2015/07/18 のログ
自販機 > (なぜここにいる? こいつらは誰だ?
 きっとこいつらのせいだ)

(という比較的分かりやすい思考が透けて見える困惑が瞳に浮かんでいたが、敵と見定めた対象が足元に居るとなれば話は別である。
 竜が雄たけびを上げた。音は鼓膜の耐久限界をこえかねないすさまじいもの。バイオリンとビオラとその他弦楽器をノコギリでかき鳴らすような生物の根源的な恐怖を誘う大絶叫であった。
 竜が地を蹴った。翼が有機的な音をあげて展開するや、巨躯を沈み込ませ、空中へと進出する。肺に空気が吸い込まれていく。次の瞬間、足元の二人に向けて打ち上げロケットかくや膨大な推力を火炎という形にして排出せん。)


『グ    オオオオオオオオオオオオッ!!』

(コンクリートをマグマに変える程の膨大な熱量が、二人の前面から徐々に迫ってくるであろう)

白崎玲刃 > ああ、いや…下手に怪しい飲み物、飲むとな…
体が燃えたりするんだ…
【不思議そうに聞くミウに対し、苦笑いで以前の事を思い出して言う
しかし、明らかに与太話としか思えないような話であったが
玲刃は割と真剣そうな苦笑いを浮かべていたのであった。】

…!?来るか…!
【竜が突然上げる雄たけびに身構えを崩さずに対峙する。
玲刃は荒事に慣れている為、
咄嗟の事態があれば直ぐに身構える癖がついていたのが故にドラゴンの突然の絶叫にも身構え踏みとどまる事が出来た
しかし、構えたままとはいえ、先ほどの雄たけびで耳へのそうして、音量による脳への衝撃が大きく多少動きは鈍る】

おいおい…いきなりブレスとはな…勘弁してくれよ。
呪符Bは…現在4枚か…ならば…
【ドラゴンが火炎放射したという事態に
苦々しい表情で悪態をつきながら
呪符の枚数を確認しながら更に苦々しい表情を浮かべ
取り合えずに、まずは呪符を使わずにと収納の魔術を発動し、
水の魔剣を取り出しながら高速で頭上を経由し振り下ろし、
衝撃波をブレスの方向へと発生させドラゴンのブレスへと衝突させようとする。
無論、以前にミウから貰った剣で対処するという方法もあったが、
今の場に適応した剣を選ぶのにはドラゴンの雄たけびで少し鈍っていた彼には少々時間が無かった

ただの衝撃波であるが故に、膨大な熱量と火力を持つドラゴンのブレスには果たして対抗できるか…?

そして、ドラゴンのブレスに衝撃波が打ち負けた時の為に玲刃は呪符を構えながらミウの前に立つようにして身構える。】

ミウ > 「体が……」
ここまでは冷静に聞く。
「燃える!?」
そこまで聞くと、驚きの声をあげる。
そして、『ドラゴン愛好家ドリンク』を見る。
その後、自分の体のどこかが燃えていないかチェック。
どうやら、燃えていないようだ。
「恐ろしい飲み物もあるものね……」
その辺りも、さすが常世学園。

雄叫びをあげられる。
生物の根源的な恐怖を誘う大絶叫。
だがミウは、そこら辺の生物とは違った。
そして、竜が空中へと羽ばたく。
こちらにむけて、大出力の火炎を放出した。
「いきなりね」
玲刃君は、魔剣を取り出してファイアブレスとぶつけようとする。
さすがに、無防備な状態は解除されつつあった。

ミウは迫りくる火炎に右掌を向ける。
「援護するわ」
そして創りだされたのは分厚い水の壁。
玲刃君の水の魔剣も合わせて、これで防げるだろうか……?
このまま地上に火炎を落とせば玲刃君の身に危険が生じるし、この辺り一帯焼け野原になってしまうかもしれない。

自販機 > (ブレスの温度はもはや鉄をも溶かす領域にまで昇華されている。存在そのものが神秘として語られる生ける伝説だけあった。
 だが世界には竜をも狩る伝承が伝わっている。
 無敵の化け物は居ないのだ。けれど無敵の勇者がかつて存在しなかったように。両者は共に狩り狩られる運命にあるといえる。
 高温の壁が迫り来る。水の壁が瞬間的に発生した力場によって一種のジェットとして作用した。高温と冷温がせめぎあったのも一瞬だけ。水が蒸気となりて膨張し炸裂した。爆発が発生し、着弾地点に爆風が生じる。
 竜はブレスをゆっくりと止めた。翼をたたみ、強靭な両足で着地する。その際二人を踏み潰してもかまわないというつもり。
 ブレスの被害はすさまじかった。一時的にしのげた二人以外の地面はこげており、スラムの家に至っては炭化して白黒二色と化している。
 竜は白い蒸気の中に二人を探してきょろきょろと視線をさまよわせている。
 家の残骸を踏みしめる。ただ重量だけで、家が粉々になった。)

「     プスン」

(一方自販機は焼肉のグリルみたいになってた)

白崎玲刃 > ああ、あれは不思議な飲み物だったよ…
燃えてるはずなのに、何故か体は無事だったんだ…
【ミウの加勢により出来た猶予で
あの転移荒野での世紀末的光景を思い出しながらミウに言葉を返す
無論、体は無事でも、服は無事でなかった訳なのであるが。
そうして、ミウの飲んだ、ドラゴン愛好家ドリンクを見やりながら
効果にもいろいろなバリエーションがあるのだなと頷いた。】


