2015/07/23 のログ
シェムハザ > きれいなのは光だけじゃなくて影もそうだし?
まあ、色いろあるっていうのがね?

【どうやらワーカーたちが作業を終わったようだ
異能者は全員無力化
やはりハイドレンジアのフィードバックは強力だ

それにしても……突拍子もないほどの力もないやつがいきなり術をひけらかしたりしないし
つまりはその程度、造作も無いということだ
まあ、あの様子からして技術的にまだつめるところがあるのだろうが
一般的に考えてだいぶえらい術ではある

シェムハザは派手な異能自体、そんなに好きではないのだ】

そうね、自己紹介はお願いしたいところかも

私はシェムハザ
まあ、見ての通りの猫よ

【ふふーんと得意げに、シェムハザは猫であることは偉いと思っているところがある】

雨宮 雫 > 「影のが好きなのかな、かな?
 てっきり、なにか遊んでるのかと思ったのに、残念。

 怪我人とか出るなら、ボクが後で遊べると思ったのに。
 ココの怪我人は治療に文句言わないから、とっても便利なのだね。」

緑色の目でシェムハザを見ながら、残念の言葉通りに小さく溜息をついた。

「   なんか随分、強い名前を持った猫なのだね。
 大分、キレイな猫でもあるけど。

 あ、ボクは 雨宮 雫 というのだね?
 正規の生徒だよ、後はー 保健課所属なのだね。   そっちは正規の子?」

シェムハザ > ふふ、そう、正規よ?
ありがとう

【綺麗には礼を】

ああ……そういう方向?
怪我人っていう意味ならたくさん出すけどね?

個人的には異能者なんてみんないなくなればいいって思ってるし
みんな怪我して使えなくなればいいって

毎日この辺じゃ死人が出るし、それってつまり交通事故みたいな感じで死ぬんでしょう?
……人が普通に生活してて、車にも乗ってないのに交通事故が起きるってね、おかしくない?
学校ってさ、普通そんな人が死ぬところじゃないよね?

【雫の見立て通り遊んでいる
違法組織がひとつまるごと怪我人だらけ
それも、戦ったからじゃない、異能に対する質問と拷問

シェムハザは設定されている通り、異能がキライなのだ】

雨宮 雫 > 「ぁら、そうなの?
 じゃあその怪我人、ドコに居るのかな、かな。
 そっちの、ぁー、シェムハザが遊んだ後でいいから、教えて欲しいかな、かな。」

目にきらんっと精気を戻して、シェムハザの顔を見直した。

「異能者は別に居なくなっても、この瞬間にこの世からなくなってもボクは構わないのだけども。
 元々、無かったものだし?

 ココを学校だと思うから、違和感なんじゃないかな、かな。

 ココは学校っていう名目で異能者を集めて隔離か、管理するための島なんじゃないかなってボクは思うけど。

 まあ、人が死ぬのはホラ、発明されたばっかりの便利な道具は荒っぽく使われるもんじゃないかな、銃と一緒で。

 異能って多種多様な分、自制とか効かないの多いし?」

シェムハザ > ん……私にどんなメリットがあるのかな?
ふふ、そういうの集めてなんかしたいっていうのは別に構わないけど

……まあ、それにしても、よ
指先一つで建物壊せるような連中が、笑顔で握手を求めてくるってのが理解できないの
触れた瞬間についうっかりで腕が千切れるかもしれないのよ?
そういうのを何も考えずに、さも普通で当然です、安全は確保されてます、みたいな態度でいるっていうのがね
とりあえず、そういう連中は能力を使えない立場になればいいのにって

ま、今はそんな感じでよろしくない連中相手に自警団みたいなのやってる感じね
そのうち目付けられそうな気もするけど

【クスクスと微笑んで、少し遠い目をする

……まあ、話としては条件次第
ただでくれてやる意味はあまりない、少なくとも相手が何が出来るかわかっていないのに】

雨宮 雫 > 「んー?
 じゃぁ、出した怪我人の後始末してあげる、とかでいい?
 死んでても何でも、全部キレイに消してあげる、とか、とか?」

シェムハザが、単独か組織なのかは不明だが。
死体も使う組織だとしたら、この話は無理かな?

