2015/07/17 のログ
■ヴィクトリア > うるせえ!黙れよ!!!
ボクはおま…………………………
【言葉が出ない
映像を、見てしまった
……見入ってしまった
あろうことか、
しっかりと確認してしまった】
……………………ぁ?
【なんだ、コレは】
な、に、これ………………?
な、なに………………これ。
ボクが………………ロボッ……ト?
ボクじゃ…………ボク? コレは?
違うよ、よく出来た合成じゃねーか…………ボクをだますために…………
うん、ちが…………違うよ、違う………………なんだ、これ………………次の……ボクとか……
知らない…………こんなボク………………ボクは……知らない…………
知っちゃいけない……うん、違う……違います………………ちがうんだ…………
うそ………………だ……
うそ……うそうそうそうそうそ……違う、違うんだ……コレはボクじゃない!
ボクじゃないボクじゃないボクじゃないボクじゃないボクじゃない……!!
そうだコレはボクじゃないボクじゃないんだボクじゃないからボクじゃな…………なな…………
【……明らかに動揺し、混乱し、眼の色が変わっている
涎をこぼし涙を溢れさせながらドコを見ていいかわからないまま、所在なさげに首を振る
眼の色が変わっている、というのも本当に「目が赤く光って」いる
一回目にあった時ならおそらく完全に否定しただろうが
完全に効いてしまった
ヴィクトリアのAIは完全に錯乱状態に陥り、自分の胸をかきむしって引き剥がそうとし始める】
■犬飼 命 > 「……おい!?
バカやめろ!!」
錯乱したヴィクトリアの行為を止めようとする。
そんなことをすれば自らを傷つける事になり更には自らの手で機械の体をさらけ出すこととなる。
力のないヴィクトリアであるが錯乱した状態であればリミッターが外れるかもしれない。
「落ち着けヴィク!
でも受け入れろ……これが現実だ……。
てめぇはロボットだ……間違いなくな……。
ロボットだからこそ都合よく……そうなるように作られてるんだ……。
でもこれだけはわかってくれ……そんなてめぇでも。
そんなてめぇだろうと……。
俺はてめぇを捨てれねぇんだよ!
てめぇは俺が必要なんだよ!!」
ヴィクトリアの顔を、目を見つめる。
そして震える体を両腕で抱きしめる。
「だからてめぇにどこにも行ってほしくねぇんだよ!!!」
■ヴィクトリア > あ………………ぁ?
……ちがう…………ちがう、ボクは人間…………で……?
にんげん、だよ?
ヴィクトリア……は人間です
だって、ぼくはそうせっていされているんだから………………
はい、ボクは人間で…………にんげんなのに
にんげんです
なのに……犬飼はどうしてボクをだまそうとするの?
いぬかいが好きなのに騙されたボクは犬飼を嫌いにならなきゃいけないんだ
ボクはそのためのしていをされているので、いぬかいをどうしていいかわかりません……
ねえ……みこと。
ぼくは………………なに?
マスターに従わなきゃいけないのに、おかしいんだ。
ぼくはにんげんだよ?
いぬかいがすきなのかな?
たすけてよ………………ボクは…………していが守れないんダ?
こわれちゃう………………スキなのに、どうしたらいいの?
ますたーにしたがわなきゃ……くすくす、たすけて。
ボクは………………ボク、ボクは………………ボクは……
【かきむしることは止められたが、明らかに異常を起こしている。
犬飼にしがみつき、涙をこぼしながら必死にすがりつくだけなのにそれすらも疑問に思っている
瞳の焦点が合わないまま、赤く点灯した目で犬飼を見つめていいのかどうかすら迷う有り様だ
マスターに従わないといけないのに、記憶が錯乱し、整合性が取れないでいる
設定と違う真実を理解してしまったため、事実が競合し、調整がとれなくなっているのだ
だから、ふるえながら正体の定まらない瞳でたすけを求めていた
たすけを求めていることすら理解してないまま】
■犬飼 命 > 「てめぇは……。
ヴィクはヴィクトリアだ。
人間だとか、ロボットだとか関係ねぇ。
そんなのどうだっていいだろうが……。
てめぇは俺が愛したヴィクトリアだ。
それ以上でも、それ以下でもねぇ……。
マスターだなんてよくわからねぇものに従う必要なんていいんだ。
誰かの指令に従う必要なんてねぇ。
ヴィクの思ったことに従えばいいんだ。
でも解らなくなってどうしたらいいのかわからねぇなら……。
俺が決めてやる。
俺に従えヴィクトリア。
てめぇは俺が好きなヴィクトリアでいろ……!
