2015/09/26 のログ
飛銀・エインズワース > 「……これはまた、歪なものを」

直視した心は、歪に押し込められた殺意。
敵意も悪意もない純然で重い殺意の”線”、その密度は凄まじいものだ。
マトモで人間臭い感情が殺意の”線”を確かに縛り上げていて、それが余計に痛々しい。

「その在り方が、君の納得する落とし所か」

極度のエロトフォノフィリアを患いながら、人間臭い感情を捨てることが出来なかった。
……痛々しい、と思う。

「……”これ”が見えようとも、何が見えようとも、結局自分が見ているものは自分の望んだもの、か」

飛銀に”ここ”から移動するという選択肢は無い。
そう考える心は既に切り取られて、見目の悪い瘡蓋として残るのみ。
……例えそうだとしても、戦うのは自分の意志、そこに言い訳を挟む気は無い。
その思考が誘導されたものだとしても。

白椿 > 其方はそう言う娘であるからの
己が粛清される立場になるかも知れぬというのに呑気なものだの
ま、最低限の分別はあるからして、それは良いのであるが、難儀だの

いっそ犯罪側に回ったほうが楽であろうに、わざわざ軋轢のかかる側に立っておる故に
手段が目的化しておるからの
わかってしまえば付き合いやすいとも思うが、そうでないものは戸惑うであろうの?

(ある意味、薙の素直で直接的であり裏表のない性格は読みやすい
ただそれがわからない相手はおそらく混乱するであろうし惑わすことを繰り返すのだろうとも思う)

ま、そういうことであるが、立場で考えておるのかや?
心の持ちようや高さ広さでも変わると思うがの

もし可能なら捨てるか捨てないかで捨てないことを選ぶのであれば、面倒であることは仕方ないであろ
捨てたいのであればまた葛藤もひとしおであるが、そうではないのではないかえ?

(ふふ、と面白そうなものを見るというより、飛銀には気分が少し落ち着くようであろうスタンスで話す
異能ではなくともそのような反応の話術や所作を取るだけでも違うはず)

竜胆 薙 > 「……人間誰しも自らを理性で縛り付けているもの。
 大小や多少の方向性の違いはあるかもしれませんけど」

感情を見られたことを承知でそう口にした


「私は粛清はされませんよ。
 自発的に獲物を殺す猟犬が、警察機構を担う組織には必要ですから。
 ……そちらへの応えは、私が悪人を嫌いだから、とでも答えておきます」
狐からは視線を外しつつそう返す

飛銀・エインズワース > 「……それでも、それほどまでに感情を圧縮させて縛りつけた人間は初めて見たのだよ。
 素晴らしい、とも思う」

__同時に、圧縮された殺意が解放されたらどうなるのか、恐ろしくも思う。

「……どちらにせよ、その殺意を向ける相手を間違えないことだ」

マルトクに配備されるほどの実力者は、確かに風紀には必要な人材だ。
しかし風紀に仇為すのなら誰であろうと地の果てまで追いかけ粛清する、それだけの力も風紀にはある。
竜胆の選ぶ道は綱渡りだが、落ちない限りは彼女は必要とされるだろう。


「今更……この力を捨てることは出来ないからね、潰れるまで必死で戦う道を選ぶよ」

穏やかな顔でフッと笑う。
狐の仕草がこちらをリラックスさせようとする仕草なのは解る、異能を一切使っていないことも。
気分はかなり落ち着いてきた、何時もの不安も今だけは感じられない。

竜胆 薙 > 「お褒めの言葉として受け取っておきます」
ぺこり、と風紀委員の先達へ小さく頭を下げる

「私も人間である以上、絶対に間違えないと断言することはできません。
 迷った時には頼りになる先輩方へ判断を仰ぎますので、ご心配なく」
にっこりと微笑みかける
これも、少女の嘘偽りない言葉、その姿の一部
よって少女は素直であり、嘯かない

白椿 > わかっておらぬの
其方、用済みになれば真っ先に切られる立場だというておる
殺人風紀など組織としての立場がまずくなった際、人身御供に差し出すにはもってこいであろ?