「ということは、シェムハザは異能はない子なのかな、かな。
 まぁ言いたい事は大体、ボクは なるほどなー と思うのだけども。
 さっきの例で行くと、安全装置かかってない銃で握手してるよーなもんだってのはその通りだしねー……

 人間のカタチしてるから、先に人権ってのがくるんだろうけど?
 ほら、一応、法治国家の中だし?ココ。
 
 まー、風紀とか公安にはいい顔されないんじゃないかな、自警団、って。」

違法部活と区別できないだろうし、ね。と肩を竦めて。

シェムハザ > んー、そうねえ

【思案する
目的は異能さえどうにかなるならどうだっていい】

……異能が使えない状態にさえなってくれればどうでも
まあ、別に一般人になるならどうだっていいんだけど

ただ、あなたのその様子からするとなんかいかがわしいことするんじゃない?
別に廃人にしたいわけでも殺したいわけでもないわよ?

あと、キライだけど異能は完全否定するわけじゃないわ
鍛えて一般人とまったく違う能力になってしまったらどんなことだって異能だもの

ただ、そういう自覚してない人の異能をどうにかしたいだけ
公安だってこのあいだの事件みたいなあの始末じゃない

【ちょっと寂しそうに、目を伏せた】

……あーあ
みんな機械だったらいいのになー
そしたら、私が全部可愛がってあげるのに

【屋上の柵に持たれながらそんなふうにつぶやいた】

雨宮 雫 > 「如何わしいかどうかは、何とも言えないかな、かな。
 と言っても、怪我人とか手当てするわけじゃないんだよね?だったらボクにくれてもいいんじゃないかな、かな。

 異能を消したいっていうのなら、ソレはソレで試してみたいコトもあるし?」

駄目なら、駄目でも、まあいいのだけど。
それよりもこの目の前の生徒、割と思考が独特で面白い。

「先手に回れる治安組織って見たことないけどね、けひひ―――
 あれ、あぁ、なんかニオイがおかしいと思ったら、機械人形さん、かな?」

最後の呟きに、改めて、髪の毛の上から足元まで眺めてみた。

シェムハザ > ……ん?
私は猫族よ?
ま、いつも機械を扱っているから、それじゃない?

【微笑
シェムハザには理解は許されてはいない

佐伯により強化された天眼で見ればわかるかもしれないが
通常の天眼で見たところで正体は知れない程度にはよく出来ている
もっともシェムハザがワーカーを呼べば彼らについてはわかるだろうが
有事の際に待機させている程度で、それは外を警戒するでもなく普通に行動している以上、それもわかりにくい】

……ま、怪我人は死ななきゃ何してもいいみたいには思ってるけど
むしろ一般生活させてみたいって思ってるわ
他人と同じ、普通に生活
この島でそれがどういうものかっていう、ね

でもまあ、異能を消す実験とかそういうんなら、別にいいんじゃない?
私は特に関知しないしね

【まあ半分型了承、というところか
お互いが何やっているかわかりにくいからしょうがない部分もあるが
シェムハザは後始末人を特別探しているわけではないので、雫のアピール次第だ】

雨宮 雫 > 「んー……?
 そっちのせいかな、機械に強い猫ってちょっと面白いかな、かな。」

本人が否定するのなら、まぁ、ここで強くツッコミは入れないで置こうと引き下がる。
別に、この場で正体を暴いて何が得られるわけでもない。

「ボクは、この島で異能のコトを自分なりに調べていてね?
 その中には消してしまうコトは可能か?というのもあるのだね、ボクらにとって脅威なら無い方がいいのだし?