ぐぅ……!
【そうして、ドラゴンのブレスは衝撃波によってジェットと化した水壁によって相殺されるも
それが気体の爆弾と化し炸裂する
玲刃は咄嗟に腕を前面にクロスし爆風に耐えようとする
しかいs、いくら身体強化をしているとはいえ、これには流石にただでは済まず、
腕に多少のひびが入るも、どうにか耐えきる。】

おいおい…これはやばいぞ…
小型の竜くらいなら倒した事もあるがこれは流石に…
とはいえ、放っておいたらここが滅茶苦茶だ…やるしか無いか…!
【先程のブレスの規模、そして、家の残骸を軽々と踏みつぶす質量を目にして慄く
以前玲刃は依頼の中で小型の龍種を倒した事はある、しかし、目の前のドラゴンは明らかにそれとは桁違いの存在であった
だが、ここで自分達が引けば、被害が甚大になると考え、ドラゴンに立ち向かう事を決意し表情を引き締め
そして、収納の魔術を発動し、水の魔剣を収納し、白色に発光する剣を取り出す、
これは以前にミウから貰った剣のうちの神話級の物の一つであり
斬りつけた部位を凍結させるという氷の剣であった。

その剣を構えながら、気配遮断を発動し白い蒸気の中を慎重に動きドラゴンの意識外から斬りかかろうとする
しかし、玲刃の気配遮断は未熟であり、ドラゴンがもし鋭いならば、玲刃の気配には即座に気づく事が出来るだろう

現在の壮絶な事態を前に、玲刃は自動販売機の存在を完全に忘れ去っていた。】

ミウ > 「の、飲んでしまったのね!?
 大丈夫だったの……!!?」
燃えているのに体が無事とはまた、不思議な飲み物だ。
……とか言っている暇はない。

分厚い水の壁が残らず蒸発してしまう。
スラムが一瞬にして灰となった。
なんて威力のブレス……。
「この竜、中々のやり手だわ……」
そして、辺り一帯を灰に変える程に情け容赦がない。
ミウは爆風をもろに受けて、神の身体が丈夫とは言え多少の傷を負う事になる。
「玲刃君、大丈夫……!?」

「被害状況は……」
白い蒸気が上がる中、千里眼で周囲をさぐってみる。
もし今のブレスで被害にあっている人がいるならば、助け出さなければいけない。
「もちろん、ここでこの竜を食い止めるわ」
多少の無茶はこの際、仕方がないかもしれない。
ひとまず、目の前の竜を片づける事が先決だ。
玲刃君が、以前ミウの創りだした神話級の剣を取り出す。
あれは確か、斬り付けた部位を凍結させるものだ。

玲刃君の気配が消えた。
おそらく、気配を消して竜に近づいているのだろう。
では、ミウのやるべき事は陽動だ。
あいにく、千里眼で蒸気の中でも竜の姿は、はっきりと見えている。

「こっちよ!」
そしてミウの方に意識を向けるべく、神話級の槍を一本創りだし、竜の右目に向けて放つ。
これは意識をこちらに向けさせるための陽動であり、そして牽制であり、防ぐのは容易かもしれない。

自販機 > (飲んでしまったのか!?(ニヤリ

 と自販機は思うこともできない。ブレスでこんがり焼かれてしまったのだ。
 眠れ、安らかに)

『フシュゥゥゥゥゥ……グゥゥ……』

(家が焼けて粉々になりあたりの視界が開けていた。とはいえ蒸気や煙によって劣悪極まりない視界ゼロの状況が作り出されており、幸か不幸か竜は二人の姿を見失っていた。
 きょろきょろ視線をさまよわせ、煙ごと大気を吸い込んで場所を探らんとしている。
 スラムに突如生まれた戦場。人々が逃げ惑っている。けが人の有無は不明であるが、家数件を巻き込んで炎上したのだ、無事なわけが無い。風紀や公安などの鎮圧部隊が到着するのもしばらくさきと見込むことができるであろう。
 神でさえ傷が付くのだ。どうして、竜が無傷のままで居られようか。
 竜は二人の人間あるいは神が着々と反撃の狼煙を準備していることなど露しらず、再度ブレスを吹きかけて周囲一体を焼き尽くして解決せんとしていた。
 煙ごと大気を吸い込み、肺を膨らませていく。
 魔剣。氷の魔力を秘めたそれは竜を殺すに十分な力を秘めていた。問題はどうやって刃を届かせるか。致命傷を与えられるか。
 面積の比率は優に数十倍。まともに切りかかっても足に傷をつけるだけだ。
 竜は唐突に頭を傾がせた。
 突如飛来する輝かしい槍の一撃を牙で噛み付けることで受け止めた。)

『グゥゥゥ!』

(牙の隙間から高温のブレスが吐き出される。槍が牙から抜け、空中に吹き飛んでいった。頭の上で円を描くようにブレスを吐いてみせるや、ミウの姿を正眼に捉えた。
 割れた瞳孔が絶対零度の視線を投げかける。静かな殺意が放たれていた。
 竜は戦士だった。ミウのことを戦士と誤認したか、大きく腕を振り上げた。コンクリートを踏みしめて、大地ごと竜側から見て右から左へとなぎ払わんと)

『ガアアアアアアッ』

(そうして、竜は男の攻撃を認識することができなくなった。
 時間にして数秒間。決定的なチャンスが到来するであろう。
 攻撃は全てクリティカルとなる。)

白崎玲刃 > ああ、一応は、な。
というか、すまないな。庇ってやるつもりだったのに。
【一応は無事だと、これくらいならば普通に継戦は可能だとにやりとした笑みと共に答えながら
その後、少し申し訳なさそうに言う。
無論、ミウの体は玲刃よりも頑丈かもしれない、
しかし、玲刃にとっては関係なく、自分よりも友人を守る事の方が優先度が高いようであった。
相変わらず、玲刃は自分自身の優先度が下の様である】

