いついてこれないようなら、二度、三度と、変則的な動きを見せ、空中から牽制で銃を撃つ】
ご案内:「スラム」にクロノスさんが現れました。
■クロノス > スラムの闇、その漆黒を裂くように純白のマントを翻し、
鉄底の音を響かせて彼女は現れる。
片手で鎌を取り出しながら帽子の鍔を摘むと、
高速移動する『彼』に向けて話しかける。
「苦労しているようですね、監視番号50。手伝ってあげましょうか?」
じわりと口元に歪んだ笑みを浮かべ、彼に問いかける。