 ココには色んな異能者が居るから実験もし易いからね、それじゃあ、ボクがその怪我人を引き取って試させて貰いたいだね、だね。

 上手くいくなら、シェムハザの

 "異能のない普通の生活"

 っていうのを体験させられることになるのだし?」

シェムハザも何をしているのか具体的ではないし、雫もそうだ。
だからこれは、挨拶からのお互いの長い自己紹介みたいなものだ。

シェムハザ > ……そう?
もともと手先が器用で好奇心旺盛ってそっち向きじゃない?
何にしても機械とか大好きだから、こんなふうに

【シェムハザは真性の機械フェチであり、そう設定されている
その辺は割と重度であり、そういった意味では人形はいくらでも可愛がるところがある
それはワーカーでももちろんその対象だ

ただ、もし正体を暴くのであればまた違った交渉もできるところはあるのだが
そこまでするかどうかはまた別問題だろう

ともあれ、雫がそう話すのであればワーカーを呼び寄せる
別に呼ぶ必要があるわけでもないのだが、これも自己紹介、みたいなものだ
仮面の少女たちが数名現れる……もっとも、全員が同じビルに入っていくのはアレだ
それぞれ別のビルからこちらへとやってくる】

……まあ、その研究に限ってしてもらえるならいいんじゃない?
こっちから何かするわけじゃないし
足がつく心配はまあ……お互い様かな?

雨宮 雫 > 「機械はボクがあんまり得意じゃないからね。
 そーいう意味では仲良くなれば、お得かな?ボクの専門は、東方呪術、異能じゃないくて、研鑽された魔術の類。
 得意なのは医療とかそっち方向なのだね、だね。

 だから、具合が悪いときは直してあげるよ、けひひっ。」

もっとも、自分の見立て通りに機械人形なら担当範囲外になってしまうわけだが。

愛想のいい笑顔を続けながら  現れた仮面の少女に目を向ける。
これも機械か?
だとすると作成者が居るはずなのだが―――と、今は余計な考えはやめて置く。

「じゃあ、約束したらいい?
 シェムハザのくれる怪我人にはそーいう研究しかしない、って。
 信頼性については初対面だし、ゼロベースから積んでいくしかないわけだけどね。

 そりゃ、お互いつかないように気をつけましょう、は、こういう場所での基本かな、かな。
 面倒なのに絡み疲れると、抜くの大変だからね。」

シェムハザ > まぁそんな感じね? ほら……おいで?

魔術もそんな好きではないけれど……まあ、基本的に暴発するものじゃないから
それだけでもずいぶん違うかな?

じゃ、そんな感じかしらね、とりあえず?

【つまり、ついうっかりでは出来ないのだ、魔術は。そこが大きい
そうでないものもあるだろうが、制限されるし、やはり全くの無手順という訳にはいかない
そう言う意味では相性はいいのかもしれない

あとはまあ、互いに付き合ってみるしかない

仮面の少女も機械だ、が一見してそれとわかるものではない
シェムハザがわざと面白がって抱き寄せ、嬉しそうに首筋に指を這わせ、口づけしてもまるで抵抗のしないところを見ると
少なくとも傀儡の類というのはその通りのようだ】

……ま、面倒な相手は、そうね
それはそれで何か発展性があればいいのだけど

【苦笑、
飲んでくれるなら交渉は終わりだ
ま、互いにお試し程度、それがいい】

雨宮 雫 > 「魔術師の中には異能を超!毛嫌いしてぶっ殺してやるっていう人も居るしねえ。
 暴発はー……うーん、ゼロじゃないけど、それを言い出すと取り扱いミスると危ないのは何でも一緒だしかな、かな。