ああ、ここで倒さなければ被害は甚大だ…
【もしここで被害を受けた者がいるならば、
それはミウがドラゴン愛好家ドリンクを飲むのを止められなかった自分の責任だと
背負いながら玲刃は

火龍と相打ちになったというベオウルフの伝説を思い浮かべつつ
ドラゴンへと向かって行く】

…!?
(ミウ…!)
【気配を遮断し、ドラゴンへと向かっていた玲刃は
唐突にドラゴンへと飛来した槍に驚きつつ
それの見た目から放ったのがミウだと判断する。
そして、その直後ドラゴンがミウへを腕で薙ぎ払おうとするのを目にすし
焦りミウを心配するも、同時にドラゴンにも大きく隙が出来た事を確認し
ミウを庇うよりも、ドラゴンの攻撃がミウへと向かう前に仕留めるべきだと判断し】

どこを狙う…
【やみくもに斬りかかったりなどしても意味は無く
折角のミウが実を挺して作ってくれたチャンスを無駄にするだけである、
故に何処を狙うべきか深く考え
そして、】

…………そこだっ!
【素早くドラゴンの腹部の下へと潜り込みながら肋骨の隙間を見定め
全力でドラゴンの胸部へと心臓を狙い一突きした後に、そのまま腹の辺りまで目掛けて
身体強化での全力で力を込めて強固な皮膚ごと骨を砕きながら引き裂こうとする。

はたして、ドラゴンの強固な身体に対し玲刃の攻撃はどこまで成功するであろうか?

無論、それを実行した暁には、成功の可否に問わず、玲刃の両腕の骨は壮絶な負荷により砕けるだろう。】

ご案内:「スラム」から白崎玲刃さんが去りました。
ご案内:「スラム」に白崎玲刃さんが現れました。
ミウ > 「庇ってくれてありがとう。
 でも、わたしは平気よ」
爆風で多少傷ついたし、全身痛い。
だが、こんな所で弱音を吐く神がどこにいようか。

怪我人の有無は不明……。
だがこの状況、怪我人はいるだろう。
助け出したいと思うが、今は竜に集中しないと被害が拡大するかのは必然だ。

神話級の槍は、竜に噛みつかれる事で防がれてしまった。
そのまま槍は、竜がブレスを吐くと空中に消えてしまう。
狙い通り、竜はミウの姿を捉えた。
そして、目から感じられるものは殺気。
竜は腕を大きく上げ、ミウを叩き潰しにかかる。
それはなんとも、隙が大きな攻撃であり、数秒間の隙となっている。

その隙をさらに増やそうと、ミウは目の前に光のバリアを創造し、防ごうとする。
そのバリアは、物理的な攻撃を防ぐものだ。
ついでに、強引に割ろうとするならばそれなりの力がいるので、時間をかけてしまうだろう。
竜ならば、割る事自体は可能だ。

自販機 > (障壁。腕力を込めた一撃が輝ける光の膜に防がれて一瞬静止するも、再度振り上げた一撃は的確に障壁を突破していた。否、突破という生易しいものではない。文字通り地面ごと抉りながらなぎ払った。対抗手段を持たないならば体は騎手の居ない馬車のように飛ばされるだろう。
 そうして、竜は致命的な数秒間を敵に与える過失を犯した。
 ―――ぞぶり。
 肉を裂き骨を抉る一撃。
 竜が苦痛に顔を歪め鼻から硫黄を噴出した。
 見れば小さきものが冷たい刃を突き立てているではないか。心臓へ到達することはなかったが、他の臓器を損傷させていることは明らかだ。竜が次の反撃を食らわさんと身じろぎするよりも前に、深々と魔剣が肉の中に埋まっていた。
 攻撃者たる男にも一定のペナルティがあった。男は、反動で両腕の骨があらぬ方向に曲がってしまっていたのだ。骨は既に破片と化しているかもしれぬ)

『……グオオオオオンッ!?』

(竜が明らかに苦痛に染まった悲鳴を上げた。
 二人のことを完全に無視しどたどたと駆け出す。民家数件をものの見事にダンプカーのように粉砕しつつ突き進んでいくと、空中へと逃げ出した。腹に突き刺さった剣を牙で強引に引き抜き投げ捨てる。
 二回三回と剣が回転しつつ落下してくると、丁度ミウの背後の地面へと突き刺さった。
 空からパラパラと凍りついた赤い竜の血液の塊と鱗が落ちてくる。
 見れば、竜はヨロヨロとした危うい羽ばたきで今まさに空へと離脱しようとしていた。
 致命傷ではなかったらしいが戦闘継続は不可能であった。
 竜の腹部は大きく抉れていた。内臓も損傷していた。人外のタフネスを誇る竜とて腹を大きくえぐられてはまともではいられなかった。竜という種族自体珍しく絶滅したのだと言ってのける魔術師まで居る世界へと、異なる世界からやってきた竜が自由を求めて逃げていく。)

「………プスン」

(ゴゴゴと音を立てて自販機が立ち上がった。
 生きとったんかいワレ)

白崎玲刃 > 【ドラゴンの心臓を目掛け放ったその一撃は
その目論見通り心臓を貫く事は……無く、
しかし、ドラゴンに対し相当のダメージを与えた事は確かであった。
だが、玲刃への反動も凄まじく、ドラゴンへと突き刺した剣が手から離れる
そうして、玲刃へと伝わった衝撃は玲刃の腕の骨を砕き、肩から先の骨へとひびを入れ、
周辺の内臓へもそれなりにダメージを与えるだろう】

