2016/02/15 のログ
ラウル・ゲレロ > 「こねえ。」

しかし、待ち合わせの時間を過ぎても、例の男は来なかった。
何度も何度も、スマートフォンの着信を確認し、既に10度近く、
こちらからコールしてもいっこうに繋がる気配もなく。

(やっぱ奴さんは運がいいだけのトーシロだな。組んでても得はあるめえ。
 こりゃ、予定を前倒しにして近いうちにぱっくりトっちまうのも悪かあねえかなあ。)

ポケットを探り、つぶれた煙草の箱を取り出すも既に残りはなく
それを舌打ちをしながら、ドラム缶で今だ燻る火へと投げ入れる。

「ン……。」

と、地面に落ちていた吸い殻……いわゆるシケモクが目にとまる。
それを拾い集めると、ゴールドのオイルライターで火をつけ、うまそうにすぱすぱと吹かしはじめて。

ラウル・ゲレロ > 「クソがッ!」

しばらく、シケモクを吹かしていたがそれをも吸い終えると
まるで弾かれたように立ち上がり、既に火も消えて炭が名残惜し気に燻るだけのドラム缶へと蹴りを入れる。

「これじゃ、あのシケた連中の顔を見ながら、
 ポーカーをずっとしてた方がまだましだったな……。」

男はイラつきを隠そうともせず、
そのあたりのゴミに八つ当たりを繰り返しながら、
いずこかへと消えていくのだった。

ご案内:「スラム」からラウル・ゲレロさんが去りました。
ご案内:「スラム」に東郷月新さんが現れました。
東郷月新 > 「――――」

男が刀を一振りする。憐れな少女が一人、無残な死体へと変貌した。

彼女が何か罪を犯したわけではない。何か理由があったわけでもない。
『二級学生』である事以外、何の罪も無い、それこそ無一文の少女だ。

だが、東郷は斬った。事もなげに斬り捨てた。何の事は無い、ただ見た瞬間斬りたくなったからだ。つまみ食いや昼寝と変わらない。

「さて……」

刀を拭うと何事も無かったようにあたりを見回す。

東郷月新 > 周りには誰も居ない。
まぁ、こんな少女に構う暇も無いのが落第街という所だ。
放っておけば肉屋か死体回収業者か黒魔術関係者かネクロフィリアが拾っていくだろう。

歩きはじめながら考える。
そろそろ暖かくなる、花見にでも行くのもいいか。

東郷月新 > 憐れな少女の死体がどうなったのかを知る者はおらず。
男はスラムを後にした

ご案内:「スラム」から東郷月新さんが去りました。