 ―――うわー、目の毒なんだね、何このエロいの。」

とりあえずは、上手く話がつけられたかな?
やってみて、実績を積むしかないのは何でも一緒だ。

まずは、相手のノートに名前を書いてもらえるかどうか?をクリアできただけでも前進だ。

斜線を引かれるか、それとも丸をつけられるかはお互いのこれからの行動で決まってくるだろう。

それとは別に、いや、別じゃないが目の毒、と言いながらめっちゃ見てる少年の緑の瞳はその光景をしっかり覚えておこうと思いました。

「発展性、あるかなあ。
 治安組織って 平穏無事 で何もないのが一番のハズだしねー、と、ボクはその子たちについていけばいいのかな?」

シェムハザ > 【何処かから向けられる視線を意識しながらワーカーの子を弄ぶ
わざと見せつけるように
……いるのはわかっている、だって彼女は優秀なのだから】

……ふふ、じゃあそういうことで
私はも少しこのへんに用事があるから遊んでいくわ?
この子、連絡係にしましょうか?

【わざと、侍らせたワーカーの子にもたれかかりながら弄ぶようにしながら】

ま、基本的には、あなたに一人つけておくわ……お友達ってことで
……好きな子を選んでいいのよ?
便利でしょ、お友達? 助手でも何でもやってくれるならなおさら
ただしそのお友達に何かあったら、友達の友達から当然悪いうわさが立つわよね?
くすくす、女の子の社会って噂好きだから?

【もし何かしたいのならその友達に言えばいいし付いて行けばいい、
今日もまだすることがあるから、必要ならついていけばいい
手付としての「友達」だ
助手にするのもよしお使いをさせるもよし、ただし、なにかあったら
よろしくないことになるからそのつもりで、ということだ

ただし自分はまだ別にやることがある、と
そういう返事だった】

ご案内:「スラム」に壱耶さんが現れました。
壱耶 > 近くにある別のビル。
二人をずっと、見ていた。
仮面をつけているのだがその表情は。
恐らく、多分きっと歪んでいる。
「……」

別の場所で終わらせて、報告しようと喜び勇んで来てみれば。
初めて見る人物と、愛しい姉様。
邪魔をする訳に行かず、かといってその場を離れれる事も出来ず。
ひたすらやきもきしながら見ていたのだ。
そしてワーカーの子を弄るものだから。
つい、気配が膨れ上がった。

雨宮 雫 > 「んー、じゃあその子を借りていくのだね。
 好きな子っていうほどボク、その子ら良く分からないしね、まずはオトモダチから?

 そうだね、友達って便利だからね、多いに越した事、ないものね、けひひ。
 そんな釘を刺さなくても大丈夫なのだね?
 ボクは誰かれ構わず襲い掛かるようなキチガイじゃあないからね、ちゃんと弁えて大事にさせてもらうのだね、だね。」

遊ばれているワーカーの子に よろしくねぇ? と笑いかけながら

「じゃあボク、その子に案内してもらって、お暇するのだね。
 あ、この子の名前、なんだろうね?

 あと、何か     変な寒気もするから、とっとと行くのだね。」

どこからか、チリチリするような気配を感じたのか?
首筋を押さえて早く行こう、早く行こう、とワーカーの子を急く。

シェムハザ > ……くすくす
じゃあ、楽しいお話をどうも、ということね、お互い

ん、この子?
名前は……フェイ
ふふ、あなたの友達っていうんじゃ……仕方ないね、ほら、いっていいよ?

【フェイに雫の忠実な連絡員兼仮の部下として行動するよう指定する
きっと大抵のことは受け入れるだろう
彼女についていくよう促すと、すこし申し訳無さそうに雫に従うだろう】

……そうね、斬り殺されないうちに離れたほうがいいと思うわ?

【満足するような微笑
すごく嬉しそうに可愛く笑う

……壱耶が怒っているのがわかる
嫉妬だ
きっとこの場に来れないから、すごくハラハラしているのだろう……ああ、可愛い

などと思いながら雫とフェイを見送った】

雨宮 雫 > 「そうだね、またお話しようね、シェムハザ。
 斬り殺すって物騒だね、また。

 じゃあボクはとっとと逃げるように行くのだね。」

フェイ、フェイに向かって

「急いで行こうだね、ボクはまだ死にたくないからね。
 フェイ、これからよろしくなのだね?」

ほらほら、とフェイの背中を押してその場を後にする。
今度はちゃんと、屋上の出入り口から階段を使って、急ぎ足でそそくさと。

すぐに、階段を降りる音が遠ざかっていくだろう。

ご案内:「スラム」から雨宮 雫さんが去りました。
壱耶 > ずっと見ている。
ビルの物陰に隠れているつもりで、その気配だけは隠しようも無く。
雨宮とフェイが階段を下りて行くのをずっと眺めていた。