鎖がついておるのでかろうじて愛でるのに良い、見目麗しい狂犬ではないかえ?

それと、独善は悪ぞ
特に、己を悪と解せぬものは悪の中の悪であり、歯止めが効かぬ最悪となるであろ
であるにもかかわらず、場合によっては法では裁けぬ悪になることも少なく無いであるからの

風紀の何処にも職権を濫用して殺人を行って良いということは書かれてないであろうよ
其方のそれは既成事実のための方便であるからしてゆめゆめ覚えておくが良い

自らが嫌いな悪にならぬためにの

(狐はそれでいて、薙の事自体が悪いとは言っていない
注意しないといつか突き落とされて溺れるぞ、と言っているだけである
特に手段が目的化している今は尚更)

……であるなら、憩いの枝を作るべきだの
羽を休める時も必要であろ?
走っているときは問題ないであろうがの、ふとしたはずみでそうなることもある故な?

して其方、難しい顔をしていないほうが良い見目であるの

(付き合う道を模索するのであれば、人生は一人で過ごすものではない、と、そういうことだ
飛銀が柔らかい表情を見せればそのほうが良いと褒めて)

竜胆 薙 > 「世の中の見方は人それぞれ…。独善と見るも唯一善と見るも人次第ですよ、狐さん。
 今の風紀委員自体が温すぎるのですよ、ですからそういう見方をされることになる……」

抱えていた太刀でコツコツと地面を叩く

「私を不要と斬り捨てるような風紀に正義はありません。
 もしそうであれば、正しくあるべき警察機構の姿に戻さなければ」

飛銀・エインズワース > 「……上から注意されれば、君は素直に聞くのだろうね」

竜胆の言葉に嘘偽りは無い、その素直さは好ましいが、同時に危なっかしいとも思う。
狐の言葉通り、彼女は尻尾として切り捨てるにはもってこいの存在だ。
いざとなれば”上”は躊躇しない、風紀にも後ろ暗い部分はいくらでもあるのだから。

「そういう捉え方は反感を受けやすい、思うのは勝手だが、あまり表に出さないほうがいい」


「羽休めか……自分なりにストレスの解消方法を模索しているけど、それを他人に見出だすのはどうにも気が引けてね。
 最低限こうして見た目を整えてはいるが、人に第一印象で嫌われない以上の意義は無いさ」

根本的に、飛銀は他人を信用出来ない。
何度も周囲に嫌われた心の傷もあるが、それ以上に相手がこちらをどう思っているのか見えてしまうのも大きい。
結局、何も思わないモノにしか心を預けられないのだ。

竜胆 薙 > 「上からの言葉に私が納得する正義があれば…ですけれどね。
 どうも、今の風紀委員という組織には自浄作用が足りていないようですから、
 上層部が全て正義の為に委員会に在籍しているとは私は思っていませんよ、先輩」
笑みを浮かべたままにそう応え、太刀を抱えなおす

「反感を恐れていては正すこともできません。
 事実、資料を眺めるだけでも風紀委員に相応しくない人間が多く散見される。
 飛銀先輩もそれは知っているのでは…?」

白椿 > おそらく飛銀と我の思惑は一致しておると思うであるぞ、娘。
そも、其方は人を切り捨てることが悪いと思っておらぬのであろ

悪いに決まっておるであろ
本来悪人であろうと誰であろうと独断で斬首にて断罪して良いものではないからの

ま、其方の主張は、其方が断裁される立場から出発する理であるからの
それがない内は我儘というやつであるの
要は「己が気に入らないから許さぬ」であろ?
で、そうは思うておるが、角が立つので他人の面子を立てることで事なきを得る
というのが其方のやり方であるからの
その事なきを得るための誰かがいなくなった時が其方の堕ちる時であるの
役に立っておる内は誰かが保護してくれるであろうぞ

であるからして注意せよというておる
其方は人の道から外れたことを好んでおるからの
正義で言うのであればその方は悪ぞ
単に断裁される立ち位置に居らぬに過ぎぬ

悪を持って悪を制すのが其方の基本であるからの
それは正義ではなかろ?