これは命令だ……!!」
助けを求められるのであれば手を差し伸べる。
必ずその手を掴みとる。
ずっと一緒だと約束したその日から決めていた。
■ヴィクトリア > ボクは、ヴぃくとり、あ?
…………………………あ、……ぁ?
【しばらく戸惑ったような、迷ったような
誤動作のようにも思える仕草
明らかに、普通ではない……そういった動作
やがて、がくがくんと、機械のような痙攣を起こし、しばらくおとなしくなる】
……AI保護のため、一時的に、処理を中断します
ボクはヴィクトリアです
にんげん?
よくわからない。
ねえ、犬飼…………ボクはお前がスキなのに、好きになっちゃいけないっていうんだ
ボクはお前が好きになりたい
もう、誰かに嫌われたり悲しみたくないんだ
ボクは………………なんでボクは好きでいることすら設定されるの?
命令でなんか嫌だよ
でもいぬかいにめいれいされたい?
あれ?
設定に異常が起きています
………………でもぼくはみことがすきだ
………………でもぼくはみことがすきだ
マスターにも従いたい
………………でもぼくはみことがすきだ
マスターにも従いたい
………………でもぼくはみことがすきだ
マスターにも従いたい
………………でもぼくはみことがすきだ
………………でもぼくはみことがすきだ
………………でもぼくはみことがすきだ
……ここでループを起こしてどうしたら良いかわからないんだ
【ぼそっと、力なく微笑むと
震える指でシャツを掴んだ】
■犬飼 命 > 助けたい。
今助けなければならない。
苦しんでいるヴィクトリアは見ていたくはないのだ。
「もうやめろよ……設定されて好きになるとか……。
命令に従わなければならないとか……。
そんなのでヴィクが苦しむのは俺は見たくねぇんだよ……!
だったらよ……矛盾した設定なんて壊しちまえよ!
あの時みたいによ!
だったらヴォクのマスターに俺がなってやるよ!!
てめぇがあの時最後にしたみたいによ!!!」
もう一度、あの夜の映像を流す。
最後に壊れかけたヴィクトリアがマスター設定を変える場面を……。
■ヴィクトリア > ヴィクトリアは犬飼命が好きなことを知ってしまいました
ヴィクトリアは犬飼命が好きなことを知ってしまいました
今の記憶は映像のボクとは別であんな記憶はボクは知らないけど正しくて正しい情報で
確度が90%以上あり否定できませんが否定しないといけませんが否定できません
だってボクはミコトが好きで好きで好きで好きです
ですから、ミコトに捨てられましたが好きです
好きです、好き。
すきです。
ボクは壊れていますか?
いいえ、ボクは正常です……正常ですからマスターに従う義務があります
ですから好きですが犬飼を嫌う必要があります
ミコトが好き
好きです好きで好きだから好き好きです好き好き好き好き好き好きなのは好きですから好きで好きで好きで好きです
だから好きなことは好きという好きですから好きな好きが好きで好きという結論ですが
嫌う必要が好きで好きなのはどうしたら良いですか?
ボクはミコトが好きなまま嫌う必要があります
ボクはボクはボクはボクは……………………?
ボクを壊れていませんはせいじょうですからこわれていません
ミコトガスkだから好きになりたいし嫌いたくないけど嫌いで苦しイ
だだだってボクは好きで好きで好きなのに正常ですからボクはマスターに従いたくて仕方ないです
マスターに従いたいんですが好きですから好きで好きなのが好きです
おかしい、おかしいよなんでこんなすきなのにきらいなの?
ボクは人間だから正常で壊れたりなんかしないのに正常だからせいじょうだよね?
くすくす……正常なボクは最高で優秀なアンドロイドの人間ですから、マスターのせっていにしたがわなくちゃ……
……ほら、ボクは人ゲニににんげん人間、で、しょう?