二人が居なくなったのを確認して。

「……う」
露骨に気配を膨れ上がらせていたのを今更気づく。
気まずい。
きっと、気付かれている。

シェムハザ > 【フェイは恭順とでも言うような態度で、深々と礼
仮面をつけているときはワーカーは基本的に必要以外で話すことはない
仮面を外せば、黒髪でやや気弱なおとなしい少女だ、きっと従順におずおずと従ってくれるだろう】

シェムハザ > ……くすくす
【微笑……壱耶が見てるに決まっている
気付く気付かないではなく、彼女は落第街での実践行動中には可能な限りこうなのだから

案の定、動揺している……どうしようもなく可愛い

シェムハザのワーカーは雫とともに行ってしまったので、ここには壱耶と彼女のワーカー、シェムハザしかいない

少し騒がしくしていたビルを離れ、壱耶のいるところへと飛ぶ
ワザと声をかけないでどんな態度に出るか……楽しみで仕方ない】

壱耶 > 「あ……あ……」
きょろきょろと明らかに挙動不審になる。

何時もの笑顔でこちらに跳んでくる。
どうしよう。
どうしよう。
隣に居るワーカーの子に振り返る。
お互い仮面だ。
そしてただこの場で一人感情が荒ぶっているのは壱耶だけで。
ワーカーの子はただ仮面をつけて佇んでいる。
でもその態度はどこか「また隊長の悪いクセが始まった」と言っているような気がして。
「むううううう」
一人仮面の下で唸る。

そんな事をしていれば。
もう、隣には姉様。
「……ごめんなさい」
結局また謝るのだった。

シェムハザ > ……くすくす、悪い子。

【そして隣のワーカーの子を抱き寄せる
そして、ワーカーは一切シェムハザや壱耶に逆らえないのを知っていておもむろに仮面をあげ、そのまま唇に唇を重ねる
つまり……………………意地悪だ】

ふふ…………壱耶、こうされたいんでしょう?

【壁ドン状態で唇を奪われたワーカーは、もちろん為す術もない
その反応まで主たちの思うがままにされるだけだ】

壱耶 > 「!~~~!!!」
声にならない声をあげて、ばたばたと指をさし、自分のワーカーと姉様を見る。

されたいのか、と言われると。
「ううう」
自分からされたい、なんて言えない子である。
ただまた泣きそうな声で唸るしか出来ない。
仮面の下から、自分のワーカーを羨ましそうに見ていた。

一方のワーカーの子は、当然無表情でされるがままのはずなのに。
ちらりと、壱耶を見て勝ち誇ったような顔をしたようにみえて。
「むううう」
更にまた唸る。
感情に任せてワーカーを斬り飛ばす事なんて出来ない。
ただ悔しそうに唸る。
それだけでどうされたいのか、一発である。

シェムハザ > 【こうした行為は、シェムハザはとにかく高圧的でわがままだ
しかも機械相手だ、遠慮がない

それもこれも壱耶の態度を見たいだけの行為なのだから】

ふふ……もう一仕事したいと思うんだけれど、壱耶が不満そうだから?
壱耶が嫌なら……今日はおしまいにしてもいいのよ?