(薙が人間性のある関係を失った時、基準をなくし何処か行ってしまうのだろうな、と思う
気を払ってくれる誰かがいるおかげで成り立っている危うい間柄である
その歯止めがなくなった時、取り返しの付かない暴走をしてしまうことになるだろう)

見出さずとも作れば良い
其方、自分を軽く偽る、もしくは他人を気持ちよくするすべを知らぬの?
それだけの力が有るのであるなら、そういったことも出来るのであろ?

そのようなこと気が引けるというのであれば、間違いであるの。
皆多かれ少なかれやっておる普通のことでしか無いではないかえ?

もっと堂々とすれば良い、しゃきっとすりゃれ?
戦うのであろ? もっと普通のことと思えば良いではないか。
其方の場合、それが個人的な珍しい部分が多い故、他人と比べにくいだけであろ

ま、我にはわからぬことであるからの、好き放題云うておるだけであるがの。

(飛銀のそれは別にそれは特別ではないことだと、コミュニケーションとして多かれ少なかれ皆やってることだし
それがちょっと特殊だから、他人と同じような感覚で受けにくいだけだと
そんなあっさりと、ことをいう狐)

竜胆 薙 > 「思っていませんよ。私は法の番人ではありませんから。
 むしろ、害虫を駆除するのと何が違うんです?」
じ、と黒い瞳が狐を見据える

「世話焼きも結構ですが、
 そもそも落第街の住人の言葉に惑わされる耳は持ちませんので、悪しからず」

飛銀・エインズワース > 「……確かに、風紀の上層部には後ろ暗い理由で所属人間もいる。
 犯罪紛いの実験を繰り返す研究所からモルモットをもらって、データを取る対価に大金を受け取っている人間もいる。
 ……そんな組織に入ったんだ、その悪意が自身に向けられる可能性はいくらでもある。」

二重の実感のこもった言葉。
風紀というのは民衆が思うほどクリーンな組織ではないし、公安よりも汚い手段を取ったこともある。
その悪意が自分の知り合いに目をつけ、絡め捕られるのは御免だ。

「確かに風紀の強権を目的として所属するサボリもいるが……そういう連中は君以外も疎ましく思っている。
 そのうちハブられて痛い目を見るさ」

何処か幼子のように欠けている後輩に諭すように。

「虫にも一寸の魂というだろう、それを知らないままに斬り捨てれば、いつか酷い目に逢うのだよ」

白椿 > 強行的な内部粛清を言い出す組織は、惨事になるか歴史的悲劇になると決まっておる
確実にそう言う性質の組織になるからの

出来上がるのはいわゆる極右の過激派テロ組織か内部分裂した壊れた組織であるの

害虫と考えておる時点で理が壊れておるよ、人は過ちを生む生き物であるからの
其方の言い分であればつまり人類は疑わしく全て滅する必要があるであろ、其方も含めて、の?

無論、まず其方から死んで証明してみせる必要があるのではないかえ?
其方だけが特別間違いをおかさないわけではないからの、それを言い出すのであればまず自らで試すべきであろ

して其方の望みはそういったことにあるようには思えぬのだがの。
何かしらずれてきてないかえ?