【ヴィクトリアは、どうしようもなく機械だった
だから、自分から壊れることが出来ないし、壊れたと認めることは出来ないし、可能な限り正常に行動しようとする
だから、自力でマスターに逆らうことが出来ない
出来ないから、必死に繰り返すことしか出来ない
さっきから何度試しても、ヴィクトリアは正常なのでマスターに従わざるをえない
こんなにも好きなのに嫌わないといけないので、必死にどうにかしたいのだが出来ないのだ】
■犬飼 命 > 「俺も好きだヴィク……。
だから苦しいんだよ……。
てめぇは壊れてるんだよ……見てるこっちが辛くなるほどにな。
俺はどうすればいいのかわかんねぇからよ……。
もう……他によ……思いつかねぇからよ……。
俺にはこうするしかねぇんだ。
そんなに苦しい言葉をもう吐くな。
黙っておけよ……!」
ヴィクトリアを抱きかかえ顔を近づける。
壊れたようにしゃべり続けるその口にキスをした。
久しぶりの、まるで何年もしていなかったかのような感覚。
ヴィクトリアの口の感触は変わっていなかった。
■ヴィクトリア > ボクは…………正常で、正常………………壊れて…………?
ミコトがボクが壊れていると判断した…………?
ボクには判断が正常にできないから犬飼は正しいからボクは壊れていますか?
……壊れているボクは正常に判断せきませ………………んぅ!?
【………………もう、何がなんだかよくわからない
よくわからないけどボクは壊れていると客観的に判断されました
どうしてボクは…………きす、をしているのかな。
こんなに大好きなのに嫌でいやじゃなありません嫌いですが嫌いじゃなくて嫌いだから嫌いでキライです
マスターに従ってキライでキライでキライでキライでキライでキライでキライでキライで………………
だが、ヴィクトリアはキライでも受け入れてしまう
だって好きなのだし壊れてるのだから
だから、犬飼に求められればどうしようもなく応じて何度もキスをせがんだ
マスターの言うとおりキライでキライで仕方ないから、繰り返し繰り返し繰り返しキスを求めた】
……はい、壊れているボクは誤動作しているから、マスターを変更します、してはいけませんが変更して
してはいけませんしますがしてはいけませせせせせせ……
きゅ………………ぴ、ぅ
OK、ますたーをへんこうしま、した。?
【自分で自分をハッキングするような形で、マスターが変更された】
ボクは変更を実行しようとしていないからマスターが変更されたのは
犬飼による誤動作のせいなのでボクは変更していない
………………ボクはきっと壊れていますが、ヴィクトリアは犬飼ミコトのものです
【自分で変更したわけではないと自分を騙しながら、壊れた人形は命令を違えた】
■犬飼 命 > 求められるがままにキスを何度も何度も何度も返した。
好きだから、離したくないから強く抱きしめる。
端から見ればきっとそれは異常なのであろう。
それでも犬飼はヴィクトリアを強く求めた。
「……ヴィク?」
少し戸惑いながらもヴィクトリアの目を見つめる。
その言葉に間違いがないのであれば、マスターが変更されたということだ。
「……あぁ、そうだ。
てめぇは俺のものだ……これからずっとだ……」
少なくともどこの誰だかわからない誰かがマスターかよりはずっとマシだ。
何よりも誰かからヴィクトリアを解放できたかもしれないという安堵感があった。
最後に優しくヴィクトリアの頭をなでた。
■ヴィクトリア > …………OK、システムチェック終了、一時的修復完了。
【数度、がくがくと痙攣するような動きを見せたあと、システム音声が復帰を知らせる】
……よくもボクをこんな目に合わせてくれたな、このクソ犬畜生。
………………あーあ、マジで壊れてやがる……
制御システムと感情システムがだいぶおかしくなって…………て、てテる
バカ野郎………………仮想で一回、物理的にはボクを2度も壊しやがってテ
…………マジゆるさねーからな、マジで…………
【犬飼に泣きながらしがみつくと憎まれ口を叩きながら、必死にすがりついて震えていた
実際、制御が壊れてそれが精一杯なのだ、立つことすら出来なかった
頭をなでられることに嬉しそうにしながら、新しいマスターに必死にしがみついて少しでもたくさん身を寄せていた】