【もちろんご褒美はなくなるけど、と付け足して
コレも意地悪だ

壱耶は何をしても可愛いのだ、私がそうデザインしたんだから
ただ立っているだけでも、拒否しても嫌がっても喜んでも可愛くなるように

彼女はそう言う機械だ
可愛いをデザインされた可愛いための可愛い機械なのだ、可愛く出来ない方法を持ち合わせていない
誰かの告白を断ったり、誰かを踏みつけとどめを刺したり、頭を吹き飛ばされても可愛い
正常でもネガティブな行為でも非人道的な行為でも壊れても誤動作してすらその一つ一つが全て可愛いのだから】

壱耶 > 「え……」
その声はこの世の終わりかと言うぐらいの声で。
ごほうびはなし。
ぶんぶんと首を振る。
小さな子が、いやいやとするように。

「私、頑張りますから……。ご褒美……ごほうび……」
くださいと言えない。

そして何を頑張るのかの認識は。
当然していない。
ただ、姉様の為に「」を【頑張る】。
彼女にとってはそれが全てである。

シェムハザ > ふふ……そう
じゃあ、なにを頑張るの?

それと、ご褒美はね……ちゃんとおねだりできたら、ね?

【その首筋に軽く手を滑らせ、欲しいと思ってるものを少しだけ与える
その上でAIに軽く負荷をかけ、感情を弄ぶ

「何を」というのは彼女はわからない
それをどんなふうな態度するのか……それが楽しみだ

ちゃんとできたら……異能者を狩りに行こう】

壱耶 > 首筋にかかる吐息と、指先。
少しだけ跳ね上がる感情。

「頑張る事……」
何を?

決まっている。

「お掃除です」
迷いも無く、言い切る。

切り替わった。

とはいえ、基本的な人格は元々の壱耶とほとんど変わらない。
戦闘時に不必要な部分を下に置き、必要な部分を上に置くだけ。
優先度の変更。
そこに居るのは前と後が逆転した壱耶。
常に後ろに居る彼女が。
常に前に出る彼女へ。
差し替わる。

「お掃除を頑張ったら、ごほうびがほしいです」
それでも切り替わり、逆転したとしても変わらないのは。
姉様。
それだけである。

シェムハザ > ……くすくす、よく出来ました
やっぱり壱耶は可愛いわね

【じゃあいいだろう……壱耶を伴って、ワーカーたちとともに裏路地へと進む

音も立てず、迷いなく建物へと入ると、あとは壱耶たちの出番だ
違反組織の連中……主に末端だが潰しといて越したことのない連中

そういうのを始末……正確には半殺しにし、異能を使うことを後悔させるのだ】

……ほら、壱耶、存分に遊んでらっしゃい?

【特に何も問題がなければ、壱耶に敵うはずなど無い連中だ
一人でうと付いている連中……特に雰囲気のあるタイプ
そういうのに比べればどうということもない……はずだ】

壱耶 > こくりと頷く。
「はい、行って参ります」
トン、と。
真っ直ぐに。
彼らへと歩み寄る。

『……?』
彼らは不審に思うだろう。
突然部屋に仮面を付けた少女がゆっくりとこちらへやってくる。
そして手には物騒なモノを持って。
『なん……?』
だ、とは続けられなかった。
めきり、と顎に柄がめり込む。
「すいません、お掃除、させてもらいます、ね」
申し訳なさそうな小さな可愛らしい声。
それとは真逆に顎を容赦なく砕き、戦意を喪失させる手口。
歪な侵入者は歪にその場を搔き乱す。
ピピッ、と顎を砕いた際の鮮血が仮面に飛ぶ。
「大丈夫です、殺しはしませんから―――」
存分に後悔して、苦しんでください。

彼らからは、歪み切った仮面が更に歪んで見えたかも知れない。

シェムハザ > ……ふふ

【可愛い壱耶の活躍をリンクし、モニタリングする
気持ちいいほどの動きだ、笑みが溢れる
シェムハザの感情が伝われば、余計キレが増すのだろう

……特にこうした室内接近戦において、壱耶は十分に優秀だ
もっとも、今は暗殺でなく「無力化」なのだが

なんにせよ、状況が限定されるほど壱耶は優秀である
不覚定要素は少ないほど、物事が把握しやすいほど、そうだ
となれば、集団戦の訓練を十分に受けていなかったり
対応をしっかり訓練されていないものなど相手にならない