がっ…ぁ……―――――
【骨が砕ける、更に、それが両方ともなればその痛みは凄まじく、
いくら痛みに強い玲刃とはいえ、苦痛に呻き地面に倒れる。

…ぁ…ま、て逃が、して…堪るか……!
【そうして、そのまま去って行こうとするドラゴンを見ながら
このまま逃がせば被害が広がる一方だとも思いながら
その方向へと手を伸ばそうとするも、その手は砕けており、手を伸ばすことすらも出来なかった。】

…く……ぅっ……
【そうしてそのまま、何も出来ない事に悔しそうに歯噛みしながら
倒れ伏すのであった。】

ミウ > 光の障壁は突破された。
「きゃあっ!!?」
障壁の創造に集中していたが故に転移による回避が間に合わず、地面ごと薙ぎ払う竜の攻撃の餌食となってしまう。
なんとか腕でのガードだけは間に合ったが、全身にさらなる激痛が走る。
「…………っ!!」
そのまま、灰化した民家に吹き飛ばされ、瓦礫の中へ。

瓦礫の中にて千里眼で戦況を見る。
玲刃君は、うまく竜に剣を突き刺す事ができたようだ。
だが、あの攻撃……彼の両腕が心配である。
いつも無茶するなんでも屋だが、今回も相当無茶してしまったようだ。
「全く……あいかわらずね」
瓦礫の中で、そう心配そうに呟く。

そして空を飛んで逃げていく竜。
このまま、逃がせばさらなる被害の拡大が懸念される。
全身が軋むように痛い。
だが、竜を逃すわけにはいかない!
「動いて……わたしの身体!」

ミウは、竜の進行方向へと転移する。
そして翼を広げて、飛行した。
「……っ。
 逃しはしないわよ」
激痛に苦しむ表情は隠し切れていない。
だけど、無理してでも今はやらないといけない。

ミウは右掌を竜へと向ける。
その右掌から極太の光線が創造され、一直線に竜へと迫る。
当然の事ながら、地上には一切被害のない角度である。
「貫いてっ!」
はたして、この光線は竜に通用するだろうか……。

自販機 > (竜はまさか人間の子供メスとオス二人組み――竜視点では――にしてやられるとは思っていなかったらしく不覚を取った。逃げることは恥ずべきことではない。体力を回復して再度挑めばいい。野生動物らしい価値基準に基づいて逃亡を開始していた。空。たとえ誰であろうと翼を持たないのであれば、まともに飛ぶことなどできまい。
 竜は大空に居た。そうして、背後から迫り来る攻撃にさえ反応して見せた。
 ――もし万全ならば回避できただろうが、手負いである。
 光線は危うく胴体を避け、翼を焼いた。右の翼に大穴が穿たれる。)

『!?』

(翼がぶつりと音を立てて骨格の一部を損傷した。かくんと翼が折れ、竜はまっさかさまに堕ちていく。それでも何と羽ばたこうとする。もし戦闘機か何かが居れば撃墜できただろうが、この場に居ない以上、追撃は難しいであろう。
 竜は上下左右に危なっかしく飛んでいき――ストン、と島のどこかに落ちた。
 少なくとも飛ぶことは無い。けれど死亡を確認したでもない。
 竜の姿がスラムから消えた。
 消防車や救急車などの音が遠くで響きだしていた。)

白崎玲刃 > ミ、ウ………
【ドラゴンの腕に薙ぎ払われたにも関わらず、
飛び去ろうとするドラゴンを追いかけるミウを見ながら無理をするなと言おうとするも、
距離が離れており自身も負傷で大声が出せないため断念する】

……ぅ…ぐ…
【そうして、ミウの無事を願いながら
空が見えるように身体強化による力を振り絞って身を捩り無理やり体勢を変え
ドラゴンとミウが飛んで行った空を見上げるのであった。】

ミウ > 光線は無事、竜の翼を焼いた。
そのまま竜は落下していく。
ミウの傷からして、これ以上の追撃は無理な状態だった。
残念ながら、竜がこのまま倒れたと願うしかないが……。
希望は望み薄だろうか。
「はぁ……はぁ……」
荒れた息を整えていく。
そしてそのままゆっくり、スラム街へと落ちていった。

再び、灰化した住宅の瓦礫へと埋もれる。
追撃は無茶だったかもしれない。
意識も朦朧としてきた。

自販機 > (救急隊、風紀が到着したとき既に自販機の姿は無かったという。
 ドラゴンも島のどこかに墜落した痕跡は発見されたが、
 何者かに死体を回収されてしまっていたという話)

ご案内:「スラム」から自販機さんが去りました。
白崎玲刃 > 【せめて腕を使えさえすれば収納の魔術により治癒の符を取り出せるものの
両腕が使えない現状、使用は不可能であった。
こういう状態で使えないというのは駄目であると判断し
改善の余地があると場違いにも考えながら、
ミウが落ちて行った瓦礫の元へと、両腕の使えない玲刃は芋虫のように這いながら向かいながら声をかける。】
無事か……?ミウ

ミウ > 身体を動かそうとする度に痛みが走る。
神の腕力は、残念ながらこの場において発揮できなさそうだ。
だけど、瓦礫から抜け出さない事にはどうにもできない。
そんな時、ミウの無事を確かめる玲刃君の声が聞こえた。
「なんとか無事ね」
そう強がって、答えてみせる。

自分もそうだが、玲刃君の方が心配だ。
「玲刃君は……聞くまでもなく重傷ね。
 治療の呪符は、使えないのかしら?」
両手が使えないから、無理なのだろうか?