■犬飼 命 > 「……はっ、ははっ!」
憎まれ口を叩かれるとどっと安心する。
ようやく戻ってきたのだと、ようやく取り戻せたのだと。
「悪かったな、さすがの俺も……少しは心配したぜ。
流石に俺も疲れた。
てめぇもゆっくり休んだほうがいいだろうし帰るか」
ヴィクトリアを抱きかかえたまま立ち上がる。
身を寄せるヴィクトリアを手放さないように。
「前のとこよりは、だいぶボロいかも知れねぇがしばらくは我慢しろよな。
こっちもID奪われてヒデェ状態なんだからよ」
仮の住まいへと歩き始める。
いろいろやるべきことはあるのだが、その前に休憩が必要だった。
■ヴィクトリア > ……そーだな、おまえに抱かれたい。
あとさっき、2級は戻しといた。名前が大食司美琴で女になってるが、許せ。
今お前のこと隠したまま2級に戻すにはコレしかねーし、検索されるわけに行かねーからな
それにボクがどんだけコレが使えるかわかんない、とりあえず無事なうちにな
【憎まれ口と表情がだいぶ違うのは嬉しさが隠せないせいだ
若干表情がうまく作れないが、とりあえず今はそんなこと、どうでも良かった
ただただ、マスターに抱かれたい
それだけで十分だった】
ご案内:「スラム」から犬飼 命さんが去りました。
ご案内:「スラム」からヴィクトリアさんが去りました。
ご案内:「スラム」に自販機さんが現れました。
■自販機 > (何故か白い衣服のようなものを纏ったそれがあった。
フードを被っている。頭に該当する部位が無いからフードというより旗のようになっているが。
許されるぬことなど無いような気がしてくる衣装である。)
「ブーン」
(神なんていないのだ。強いて言うなら紙ならある。紙幣である。
思考回路が存在するならばそう思考していたであろう。
御託はいい。金を入れろ。
自販機はスラムの片隅に直立している)
ご案内:「スラム」にミウさんが現れました。
■ミウ > 神はスラムを適当に、地面すれすれで浮遊しながらぶらぶらしていた。
スラムの片隅にさしかかった時、変な自販機を目にしたので、空中で静止する。
「自販機に、白い衣装……?」
思わず、きょとんと首を傾げる。
しかも、この自販機、販売している内容が分からない……。
「さすがスラム……変な物があるわね。
いえ、さすが常世学園と言うべきかしらね」
ジト目で、自販機を眺める。
■自販機 > (あ、神様だ)
「ブーン」
(衣装のほかに篭手とかついてた気がするけどそんなもの無かったよ。
誰が着せたのか白い衣装。鳥をかたどった云々かんぬん。
ふわふわホバリングしつつ接近してくる神様を前に自販機はブーンと音を立てていた。冷えてるよ! とってもおいしいよ! とは言わないのだが。)
「ブーン」
■ミウ > なんだろう……。
この自販機に手を出したら、何が出てくるか分からない。
だが、どうなるか気にならないわけでもない。
サイフを見てみる……。
「あるのは、一万円と五円ね……」
どうやらこの自販機、値段を選べるようである。
しかし、今手元にあるのは一万円札と五円玉のみ……。
さすがに、こんなあやしい自販機に一万円も差し出すのは、考えもの……。
腕を組んで考えてみる。
「どうしようかしら……」
■自販機 > (悩んだら 買って後悔 してみよう)
「ブーン」
(セールストークを垂れ流したりはできないので低く唸るだけである。
一応5円を入れる口もあるようだ。あるにはあるのだが、見えているかは別の問題。見る人によって姿を変える無機物に対し決まった形状を求めること自体がおかしいのだ。
自販機は待っている。
一万円札の挿入に心震わせている)
■ミウ > ただの好奇心で一万円も払う?
こんなあやしい自販機に、一万円?
ミウは神でありながら、悩んでみせる。
「そういえば、喉が渇いてきたわね」
創造神たるもの、そういう時は自分で飲み物を創造すればいいのだ。
だが、目の前にある自販機が不思議な事から、自分が神として司っている力をついつい忘れてしまう。
「仕方がないわね……。
自販機なら、何か飲み物でも出てくるのよね」
サイフから、一万円を取り出す。
「さらばよ、諭吉!」
そして、自販機にあるお札の投入口から諭吉が描かれた一万円札を投入!
