2015/07/28 のログ
ご案内:「スラム」に壱耶さんが現れました。
壱耶 > スラム。
周りに誰も居ない。
何も無い。
あるのはドラム缶やらよく分からない残骸やら。
そんな所で一人ぽつんと。
暗闇の中座っている。

コトは済んでいて。
もうワーカーの子達は解散させている。
居るのは一人だけ。
ぼんやりと視点の定まらない瞳。
ただ其処で彼女はぼんやりと。
うとうととしている。
勿論、そう、プログラムされているだけなのではある。
それでも彼女は静かな場所でぼんやり、うとうとする事を好んだ。
元々引っ込み思案なので五月蠅いトコロなどは行きたがらない。

こういう所を好んでいた。

壱耶 > 若干服が汚れたものの。
首尾は上々であり、とりあえずこれなら姉様に怒られないかな……。
とその胡乱な思考で考えている。
褒められる、と考えれない辺りが相当にネガティブ思考である。

「あーうー……」
でも褒めては欲しい。
唸る。

場所的には特に奥まった場所、と言う訳でも無く。
ちらちらと人は通るものの、関わろうという者は今の所居ない。
傍らに置いてある刀がいかにも物騒そうであるし。

何より美人局とかそういう可能性がありすぎるぐらいこの場に不釣り合いな姿である。

ちらちらと実は好奇の目で見られているのに気づいていないだけであり、実は相当に目立っていた。
周りが妙に静かなのと、胡乱になっているせいである。

壱耶 > そして。

一人でそうしたがる癖に。
上手くうとうと出来ない(?)と、途端に寂しがるのである。
そうなっているのは明らかに周りの視線なのであるがまだ気付けてなかった。
「もう、アルも帰しちゃったし……」
最も長い付き合いであるワーカーの子の名前を呟く。
唸る。
うとうと出来ないのはしょうがない。
そこでやっと周りの視線に気づく。
「……」
すっと立ち上がり。

つかつかとその場を離れように歩く。
「うう……」
顔を紅潮させて速度を上げて行く。

壱耶 > 近くに誰も居なくなったのを確認して。

ふう、と息を吐く。
あまり目立たない場所へと場所を移すが。
「……もうそんな場合じゃないし……」
さっさと帰るべきでは。
そんな思考すら脳裏をよぎる。

壱耶 > はあ、と再度息を吐く。
完全に失敗である。
これを知られていると何か、またこう怒られそうだ。

そして怒られている姿を少しだけ想像して。
それもいいかもと思う辺りももうダメなのである。
どうせなら褒められたい、でも苛められてもいい。
「……えへへ」
少しだけはにかむ。
結局何をされても喜んでいるのである。

すとん、とその場に適当に腰掛ける。
そして目につく服の汚れ。
「……」

少しだけ、切り替わる。
もう少し、上手くやれなかっただろうか。
損害はほぼ無し。
若干の抵抗あり。
被弾は壱耶のみ。
本体へのダメージは現状チェックでは皆無。
ワーカーへの被害はなし。
使用弾数は極少量。
「……ん」
少し声を上げる。
結論はセルリーダーである己の成長度合いが低いと判断する。
前線に出る故に仕方がない事である。
しかしこのままでは。
何時まで経っても。

ご案内:「スラム」にミウさんが現れました。
ミウ > ここは落第街、スラム。
そんな場所に似つかわしくない少女が突然、空間転移してくる。
白い翼を生やし、白いワンピースを着た少女ミウだ。
ミウが転移した時、風で白き羽毛が辺りに舞った。
気紛れでスラムに来てみたけど、特に用があるわけでもない。

そんな時、一人の少女を目にする。
暗い目の青い髪をポニーテールにしている少女だ。
服が汚れているみたいだが、何かあったのだろうか。

少しはにかむ彼女を見て、声をかける。
「何か良い事でもあったの?」

壱耶 > 単に己の行動を思考システムの中で回想しているに過ぎない。
彼女の成長とは。
結局実データの蒐集にある。
壊れれば壊れるほど。
彼女は強くなれる。

思考した【つもり】になっているだけで結局それでは彼女は全く成長をしない。
思考と言う名の回想が終わり。
「もっと、頑張らないと」
姉様に嫌われる。
口に出して。
ぶるっと肩を抱く。

そこへ―――。
「……ぇ?」
消え入りそうな小さい声を。
目の前に来た侵入者へと上げた。

気付かなかったのではない。
感は無かった。
突然その場に現れたミウを少しだけ見る。

ミウ > はにかんだ理由は良い事があったのではなく、良い事を考えていたからだろうか?
どうやら目の前の少女は、もっと頑張るという決意をしたようだ。
そして、こちらの存在に気付き、声を上げる。
その声は、とても小さなものだった。