もし問題があるとすれば、やはり異能者
それも手練や達人と言われるタイプ

壱耶は優秀だが、そのプログラムはそうした過去の集大成であり教科書通りなのだ
教科書は優秀ではあっても、それだけで奥伝にはならない
だからこうして、実際に研鑽を積む必要があるのだ
訓練では話にならない
壱耶のそれは殺人技のそれだ、訓練ではますます教科書的な行動に磨きがかかってしまう

そう言う意味ではまず、格下であっても取りこぼしをしないこと
コレは達成された

……そろそろ次の段階が必要ではある】

壱耶 > 最初に顎を砕かれ、その場に居る全員が凍りついた次の瞬間。
常に横に居るワーカーが壱耶に合わせる様に掃討射撃を行う。
彼女の名前は「アル」といった。
壱耶について最も長いワーカーだ。
さっきシェムにいじわるの為に弄られていた子である。

掃討射撃、といっても実弾は使われていない。
模擬弾である。
壱耶のセルは極力殺傷力を抑え、それでいて戦意を喪失させる、そういった武装に特化させていた。
これは最も最初に交戦を想定されており、【一番最初の危険度を計る秤としての捨て石】でもある。
壱耶も実刀ではあるが、状況が限定されれば、抜く必要すらない。
ただただ柄、鞘での打撃。
相手の顔、顎を砕き、骨を砕く。
視覚ではなく。
音に彼女は重きを置いた。

ただただ潰していく。
小さな身体だが、それでも確かに彼女は破壊者であった。

一人が拳銃を壱耶に向けた。
もはや己の異能すら使うのを忘れて。
確かに放たれたそれは。
壱耶の何気ない首の動きだけで避けられる。
余波すら計算に入れた首の動き。
「ごめんなさい、もうそういうのは」
覚えたから。
と本当に申し訳なさそうな声で。

アレに比べれば石ころが飛んできたのと同じだ。
そう、壱耶は思った。

シェムハザ > ……なるほど

【まあ、ある意味では優秀だが、模擬弾となると風紀に近い手口だ
もっとも、やっていることもさして変わりはないので、そういったところではむしろ本当に風紀委員にしてしまう方法もあるが
……さて

模擬弾とは別に火力装備は揃えているのだろうか?
今回のような場所だけであればそれで構わないが、壱耶は無理に突っ込みすぎる癖がある
つまり、火力不足で明らかに戦う理由がなく、ほぼ引くしかない状態でもつっかかっていってしまいがちなのだ
その辺の判断がまだ甘く、成長度合いに関してはまだ油断できない

もっとも……格下相手には絶大に強い
恐怖を与える戦い方も身につけ始めているようだった
もはや取りこぼすようなこともないだろう】

……ふふ、よく出来ました、壱耶
さて、それじゃ行きましょうか?

この気配を嗅ぎつけてくる誰かがいないのであれば、ここに用はないわ

【そう、荒事の気配を察知してくる誰かがいないのであればコレは掃討戦だ
成すべきことをして去るだけである】

壱耶 > 火力装備はあるものの、半分に火力、半分に模擬弾を振り分けて編成している。
極力【無力化】を最優先と考えているのだ。
恐怖を植えつける事に重きを置いている分、達人などとの戦闘となると火力チームを連れてこなかった場合、ほぼほぼシェムハザの想定通りの結果となる。
対応できるのが壱耶のみであり、壱耶ですらまだ奥伝にすら達しておらず、全滅は必至である。
その辺りは壱耶の甘さだと言えた。

全ての銃弾を避けながら前進する。
弾の切れた拳銃を放り投げ、小さな悲鳴を上げ、下がろうとした、その脚を思い切り砕く。

今のが最後。
見渡せば、そこに広がるのは数多くの呻き声。
アルに指示を送りクリアリングを済ませる。
と同時にシェムハザからの通信。
「はい……シェム姉様」

アルに撤退の指示を出し、先に行かせた後、壱耶もその場を後にしようとするだろう。

シェムハザ > 【全て終わったのであれば問題ない、特に何事も無くその場を撤退する
その場の情報はフェイに送られ、あとは雨宮が契約のとおりならどうにかするだろう】


……それじゃ、ご褒美をあげないとね?