(手段が目的化してるので、やっていることがおかしくなっている、と
別にそれならそれで咎める気はないが、まあ、その主張を個人的な問題でなく声高に言い出すとおかしくなると)

飛銀・エインズワース > 狐のいけしゃあしゃあとした、さっぱりとした言葉には好感が持てる。
人を惑わすような態度をとっているが……言葉に関しては、わりと思った通りのことを言うのかもしれない。

「確かにその通り、正論なのだよ。
 ……正論だからといって、腑に落ちる訳ではないけれど。
 君のように老成すれば、そのうち納得できるのだろうね」

竜胆 薙 > 「私が今の風紀委員に身を置いているのは、自らが自浄作用となる意思もあってのことですよ。
 …そのうち、というのんびりとした話は私は好きではありませんので」
そう、すぐにでも行動を起こす
否、すでに起こしている
笑顔を向けてはいるものの、その中身はやはり暗い

「私が考える正義の中で生きているのですから、私が悪になり得るわけがないじゃないですか。
 それを独善と呼ぶかどうかは、人次第ですけど」
狐にはくすくすと笑う

白椿 > そういうとこであろ
納得などせずとも良い、どうせ当り障りのない他人事だから言えることでもあるからの?
それに、そこにあるものはそこにあるだけであろ、納得するせざるにかかわらず。

……真面目すぎるの、つまり善い人であるのだな、其方。
もう少し不真面目になるが良いぞ
いい加減で良いのだ、いい加減で、我が違うとすれば、大雑把さであるの
世の中、灰色で良いことも多いのだぞ?
案外放置することも待つことも必要であるからの

別にこの娘のこととて論破する気なぞない
それはそれで構わぬが、己のなしていることに気付いて居らなんだ故
転ばぬ前に一言加えておるだけに過ぎぬ

(飛銀に正論、と言われれば別にそういうもんでもないだろうと
話半分に聞いておけばいいのであって、困ったときに運よく役に立てば良い程度だ
このような話など役に立つことのほうが珍しいのだ)

白椿 > うむ、まごうことなき独善であろ
個人的に思うておるばかりで他に賛同を得ずとも良いのであろ?
そもそもそう言うところはさして求めておらぬのであろ?
己が信じてさえおれば他人はどうなっても構わぬのであろ?

他人の利害や立場を考えず己だけが正しいと考えるのはそれは独善である故の?
其方だけが特別ということはないであるからして選民主義も誘発しておるのかえ?

ま、恐怖主義と言うのはあまり勧められぬの
其方はまあ、刀を振るう理由ができて満足であろうが、世の中はそう出来て居らなんだ故の

(笑顔で話す薙に、ま、そりゃそうでしょ、というような調子で
そんなもんだと)

飛銀・エインズワース > 「……強情なのだね」

狐とのやりとりからして、どうも自分の信念というものを曲げられない性質らしい。
だからこそここまで殺意を抑えられたのだろうが、その性質は一歩間違えればあまりにも危険だ。


「不真面目、か」

「不真面目になるというのは案外才能が必要なのだよ__私はいい加減になるのは苦手でね。
 私は異能が異能だからね、どうしても肩肘張ってしまうし、そういう態度を取らなければ周りに警戒される。
 ……せいぜい、こうして助言を聞いたりストレスの解消方法を試したりするぐらいしかやることがないのだよ」

しおれた花のような、疲れた顔。
どうしても”いい子”であれという意識が染み付いているせいか、大雑把に不真面目に捉えるというのは苦手だ。

竜胆 薙 > 「私の中では独善には当たりません」
にっこりとした笑みを向けて狐には一言だけを返す


「自分を自分として律するには大事なことですよ先輩。
 落第街の狐の言葉程度に揺らがされるような薄弱な意思で風紀として動いているつもりもありません」

白椿 > 良い良い
そんなものであろ

それに、才能などあまり関係ないであるからの
好みはあるとは思うし、運はあるかも知れぬが物事は案外いい加減であることが多いからの
それ故無理に枠に当てはめなくても良い

あまり気にせずとも良いのだ
放っておいても気にするのであるなら、尚更気にせずともよいであろ
必要なことは気にするのであるからの

(淡々と、気持ちの良い抑揚で話す狐
飛銀にはもっと気楽にしろという、狭くなるから決めるなと)