白崎玲刃 > ははは…それはよかったよ。
【ミウの強がりに答え
玲刃も悪戯めいた笑みを浮かべながら答えるも、その笑みは弱弱しい
しかし、ミウの強がりを無碍にはせず、それ以降心配する素振りを隠す】

治癒の符か……こうも、両手が折れちまってればな…
……いや、そうだ、俺の手を無理やり動かせるか?
【そうすれば、収納の魔術を発動した中に腕を入れてもらい
呪符を取り出す事も一応可能ではあると玲刃は考える
しかし、もちろん玲刃に激痛は伴う事ではあろう
だが、自分を二の次にと考える玲刃は、ミウを治癒する為に治癒の符を取り出すことを優先すべきだと考えていた。】

ミウ > 強がりを聞いて、弱々しく悪戯めいた笑みを浮かべる玲刃君。
無事という事が伝わってよかった。
当然、あまり無事とは言い難いが……。

「あなたの手を動かす事は可能だけど……そんな腕を無理やり動かせば、激痛どころでは済まないわ」
とは言え、治療の符を使って玲刃君自身の傷を治そうと思ったら、それぐらいの無茶はしなければいけないという事だ。
「でも、あなたの腕を治すためには必要な事なのよね。
 それでは、少し我慢してもらうわね。
 準備はいいかしら?
 いくわよ」

サイコキネシスで玲刃君の腕を無理やり動かそうとする。
激痛の声は、この際、ミウも耐えて聞くしかない。
そういう意味でも、ミウは内心覚悟を決めた。
「無理そうなら、無理と言ってね」

白崎玲刃 > ああ、それは解ってるさ。
ありがとうな。これで治癒できそうだ。
【ミウの心配に対し、問題ないとでも言う様に、にやりと笑みを浮かべながら呟く
明らかに強がりである、
そうして、ミウが腕を動かしてくれることに同意してくれた事に感謝しつつ】


ぁぐ……ぅっ…
【当然、無理やり動かされた折れた腕には激痛が走る
だが、玲刃はその激痛に目を見開き歯を食いしばりながら
収納の魔術の維持に集中しながらその入口へとミウのサイコキネシスによって腕を入れて行く】

…ぅ…ぁ……あった…っ……!
ミウ…目的のは手に入れた、あとは引き抜いてくれ。
【そうして、目的の符を全部掴むと
収納の魔術から手を引き抜く様に動かすようにミウにお願いし
そうして、腕が出たのを確認すると収納の魔術の発動を止めるのであった、
流石に、今回の発動はきつかったのは玲刃も肩で息をしている。】

ミウ > 玲刃君から、激痛の声がもれる。
そんな声を瓦礫の中から心配そうに聞いているしかできなかった。
「頑張って、玲刃君!!」
出来るだけ、玲刃君の不断にならぬよう気を使いながら腕を動かす。
それは、疲れきっているミウには相当大変な事だった。
だが、玲刃君のためにやるしかない。

治療の符を手にしたようだ。
「分かったわ……。
 ゆっくりと引抜いていくわね」
大丈夫だろうか……持ちこたえてくれるだろうか……。
そう心配するが、腕は無事収納の魔術の入り口から出てきた。
その一部始終を瓦礫の中より千里眼で確認する。

さて、サイコキネシスを解除する態勢が重要だ。
一歩間違えれば、大怪我では済まない自体になってしまう。
「この態勢が楽かしらね……」
一番楽と思う態勢で、サイコキネシスを解除する。
疲れ切った今のミウに、その細かいサイコキネシスの使い方は中々にシビアであり、神力を多く消費させた。

白崎玲刃 > ……く…ぅ…
ありがとう助かったミウ。
【サイコキネシスを解除され若干呻きながらも、
ミウに礼を言う玲刃である。
そうしてそのまま、符を持った手から使用する符
つまり、呪符C(Cure)を2枚以外を一旦手放す。】

セットC
【そうして、呪符を片方の腕に集中させる様に発動する。
これにより、左腕の骨は大方繋がり多少ひびが入ったのみとなった
そうして、治った左手を使い少し呻きながら立ち上げると、
残りの符を片手で拾い上げ、瓦礫に埋もれているミウの方へと近づいて行く
無論、もう片方の腕の骨は砕けたままである】

ミウ…お前も消耗してるんだろう?
治癒するが、良いか?
ああ、それとも力を先に補充した方がいいか?
【残っている治癒の符4枚と、
ミウと約束していた、ミウの力の補充の為の符を持ちながら声をかける。】

ミウ > 「どういたしまして。
 頑張ったわね、玲刃君」
優しい声で、玲刃君に言う。
無事取り出せてよかった。
これで治療ができる。

まず、玲刃君の左腕の治療から始まる。
どうやら、左腕はかなり動かせるまでに回復したようだ。

玲刃君から、ミウに治療する提案をされるも。
「嫌よ。
 まず、あなたの腕から回復する事ね。
 それまで、わたしはあなたの施しを受けないわ」
と、きっぱり断る。
いつもの癖なのか、多少傲慢な断り方かもしれない。
つまり、残りの治癒の符は玲刃君自身に使ってほしいという事であるが──。
「だけど、わたしのための呪符もあるのよね?
 それだけは、お願いするわ」
以前約束した呪符。
それはせっかく用意してもらったのだからと、お願いする。

白崎玲刃 > とは言ってもな…
【ミウに断られて苦笑いする
いくら神といえどドラゴンの攻撃を食らい、更に上空から落下したのだ、
どう考えてもダメージは大きいであろうと考える、
治癒の符の残りは4枚であり、2枚自身の腕に使ってしまえば、
ミウの治癒に符が足りないだろうと悩む】