「服が随分と汚れているようだけど、何かあったのかしら?」
微笑みながら、そう質問してみる。
ここはスラムであるが故に、事件にでも巻き込まれてしまったのだろうか。

壱耶 > 「ぇ……これは……その」
おどおどと、自分より小さなその少女に向けてぱくぱくと口を動かす。

表の彼女はこんな調子で。
基本的に人見知りである。
「私……が、弱い、からです」
十分におどおどとした後、それだけを呟く。
これもまた、しっかりと聞き耳を立てて居なければ、期越えれ無さそうな声である。

ミウ > おどおどした態度を見せる少女。
人見知りなのかな?
人間、欠点の一つや二つぐらいあるものだろう。
彼女がアンドロイドという事は、ミウは気づいていない。

少女は口を開くが、その声は小さかった。
下手をすれば、聞き逃したかもしれない。
聞こえた言葉は『弱いから』。
確かに弱ければ、このスラムで事件に巻き込まれた時、痛い目にあう可能性はあるかな?
「弱いと、何か問題でもあるの?」
きょとんと首を傾げて、そう質問する。

少女はおどおどしているようだし、まずは自己紹介でもしておこう。
「わたしはミウよ。
 あなたは?」
そして相手にも自己紹介を求める。

壱耶 > 「ょ……」
ぼそぼそと。
顔を紅潮させる。
「弱いと、姉様に嫌われちゃうから」
だからもっと強く、ならないと。
もっと頼りになるようになって。
もっと役に立ちたい。
もっと褒めてもらいたい。
今のままでは、駄目なのだ。
そう、回想をし。
「ぁ……いちや、です」
名前を言い。
「ミウさん……?」
名前を鸚鵡返しに呼んだ。

ミウ > 顔を紅潮させる少女。
弱いから服が汚れてしまった。
そして、弱いと姉から嫌われる。
つまり、姉のために戦闘でもしているのかな?
あくまで推測なので、外れているかもしれない。

「姉の事が大切なのね。
 その姉はどんな人なのかしら?」
慕われる姉というのにも興味がある。

「いちやちゃんね。
 そうよ、わたしはミウ。
 よろしくね」
優しく微笑みながら、握手しようといちやちゃんに手を伸ばす。

壱耶 > 「よろ……しく」
おずおずと手を伸ばし、握手しようとするだろう。

そしてその質問にぱあ、と少しだけ顔を明るくして。
「姉様は、とっても偉くて」
声が少しだけ大きく、普通にしてても聞こえるぐらいになる。
「何時も綺麗で、何時も凄くて」
熱に浮かされているのでは、と言わんばかりに言葉が続く。
実際には極度の緊張と姉様への賛辞で熱暴走しかけている。

「―――とにかく、私の大事な姉様なんです」
とたっぷり五分ほどは語っていただろう。

ミウ > いちやちゃんとがっしり握手。
その手の温もりを感じ取った。

おどおどしていたいちやちゃんだが、明るい表情になった。
今度ははっきりと聞き取れる。
それは、いちやちゃんの姉を賛美する言葉だった。
よほど、姉の事が好きなのだろう。

──なんと、五分も姉の事を語っていた。
柔らかく微笑みながら聞いていたが、
最後の方、もうなんて言っていたか……ちゃんと記憶しているか怪しい。
だがとにかく、いちやちゃんが姉の事を何よりも大切だという事は十分すぎるぐらいに伝わった。
「あなたにそれ程までに想ってもらえる姉なのだから、とても素敵なのでしょうね。
 姉の事を語っているあなたの表情も、とても良いものだったわ。
 そんな姉のために、あなたは強くあろうとするのね。
 素晴らしき姉妹の関係だわ」

壱耶 > 「そう、だといいんですけど」
少しだけ慣れたのか、はにかみながら、最初よりかは聞こえるような声になった。

「だから、私はもっと。強くなりたいんです……」
再確認するように。
「……あ」
そしてまた顔を紅潮させ。
「ごめんなさい、私のこと、ばかりで」

どちらかと言うと姉様の事ばかりではあったが。
ずっと聞いてもらっているミウに申し訳ない、と思ったのか。
また少しだけおどおどとした。
彼女の仕草はいちいち対峙した者の感情に何らかの印象を与える。
【異能】故、またプログラム故。
小動物めいた動きであった。

ミウ > 先程よりかは声が大きい。
人見知りのようだが、話していくうちに慣れてきたのだろう。

「もっと強く……ね。
 あなたがそう願い、鍛え続ければ、きっと強くなっていくはずだわ。
 わたしも、姉を想うあなたが強くなる事を応援しているわね。
 ただ、無茶はしないようにする事ね」
笑顔で、そう優しく言う。