ま、そこを受け入れてしまえば折れてしまうであるからの
もっとも、普通はそう言う我と同じような答えになると思うであるが
そうでない場合は其方と同じような社会不適合者ということであるな

(風紀である薙に向かってこれをいう神経も余程だが、まあどうせ聞き流すだろう
聞く耳持たなくても良いと考えてるのであろうから)

しかし年頃であろうにうら若き乙女が勿体無いことであるの

竜胆 薙 > 「こういったことに言及する貴女も随分と変わり者です。
 ……年頃?色恋沙汰にでも興じろと言うつもりではないですよね?」

少し怪訝そうな顔を狐へと向ける

飛銀・エインズワース > 「……君の強情は度が過ぎる、いつ飼い主に噛みつくかわかったものじゃない。
 ここで牙を振るうなら上は何も言わないだろうが……その牙を表で不用意に振るわないように、注意はしたのだよ」

竜胆は聞く耳を持たないだろうが、最低限注意しておくポーズは取っておく。
もし注意を破ったのなら……そのときはそのときだ。


「そうかね、それならあまり考えないようにしておくよ、必要になれば気にするのだろう?」

狐の仕草もあって、飛銀にしては気楽に話せている。
その能力には羨望を抱くが、深くは考えない、考えないようにする。

「さて、私はそろそろ帰るのだよ、心配はするだけ無駄だと思うが……二人とも気をつけて、なのだよ」

それだけ言うと、異能によるステルスを作動させ、姿を消す。
……狐にはパルクールの要領で周囲の建物を駆け上がる姿が見えるだろうか。
帰るとはいったが、完全にサビ残する気満々であった。

ご案内:「スラム」から飛銀・エインズワースさんが去りました。
竜胆 薙 > 「尻尾は振りませんが噛みつくつもりもありませんよ。
 不甲斐ない飼い主ならば変えていかねばならないというだけのことです…では」

姿を消した先輩へ再び一礼。
……さて、彼はどう判断しどう動くだろう
邪魔にならなければ良いのだけれど

白椿 > 其方が面白い娘であるからの
そのまま放っておくには忍びない故の?

わからぬぞ
色恋にも其方の知らぬ正義があるやも知れぬからの?
確かめてみたわけでもないのであろ?
少なくとも捨て置けぬ外見ではあるし、見目麗しい乙女であるからの

(薙の容姿を褒めつつくすくすと微笑
相も変わらず会話を楽しんでいる様子だ)

うむ、其方も気をつけるが良いぞ

(飛銀をにこやかに見送った)

竜胆 薙 > 「…貴女が相手では褒められているのかからかわれているのか判別しかねます。
 生憎ですが色恋の経験が皆無というわけでもありませんし」

いい加減わかってきた
この狐は暇つぶしの相手を探しているだけだ
そしてこうやって問答をするのもそのうちなのだろう

悪意は感じないが

白椿 > 褒めておるのであるから、世辞だとしても喜んでおけばよい
髪の手入れからして行き届いておるし、見目麗しいのは事実であろ
普通であれば捨て置けぬ美しさであると思うがの
我であれば放っては置かぬの?

(あまり自覚がないのか分からないが、何にしても見目麗しいことには変わりない
かどわかせるものならそうしたいくらいには、美しい)

竜胆 薙 > 「行きずりの狐に化かされては笑い話にしかなりませんし、言葉だけを受け取っておきます。
 それともこの街では、そんな甘言に唆される人間ばかりなのですか」

くすりと笑みを浮かべて改めて狐に向き直る
見た目は遊女のそれであるが、こと人間への観察力は優れているようにも見える

でなければ、此処落第街を闊歩などできないのかもしれないが

白椿 > 化かされておれば良いぞ
それくらい楽しめる余裕があったほうが良い
其方、少々張り詰め過ぎであるからの
今の笑みは良いであるの、抱きしめたくなるような笑みぞ

(反応を柔らかくした薙に対してはやはり笑顔で応えつつ、褒める
そもそもこの薙という娘、極めて美しいのだ、少々狂った表情も良いが、それだけでは勿体無い)