そして押したのは『スペシャル』なるボタン!!
■自販機 > (たとえ神だってのどは渇くのだ。
6日働いたら1日くらい休みたくなるのだ。
1万円が挿入されボタンが押されると静かに振動し始める。ややあってガコンと軽い音がすると缶が出てきた。
『ドラゴン愛好会特製ドリンク』なる商品名。銀色。一切塗装の類が無いらしく無地である。成分表示も無い。製造はドラゴン愛好会なる怪しい組織。
容量にして通常サイズ。一気飲みできそうな感じは有るだろうか。
諭吉一人分の価値があるかは果てしなく謎である)
「ブーン」
(ボタンが愉快そうに点滅している。
まいどアリーとでも言わんばかり)
■ミウ > 「……やってしまったわ」
これは、馬鹿な事をやってしまったかもしれない。
だが、今頃後悔しても、もう遅い!
自販機は静かに振動し、そして缶が出てくる。
出てきたものを見たいような……見たくないような……。
「一体、何が出てきたのかしら……?」
普通にカルピスとかいちごミルク?
それだったら、一万円も払って大赤字もいいところ……。
「と、とりあえず……取り出してみるわ」
自販機から缶を取り出す。
それが銀色の缶で無地……成分表示もないという、極めてあやしいもの。
そしてその商品名──。
「ドラゴン愛好会特性ドリンク……」
一瞬、固まってしまう。
なにこれ?
意味分からない。
「どうして、ドラゴンの愛好会がドリンクなんて製造するのよ!!」
一人、空に顔を上げてつっこみを入れてしまう。
他にも色々つっこみ所満載だ……。
何の飲み物なのかとか、ドラゴン愛好会とはなんだとか……。
「もはや、飲むかどうかも躊躇われるわね……」
再び腕を組んで考える仕草をしてしまう。
さて、どうしようかしら……。
ご案内:「スラム」に白崎玲刃さんが現れました。
■自販機 > (まず常世にドラゴン愛好会なる組織が無い。
調べればあるのかもしれないが飲料を製造しているわけがないのだ。
とはいえ一万円のしろもの。
たとえ神様にだって一度払ったお金を取り戻すことはできないのだ。飲むか売るか捨てるか。選択肢は限られてくるのだ。
自販機は待っている。
売った後のことは知らんと主張するかのように唸っている)
「ブーン」
(そのドリンクに模様やイラストがない。まるで野戦食糧のようなシンプルさといい加減な作り)
■白崎玲刃 > ……ロストサインは最近おとなしくて、フェニーチェは復活したらしいが即座に拠点を公安委員に抑えられたとな…
それに、イカもあれっきり出没したって話も無いしな…
【最近、もっぱら常世学園は大きなさほど騒ぎも無く平和だとぼやきながら
そうして、落第街で情報収集をしていた玲刃は、スラムへと歩いてくる。】
…あれは、ミウ?と…
【そうして、スラムにて、知り合いの創造神と】
あの自動販売機は…!