ははは…たく、仕方ないな…
セットC
【ミウの頑固な態度に折れてか、
玲刃は自身の右腕にも呪符を使う
しかし、2枚使ったように見せかけながら、実際に使ったのは1枚であり
右腕は一応繋がったものの骨に大きくひびが入り動かしにくく動かすだけでも激痛が走る状態であった
にも、かかわらずそれを隠して笑みを浮かべながら】

ミウ、残った符をお前に使うのは問題無いだろう?
【そう悪戯めいた笑みと共に問うのであった。】

あと、そうだな、お前の為に用意した符だが
以前のあの症状は、なんらかの力の不足だよな?
一応、それについて詳しくはわからなかったから、魔力補充用の感じの符を作ってみたが…
【そうして、ミウに用意した符を4枚取り出しながら語る
以前の戦闘後のミウの様子と、治癒の符の使用の仕方を見ていた玲刃は
力の不足と推測するも、それが何の力か分からなかった為、
呪符の根本の魔力を込める量とを上げ、魔力供給用の術式にした呪符を作り上げたのであった。

名称は、呪符M(Miu) proto ein(プロト 1)
それは治癒の符で魔力供給をするよりも数倍、供給量は多いだろう。】

ミウ > 苦笑いされる。
さすがに、竜の攻撃を受けたダメージを隠しきるのは無理だろう。
神力も使いすぎてしまった。
だけど、このままでは玲刃君の片腕が治療されないままだと考えてしまう。
先決すべきは明らかに、神の身体よりもそちらだ。
「わがまま言って、悪いわね……」
だがどんな形であれ断ってしまったのは事実なので、謝罪する。

その後、
玲刃君の右腕に呪符を二枚使ったのを確認し、安堵する。
実は一枚使ったふり……というのは気づかず。
「あなたの腕が治ってよかったわ」
動かした右腕に激痛が走っている事にも気づかなかった。

「そ、そうね。
 それでは、残った符でお願いするわ」
悪戯めいた笑みに、今回はさすがに言い返す言葉もない。
玲刃君の両腕が治療出来たと思いこんでいるからだ。

「わたしのために……感謝するわね。
 そうね。神力が不足してしまったわ。
 魔力補充用なら、大分効果があると思うわ」
今回も膨大な神力を消費してしまったため、大変助かる。
さらにダメージを負い、疲労も激しい……。
玲刃君の符は大変ありがたいものだった。
 

白崎玲刃 > ははは、良いさ。心配してくれたって事だろう?こっちこそ心配させて悪かったな…
ああ、じゃあ治療するな。
【ミウの謝罪に対し、笑みを浮かべて許しながらも、逆に玲刃も謝るのであった。
ばれなくて良かったと、内心冷汗をかきながら
ミウの体に治癒の呪符を3枚当て】

セット C
【発動する。その間において、玲刃は激痛の走る右腕を出来るだけ動かさないようにしているのであった。
そして、3枚の呪符Cより治癒の魔術が発動する、
ドラゴンの攻撃を受けたミウの体に対し、果たしてどれ程の効果が見込めるだろうか?】

ああ、なるほど…神力か。
なら、そういう風に改善すれば良いわけか…
とりあえず、使うぞ。
セット M proto ein
【ミウの言葉から、ミウに必要な力の種類についての手がかりを推測し
ミウに対する呪符の改善の方向性を定める
元々プロトタイプとして作った呪符である為、更に改善するつもりではあるのだ
そうして、ミウに対し、治癒の符と同じようにして、魔力補充の符を発動するのであった。】

ミウ > 「竜を倒すために体を張ってくれたのだもの。
 いいわよ、別に」
なんと、玲刃君からも謝罪される。
なので瓦礫に埋もれながら優雅に微笑み、答えた。
呪符が三枚、体に当てられる。

大分痛みは消えた。
少なくとも、意識が朦朧としない程度には──。
だが、やはり竜の攻撃をまともに受けただけあり、完全回復は望めなかった。
所々激痛が走るが、体は動かせるまでに回復する。

玲刃君の中で、呪符の改善案が見つかったようである。
どういう風に改善されるかは、今のミウには知らない。
「ええ。
 頼んだわ」
魔力補充の符みるみる内にミウの神の力が取り戻されていく。
これなら、埋もれた瓦礫からも脱出できそうだ。

「ありがとう、玲刃君。
 お陰で、助かったわ。
 ひとまず、わたしはこの瓦礫の山から出るから、少し離れていてくれるかしら」
 

白崎玲刃 > 【呪符の改善に関しては、
玲刃がいろいろ調べた後行われるだろう、故にまた多少期間がかかる事であろう
魔力を神力に変換するという、異様な術式を作るのである、それには相当の知識が必要であろう。】

ああ、了解だ。
…っっ
【そう言いつつ、玲刃は、足に力を込めて飛退き距離を取る
先程の攻撃においてさほど足の方には負荷をかけなかったため
この動作に関しては容易であった。
だが、飛びのいて着地した衝撃が右手に伝わり、少し呻く。

そうしながら、瓦礫の山を見ながらミウが出るのを待った。】

ミウ > 玲刃君の右手が痛んでいるのにも気づかず……。
ミウは、サイコキネシスで多くの瓦礫を一度に浮かせる。
そして翼を広げて、一度空へと羽ばたき、玲刃君の傍らに着地。
その瞬間、瓦礫は一斉に地面へと落ちる。
着用している白いワンピースを軽くはたく。

「そういえば──」
という言葉から切り出し、
「どうして、突然、竜なんて現れたのかしら?」
きょとんと首を傾げる。
『ドラゴン愛好会特性ドリンク』が原因、だという事をミウは知らない。