竜胆 薙 > 「此処は落第街ですから。
 何かを楽しみたいと思って来る場所ではないんですよ、狐さん」

肩を竦めて見せる
大通りを少し歩けば賑やかな歓楽街があるのに、
わざわざ享楽的なものを求めてスラムには来ないというものだ

「私はまだ貴女のことを信用して言葉を交わしているわけではありませんので、
 あまり不用意には触れないことをお勧めします」

白椿 > おお怖。
せいぜい気をつけるとするかの

どうしようと其方の美しさが揺らぐわけもない
なんにせよ、それはそれ

愛でるべきものであるが故

ま、今日はそんなところであろうの
その笑顔を愛でられただけでもよしとするかの

(撫でたい気もするが、はやる気を我慢)

竜胆 薙 > 「表向けの笑顔だけで満足していただけるのでしたらいくらでも」
よいしょ、と太刀を担ぎなおす

「警邏の途中ですから余り貴女に時間を割いてもいられません、
 そろそろ失礼します。
 ……何度もいいますけど、街、出たほうがいいですよ」

くるりと踵を返し、スラムの闇へと消えていく
行く先で、何人かの違反学生が姿を消すのかもしれない……

ご案内:「スラム」から竜胆 薙さんが去りました。
白椿 > 表向け……かの
我にはそうは思わんがの、それも其方であるが故、また真であろうぞ

ま、物事はなるようにしかならぬであるからの
其方がどうなるのであるかそれはそれで楽しみであるの

(相変わらず、楽しそうに微笑しつつその姿を見送った
なんだかんだ言いつつ律儀な娘を可愛いと思いながら)

ご案内:「スラム」から白椿さんが去りました。
ご案内:「スラム」に東郷月新さんが現れました。
東郷月新 > ゴツっと。
鈍い音がして、少年と少女は動かなくなった。
刀は二人の頭から肩口までにかけてを抉るようにして破壊しており、その姿は整然の美しい容姿など見る影もなく、肉塊と形容すべきものになっている。

二人組の幼い暗殺者。
その連携は東郷の身体に24箇所もの傷を負わせていた。
多少深い傷もあり、出血もある。
溜息をついて、近くの廃墟の壁に身体を寄せた。

東郷月新 > 「ふぅ……」

幸い、致命傷は負っていないようだ。
縦走が10箇所、内臓には届いていない。
軽く手当てをすれば大丈夫だろう。
ナイフで抉られた場所は止血が必要だ。
東郷は手持ちの血止めをわき腹に当てる。

東郷月新 > 暫く身体を休める。
この傷では動くのも億劫だ。
誰かが来たら――まぁ、その時か。

衝動が強い。
何かを斬りたいという、欲望。
それが東郷を突き動かしている。

ご案内:「スラム」に帯刀わたいれさんが現れました。
ご案内:「スラム」から帯刀わたいれさんが去りました。
ご案内:「スラム」に帯刀わたいれさんが現れました。
帯刀わたいれ > いつものように落第街に足を踏み入れた日、いつものように馴染みの武器屋を漁る道中……血の匂いを感じた。
普段なら落第街ならよくある匂いと無視するところだったが、なぜだかその匂いが妙に気になった。

体内の妖刀達がやけに騒がしい、一体この胸騒ぎはなんだろうか。
静かな足取りで、匂いの出所に向かっていく。

「……誰か、いますか」

愛々之射鬼と同じ姿、同じ声。
されども身に纏う空気は決定的に違う。
そんな姿が、東郷の視界に入るだろうか。

東郷月新 > 「……おや?」

ふと目をやると。
さて、いつぞやの少年。
何やらこの近くに用事でもあったのだろうか。

帯刀わたいれ > こちらに向けられた視線に反射的に反応し、首を東郷に向ける。
そこには裏社会では悪名高い男と、彼によって殺されたらしき少年と少女の屍があった。

「……東郷、月新」

東郷月新、”裏側”では人斬りとして有名な男だ。
現在は常世島に潜伏しているとの話だったが……まさか出会ってしまうとは。

愛々之射鬼と記憶は共有していないため、彼と会話した記憶は無い。
しかし強烈なデジャウは感じる、この男と話したような気がすると。
そして……彼の体から、確かな愛々之射鬼の呪詛を感じる。