【撤退後、誰もいない廃ビルの中。
誰にも邪魔されないそう言う場所

壱耶は優秀だが、そうであるがゆえに疑問がない
そのため余裕のないまま常に前掛かりであり、それが弱さでもある
ただ、格下相手には逆に効果的でありそれがいい結果をもたらしているとも言える

だからこそシェムハザは彼女を捨て置けない
前回みたく簡単に吹っ飛ばされる可能性がまだ高いからだ】

でもね、壱耶?
あなたは優秀で可愛いけど、突っ込みすぎて脆くてすぐ壊れちゃうわ?
くすくす、アレで何度目? バージョン上がっちゃったからもう覚えてないわよね?
玄人相手にアレで3度め、さっきの拳銃みたいな素人による不慮の事故を避けきれず4回
相手の戦力を見誤って伏兵に頭を吹っ飛ばされること2回

……いい加減新しいことも覚えなさい?
頭を吹っ飛ばされてガクガク震えるあなたも可愛いんだけどね?

【抱き寄せ、その首筋に舌を這わせる
耳を食み、吐息がかかるようにささやく

壱耶はこういったところで、別に戦闘を覚えない
戦闘でダメージを受けたりなどして対処法を覚えない限りは

だから、ただただコレはシェムハザの意地悪だった
放っておけば、壱耶が立てなくなるまで続けられるだろう

シェムハザによる戦闘後のシステムチェック……という名の愛撫で意識が飛び
気がついた時には何事もなかったように家で寝ているはずだ】

壱耶 > 全てが終わり。
待ち望んだご褒美。
アルや他のワーカー達には解散を伝えてある。
皆、各々の表へと戻って行っただろう。

二人きりになった甘いその時間にただ身を震わせる。

「ひっ……ぁ……ごめんなさい……」
喘ぎと謝罪。
シェムハザが考えている通り、言われた所で正確に学習する訳ではない。
身に刻まれて初めて彼女は学習する。
だから謝る。
「あ、ぅ……姉様、それ」
もっと、と懇願し。
「んんっ……!」

少しだけ大きな声を上げようとして堪えた所で。
電池が切れたように気を失った。

シェムハザ > ふふ……やっぱり可愛いわ、壱耶

【落ちれば中身が切り替わるだろう
……それはそれで可愛いのが壱耶のいいところだ

特にどうという感じを見せないのを知っていて唇を奪い
うなじを優しくなぞってやる

感触は理解するだろうしそう言う反応もするだろうが、彼女にはそういった感情の機微はない戦闘機械だ
そう言う戦闘機械にこういったことをするのも意地悪なのだが】

……さて、じゃあ、帰りましょうか、壱耶
もう一人のあなたを安心させてあげないと

【優しく耳元でささやくと、最後に耳元にキスをふらせ、そっと体を離した

少女たちは、事実を知らないままこういった行為を行っている
全ては設定された通り、異能者を安全に管理するために

そうしてシェムハザが帰途につくと、壱耶もまたそれに従うのだろう】

壱耶 > 「ん……」
ぼんやりと目を覚まし。
「あ……ごめんなさい。私」
イマイチ状況は理解出来てない。
が、近くに姉様がいて、帰ろうといっている。
「はい……シェム姉様」
はにかむと、姉様の後ろに付く。
もう、覚えてない。
そして自分につく血も。
認識出来ていない。
ただの汚れとしか思っていないのだろう。

そのまま、付き従い揃ってその場を後にした。

ご案内:「スラム」から壱耶さんが去りました。
ご案内:「スラム」からシェムハザさんが去りました。