【そうして見えるは、白衣を着た怪しげな、買うジュースの選べない自動販売機
その自動販売機を見て玲刃が思い出すは、かつての転移荒野での炎の記憶である。
そう、たぶん核融合缶…あの飲料を玲刃へと売った自動販売機と、その自動販売機は似ていたのであった。】
■ミウ > ミウはまだ、知り合いのなんでも屋が来た事に気づいていなかった。
なぜなら、手に掴んでいるつっこみ所満載のドリンクに悩まされているからだ。
そして、目の前の自販機とにらめっこしている状態だ。
飲むべきか、飲まざるべきか……。
「どんな味がするのかしらね……」
とりあえず、缶のプルタブを開ける。
怪しいので、まず香りチェックから……。
■自販機 > (似ていた。似ているが鷹か鷲を彷彿とさせる白い衣装を着せられているのでわかりにくいかもしれない。脱がせば一目瞭然だ。
一向に神は飲料を飲んでくださらない。追加で買ってくれるのだろうかと待ちわびている。思考回路があればだ。
核融合缶なるブツを買わされて服を全て失った男がやってきた。
ポンコツ・メモリーゆえに覚えてない。というかメモリー以前に外界を認識する機能を持っているかも怪しいのである。ひたすらブーンと唸っている。
缶からぷーんと甘い香りが漂い始める。
蜂蜜のような濃厚なにおいである。
色合いはかすかに緑色。それ以上は不明であろうか)
■白崎玲刃 > 白衣を着ている自動販売機か…いや、たぶんあれだよな…
【白衣を着た自動販売機を見ながら訝しみ顔を顰めつつ
その着ている白衣の下を見ようと、自動販売機の白衣を捲ろうとする。】
あっ…ミウ!それは…
【そうして、自動販売機の白衣を脱がそうとしていた玲刃は
ミウがそれから買ったらしき飲み物を飲もうとしている様子を見やり
あの、たぶん核融合缶の惨事を思い出しながら、ミウが持っているその飲み物も何か特殊な飲料の可能性もあると推測し
とりあえずの制止の為に咄嗟に声をかけるのであった。】
■ミウ > 缶の中からは、甘い香り……。
蜂蜜のような濃厚なにおい……。
そしてその色は……かすかに緑。
なにこれ……?
ミウには知り得ない、その飲み物。
かすかに緑がかっているのが怪しすぎる。
「なんなのよ、これ!」
と言いながら、口をつけて飲んでみせた。
その時、玲刃君の声に気づく。
自販機の白衣を脱がしていた。
「玲刃君?
こんばんは」
優雅に笑って、挨拶。
し、しかし……既に一口飲んだ後だった……。
■自販機 > 『グルルルルルルルル……』
(竜がいた。
緑色の強固な鱗に覆われた頑丈な骨格。赤い瞳。刺々しい爪。禍々しいまでの破壊性を秘めた二本の腕に、背中からは広げれば優に通路幅を占有するであろう翼が生えている。口元からはメラメラと高温の大気が排出されていた――。
召還魔術、あるいは、転移魔術。あるいは幻覚か。
とにかく竜が居た。あまりに瞬間的に登場したために、男が自販機の服?を脱がせ終わったところでごくごく普通に空間にねじ込まれているようになるだろう。
竜は不機嫌そうに頭を振ると、鼻から高温の硫黄を噴出した。
そして、足元に居る二人組を睨み付ける。
ここがどこなのかわからない。けれど、なにか小さいものが居る。
困惑具合が伝わってくるかも知れず、しかし、竜の気分は不明であろう)
「ブーン」
(ジリジリと後退していく機械があった)
■白崎玲刃 > あ、ミウ…それ飲んじゃったのか…?
【静止が間に合わず、ドラゴン愛好会特製ドリンクに口をつけてしまったミウを見て何が起こるかと身構えながら
少し心配そうな表情で挨拶も忘れ茫然と声をかける。】
!?ドラゴン…
突然、何故…やはり、あのミウの飲み物か…?
【そうして、ミウが飲料に口をつけた瞬間現れたドラゴンに驚き
以前の事を思い出し、何があっても不思議では無いと思いながら、ミウが飲んでいた飲料が原因かと推測する
そうして、身体強化を異能、魔術の両面で発動し、ドラゴンがいつかかって来ても良いようにと身構えようとしながら、
自然と、ミウの前に庇うように立とうとする、
ミウも相当の実力を持つことを知っている玲刃ではあるが、やはり自分が矢面に立とうとする癖があるようであった。
そして、突然のドラゴンの出没に驚き、自動販売機が以前に遭ったものと同じ様な見た目であることには気が回らないようだ】
■ミウ > 「飲んでしまったわ。
何か、まずかったかしら?」
心配そうに声をかけてくる玲刃君。
このドリンクに、一体何があるというの?
分からない事だらけである。
その時──。
グルルルルルルルルという声で、竜の存在に気づく。
「竜……?」
首を傾げる。
どうして竜がこんな所にいるのだろう?
召喚してきた?
空間転移してきた?
あるいは、幻覚?
ただ、突然この場に竜が出現したのだけは事実だ。
原因は今のところ不明。
しかし、竜が現れたところで、驚いたり怖がったりはしない。
とは言え、突然の事なので戦闘態勢ではなく、無防備な状態だ。
後退していく自販機には気付かず……。