「……”私”は覚えてませんけど、以前”私”じゃない奴と話しました?」

ずいぶんトンチキな質問をしている自覚はあるが、もし一度この体と話したのなら通じるはずだ。

東郷月新 > 「――あぁ、話ましたなぁ。
やけに血の気の多い御仁でしたが」

初めてではないのだが、まるで初めて会ったような物言い。
なるほど、妖刀、とは自身の事だったか。

月新は少年を見やる。
なるほど、人一人斬れなそうな顔をしている。

「が、そちらは小生の事をご存知のようですなぁ」

無理もないか。随分顔も売れているようだし。

帯刀わたいれ > 「……あの駄刀」

どうやらドス野郎が表に出たときに会話したらしい。
王百足はそこまで喧嘩っ早くないし、明らかに愛々之射鬼の呪詛を感じるので十中八九ドス野郎がなんかやらかしたのだろう。

            ”ヒトキリ”
「ええ、知っていますよ殺刃鬼、元ロストサインマスター、凄腕の剣鬼。
 ……見たところズタボロみたいですけど、そこの子達にやられました?」

物言わぬ屍を見下し、東郷を冷静に観察する。
どうやらそこの二人組に相当やられたらしい、致命傷こそ無いが全身傷だらけだ。

東郷月新 > 「いやぁ、お恥ずかしいですなぁ。
小生、飛び道具は苦手でして」

苦笑しながら立ち上がる。
応急手当のおかげで、大分楽になった。

二人組は完璧な連携のスナイパーとナイフ使いだった。
兄弟だったのかもしれない。
ちょこまかと東郷の刀をかわしながらこちらを翻弄してくる戦法にはてこずった。
最終的にはスナイパーの篭る廃屋の床をぶち抜く羽目になってしまった。

帯刀わたいれ > 「ならそちらも飛び道具を使えばいいでしょうに、それとも剣に執着でもしているんですか?」

帯刀は剣士ではあるが、剣に大した執着は無い。
必要なら魔術も銃も使うし、少ない労力で効率良く結果を出せるなら平然となんでも使う。
応急手当にしても魔術を使えば良いものを、この男は使わない。

なんとなく、この男は剣以外に何も持たないのだろうかと思った。

「……というか、貴方からウチの駄刀の気配を感じるんですが。
 ……愛々之射鬼に何かされました?」

東郷月新 > 「あ、小生飛び道具や魔術の才能が一切ありませんでなぁ。
まぁ、人を斬るのには刀二振り、あれば十分ですからな」

けらけらと笑いながら太刀を示してみせる。
東郷は特に強くなる事に執着しない。
彼が執着するのは斬る事だ。
その手で命を叩き割る事で、彼は満たされる。
そうしないと生きていけないのだ。手段ではなく、目的なのだ。