白崎玲刃 > おお、元気そうで何よりだ。
【自身の傍らに降り立ったミウを見ながら
笑みを浮かべて軽口を叩く】

あー、それはな…あれだ、たぶんミウの飲んだあの飲み物が原因だ…
ほら、さっき言っただろう?俺も前に自動販売機から出た飲み物で燃えたって…たぶん、それの亜種だ
【玲刃は首を傾げるミウに対し
凄く言いにくそうに苦笑いを浮かべながら原因についての推測を語るのであった。
明らかに現実離れした内容であるのだが、現実なのだから仕方ない。】

ミウ > 「あなたのお陰で、元気になったわ。
 感謝するわね」
そう言って、上品に微笑み返す。
最も、完全回復というわけにはいかないが。

「わたしの飲んだのあれが……原因?」
その時、ドリンクの名称を思い出す。
「ドラゴン愛好家……特性ドリンク…………そういう事だったのね。
 燃える亜種が、まさか竜の召喚とはね……。
 あなたも、あの自販機のドリンクを飲んだ時は相当大変な目に会った事が想像できるわ」
そして、ある事に辿りつく……。
「つまり、スラムが焼け野原になったのも、玲刃君がこんな目に会ってしまったのも、間接的にはわたしが原因という事ね」
玲刃君に深く頭を下げる。
「ごめんなさい……」
これはまた、とんでもない事をやってしまった……。

白崎玲刃 > ああ、俺もこんな効果がある飲み物があるとは知らなかったよ…

いや、気にするな、ミウは知らないで飲んだに過ぎないんだしな
むしろ、あの自動販売機から出た飲み物が危険だと知っていながら止めるのが遅れた俺の責任だ……
【知らないで飲んでしまうのは仕方ないと、自身もも転移荒野での、あの炎の記憶を思い出しながら玲刃は思う
むしろ、それの危険性をしっててなお止めるのが遅れた自分にこそ責任があると
故に、ミウは謝らなくても良いのだと
玲刃は、俯きながら呟き。今回の事態の責任意識を背負ってしまっていた。】

ミウ > 「様々な効果があるドリンクを売っている自販機なのね。
 あんなドリンクを販売している自販機、危険だから叩き潰すしかないわね!」
そう言って、神話級の巨大なハンマーを創造する。
生命ではないと思い、遠慮なく潰せると思って周囲を見渡してみるが、肝心の自販機はいつの間にかに消えていた。
「自販機なのに、消えたわ」

「知らなかったけれど……それでも飲んでしまったのは事実よ」
こんなとんでもない事を快く許してくれるなんて、玲刃君は優しい……。
それどころか、玲刃君は自分の責任とまで言い出した。
「そんな事ないわよ。
 ぱっと見て、自動販売機なんてどれがどれか判断付き辛いわ。
 それに、玲刃君はちゃんと止めようとしてくれていたじゃないの」
少なくとも、玲刃君は悪くない。
「元はと言えば、わたしの好奇心だったのよ。
 意味不明な自動販売機から、どんなドリンクが出るのかな? と、気になって買ってしまったのよ。
 だから、玲刃君は何も悪くはないわ」
あの時、そもそも不気味な自動販売機を無視すれば、竜なんて現れていなかった。
 

白崎玲刃 > おいおい…物騒だな……
【ミウが唐突にハンマーを創造した事に驚きつつ苦笑いする。】
…!?確かに消えてやがるな…
【転移荒野では自動販売機が去る前に、帰っていたため、
自動販売機が突然消えるという事に関しては知らなかった玲刃は驚愕と共に呟くのであった。】

ああ、だとしてもな…怪しかった以上即座に止めるべきだったんだ…
【俯きながらも、自分に責任があるのも事実であると相変わらずに呟く。】
初めて見て好奇心を持ってしまうのは仕方ないさ。俺だって、転移荒野で同じことをしたよ
ただ、俺の場合は運よく無害なやつだっただけでな…
【好奇心から買ってしまうのは仕方ない事だと、
自身の失敗を思い出しながら苦笑いと共に呟く
もしあの時出たのが、ミウのと同じ飲料であれば、ドラゴンを玲刃だけでは止められ無かったであろう
故に、そこに関してはミウばかりが責められるものではないと言うのであった。

ちなみに、たぶん核融合缶に関しては、無害ではなく服的な意味では有害だったかもしれないが】

ミウ > 物騒だ苦笑いする玲刃君に対し、
「だって、あの自動販売機のせいでこんな目にあったのだもの」
と返す。
もとはと言えば、あの自販機が悪い。
さすがに巨大ハンマーが重くなったので地面に置く。
すると、まるで地震のような振動が周囲に響いた。
「どういう機能がついているのよ……あの自動販売機」
もう、意味不明……。

「実際に飲んでしまったのはわたしよ。
 怪しいと思ったのは、あなただけではないわ」
実際に、散々怪しいと疑いながらも、飲んでしまった……。
玲刃君も以前、同じことをした……という言葉で一瞬口を紡ぐ。
「で、でも……!」
必死に、反論する言葉を探そうとするも、すぐには見つからず……。
このままでは、玲刃君に責任を感じさせる事になる。
玲刃君は何も悪い事をしていないのにも関わらずだ……。
「と、とにかく……あなたは、何も悪くないのよ。
 そう……悪いのは、こんな物を売っている自動販売機よ!」
諸悪の根源をターゲットに移したのである。

白崎玲刃 > まあ、そうかもしれないがな…もし闇雲に壊したりして、中に入っていたジュースが全部飛び散るなんて事態が起こったらそれこそ大惨事だぞ?
【もしそんな事が起これば、ドラゴンの出没どころの騒ぎではないかもしれないのである
それこそ、地上に地獄の再現としか思えないような事が起こってもおかしくない。】
おいおい…どんな威力だよ、それ…
【ミウが置いたハンマーによる振動に驚きながら、ジト目でミウを見やる。】