顔を紅潮させるいちやちゃん。
そんな人見知りな彼女は、小動物じみていてとても可愛らしい。
「いいのよ。
 あなたの、とても素敵な話が聞けたもの」
姉の事ばかりだった気もするけど──。

壱耶 > 「ごめんなさい」
口癖なのだろう、ありがとうではなくすぐごめんなさい、が出るようである。
「はい……がんばり、ます」

彼女が成長し、頑張ると言う事は。
限界一杯の経験を積み。
そして壊される事ではあるものの。
【今の】彼女にはそれを知覚は出来ない。

「そういえば、ミウさん、はどうやってここへ?突然、現れた気が、して」
さっきは突然現れたようにしか見えなかった。
疑問に思って着く。

ミウ > すぐ謝ってしまう癖があるのかな?
確かに謙虚なのは美徳であるし、否定する事もないだろうけど……。
「別に謝る事でもないわよ。
 おどおどとした姿も確かに小動物みたいで可愛らしいと思うけれど、
 あなたはもっと、堂々としていてもいいかもしれないわね。
 そうね、例えば何事にも、もっと自信を持ってみるのはいかがかしら?
 自分は弱いのではなく、逆に強いと思ってみたりね」
言い終えてからウインク。
こちらは、かなり堂々とした態度で語ってみせる。
自分が強い、という自己暗示も大切だ。
もちろん、油断に繋がらない程度ではあるけど。

「ここに突然来たのは、わたしの能力によるものなのよ」
そして人差し指を立て──。
「わたしは神よ」
笑顔でそう言ってのける。
「その神の能力を使ったというわけね」
そして実際に、先程の空間移動を使って、一瞬にしてその場から消える。
そしてミウが出現した場所は、少し離れたドラム缶の上だった。
その時に、風で白い翼から白き羽毛が舞う。
「こういった感じにね」

壱耶 > 「神……さま?」
舞う羽。
それは確かに幻想的な光景であった。
明らかな異なる能力。

どくん、と少しだけ高鳴る。
それは表であったか、もう一つのものであったか。
今の壱耶には判断はつかない。
「あ……」
少しだけ声を上げて。
「凄い、ですね」
動悸が速くなる。
かわれ、と言われている気がする。
首を振る。
なかよく、なれたから。
ぱり、と頭が少しだけ反発を起こして。
「羽、綺麗です」
―――。
持ち直した。

ミウ > ……?
少しだけ声を上げるいちやちゃん。
そして首を振る動作。
その動作の意味は分からず、ただ首を傾げるしかなかった。

「ありがとう」
羽が綺麗と言われたので、翼を広げながら笑顔でお礼を言う。
そしてゆったりとした仕草で、ドラム缶から飛び降りた。
「羽を褒められるのは、嬉しいものね。
 でも、場所によっては羽毛が散って大変になる事もあるのよね」
翼を持つ者も悩みはある。

壱耶 > 「そう、ですね。羽とかお掃除、大変、です」
私は、今一体、何に抗ったんだろう。
今は何も無い。
さっきのぱり、と頭に響いたのは何だったのか。

何もわからない。

/わかっているのは私だけ/

にこ、と笑って。
「そろそろ、行きますね。行かないと―――」

/私が貴方に/

「姉様に怒られちゃう」

/壊されに行くから/

えへへ、とはにかむ。
怒られるのすら満更でも無い、そんな顔をして。
思えば、先ほどミウが見たのはこの顔であった。

ミウ > いちやちゃんの中で何が起きているのか。
彼女が今、何に抗っているのか。
彼女の頭に、一体何が響いたのか。
それらを知る術は、ミウにはない。

いちやちゃんは再びはにかむ。
姉の事でも思い返しているのだろうか。
あるいは、他に楽しい事でも考えているのだろうか。

「行くのね。
 またね、いちやちゃん」
優雅な微笑みで手を振った。

姉に怒られる……ね。
姉は結構怖い人なのかな?
でも、いちやちゃんが大切に思っているぐらいだから、きっと優しい人なのだろう。

いちやちゃんを見送ったあと、ミウは空間転移でその場から消える。
その時に再び、羽根が辺りに散った。

壱耶 > 消えて行くミウが居た位置を見つめ。

「はい、また、です。……ごめんなさい」
その謝罪は何だったか。
何にあててだったのか。


/次は/

ゆっくりとその場を動く前に。
髪留めを触る。
位置をちゃんとして。

/―――/

彼女もその場を後にした。

ご案内:「スラム」からミウさんが去りました。
ご案内:「スラム」から壱耶さんが去りました。