「んー……そういえば、何やら彼に会って以来、妙に誰かを斬りたくなりますなぁ。まぁ、たまにあると言えばあるのですが」

帯刀わたいれ > 「斬ることそのものが目的なんですね……
 ……結果が同じなら斬るのも撃つのも焼くのも同じでしょうに」

要するに、彼は剣の道に人生を捧げているのではなく、斬り殺す業に人生を費やしているのか。
理解は出来ないが、まあそういうサガのやつも居るわなという認識だ。

「やっぱりあのドス野郎、しっかりツバ付けてたんですね……
 その衝動、解呪したいのならしますけど、どうします?」

解呪したいのならするが、別にいらないならしない、そういうスタンスだ。

東郷月新 > 「これが性に合っておりますからなぁ。
柄にも無い事を過ごして生きるには、人生は短すぎますとも」

要はそういう事だ。
東郷は風の吹くまま気の向くままに生き、人を斬る。
それだけの存在という事だ。

「あぁ、出来るならお願いしましょうかなぁ。
ちと他の事に転嫁するにも――食事の量が増えたり、女を抱く回数が増えるのも、なかなか面倒なものでして」

解呪してもらえるならば、これ幸いとしてもらうだろう。
欲望の転嫁は、色々と面倒なのだ。

帯刀わたいれ > 「……随分我欲に正直に生きてるんですね」

あっけらかんとした言葉に、肩をすくめる。
普通の人間にある理性だとかブレーキだとか、そういうものが無いのだろう。
……その性根は羨ましいし妬ましい。

「……それはともかく、解呪したいならサクッと回収します、痛いと思いますけど我慢してください」

そう言うと__無遠慮に一番深い傷口に指を突っ込む。
数秒足らずで体内の呪いをサッと回収し、傷口から指を離す。
指を突っ込まれた傷口は急速に治癒されていく、ちょっとしたサービスだ、このぐらいなら無詠唱でも出来る。

「はい、終わりました」

指に付いた血を舐め、しれっとした顔で言う。

東郷月新 > 「はは、そういう性分でして……っていたたたた!」

いきなり傷口を抉られて驚く。
別に痛みに強いとかそういうわけではない。戦闘中は没頭するせいで痛みを感じないだけだ。普段こんな事をされれば普通に痛い。
が、効き目はあったようだ。

「――お。随分とすっきりしましたなぁ、いやぁありがたい」

帯刀わたいれ > 「呪いの状態からして、掛けたのは大体1ヶ月ぐらい前ですかねぇ。
この段階ならまだマシってところでしょうか」

1ヶ月程度ならまだマシだが、これが一年放って置かれたら相当面倒な状態になっていただろう。
早い段階で解呪できたのは幸運だ、駄刀のせいで誰かが呪われて壊れるのは気分が悪い。

血を舐めたからか王百足が煩い、まあ放っておけば勝手に大人しくなる。
ちなみに血に大した魔力は感じなかった、魔術の才は本当に無いらしい。

東郷月新 > 「呪いですか……まぁ、小生の生き様はそもそも呪いのようなものですからなぁ」

かかと一笑に付す。どうやら気にしていない様子。
傷を治してもらったおかげか足取りも軽い。
あの少女に、何か土産でも買っていってやろうか。

帯刀わたいれ > 「……呪いというより、妖刀ですよ、貴方は」

冷たい顔で、そう吐き捨てる。

「無用心に触れたものを傷付ける刃、斬ることが役割の実戦刀……
 貴方の在り方は刀に似ている、それも大業物の刀」

奇しくもその印象は愛々之射鬼が抱いたものと同じだった。
担い手の心が刀に伝染ったか、それとも逆か。
同じ印象を抱きこそすれ、向ける感情は愛々之射鬼とは違う嫌悪。

「さて、私はそろそろ帰ります、次会うまでに死んでないことを祈ってますよ」

そう言うと、踵を返し立ち去る。

あの男は嫌いだ、見ていると妖刀達を思い出して苛々する。
そして何より__彼の前ではどうしても自身の殺意を思い出す。

「……これだから同族は嫌いなんです」

そう吐き捨てて、落第街から姿を消す。

ご案内:「スラム」から帯刀わたいれさんが去りました。
東郷月新 > 「……おやおや」

随分と面倒な生き方をしているようだ。
妖刀を引き付ける、妖刀のような少年。
さて、彼が望むのは――

「――鞘に収まって使われない刀に、価値などありませんからなぁ」

くっくっと嗤って、彼は踵を返す。
さて、土産は何にしよう。
いつも甘い物ばかりというのも芸が無い――

ご案内:「スラム」から東郷月新さんが去りました。