ああ、まあ、飲んでしまった事は悪いにしてもだ、止められなかった俺にも責任があるって事で良いか?
【流石に、玲刃もミウが自分に責任を感じさせたくないという意図に気づく、
しかし、その事に苦笑いしながらも、両方に問題があったって事で手打ちにしないかと言う】
まあ、そうだな…今度会ったら調べ上げなきゃな。
【そうして、ターゲットを移された哀れな自動販売機に対し
玲刃も、無慈悲にも次会ったらいろいろと調べることを決意するのであった。
慈悲は無い】

っと…そろそろ、ここに留まってるのもまずいか…
【そうして、騒ぎを聞きつけたのか
消防車や救急車などの音が近づいてくるのを聞き
そろそろ此処を離れた方が良いかと思案する。】

ミウ > 「そ、それもそうね……。
 よく分からない現象が一斉に降りかかってくるわ。
 あの自動販売機は、潰すのではなくて封印するのが最適という事ね」
海に沈めたり、地面に埋めたりかな。
さすがに、カオスな自販機ドリンクワールドなんて見たいとは思わない。
「そうね……物凄い威力よ」
かなりアバウトに答える。
普通の自販機なら間違いなく木端微塵だ。

「分かったわ。
 では、二人とも問題があったという事ね。
 わたしも、深く反省する事にするわ」
玲刃君は悪くないと思いつつ、大変不本意と言った感じで、渋々承諾する。
「自販機を調べるなら、わたしも手伝える事があったら手伝うわね」
そう言って、優雅に微笑む。
調べれば、一体何が分かるだろうか。
 
「そうね……。
 この場から、立ち去りましょう」
人命はひとまず、救急車や消防車に任せるべきだろう。

白崎玲刃 > ああ、何が起こるか分からないからな…
【ミウの言葉に頷く玲刃
しかし、果たしてあの自動販売機をどうにかするという事などできるのであろうか】
………相変わらずものすごい物創るな…
【少し呆れたような感心する様な表情を浮かべながら呟くのであった。】

ははは…そう思ってくれると良いさ。
【不服そうな表情を見ながら苦笑いを浮かべるのみであった。
玲刃としてはやはり、ミウに罪悪感を背負わせたくは無かったようであるし、自身も罪悪感を感じる事は止められぬようであった。】
まあ、もう一度遭う事があればだがな
【レアなそこそこ自動販売機であるが故にそうそう探してもみるかるとは思えぬものであった。

レア度といい、逃げ脚と言い、まるでメタルなんちゃらのような自動販売機であった。】

ああ、行こうか。
【そう言って、後の事は、ここに到着するであろう、
救助や消防の者たちに任せ、
消耗した玲刃は見つからぬ様に、ミウと共にこの場から去って行くのであった。】

ミウ > 「竜が召喚されてしまうぐらいだものね……。
 恐ろしい、自動販売機だわ。
 それで結局、ドラゴン愛好会とはなんだったのかしら……」
なんだかんだで、疑問は深まるばかりである。
「あたり前よ。創造神だもの」
そう言って、髪を払いながら優雅に言う。
ちなみにこのハンマー、単に重くて威力がばかでかいだけである。
常人では間違いなく持ちあがらないし、力ある者が振り回しても動いているものに当てるのは難しい。
ただし、地面を叩きつければ振動で攻撃できるかもしれない。

苦笑いを浮かべる玲刃君。
やはり不服だが、落とし所としていた仕方なし。
結果的には、玲刃君に罪悪感を抱かせてしまった。
「偶然、そこにある感じなのかしらね、自動販売機」
やはり、常世学園はなんでもありだ……と自販機を見て改めて思う。

その後、
玲刃君と共に立ち去る事となる。

ご案内:「スラム」からミウさんが去りました。
ご案内:「スラム」から白崎玲刃さんが去りました。
ご案内:「スラム」に東郷月新さんが現れました。
東郷月新 > 身体が重い。
というか、疲れが溜まっている。
温泉、温泉に行きたい。

「――ふぅ」

溜息を吐く。
理由は分かっている。椿だ。
毎夜の如くこちらを見つけて寝床に潜りこんできては求めてくる。
流石に毎夜あんなに激しく求められては疲れが抜けない。
というか、学校はいいのか。

東郷はスラムをゆっくりと歩く。
何やら良い温泉があるとか無いとか。

東郷月新 > 最近は大分ここも落ち着いてしまったようだ。
自分が色々な違法部活の人物を片っ端から斬っているのもあるが、例の劇団とやらの騒ぎが落ち着いているのも原因だろう。

「――潮時ですかな」

これ以上落ち着いてはそれもまた面倒になる。
落第街は荒れていてこその落第街だ。

東郷月新 > 公安もまぁ、満足した頃だろう。
ならば、連中が自分を必要としなくなるのも時間の問題。

――そろそろまた暴れる頃合か。

気になるのは風紀、生徒会執行部の動き。
どうにも鈍い。例の劇団のせいかもしれないが。
一斉検挙の準備か、もしくは――

「――何かあって、動けないのか」

東郷月新 > まぁ、どちらでも良い。
が、やはり動きにくい事は確かだ。
ロストサイン健在なりし頃は、そういう面倒な事は全て組織がやってくれたのだが……

「とはいえ、グランドマスター殿が居ない事にはどうにも……」

やれやれと再び溜息。
そう、ロストサインはグランドマスターあってのものだ。